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第14回弁理士制度小委員会 議事要旨

1. 日時・場所

  • 日時:平成31年3月19日(火曜日) 15時00分から16時52分
  • 場所:特許庁庁舎7階 庁議室

2. 出席者

  • 南委員長代理、蘆立委員、飯田委員、市毛委員、加藤委員、坂本委員、櫻井委員、髙倉委員、長澤委員、森岡委員、渡邉委員

3. 審議内容

  • (1) 前回までの御意見等に関するフォローアップ(報告・討議)
  • (2) 弁理士制度に関する最近の課題について(報告・討議)

4. 委員からの意見

前回までの御意見等に関するフォローアップ

(利益相反について)

  • あらゆる業界で、AI・IoT化が進んでおり、近年、弁理士業務の利益相反が発生しやすくなっている。他方、厳しくし過ぎると、仕事にならない。日本弁理士会がガイドラインを作ると、仕事がしやすくなるのではないか。
  • 利益相反について、弁護士の場合も、限界事例では意見が分かれるように、難しい問題。そのため、コンフリクトチェックも必要だが、その前に共同事務所における利益相反規制を設け、依頼者に対する忠実義務を果たすと守秘義務違反になってしまうような、絶対受任できないものと、当事者が同意すればよいものを整理すべきである。
  • 利益相反について、公正さの担保も重要だが、一人の弁理士が担当している企業とコンフリクトのある企業について大規模事務所全体で禁止されると影響が大きい。禁止すべきものとそうでないものを整理していただきたい。

(魅力の向上について)

  • 魅力度向上のため、日本弁理士会では、20~30代のビジネスパーソンをターゲットにした広報活動を行っている。その趣旨は、若者の方がインターネットを使った発信力が高いため。なお、学生向けの支援(弁理士の出前授業)も行っている。
  • 弁理士試験の志願者を増やすには、就職説明会に日本弁理士会が出展するなどして、学生に弁理士の面白さを伝えることが考えられる。川中にあたる出願代理だけではなく、中小企業や農家に対し、川上である研究開発や川下である商業化の支援を行うことは国家的なニーズもあり、収益にもつながり、若手の意欲につながる。そのためには、弁理士の自己研さんと他士業との人的ネットワークの構築が重要である。もっとも、弁理士のコア業務は、明細書の作成である。川中の専権業務をコアとしながら、川上や川下を含め全体において利益を出していくことは弁理士でないとできない。

(その他)

  • グローバルな弁理士の育成には、海外事務所に派遣し、育成する方法も検討してはどうか。
  • 「専門的知見を有する弁理士を紹介する仕組み」ができればよい。「専門性」の基準について、例えば、コンサルであれば、企業で知財戦略に携わった経験が専門性の担保になるかと思う。ナビでバックグラウンドも記入出るようにしたらどうか。

弁理士制度に関する最近の課題について

(魅力の向上について)

  • 知財管理技能士試験ではポスターを貼っているが、弁理士試験も、分かりやすいキャッチコピーを付けたポスターを貼ってはどうか。
  • 弁理士の認知度向上のためには、知財の理解が前提であるが、若年層に浸透していない。遠回りでも、知財教育を通じて、弁理士の存在・魅力を発信することが重要ではないか。
  • 若手が弁理士になりたいと思えるようにすることは重要。そのためには、知財教育の機会といった地道な努力のほか、目立つ事例も必要。例えばメディアで弁理士の活躍が取り上げられるよう、日本弁理士会から働きかけてもらいたい。その際、特定の弁理士が目立つことを問題視せず、特徴のある弁理士に目立ってもらうことで、制度全体として弁理士に目を向けてもらうこともあってよいのではないか。
  • キャラバン事業による課題解決策の実践を支援することは、重要。そのほか、弁護士の活躍はドラマなどで目にするが、弁理士の活躍もそういう取り扱われ方がされれば弁理士業務の面白さが伝わるのではないかと思う。
  • 知財部の志望動機は、「経営への関与」「国際的な活躍」「人の役に立つ」、の3つが多い。活躍されている弁理士がいれば興味を持ってもらえる。大企業担当の弁理士は、最新の技術トレンドに触れられる魅力、中小企業担当の弁理士は、経営に近く、コア技術に触れることができる魅力、というように、依頼者によって魅力が異なる。お互いのよいところを意見交換できる工夫があれば良いのではないか。
  • 弁理士試験の志願者数が他士業と比較して大幅に下がっているが、2000年当時と比較すれば、今の志願者数が平常と見ることができるかもしれない。他方、弁理士の魅力を若手に伝えることは重要。東京の私大には司法試験や国家公務員試験などに関する国家試験指導センターがあるが、弁理士試験については指導を行っていないのではないか。
  • 「専門性」「創造性」「国際性」「経営への関与」という魅力をもつ職業は、弁理士に限らない。弁理士ならではの時代を経ても不変なコアバリューは、国を支える重要な資源である知的財産を扱うこと。弁理士の使命を分かりやすく伝える方が良いのではないか。

(事業承継について)

  • 事業承継の問題は、高年齢の弁理士に限らず、高年齢の方でなくても急な体調不良で期限徒過することはあり得る。せっかく良いサービスを提供していても、トラブルになりかねないので、安心して依頼できるように、弁理士の質の担保の一環として取り組んでほしい。
  • 不測の事態に備えている高齢の弁理士は、3割弱であるが、日本弁理士会では、マッチングセミナー、マッチングシステム、相談窓口を用意して、承継問題に対応している。また、必要に応じて、個別訪問するスキームもある。それでも十分とは思っていない。さらなる対応を考えていきたい。
  • 承継問題のための一人法人化は、課題と対策が対応していないのではないか。更に議論が必要。
  • 承継問題については、バックアップ体制の構築の観点からマッチングの促進を期待する。
  • 承継問題について、弁護士において、不祥事を起こすのは高齢者が多い。市民からの信頼を維持しつつ、段階的な承継を行うためにも、高齢者が中堅・若手と一緒になって仕事をする取組をしている。

(その他)

  • 現行の弁理士試験の免除制度は、知財専門職大学院の創設を背景に、平成19年に導入された。しかし、募集を停止した大学院もあり、状況が変化している。免除を受けた者の合格率も勘案し、現行の制度が適切か、分析・議論が必要。また、士業の試験で口述試験を維持しているところは、少なくなっており、見直しが必要。
  • 農水知財は、遠くない将来にニーズが出てくるのではないか。農家とのコネクションをつくるには、たとえ人数が集まらなくてもセミナーを開催し、動画配信して広げる方法もある。

以上

[更新日 2018年4月19日]