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令和2年6月1日
日本国特許庁と米国特許商標庁は、新型コロナウイルスCOVID-19の被害に遭われた方々及びそのご家族の皆様に心よりお見舞い申し上げます。被害に遭われた方々の一日も早い回復と、COVID-19の感染拡大の早期の終息を心よりお祈りいたします。
今回の未曾有の危機は、世界経済に大きな悪影響をもたらしています。このような厳しい状況の中で、私達は、私達の社会を支えてきたイノベーションの重要性を改めて認識しています。
日々の報道からも明らかなように、イノベーションが今回のCOVID-19に対抗する強力な武器になることは疑いの余地がありません。人類は歴史の中で、イノベーションの開発と推進によって幾度となく危機を乗り越えてきました。
例えば、在宅勤務やオンラインサービスが一層普及したことは、IT分野におけるイノベーションが経済や日常生活の大きな基盤になっていることを示しています。同様に、パンデミックと戦うために使用される医療技術も、発明によって絶えず生み出されてきました。このような発展は、イノベーションを奨励し保護する強固な知的財産制度によって可能となりました。
危機を乗り越える原動力となる、世界中のあらゆる発明者の方々に、日米両庁は心からの敬意を表します。両庁は、発明者の皆様に引き続きイノベーションを生み出していただくために、可能な限りの支援施策を講じることで、発明者の皆様に寄り添っていきたいと考えています。
まず、日米両庁を含め世界の様々な知財庁は、この世界的危機の状況における発明者や出願人を支えるために、各種手続の期限の柔軟化など、できる限り多くの措置を打ち出しました。
また、日米両庁は、世界のイノベーションを支えるために、速やかで安定的な特許権を設定することの重要性を認識しています。
両庁は、そのような目的を達成するため、長年にわたり緊密な協力関係を築いてきました。早期審査プログラムの整備はもちろんのこと、2006年に開始した特許審査ハイウェイや、日米協働調査、グローバル・ドシエ構想など、発明者の皆様をグローバルに支援するための取組を、互いに手を取り合って実現してきました。
さらに、日米両庁では、関心のある方々がライセンス可能な特許に関する情報に容易にアクセスできるように、データベースをそれぞれ整備しました。これにより、様々な関係者が必要な情報に円滑にアクセスできるようにすることで、特許技術の自主的なライセンシングとCOVID-19対策に有効な発明の商業化の促進も支援しています。
日米両庁は、革新的な技術の普及と活用により、危機は乗り越えることができると信じています。両庁は、今後も投資とイノベーションの促進に向けた取組を推進すべく協力していくことを約束します。
日本国特許庁長官
松永 明
米国特許商標庁長官
Andrei Iancu
[更新日 2020年6月1日]
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