第7回弁理士制度小委員会 議事要旨
1.日時・場所
日時:平成27年3月24日(火曜日) 16時30分から18時06分
場所:特許庁庁舎16階 特別会議室
2.出席者
相澤委員長、蘆立委員、飯田委員、市毛委員、北村委員、河野委員、櫻井委員、高倉委員、長澤委員、野坂委員、古谷委員、柵木委員、南委員
3.審議内容
- (1) 弁理士法の改正について
- (2) 弁理士試験制度の改正について
- (3) 日本弁理士会の取組について
4.委員からの意見
弁理士法の改正について
弁理士試験制度の改正について
- 弁理士試験の志願者数が減っていることは大変気がかり。弁理士は魅力的な職業であり、若い世代がたくさん志望して、日本の知財立国をリードするような好循環が期待されるところ、一連の弁理士会の取組を踏まえて、右肩下がりの志願者数が反転し、若い人材がどんどん入ってくるような努力を引き続きお願いしたい。
- 特許出願件数が減っている一方で、弁理士数が増えているため、弁理士の志願者数が減るのは仕方がない。出願件数の減少は、経営が苦しくなった企業において知財コストをカットしているトップが多いためであるが、これは明らかに間違い。ビジネスの多様化の中で、B to Bの仕事が増えており、知財の役割はますます重要であることを啓蒙していかなければならない。弁理士会のみならず、特許庁やここに集まっている有識者が経営や事業のトップ層に訴えていくことがカンフル剤となる。出願件数が何倍かになれば当然志願者数は増えるはずである。
- 平成12年以前と今の状況を比較すると、今はジェネラルな若い人達が知財部に入ってきているので、知財業界は活性化している。国内出願件数は減っていても、グローバルな出願は増えているが、その際、必ずしも弁理士資格が必要とはなっていない。知財の仕事にかかわる人口は増えているので、弁理士の位置付けをどうとらえるのかであろう。
- 平成28年度に試験が変わることに伴い、試験データを長期的に分析していくことが必要。
- 弁理士試験の試験部会長として、この試験制度の見直しの具体的な実行について、趣旨を踏まえて的確に実行できるように努める。
日本弁理士会の取組について
- 平成26年度弁理士白書でも明らかなように、企業内弁理士がこの10年間で増え、既に全体の20%を越えている。今後も増えていく見込みとのことだが、こうした方々は将来の特許事務所勤務の予備軍というよりは、企業の中で知財関連業務を行っている者であり、他人のために業務を行う事務所内の弁理士とは違う人達である。こうした企業内弁理士をどのように位置付け、どのように研修・活用して、もって日本全体としてのイノベーションに貢献する力に取り込んでいくかが重要。
- 中小企業は手続の流れ自体を知らないので、それぞれの段階で特許の手数料や弁理士費用について、よく説明していただきたい。説明の義務を果たして欲しい。また、秘匿化と権利化についても、よくアドバイスして欲しい。弁理士ナビについては、得意なものはたくさん載っているので誰に頼んだら良いかわからない。むしろ不得意な分野を掲載して欲しい。また、弁理士会で中小企業の知的財産認識度チェックシートの雛形を作って欲しい。中小企業に対して知財の裾野を拡大することが、日本の技術立国としての利益につながるのではないか。
- どのような出願をしたことがあるかについて関心が高いので、弁理士ナビでは、専門・技術分野の実績を示して欲しい。また、コンサルティング能力の向上のための研修としては、現状の研修内容では不十分であり、企業が開催しているようなライセンスや技術の理解を深めるようセミナーを導入して欲しい。また、コンサル業務については、出願業務から独立しないと内容の質が担保できないのではないか。
- 会員処分スキームにおける委員会の外部委員には産業界からも登用することを検討いただきたい。情報遮断措置の徹底については、大事務所のみでもいいので、弁理士会で監査を実施した方が良い。コンサル業務において発明発掘を行うには技術やビジネスの理解が必要。産業界も協力するので、交流会の開催や意見を聞きに来ていただければ、中小企業における発明発掘にも一助になるのではないか。
- コンサルは、ビジネス経験が無く座学を受けただけの弁理士にはちょっと頼めない。特許事務所で明細書ばかり書いている人が多い弁理士が、オープンやクローズなどビジネスの理解が必要となる部分について、どこまで理解していくことができるかは、短期的には難しく、今後考えていくべき大きな課題である。
- 裁判所においても、充実した迅速な審理の実現には、代理人による適正かつ的確な訴訟活動が重要。実務能力向上のための研修については必要とする方が全て受講できるように取組を継続していただきたい。
- 弁理士会でこのような広範な取組が行われたのは、弁理士制度の5年後見直しにより、この委員会で出た意見を踏まえて行われたものと承知しているが、このような意見を常時取り込めるような仕組みを弁理士会で検討いただきたい。
その他
- 弁理士会への苦情申立や処分請求、特許庁への懲戒請求など、依頼者には複数の手段があるが、それらを経るうちに時間がかかってしまうという問題がある。登録料等の預り金を横領して、自転車操業で手元に残っておらず納められなくなっているような場合など、悪質で類似の被害が継続して起きる可能性が高いものについては、早期に公表することで被害の防止を図ることを検討いただきたい。
[更新日 2015年4月8日]
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