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産業構造審議会 第2回知的財産政策部会 議事要旨

産業構造審議会 第2回知的財産政策部会 議事要旨

平成13年12月3日
経済産業省特許庁

本日、産業構造審議会第2回知的財産政策部会(委員長:中山信弘・東京大学教授)が開催された。

1.部会の趣旨

産業構造審議会知的財産政策部会は、特許法・商標法等の工業所有権制度の在り方、不正競争の防止等、知的財産政策に関する調査審議を行う機関である。

2.審議内容

(1)産業構造審議会知的財産政策部会報告書について

IT化社会への特許法・商標法の対応、先行技術開示制度の導入、PCT出願における国内書面提出期間の延長を主たる提言とする、産業構造審議会知的財産政策部会法制小委員会報告書を、同部会報告書とすることが了承された。

(2)弁理士への特許権等の侵害訴訟代理権の付与について

司法制度改革審議会意見書において提言された、弁理士への特許権等の侵害訴訟での代理権の付与について、これまでの検討の経緯を踏まえ、今後の検討の方向性について事務局である特許庁から説明があった。

これに対して、委員から、今回の報告書については賛成であるが、将来的には一人で技術的素養及び法律知識を備えた知的財産分野の法曹が多数輩出されるようになることが理想的である、といった指摘があった。

議論のあと「弁理士への特許権等の侵害訴訟代理権の付与」を産業構造審議会知的財産政策部会の決議とすることが了承された。

(3)知的財産制度をめぐる国際的動向について

知的財産権を巡る国際的な動向について、主に特許制度実体調和、特許協力条約リフォーム、特許庁間のバイ・マルチの協力を中心に事務局である特許庁から紹介があった。

(4)今後の検討課題について

審判制度等の見直し、司法制度改革の推進に向けた特許紛争処理制度の強化、イノベーション促進に向けた制度整備、商標法の保護・利用促進に向けた論点整理を中心として、今後知的財産政策部会で議論すべき事項を紹介した。

これに対して、委員より、以下の指摘があった。

  • バイオ分野や先端技術分野の進歩に対応して、知的財産権政策を速やかに打ち出せるよう検討が必要である。
  • 侵害訴訟において権利の有効性を権利濫用論を用いて判断する例が多く出ている、訴訟と審判の関係を整理し、早急な制度的見直しを行うことが必要である。
  • 司法制度改革に関する検討において、知的財産権の専門家として、特許庁から意見を提出すべき。
  • 法制審議会で議論している民事訴訟手続の見直しについては、法制審議会で民事訴訟一般の課題として議論している。知的財産政策部会でこれに関連した検討をすることは適当ではない。
  • 商標制度と不正競争防止法との関係を見直し、ブランドの統一的な保護の観点も含めて商標保護の統一的な法律の制定を検討してもよいのではないか。
  • 海外への出願の重要性は一層高まっている。言語的な問題、制度的な問題も含めて検討すべき。

別紙

産業構造審議会知的財産政策部会名簿

平成13年12月

産業構造審議会知的財産政策部会名簿

井上由里子

筑波大学社会科学系助教授

大橋 正春

岡崎・大橋・前田法律事務所弁護士

鎌田 薫

早稲田大学法学部教授

北村 行孝

読売新聞社論説委員

黒田 玲子

東京大学大学院総合文化研究科教授

小池 晃

日本弁理士会会長

斉藤 博

専修大学法学部教授

佐藤 雄二朗

(社)情報サービス産業協会会長

篠原 徹

日本商工会議所常務理事

庄山 悦彦

(社)経済団体連合会産業技術委員会共同委員長

白石 忠志

東京大学大学院法学政治学研究科助教授

千葉 勝美

最高裁判所事務総局行政局長

道垣内正人

東京大学大学院法学政治学研究科教授

永岡 文庸

日本経済新聞社論説委員

中西 幹育

鈴木総業(株)副社長

中山 信弘

東京大学大学院法学政治学研究科教授

前田 勝之助

日本知的財産協会会長

松尾 和子

中村合同特許法律事務所弁護士・弁理士

森下 洋一

(社)電子情報技術産業協会会長

森下 竜一

大阪大学大学院医学系研究科助教授

諸石 光熙

住友化学工業(株)専務取締役

安田 浩

東京大学国際・産学共同研究センター教授

山本 貴史

(株)先端科学技術インキュベーションセンター代表取締役社長

[更新日 2001年12月6日]

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〔報告書に関する事項〕
特許庁総務部総務課工業所有権制度改正審議室
電話: 03-3581-1101 内線2118
FAX: 03-3501-0624
e-mail:PA0A00@jpo.go.jp

 

〔弁理士への侵害訴訟代理権の付与に関する事項〕
特許庁総務部総務課特許管理班
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