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第17回知的財産分科会 議事要旨

1.日時・場所

日時:令和4年3月3日(木曜日)10時00分から12時10分

場所:WEB会議室

2.出席委員

益分科会長、蘆立委員、出雲委員、鬼頭委員、小松委員、設樂委員、杉村委員、田川委員、竹中委員、中村委員、濱口委員、林委員、藤木委員、別所委員、増島委員、御供委員、柳川委員、山田委員

3.議題

  1. 出願・審査の現状
  2. 財政点検小委員会の活動報告
  3. 知財活用アクションプラン(中小企業・スタートアップ版、大学版)の紹介
  4. 標準必須特許に係る動向報告
  5. 特許情報に基づく競争力分析
  6. 来年度に向けて

4.議事内容

  • 事務局より、資料を基に説明をした後、各論点について御議論いただいた。

主な意見は以下のとおり。

(1)中小企業・スタートアップ・大学向け支援について

  • 大学発スタートアップへの支援に期待。効果的なものになるよう、大学へのヒアリングや手続の簡素化、海外出願の中間手続費用の支援などを希望。
  • ベンチャーキャピタル(VC)への知財専門家派遣調査事業により、VCの能力向上が日本の知財戦略の一翼をになう状態を構築すべく、事業を成長させることを希望。
  • 知財活用アクションプランに期待。支援策の効果を評価するため、売上げや経済の活性化などの効果をKPIとすることを希望。
  • コロナ禍により中小企業は知財まで考えが回らないのが実情では。プッシュ型支援への注力を希望。
  • 助成金や専門家派遣には期待するが、目先の目標ではなく、民間でも自走できる体制構築を目指すべき。
  • 岸田総理の掲げた成長戦略を踏まえ、スタートアップの支援に徹底的に取り組むべき。
  • 大学知財の流通の促進の観点から、ライセンスオブライト制度の導入を希望。
  • 共有された特許について、企業が利用許諾に応じない場合などに産業利用が阻害されている。特許法73条3項の要件緩和や、契約で大学との共有については企業が実施していない場合は許諾したものとみなすとすることなどを希望。
  • 特許法73条3項の改正は、大企業と中小企業との共有などにおいて別の問題が生じる可能性もある。産業界、関連団体等の意見を聴取するなど、慎重な議論が必要。
  • 大学の発明は教員の給与及び施設に公的資金が利用されているため、通常の発明とは異なる扱いをする必要があるのではないか。
  • 大学では事業化に向けた意識が低い。事業化意欲を変えるためにも、大学内での教員の評価基準の変更や研究費受け入れの柔軟化が必要ではないか。
  • 大学では社会実装の意識は広まっている。研究者が権利化に携わるには限界があるため、研究者を支援する体制の構築が必要。
  • スタートアップへの支援には商標もハイライトすることを希望。
  • モデル契約書は有益だが、新しい技術分野では今までにない形で進めていく必要があるにも関わらず、こうしたモデルからずれたことを大学はやりにくいという事情も考慮頂きたい。

(2)標準必須特許に係る動向報告について

  • 誠実交渉指針が権利者と実施者のバランスをとった規範になることを危惧。実施者の多い我が国の産業の利益にかなう対応を希望。
  • たとえ日本で実施者に有利な制度をつくっても、訴訟が欧州などで提起されることになれば制度そのものの意義がなくなってしまう。
  • 標準必須特許のライセンスはグローバルに行われるため、グローバルな流れに乖離するメッセージは、それに依拠した企業のリスクを増幅させかねない。政府としてメッセージを出す場合には慎重になるべき。特定の企業、業界だけを利するような発言は受け入れられにくい。社会やイノベーションを強く意識して目指すべきものを発言するのが重要。
  • 標準必須特許のライセンス交渉に関する手引きの改訂について、ベストエフォートで進めることを希望。

(3)特許情報に基づく競争力分析について

  • 日本の特許の価値が低いとされているが、ロイヤルティ、ライセンス収入は日本もアメリカも下がっていないことからすると、価値評価が適切に反映されているのか疑問。
  • グリーントランスフォーメーション(GX)は日本の強みである。中小企業・スタートアップ・大学を含め、技術開発が促進されるよう施策を強化することを希望。
  • 特許を手放すマインドは重要だが、海外では特許の流通市場が発達しているという説明は一面的ではないか。知財戦略のブラッシュアップが重要。
  • カーボンニュートラル関連技術は個社で実施できないテーマ。共創が重要であり、技術動向調査で扱う際にはコンソーシアムなどの知財戦略が浮き彫りになるような整理が良いのではないか。

(4)その他

  • 技術移転についての日本の基本的な戦略が見えにくく、その点が懸念。
  • IPランドスケープは戦略に関わるところなので、経営層による座談会では率直な意見が聞けない可能性がある点が懸念。
  • 審査に比べ、審判合議体との連絡に時間がかかっている。制約は理解するが、WEB等の活用等の体制拡充を含めた対応を希望。

[更新日 2022年3月14日]

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