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職務発明制度に関する調査研究委員会 第5回委員会 議事概要

職務発明制度に関する調査研究委員会

第5回委員会 議事概要

1. 日時

平成25年8月29日(木曜日)15時00分から17時00分

2. 場所

特許庁16階 共用会議室

3. 委員長

後藤晃 政策研究大学院大学教授

4. 議題

  • (1)委員からの報告1
  • (2)委員からの報告2

5. 議事概要

議題(1)

  • 労働組合に対する聞き取り調査によれば、現行特許法第35条に対する企業の対応は、企業の従業員数だけでなく研究者数の規模によっても異なるという結果が見られた。
  • 現行特許法第35条に関する判例の蓄積は実質なく、法改正を早急に行う必要性は感じられない。ただし、チームで研究開発がなされる場合に発明者だけが対価を受領することにより生じるチーム内での不公平感の問題については理解できる。
  • 大企業だけではなく中小企業における現行特許法第35条の運用の実態についても把握する必要があるのではないか。
  • 発明者への対価の支払に対して発明者以外の社員が感じている不公平感が平成16年特許法改正後に増加したという調査結果が示されているが、職務発明制度が少しずつ知られてきたことにより不公平感も増加したという可能性も考えられるのではないか。

議題(2)

  • 我が国の著作権法では、職務発明とは異なり、第15条及び第29条において、一定の条件の下、法人帰属かつ報酬請求権無しという規定を定めている。
  • 特許法と著作権法とでは、目的、権利の発生、権利の性質、権利の客体、人格権の内容でそれぞれ相違点があるものの、両制度の効果の相違を基礎付けるほどの大きな相違があるとは必ずしも言えないのではないか。
  • 著作権法第15条及び第29条については、権利の円滑な利用の促進が重視される一方、自然人クリエイターの権利ないし利益が重視されないなどの批判がある点に留意が必要。
  • 著作権法第15条では、財産権である著作権に加えて著作者人格権まで法人に帰属させているが、著作権法第15条と比較して職務発明に係る権利の帰属の問題を考える場合、人格権についてまで考える必要はなく、財産権だけに絞って議論をした方が良いのではないか。
  • 著作権法第29条は、財産権である著作権を映画製作者に集中させることにより、映画の活用を促進する役割を果たしているように思われる。職務発明に係る権利の帰属の問題を考える上で参考になるのではないか。
  • 著作権法第15条及び第29条について、仮に報酬請求権を認めるとなると、著作物の発生の頻度が高いため、報酬の計算において、使用者だけでなく権利者にとっても煩雑な手続が発生すると思われる。同様のことが職務発明に関しても言えるのかどうか、よく考える必要があるのではないか。
  • 著作権法に法人帰属かつ報酬請求権無しの規定があるからといって、そのことから直ちに特許法はどうすべきなのかという議論につながるわけではない。特に第29条に関しては監督等に報酬請求権を与えるべきだという見解も存在する。
  • 職務発明の場合には発明者帰属で対価請求権があるのに対し、職務著作の場合には法人帰属で報酬請求権もないことから、特許法第35条と著作権法第15条とでは効果が全く異なるため、職務発明の範囲や職務著作の範囲といった要件を絞る必要があるのかという点も議論のポイントと考えられるのではないか。

6. 海外情報拠点からの情報収集について

各委員から、雇用制度も含めた調査や報奨(補償)の実務に関する調査など、海外情報拠点から情報収集する上で参考となる御意見を頂き、当該意見を反映して海外情報を収集する方針について委員長から御了承を頂いた。今後、当該方針に沿って海外情報拠点からの情報収集手続を進めることとした。

7. 今後のスケジュール

職務発明制度と労働法制について議論を行う予定。

※平成25年度産業財産権制度問題調査研究「企業等における特許法第35条の制度運用に係る課題及びその解決方法に関する調査研究」

[更新日 2013年9月20日]

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