1.日時・場所
日時:平成25年8月26日(月曜日) 10時00分から11時40分
場所:特許庁庁舎16階 特別会議室
2.出席者
野間口分科会長、相澤委員長、蘆立委員、飯田委員、城山氏(市毛委員代理)、河野委員、小島委員、櫻井委員、高倉委員、長澤委員、野坂委員、古谷委員、南委員、八木委員
3.審議内容
- これまでの弁理士制度見直しについて(事務局説明)
- 弁理士法の施行状況について(事務局説明)
4.委員からの意見
検討の視点
- 単なる5年目見直しではなく、日本再興戦略における知財の役割、そしてその中核人材としての弁理士の位置づけを踏まえ、「グローバル化」「中小企業」などの観点にも光を当てた検討が必要。
- これまでの改革の結果、弁理士の量的拡大を図り、質的にも大きな問題が生じていないということなら、大きな方向性は間違っていなかったと評価。他方、想定していなかった結果や情勢変化には、柔軟かつ機動的に対応すべき。
- 過去の改正法案審議の附帯決議で懸念されていた問題点などについても、現時点での検証はなされるべき。
- 今後5年間の知財を巡る情勢の変化を見据えた制度にするという視点も必要。
- 弁理士は、これまで量・質ともに改善されてきたと評価。今後、グローバル化の中で知的財産及びその担い手の弁理士の役割は一層高まるため、弁理士が国内外で活躍できるような制度にすべき。
弁理士の現状
- 知財ビジョンや知財推進計画2013に謳われた弁理士への期待はユーザーである企業の立場に合致しているが、弁理士の現状との間には大きな乖離あり。この乖離をいかに短期間で埋められるかが重要。
- 弁理士の質が低下しているという評価も一定割合あることに留意すべき。
- 弁理士は非弁理士を知識で上回っている。他方、海外ビジネスや知財紛争の経験には、大きなバラツキがある。積極的に経験を積んでいる弁理士には素晴らしい者も多いので、トータルで見ると、弁理士の質はあまり変わっていない。
- 大企業では、弁理士ごとの強みを見極めて選択し、それらに応じた実務経験を積んでもらうことで、弁理士の質の向上を図っている。
- 最先端の技術に対応できる弁理士や、大学では自己実施しないことを踏まえた対応のできる弁理士が見つからず、産学連携に支障。専門技術分野の研修の強化や、大学の要請に対応できる弁理士へのアクセスを容易にする方策も考えて欲しい。
- 総合力への期待から、大規模事務所へ仕事が集中し、また、弁理士自身の大規模事務所への集約化も進んでいくと思われる。それを見据え、集約化の阻害要因の存否の検証も必要。
- 大規模事務所のみならず、一人事務所も増えており、その質の向上のために研修制度は非常に重要。
- 弁理士に求められる能力が多様化する中で、入口としての弁理士試験だけでなく、その後の研修なども含め、どこでどの能力を確保すべきか、整理すべき。
グローバル対応
- 我が国企業の外国への出願が増えていることに鑑み、企業の国際的なグローバル知財管理戦略を支え得る弁理士の研修、育成策の強化が必要。
- 企業として真に活用するつもりの有為な特許の出願は海外にシフトしている現状を踏まえれば、弁理士には外国語はもとより、外国の代理人を使いこなすためのコミュニケーション能力や、海外現地の法制や運用実態に関する知識が求められる。現状では、弁理士自身にはそうした能力が欠けていることが多く、大手事務所所属の外国技術スタッフが補完。海外での異議申立や口頭審理の実践経験も、企業側の方が豊富で、弁理士には少ないという乖離あり。試験や、模擬裁判などの事後研修などで制度的に担保することの検討も必要。
- 今後の情勢変化を見据え、日本が出遅れているインド、ブラジル、アフリカなどの新興国への知財対応をサポートできる弁理士の育成も必要。
地域・中小企業等への対応
- 日本再興のためには中小企業・地域経済の再生もポイントだが、そこにも弁理士の強い貢献が求められる。その意味で、弁理士の地域的偏在は問題であり、特に地方ブロック中枢都市の弁理士の数が増えていないことは憂慮すべき。
- 地域偏在に関しては、弁理士が地方にいればいいというのではなく、大都市の総合力のある大規模事務所へのアクセスを容易にし、全体としてサービスの中身を向上させるという視点が必要ではないか。
- 中小企業に対応する弁理士には、経営的視点への理解や、知財について幅広く何でも知っているという総合力が求められる。そのための研修も検討されるべき。
- 中小企業にとっては、単に出願して権利が取得できれば良いということではなく、紛争に対して強いなどの質の確保が非常に重要だが、そうした弁理士を見つけるのが困難。中小企業に分かりやすくし、また、能力も高くしてほしい。
弁理士の活動範囲拡大
- 既往の業務範囲拡大にかかわらず、その部分での弁理士の活動実績が少ないのであれば、サポート方策も考えるべき。
- ユーザーのニーズ把握は非常に重要。過去の業務範囲拡大が、真のニーズを捉えていたのか検証が必要。新たなニーズについての議論も慎重にされるべき。
その他
- 弁理士試験において口述段階で落ちる者が増えているが、受験者から見て公平・公正なシステムへの改善のため、法律面も含めた議論が必要。
- 最新の技術が分かり、日本の知財を今後リードしてくれそうな若い世代の弁理士参入をもっと促すべき。
[更新日 2013年9月13日]
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