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2022年11月9日
10月24日から26日にかけて、日米欧中韓による商標五庁(TM5)年次会合がベルギー・ブリュッセルで開催され、日本国特許庁(JPO)からは野村審査業務部長等が出席しました(中国国家知識産権局(CNIPA)はオンライン参加)。
今次会合は、TM5が10周年を迎える記念すべき会合であり、会合冒頭では、濱野長官をはじめとした各庁長官からのビデオメッセージや、世界知的所有権機関(WIPO)のタン事務局長からの挨拶がありました。また、10周年を迎えるに当たり、TM5の今後の目標(「TM5 Joint Vision Statement at the 10th Anniversary of the Cooperation 」)等の採択を行い、商標システムの改善、商標実務の調和、幅広いユーザーグループとの協力の継続に向けて取り組むことを再確認しました。
会合では、JPOが主導する「悪意の商標プロジェクト※1」、「商標審査を補助するITツールプロジェクト※2」、「ユーザー参画プロジェクト※3」を含む16の協力プロジェクトと1つの新規提案プロジェクトについて、成果の確認と今後の進め方について議論を行いました。JPOが担当するプロジェクトに関しては、「悪意の商標出願プロジェクト」について、悪意の商標出願に関する報告書の改訂版、及び、拡充版事例集のダイジェスト版の公表について合意しました。また、TM5での取り組みの成果を広める啓発セミナーを定期的に開催すること、及び、次回のセミナーを来年2月にフィリピンで開催することについて合意しました。
また、「商標審査を補助するITツールプロジェクト」について、今年に引き続き、来年も専門家会合を開催することを提案し、全庁より賛同を得ました。
さらに、「ユーザー参画プロジェクト」については、2023年5月のINTA(国際商標協会)年次総会内で次回の「TM5ジョイント・ワークショップ」を開催すること、及び、当該ワークショップのテーマを「TM5各庁における商標の使用証明」とすることで合意しました。
会合の最終日には、業界団体・代理人団体等のユーザー代表者を対象としたTM5ユーザーセッションが開催されました。開会冒頭では、ジョルナ欧州委員会域内市場・産業・起業・中小企業総局長等から挨拶がありました。ホストである欧州連合知的財産庁(EUIPO)から今次会合の総括を報告し、10周年の記念冊子を公表するとともに、各庁からそれぞれの最新施策についてPRを行いました。また、「新技術が知財庁及びビジネスに与える影響」をテーマとしたユーザー代表者による講演や、TM5のプロジェクト・活動に関するディスカッションを通して、ユーザーとの意見交換を実施しました。
なお、来年のTM5の会合は、韓国特許庁(KIPO)が主催することで合意されました。
JPOは、引き続きTM5の取組を通じて、商標権の適切な保護と活用を促すことに貢献して参ります。
濱野長官のビデオメッセージ
年次会合に参加した各庁代表者
現地参加した、左から、野村審査業務部長、アーシャンボー長官(EUIPO)、タン事務局長(WIPO)、グーダー商標局長(米国特許商標庁(USPTO))
各庁現地参加者
(写真提供:EUIPO/Nicolas Economou)
ユーザーセッションの様子
ユーザーセッションに現地参加した日本のユーザー代表者(写真中央の3名)
[更新日 2022年11月9日]