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中山委員長 |
時間でございますので、ただいまから産業構造審議会知的財産政策部会の第2回弁理士制度小委員会を開催いたします。 |
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稲垣秘書課長 |
それでは、議事に入ります前に最初に前回の第1回の委員会で御欠席されました委員が今回御出席になられておりますので、御紹介させていただきます。 |
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大渕委員 |
ただいま御紹介いただきました東京大学の大渕でございます。前回は海外出張中のため、やむを得ず欠席いたしまして失礼いたしました。 |
稲垣秘書課長 |
ありがとうございました。 |
中山委員長 |
それでは、事務局より配布資料の説明をお願いいたします。 |
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小林弁理士室長 |
それでは、配布資料の確認をさせていただきます。 |
中山委員長 |
不足はございませんでしょうか。 |
中山委員長 |
それでは、早速、議事に入りたいと思います。初めは「弁理士試験のあり方について」の資料に基づきまして、事務局から説明をお願いいたします。 |
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稲垣秘書課長 |
それでは、お手元の資料1に基づきまして弁理士試験のあり方について御説明をさせていただきたいと思います。 |
中山委員長 |
ありがとうございました。 |
神原委員 |
ただいま御説明いただきました中で、特に6ページの弁理士試験の試験範囲についてちょっと意見を申し上げさせていただきます。 |
中山委員長 |
その点につきまして、何か御意見をお願いします。 |
中山委員長 |
では、谷委員からどうぞ。 |
谷委員 |
平成12年の法改正時と今回と状況が違っている点が1つございます。それは平成13年以来知財立国構想ができてきまして、現状の規制緩和に沿った数の増大ということだけではなくて、やはり質的な向上も現在では非常に重要となっている点。それから、もう1つは、現在の知財推進計画を見ましても、弁理士にとって1つ期待されていることとしまして国際競争力のある弁理士ということが言われているわけです。その点に鑑みますと、やはり条約につきましては、現在のように、例えば商標法に関する出題の中で出てくるという部分はもちろんありますけれども、こういうような散発的な国際条約についての知識を問うのではなくて、やはり条約を1つの科目として系統立った理解を見ることが国際競争力ある弁理士を目指すことに合致するのではないかと思っています。 |
中山委員長 |
では、相澤委員、どうぞ。 |
相澤委員 |
全体的なことについて、前回の改正と今回の見直しとで基本的な考え方は変わっていないということを確認したいと思います。推進計画2006でも弁理士の大幅増員ということが計画の中に掲げられています。制度改正に当って、参入制限として理解されるような改正は避けなければならないということが基本であると思います。したがいまして、科目の整理につきましてもこの視点を念頭に置く必要があると思います。 |
中山委員長 |
その点につきまして何かほかに御意見がありましたらお願いします。 |
野坂委員 |
この関連で伺いたい。そもそも試験制度の改革というのは若くて有為な人材を広げましょうという話であったということですけれども、先ほどの説明では平均年齢34歳ぐらいで変わらないということは、余り若くて有為な人材が広がったという評価はできないのではないかと思うんです。その背景、要因というものをよく分析した上で試験制度を考えるべきだと思います。その中で条約は特に焦点だと思いますけれども、どうなんでしょう。今のお話でも論文に入れるべきか、あるいは現状のままでいいかという大きな論点がありますが、私は若い人材を幅広く求めるのであれば、今のままでもいいのではないかと思います。後段の議論で出てくるのでしょうけれど、研修とのリンケージといいますか、組み合わせといいますか、そこで何らかの手段、あるいは対応を考えれば可能なのではないかと私は考えます。 |
中山委員長 |
他にこの点につきまして御意見がございましたらお願いします。 |
大渕委員 |
2点ありまして、まず1点目は、資料の6ページから7ページの平成17年度の試験を調べられた結果では条約に対する正答率その他について特に有意な差はないということが客観的なデータとしてあるわけですが、他方、先ほど近年の合格者では条約に関する知識、能力が不足している例が見られるというのは、どのように理解すればいいのかというところを何かありましたらお伺いできればと思います。例えば試験としては条約はできているのだけれど、実務上での知識は身についていないというような試験自体の結果と実務的能力との間の乖離というような話に結びつくのか、それとも試験内容自体の問題というような話なのか、そのあたりに関して、先ほどの現状認識という話とこの客観的なデータとの関係をどのようにとらえたらいいのかというところをお伺いしたいのが1点であります。 |
中山委員長 |
短答式と現場の弁理士先生の意識の落差、これについて原因はなかなかわからないのでしょうけれども、何か御感触でもございましたらお願いします。 |
神原委員 |
私ども弁理士はどうしても日常の業務とのつながりでいろんな法律も考えますが、条約もまさしくそのとおりでして、日常の業務と条約をどういうふうに結びつけているか、あるいは結びつけるべきなのか、そういったことが非常に大切なことになります。本当に条約を法学的にどうなのかということではなくて、条約の規定に関する知識、これはもちろんでございますけれども、それをどのように応用するか、あるいはどうやって条約の面からこれはいいとか悪いとかというのか、そういったような実務に即した判断、これが非常に重要になってくるのですけれども、そのあたりが単なる知識を問うだけでは養われません。どうしても理論的な考え、あるいは基本的な理解からその条約というものに踏み込まないと、なかなかその辺の力が出てこないということかと認識しております。 |
中山委員長 |
他に何かこの点で御意見ございましたらお願いします。 |
澤井委員 |
今の条約のところはよくわからないのですけれど、我々クライアントサイドで仕事をお願いしている弁理士さんには、特徴的な点が2点ぐらいあるかと思います。1つは、独占排他的な権利をつくっていくプロセスにかなり密接に絡んでいるということと、もう1つは取得した権利の維持や活用にかなり関わっているということです。この特徴的な点をしっかりやってもらうために、試験そのものと研修をセットにして考える必要があります。知識と資質と実務能力、この三つを試験と研修のそれぞれの場でどうやって問うのかということに帰着するのだと思います。多分、短答式試験は知識を問うのがメインになっていて、さっき大渕委員もおっしゃったように、論文試験は論理能力とか表現能力のところをかなり問うていて、実務のところは試験に受かった後の研修でやることになるのだと思います。この中で、論文試験は論理能力とか表現能力だけを問うのではなく、処理能力を問う要素もあると考えるのが良いと思います。クライアントサイドからみると、弁理士は一定量の仕事をある一定の時間の中にどれだけ的確かつ正確に処理できる能力があるかというところも大事な点です。そのような処理能力を測る意味では、論文試験で一定量の科目を課して、一定の時間の中で論文を作成する力を試すことも必要であるのかなという感じがします。先ほどの御説明の資料で、試験科目を少しずつ免除しているという他の資格制度の話もありましたけれど、弁理士の論文試験ではそのような形にはしないほうが良いと個人的には思っています。論文試験に関しては、ある一定量(決まった科目数の問題)を一定の時間の中で処理(論文作成)することを通じて、合わせて論理の構築力とか表現力を問う形にした方が良いと思います。試験の負荷を軽くすることが、必ずしも良いとは限りません。ある負荷がかかったときに、それを効率的かつ的確に処理する能力も試しておくことは大事なことです。 |
中山委員長 |
他にこの問題につきまして御意見ございましたら、お願いします。 |
戸田委員 |
試験制度に関しては、産業界は1つにまとまっておりませんし、どちらかというと今のままでいいのではないかという声は比較的多いですね。今から申し上げるのは私の私見というか個人的な考えです。 |
中山委員長 |
ありがとうございました。 |
前田委員 |
後半での話題でもあります研修制度の方との絡みになってくるのかもしれませんが、大学側はとにかく質の高い弁理士の方にたくさん出ていただきたいということだけです。前回も申しましたように、先生の論文をいただいてクレームを広げることのできない弁理士の方が存在するとたいへん困ります。大企業や、きちんとした企業であればそのような方にお願いしませんし、企業の側では、自分たちの製品に関わってきますので、クレームなどはきちんと自社で問題なく見ることができるような状態だと思います。 |
中山委員長 |
では、相澤委員どうぞ。 |
相澤委員 |
資格試験というのは完全なクオリティーを保証することはできません。例えば50年前に試験に受かれば資格は維持できるのでありますが、50年前の制度と今の制度は全く違うので、受かったままで、勉強をしないと役に立ちません。資格試験というのはそのようなものを素養を試すものであって、現在の能力を担保するものではないということを御理解いただきたいと思います。 |
中山委員長 |
ありがとうございます。 |
坪田委員 |
単純な質問なのですが、選択科目の免除を受けた人というのは17年度で受験者の45%と出ているのですが、残りの55%は選択科目を受けているのですが、その人たちが選択している科目というのは、弁理士の業務に関する法律、それを取っている人が圧倒的に多いのでしょうか。 |
稲垣秘書課長 |
おおよそ8割が技術系科目で受けています。2割ぐらいが法律で受けていらっしゃいます。 |
中山委員長 |
よろしいですか。 |
坪田委員 |
はい。 |
中山委員長 |
他に何かございますでしょうか。 |
中山委員長 |
次は、「弁理士研修制度のあり方について」の資料に基づいて事務局から説明をお願いいたします。 |
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稲垣秘書課長 |
それでは、資料2に基づきまして簡単に御説明させていただきます。 |
中山委員長 |
ありがとうございました。 |
神原委員 |
弁理士の実務能力に絡む問題点について多少意見を申し上げます。 |
中山委員長 |
ありがとうございました。 |
戸田委員 |
私は義務研修という言い方が正しいのかどうかわからないのですけれども、登録前に何らかの実務的な研修は行うべきではないかと思っております。やり方は工夫次第でありまして、現在、任意でやっているような研修を全部義務化するとこれはかなり大変なことになるなというのは実感としてわかります。 |
中山委員長 |
ありがとうございました。 |
相澤委員 |
弁理士会は強制加入制度をとっております。ここで、登録前の義務研修をすると、これは参入規制のために研修を義務化しているのではないかというふうにとられるおそれがあります。 |
中山委員長 |
他に御意見ございましたら、お願いします。 |
大渕委員 |
研修を義務化するか等の点を考える前提として、義務化が提案されている研修のイメージが若干わきにくいので、具体的にはどのようなことを考えておられるのかお伺いできればと思います。私はこの審議会に入ったばかりなので、他の方はおわかりかもしれないのですが、我々がイメージしやすいものとしては、例えば司法修習がありまして、まず前期修習という導入的なものがあり、間に実務修習というのがあって、最後にまとめの後期修習があって、前期と後期は集合で、実務は各実務庁等に分散して行うということで大体のイメージがわくのですが、例えば7ページのような、実際に任意で弁理士会の方でやっておられる新人研修を拝見しますと、e-ラーニングはひとまずおきますと、基本的には座学集合研修というような感じであって、ここと先ほどの実務能力アップというあたりの関係が少しわかりにくいところがあります。仮に義務化する際の研修というのは具体的には、どのような形で考えておられるのかを教えていただければイメージがわきやすいのではないかと思います。 |
稲垣秘書課長 |
先ほど御説明しなかったのですが、参考資料2-2というところに、これは日本弁理士会の平成16年度の新人研修カリキュラムの実例をつけてございます。これを御覧いただくと、例えば座学集合研修というのは何かといいますと、明細書作成演習、審査対応実務演習、意匠登録出願の実務、商標登録出願の実務、あるいは、審判についての実務とか、そういったようなことでございまして、今弁理士会の方からも新人弁理士さんの実務能力が低下をしているので、こういった明細書作成演習であるとか、実際のやりとりの実務の勉強であるとか、そういったようなことについての研修をしたいというお話をいただいております。 |
中山委員長 |
神原委員、何か追加がありますか。 |
神原委員 |
現在私どもが考えております義務研修は実務能力をつけるための義務研修ということでございますけれども、現行の新人研修とは全く違った形で行おうというふうに考えております。あくまでも実務能力をある程度つけさせる。具体的には実際にOJTにかかったときにスムーズにそちらの方に移行できる程度までということなので、そう多くのものは望んでおりません。 |
野坂委員 |
質問なのですけれども、新人研修、現在は5割くらいしか修了していないということなのですが、この理由は、要するに聞くまでもないと。私は研修は万能とは思わないけれども、研修を受けるまでもないという方が多いのか、あるいは時間的な制約があって受けられないという理由なのか、それがわかれば教えていただきたい。もう1点は、義務づけた場合、やり方、運用の仕方によっては新たな参入障壁となり得るというふうに書いてあるのだけれども、要するに能力の高い弁理士がたくさん増えてほしいというそもそもの問題意識の中で、義務化して、全体のレベルを上げるというのは、私はいい方向なのではないかと思います。それは全然参入障壁とは関係ないのではないかと思いますが、いかがなんでしょうか。 |
中山委員長 |
この点、神原委員どうぞ。 |
神原委員 |
そこは現在任意ということが最大の理由だろうと思います。さまざまな弁理士がおりますので、それがどういうふうな傾向にあるかまで把握してないのですけれども、最大の理由は、受けようが、受けまいが、それは任意であるというところにあろうかと思います。したがって、その結果が約5割というところに落ちついているのだろうと思います。 |
中山委員長 |
今の補充ですか。谷先生、どうぞ。 |
谷委員 |
それから、事務所、企業等で働いている方はなかなか研修に出にくい状況もあるかと思います。 |
中山委員長 |
相澤委員、どうぞ。 |
相澤委員 |
なぜ義務研修が参入規制にとられるおそれがあるかというと、研修の受け入れに関する提案がないものですからわからないのですけれども、例えば500人しか研修できないから500人しか登録できないということになると、参入障壁になります。研修制度というのはそういうふうに使われる可能性もあります。 |
中山委員長 |
清水委員、どうぞ。 |
清水委員 |
資料2-5を見ますと、平成12年の受講者数は100%になっているのですが、これはどうして100%が可能だったのか、その辺の事情がおわかりの方があれば教えていただきたいと思います。 |
戸田委員 |
随分前、自分が受かったときに、この新人研修に申し込みました。しかし、私は1日しか出ていないんです。そういう人が全部カウントされてしまっているわけです。すべて受講した人が100%ではないということだと思います。延べ人数で見ると何かしら1科目は受講しているという意味での100%ではないかなと思います。 |
中山委員長 |
それでよろしいですか。 |
神原委員 |
今、戸田委員がおっしゃられたのは全く正解でございまして、受講者数というのは、1科目でもあるいは1回でも出られた方の数です。 |
中山委員長 |
他に御意見ございましたら、お願いします。 |
稲垣秘書課長 |
先ほどの野坂さんの御質問にお答えしておきますと、例えば弁理士登録の後であれば、弁理士となった方に強制加入団体である弁理士会が質を高めるために研修をするというのは別に何ら参入障壁ではないと思うんですけれども、仮にそれを登録前とすると、結局先ほど相澤先生がおっしゃったキャパシティーの問題、あるいは内容を難しくするとか、いろんなことで結局修了できなかった、受けられなかった方は弁理士になれないんですね。ということになると、その運用の仕方によっては参入障壁という運用もできるということになります。 |
中山委員長 |
他にご意見ございますか。 |
谷委員 |
そういう見方もあるかと思いますけれども、我々としては最大限皆さんが受けやすい形で登録前の研修をしたいと思っております。それから、費用につきましても弁理士会で原則負担しながらやっていきたいと考えております。 |
中山委員長 |
三尾委員、どうぞ。 |
三尾委員 |
義務研修のところでちょっとお話ししたいのですが、参考資料2-6なんですけれども、ここで他士業の関係の研修制度の記載があるのですが、弁護士のところで、登録後研修で義務研修があるというのは第二東京弁護士会だけというふうに書いてありますけれども、実は弁護士会は、10年後と20年後の節目ごとに弁護士倫理に関してだけは義務研修がありまして、何年かたって忘れたころに必ず義務研修の招集がやってくるという制度をとっております。このような形でどうしても必要な研修とか、例えば技術の進歩に伴って何年かおきに新たな研修が必要である分野に関しては、限定的に義務研修にして、それは強制的といいますか、全員が基本的には参加する形にするということも1つの手かなと思います。 |
中山委員長 |
他にはございますか。 |
澤井委員 |
私も何らかの形でちゃんと研修を義務化するというのはいいと思います。これだけニーズが増えてきたときに、先ほど言いましたように、企業はいろんな形で弁理士さんと共同してかなり長いスパンおつき合いするわけですね。そのときに、特に弁理士試験に受かった方がミニマムリクワイアメントでこれだけの能力はちゃんと備わっているというある条件をクリアしているというのが1つと、それから今三尾委員がおっしゃったように、受かった後でも何らかの形で最低限のことをリフレッシュしておくというのは、弁理士の信頼性を高める意味で非常にいいことだと思います。 |
中山委員長 |
谷委員、お願いします。 |
谷委員 |
登録前の義務研修ということとあわせて、既に登録している弁理士につきましても、今のお話にもありましたけれども、法律改正もありますし、技術の進歩もあるわけですから、常にそれにキャッチアップするために研修は我々としては義務としてやる必要があると思っております。ちなみに、この資料2-6で先ほど弁護士さんのお話がありましたけれども、我々の方の義務研修、これも約3000人が受けております。3名だけがまだ受けていない状況ですけれども、そこまで義務的に我々としても精いっぱい努力して対応しております。 |
中山委員長 |
では、大渕委員、お願いします。 |
大渕委員 |
研修についてはそもそもどのような研修をするか自体が先ほどの話を伺っているとまだ検討中ではっきり固まってはいないようなのですが、義務化するかということも重要ですが、やはり研修を行う時期が登録前か後かではかなり大きな差があるように思います。研修した方がいいか悪いかと言えばした方がいいというふうになるわけでしょうけれど、その研修は任意か、義務か、あるいは登録前か、後かというところと組み合わせて考えないと、議論がかみ合わないのではないかと思うというのが1点であります。それから研修を仮に義務化した場合に、参加すれば済むのか、それとも修了認定を受けなければならないのか、例えば、一定の試験に合格しなければならないのかでまた大きく変わってくるかと思いますので、そこもトータルで考えていかなければならないのではないかと思います。 |
中山委員長 |
おっしゃるとおりです。 |
前田委員 |
弁理士に合格された方というのは企業に所属していたり、事務所に入っていらっしゃる方が多いわけですから、義務でないと、忙しい仕事に携わっている方はなかなか出席しにくいと思います。義務であれば、企業側も、事務所側も認めざるを得ないというふうになると思いますので、ぜひ義務にしてあげた方が新人の方自体も出やすくなるのではないかなと思います。 |
中山委員長 |
他に何かございましたら。 |
谷委員 |
先ほど大渕委員から言われて、はっきりしないということなのですけれども、我々が今考えておりますのは、科目はちょっと置きますけれども、構想としては、どなたでも受けやすいようにする。例えばe-ラーニングを主体としてやっていきたい。e-ラーニングはただ単に受けっ放しということではなくて、受けた履修記録もちゃんと確保しますし、これは義務的にちゃんとチェックできるような形でフィードバックをつける。それに対してチューターをつけて、質問があったならば待機しているチューターが臨機に対応するという形で、単なる聴きっ放しということではなくて、多い人数に対していかにきめ細かく対応するかということを今工夫しながら、進めたい。現に4月からe-ラーニングもテスト的ではございますけれども、稼働していまして、その中でいろいろな試行錯誤をしています。工夫をして義務研修に皆さんが、新人も含めて受けやすい形のものにしていこうと考えてやっているところです。 |
中山委員長 |
先ほど大渕委員の話にあった修了試験といいますか、最後の試験はあるのかないのか、あるいはどんなものかという感触はいかがでしょうか。 |
神原委員 |
私の方から申し上げます。 |
中山委員長 |
時間の都合もございますが、相澤委員、どうぞ。 |
相澤委員 |
大渕委員御指摘の点で、登録前で、なおかつ、試験を課すということになると、弁理士試験の後にもう一度試験をやるということになるので、参入抑制の性格が強く出てくるのではないかと思います。 |
中山委員長 |
ありがとうございます。 |
中山委員長 |
それでは、次の議事でございます「弁理士法に規定する業務について」の資料に基づきまして事務局から説明をお願いいたします。 |
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稲垣秘書課長 |
それでは、引き続きまして、資料3に基づきまして御説明したいと思います。 |
中山委員長 |
ありがとうございます。 |
三尾委員 |
意見ということでお手元に提出させていただきました。本件に関しましては、関連の業務ということで弁護士に非常に関わりが深い問題であり、日弁連の知財関連委員会や業務の関連委員会等でかなり議論いたしました。お手元の意見はあくまで個人意見ではありますが、各委員の先生方の概ね共通した意見であったと考えております。 |
中山委員長 |
ありがとうございました。 |
神原委員 |
最初に、今御説明いただいた三尾委員の御見解についてちょっと申し上げたいと思います。 |
中山委員長 |
ありがとうございました。 |
清水委員 |
裁判所の方に関連しますので、一番最後の単独訴訟代理の件からまずお話をさせていただきますが、現状のところ3年間の実績ということで、共同代理としてはよくやっていただいている方がおられることは承知しておりますけれども、今後拡大して、付記弁理士の資格のある方全員に関して、単独の訴訟代理ということになりますと、やはり時期尚早というふうに裁判所としては思っております。もう少し経験を積まれた方が増えて、大体の方が法廷で1、2度共同代理をされているということが実現した段階で、そろそろということはあり得ると思いますけれども、現状では、本当によくやっていただいている方は顔と名前がほとんどわかるぐらいの人数しかおられませんので、一律に拡大するということは現状では無理ではないかと思っています。 |
中山委員長 |
ありがとうございます。 |
戸田委員 |
ユーザーの立場で申し上げますと、御議論がありましたように、特定不正競争範囲の拡大、水際の輸入者代理、最後の訴訟代理の単独受任、これは確かにまだ時期は早いかなという気がいたします。 |
中山委員長 |
では、谷委員どうぞ。 |
谷委員 |
今の戸田委員のお考え、私、大賛成です。 |
中山委員長 |
相澤委員、どうぞ。 |
相澤委員 |
日本法の中に外国特許出願業務を規定することには違和感があります。賛成、反対はともかく、不正競争防止法については、規定しないと業務としてできないということなので、主張の筋はわかります。しかし、外国特許出願業務は規定しなくてもできるということですから、なぜ、規定したいのかということが明確でないという感じがいたします。 |
中山委員長 |
他に御意見ございましたらお願いします。 |
神原委員 |
外国出願関連業務という言葉は、何回も言いますけれども、余り適切なものとは思っておりません。そのうえで、これをなぜ標榜業務にしたいのか、私どもがそう思っているかといいますと、これは日本で生まれた知的財産を日本だけでなく、国際的に保護することは今、日本の国是とも言っていいほど重要な事柄だと思います。そのためには日本国内でその元となる基礎をしっかりとつくらなければいけないということも確かだろうと思います。そのときに、今現在確かに弁理士がその仕事に携わっているわけですけれども、あくまでも法律上の弁理士の業務として行っているわけではありません。 |
中山委員長 |
他に何かございますか。 |
三尾委員 |
先ほどのお話なんですけれども、実際に業務としてやっていらっしゃるということですので、法律に書いてあるか、書いてないかにかかわらず、弁理士の業務として、もちろん弁理士倫理の問題にはなると思いますし、質を高めるということも同様に必要であろうかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。 |
神原委員 |
確かに弁理士が行っている業務であることは間違いないのですが、やはりそれは弁理士の名前を使って行う標榜業務ではなく、もちろん独占業務ではありません。そういうことからして、いろいろな面で弁理士法に書かれた、例えば第4条1項から3項までの業務とは違うという意識がどうしてもありますので、そのあたりをどうするかということです。そこが結局プラスの方に作用すればいいのですが、必ずこれはマイナスの方に作用します。法律に規定されていない業務であるという認識がありますので、そこあたりが問題だと思います。 |
中山委員長 |
他に御意見ございませんでしょうか。 |
中山委員長 |
それでは、時間も過ぎておりますので、本日の議事はこれで終了させていただきたいと思います。 |
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小林弁理士室長 |
次回の委員会の開催でございますが、事前に皆様にお伺いしてございますけれども、7月12日、水曜日、午前10時からということでよろしいでしょうか。 |
中山委員長 |
それだけですね。 |
小林弁理士室長 |
以上でございます。 |
中山委員長 |
以上をもちまして、産業構造審議会知的財産政策部会第2回弁理士制度小委員会を閉会させていただきます。 |
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[更新日 2006年7月7日]
お問い合わせ |
特許庁総務部秘書課弁理士室 |