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第12回委員会 概要

職務発明制度に関する調査研究委員会

第12回委員会 議事概要

1. 日時

平成25年12月25日(水曜日)10時00分から12時00分

2. 場所

特許庁16階 特別会議室

3. 委員長

後藤晃 政策研究大学院大学教授

4. 議題

企業向けアンケート調査集計結果の概要報告(事務局)及び全体討議

5. 議事概要

議題(1)

  • 企業向けアンケート調査結果の概要を報告した。アンケート送付先は、大企業及び中小企業の合計2,485者であり、アンケート回答数は1,086者であった(回答率は約43.7パーセント)。今後、アンケート調査結果の分析を行う予定である。
  • 職務発明制度に関する運用上の問題はないと回答した企業は約4割であることから、圧倒的多数の企業で運用上の問題が発生しているとまではいえないのではないか。また、運用上の問題があると回答した約6割について、その理由を見ると、特許法第35条第4項に係る手続負担があげられており、その点については理解できる。
  • 年間特許出願件数の多い企業ほど職務発明に関する運用上の問題を抱えている可能性が高く、出願件数の多い企業と少ない企業を同列に論じることは必ずしも妥当ではないのではないか。出願件数規模別での分析が有用ではないか。
  • 職務発明に関する報奨金が、研究者の発明へのインセンティヴを向上させている、もしくはどちらかといえば向上させていると回答した企業が約75パーセントであるが、報奨金を実際に受け取った研究者のインセンティヴが向上しているとしても、報奨金を受け取っていない研究者や研究者以外のチームメンバーのインセンティヴが向上していると言えるのかについては、疑問である。
  • 組織がイノベーションを目指して研究開発を進める際に重要な要素として、研究開発組織のチームワークの良さよりも、研究者・技術者個人の能力の高さを挙げる企業の方が多かったという点は、参考になる結果ではないか。
  • 職務発明の取扱いに関して、発明者との間でトラブルになった経験がある企業は数パーセント程度であり、比較的少ないように感じられる。
  • 職務発明の取扱いに関するトラブルがそれほど多くないとしても、職務発明の問題については、実際に社内でトラブルが起きた場合、トラブルとなった従業員以外の他の従業員への影響についても考慮して考える必要があるのではないか。
  • 企業の業種によっても特許出願件数の傾向は異なり、職務発明制度の運用面でも異なる点があると考えられるため、業種別にクロス集計を行うことも有用ではないか。
  • アンケート自由記載欄への回答は、現行の職務発明制度の問題点を把握する上で重要なデータであり、回答意見の内容を参酌することは有用である。
  • 企業が実績報奨金を支払っている理由の1つとして、「特許法第35条に定められているから」が示されているが、この解釈として、特許法の趣旨に沿った形で積極的に報奨金を発明者に支払っているということなのか、それとも、法律に規定されているから仕方なく払っているということなのか、両方の解釈があり得るのではないか。
  • アンケート自由記載欄の回答は少数意見であるため、回答意見の内容を参酌することは有用であるものの、定量的な取扱いに適していないことに留意すべきではないか。

6. 今後のスケジュール

企業向けアンケート調査結果も踏まえて、引き続き、職務発明制度の課題を議論する予定。

※平成25年度産業財産権制度問題調査研究「企業等における特許法第35条の制度運用に係る課題及びその解決方法に関する調査研究」

[更新日 2014年1月20日]

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