ここから本文です。
日米欧中韓の商標五庁(TM5)は、2016年10月28日、29日、中国昆山において、第5回TM5会合を開催しました。中国において初めての開催となる今回の会合では、ユーザーを交えたシンポジウムが開催され、TM5各庁が悪意の商標出願をテーマに講演を行いました。また、TM5による「悪意の商標出願事例集」の完成に向けた協力が合意されました。
なお、次回TM5会合は欧州連合知的財産庁(EUIPO)が主催することで合意しました。
今回、日本国特許庁より、世界的に出願件数が増加する状況下、さらなる品質管理の重要性が高まることから、品質管理をテーマとする新規プロジェクトの概要及び今後のスケジュールの説明を行いました。TM5各庁からは、各庁の品質管理手法を共有することにより、さらなる審査の質の向上、審査の透明性及び予見性が高まることから、プロジェクト化に向けた調整を進めていくことについて合意しました。
今回、2017年3月までに「悪意の商標出願事例集」を完成させること、完成した事例集をユーザーに広く提供するため、国際商標協会(INTA)※と共催でジョイント・ワークショップを開催すること及びTM5ウェブサイトで公開することについて合意しました。
※国際商標協会(INTA):190カ国の政府機関、教育機関、企業など6700以上の会員からなる団体。
近年、商標が登録されていないことを利用して、第三者が悪意により他人の商標を出願・登録するという、いわゆる「悪意の商標出願」(別紙参照(PDF:234KB))の問題が世界各国で発生しています。TM5各庁でも強い関心が示されており、その対策について協力していくことが合意されています。
今次会合では、会合を主催する中国国家工商行政管理総局(SAIC)の提案により、悪意の商標出願をテーマとするシンポジウムが開催され、中国の商標ユーザーを中心に、200名程度が参加しました。
シンポジウムにおいては、TM5各庁から悪意の商標出願を拒絶する際に根拠となる規定や審査運用、事例などに関する講演が行われ、その後、活発な質疑応答が行われました。また、学識経験者から悪意の商標出願・登録例の紹介、企業からの参加者から悪意の商標出願に対する企業の取組に関する講演が行われました。
[更新日 2018年3月2日]
お問い合わせ |
特許庁総務部国際協力課商標政策班 電話:03-3581-1101 内線2572 FAX:03-3581-0762 |