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中山部会長 |
時間でございますので、ただいまから産業構造審議会第8回知的財産政策部会を開催いたします。 |
中山部会長 |
それでは、まず最初に、前回の部会以降新たにこの部会の委員になられた方々につきまして、事務局から紹介をお願いいたします。 |
田川審議室長 |
それでは、御紹介をさせていただきます。 |
中山部会長 |
本日は、昨年度の特許制度小委員会の結論をもとに、特許庁で作成いたしました「先使用権制度に関するガイドライン(案)」、発明の進歩性判断に関する検討開始につきまして御議論をいただくとともに、特許審査迅速化・効率化のための行動計画の取り組み状況、意匠法等の一部を改正する法律などにつきまして、事務局より報告をいただきたいと考えております。 |
田川審議室長 |
それでは、まず配付資料の確認をさせていただきます。 |
中山部会長 |
よろしいでしょうか。 |
中山部会長 |
それでは、最初の議題であります「特許審査迅速化に向けた最近の取組」について、事務局から説明をお願いいたします。 |
米田企画調査官 |
それでは、失礼いたします。資料2-1というものをご覧いただければと思います。迅速化という枠組みになってございますけれども、まず私の方からは、最近の政府全体の計画、いろんな枠組み、大きな枠組みの中で、知財がどういうふうに扱われているのか、そういったことをまず先に御説明させていただきたいと思います。 |
南調整課長 |
それでは、引き続きまして、私の方から「特許審査迅速化・効率化のための行動計画の取組状況」について御説明をさせていただきたいと思います。お手元の資料の3-1と3-2をお取りください。前回のこの知財部会におきまして、「特許審査迅速化・効率化のための行動計画」を御説明させていただきました。それ以降、経済産業省の方で取り組んだ事項について列挙したものが資料3-2でございます。幾つかの項目の取組、進捗が順調に進んでいるということでございますが、時間の関係もございますので、資料3-1で主なものを御説明させていただきたいと思います。 |
中山部会長 |
ありがとうございました。 |
中山部会長 |
それでは、先使用権制度に関する事例集、「先使用権制度の円滑な活用に向けて(案)」についてですけれども、こちらは、先般取りまとめていただきました特許制度小委員会報告書「特許制度のあり方について」におきまして、先使用権制度の明確化及び先使用権制度の立証手段の明確化を図り、制度の円滑な利用を推進することが必要と示された方向性に基づきまして、特許庁において作成したものでございます。 |
木原技術調査課長 |
本件につきまして、私の方から御説明いたします。今、部会長からも御紹介いただきましたが、特許制度小委員会の方で答申をいただきまして、それを受けて、今般の「先使用権制度の円滑な活用に向けて」ガイドライン事例集を作成するに至ったわけでございますが、その背景も含め御説明させていただきたいと思います。なお、ガイドライン事例集(案)自体は、今お手元に資料4-3としてございますけれども、今回、事例、判例等非常に多く盛り込んだこともございまして、260ページを超える大部なものになっておりますので、本日は、資料4-1、A3の資料を中心として御説明させていただきます。 |
中山部会長 |
ありがとうございました。 |
青山委員 |
日本消費生活アドバイザーコンサルタント協会の青山と申します。 |
木原技術調査課長 |
まず、1点目のコメント、本当にありがとうございます。ガイドライン事例集の「はじめに」のところにも書かせていただいておりますように、特許庁といたしましても、今後の判例状況等も分析させていただきつつ、また新たな課題等にも真摯に取り組んで、さらに良いものにしていくという姿勢で臨んで参りたいと思っております。 |
南調整課長 |
2点目の中小企業支援での知財駆け込み寺でございますが、設置の場所は全国の商工会、商工会議所でございます。それぞれ担当窓口で多分異なると思いますので一概には言えませんが、実際そういったことを担当される方々を対象にセミナーなども実施して、知識を高めていただくようなこと。あと、それぞれの商工会、商工会議所に、そういった対応するためのマニュアルをこちらの方でつくって設置をするということをさせていただきます。 |
中山部会長 |
ちなみに、今の知財駆け込み寺につきましては、この「知的財産推進計画2006」の79ページに詳しく説明が載っておりますので、そちらを御参照願えればと思います。 |
安田委員 |
東京大学の安田です。先使用権の方の話ですが、大変推奨というかいいことになってきたというふうに思っております。1つだけ伺いたいのは、これは英語版ができるのでしょうか。つまり、こういうことは海外に対して、日本はこれだけきちっとやっていますよと、日本の企業はこういうふうにきちんとやっていますよということを言いたいということもあるのでしょうか。外国との対応はちょっと気にはなっていて、色々具体策を行うと、またそこをねらわれてしまうという議論もあるのですが、そろそろ日本は知財に対して物すごくちゃんとやっているのだということをアピールしてもいいのではないかということで、ぜひとも海外に対してどうアピールするかを考えていただいていいのではないかというふうに思っているんですけれども。 |
木原技術調査課長 |
正直申しますと、現時点ではそこまでのことを念頭に置いておりません。ただ、先使用権制度、これも特許権と同様でございまして、日本国内での先使用というところについてのみ発生するものでございますが、こういう制度を日本がしっかりと持っているということを発信していくことは非常に大事だというように考えております。 |
中山部会長 |
ほかに何かございませんでしょうか。 |
松尾委員 |
2点お願いしたいと思います。 |
木原技術調査課長 |
まず1点目に関しまして、裁判例をこのように多く載せておりますので、これらにつきましては、ホームページからもできるだけ早く御活用いただけるように対処していきたいと考えております。 |
中山部会長 |
「秘匿」という言葉は、私なども論文で通常使っていますし、通常は普通に使われているのではないかと思うんですけれども。 |
松尾委員 |
例えば76ページなんか見ますと、「ノウハウ秘匿登録」なんていうのがあるんですよ。何かこれ、持っている「ノウハウの登録番号」でいいので、「秘匿登録番号」なんて、そこまでやることもないし、私ちょっと今回、今までの不正競争防止法の中の営業秘密のところのいろんな解説なんか読んでみたんですけど、どうもこういう形の「ノウハウ秘匿登録」式の「秘匿」という使い方は余りないように思いまして、中山先生のはあるにしても、ちょっと私、何かもう少し普通にわかるような、特にこういう表題なんか見ますと、「ノウハウとしての利用」だってこれはいいわけですよ。というようなことを考えますと、全然使わないようにということじゃないんですけど、やはりちょっと考えて、もう少しやわらかい言葉を使っていただけたらと思います。 |
中山部会長 |
では、考えさせていただきます。 |
中山部会長 |
それでは、次の議題に移りたいと思います。 |
高木審判課長 |
それでは、資料5、「発明の進歩性判断に関する検討」につきまして、私の方から説明申し上げます。 |
中山部会長 |
ありがとうございました。 |
諸石委員 |
大変有意義なことだと思いますが、この進歩性判断というのは、予測可能性があるということと、いろいろなところの判断が一致するということが大事だと思います。そのために海外とも合わせるということができれば望ましいと思います。さらに日本の中で、特許庁として一つの統一的な基準をつくることになりますが、これが裁判所の考えとどれだけ合うのかということが非常に問題だと思います。これは当然判例を調べてこちらの考え方を決めると思いますが、さらにこういうことができるのかどうかなのですが、例えば知財高裁の裁判官と意見交換をして、考え方のすり合わせをするとか、そういうことが可能なのかどうか、お教えいただければと思います。 |
中山部会長 |
その点について。 |
高木審判課長 |
知財高裁の裁判官あるいは地裁の裁判官と、一般的な議論といたしまして産業界の方と意見交換を行うのは可能だと思いますけれども、例えば、この裁判あるいは判例についてどうだ、どうしてこうなったんだとかいう個別に入るものは、そこはさすがに裁判所の方は受け入れてくれないと思いますけれども、一般的な進歩性判断の手法とか、あるいは考え方、訴訟を進めるに当たってどこら辺に産業界の立場としてやっていったらいいのかというようなところの意見交換をするのは、私は裁判所じゃありませんけれども、可能ではないかと思っております。 |
中山部会長 |
裁判所の現役の裁判官に来てもらうということは、実際上はかなり難しいのではないかと思います。裁判官が入ると、何か裁判所がオーソライズしたようなイメージを与えてもいけませんし、事実上の意見交換ということはできるかもしれませんけど、なかなかこのメンバーになるのは難しいかと思います。 |
森下委員 |
私は、この話は非常に重要だというふうに思っております。最近、特にアメリカとの間で、判断が食い違うわけじゃないんですが、範囲とか、あるいは質問事項等でかなり日本側とアメリカ側とのやりとりの中で戸惑いを感じるというか、やはりすれ違い的なものを感じるケースが非常にふえてきておりますので、ぜひこうしたことに関して調査をして、早めにポリシーとしてどういう形でいくのかというあたりまで踏み込んでいただければというふうに思います。 |
高木審判課長 |
御指摘のとおり、明細書の書き方から含めて進歩性を判断するというのは、参考にも書かせていただきましたけれども、三極の特許庁におきまして、我が方からそういう新規のプロジェクトを立ち上げるよう提案したところでございます。この調査の結果がどの程度そこに反映するかどうかは、ちょっとまだやってみないとわかりませんけれども、そういう方向で進めていければと思っております。 |
中山部会長 |
ほかに御質問等ございましたら。よろしゅうございましょうか。 |
中山部会長 |
次に、特許庁からの報告が3つございますので、事務局から御説明をお願いいたします。 |
田川審議室長 |
それでは、まず最初に、意匠法等の一部を改正する法律が成立をいたしましたので、その件につきまして御説明をさせていただきます。 |
小林国際課長 |
それでは、引き続きまして「産業財産権を巡る国際的な動向と対応」ということで、資料8に基づきまして御説明をしたいと思います。 |
中山部会長 |
ありがとうございました。 |
安田委員 |
私がちょっと不勉強で申しわけないのですが、最近はウェブを検索したり何かしてということで、テキスト検索、全文検索、そういったことは非常に多く行われていると思います。ところが、例えば進歩性の議論にしても、ほんのちょっと言葉が違うと検索にひっかからないという議論が出てくると思うのですよね。例えば「動き補償」とか「動き予測」とか、画像の言葉としてそういうのがありますが、ほとんど同じ内容であるにもかかわらず、「動き補償」で検索すれば「動き予測」はひっかかってこないわけです。そうするとシソーラス、要するに類語のシソーラスというのは非常に大事になってくると思うのですが。特許庁さんが、例えばこれは同じだといって退けた、ちょっと言葉が違うんだけど同じだよということで退けたのは幾つかあると思います。そういう意味で、同じ内容の言葉じゃないか、あるいは同じ言葉を片仮名にしただけじゃないかとか、そういうのがあると思うのですが、そういう意味で類語として判定したようなシソーラスが何かできないものかと。そういうのがあれば、皆さん大変有用になるのではないか。大変膨大な作業だと思うのですが、そういうことをみんなでやるということは大事なのではないかという気がするので、ぜひそれはお考えいただきたいと思います。 |
南調整課長 |
実際、審査官が検索をする際に、必ずしもテキスト検索だけではなくて、もう少し概念的なもので我々Fタームというのを使っているわけですけれども、テキスト検索も使っています。特に新しい技術については、やはりそういった検索ツールしかないものですから。実際、きちっとまとまった形でのシソーラスというのは、整備はしていないのですけれども、個々の審査官がノウハウとして結構まとめており、先ほどちょっと御紹介をした特許検索ガイドブックとかで、この技術についてはこういった単語を検索すると結構見つかるよとか、紹介しております。 |
中山部会長 |
ほかに何かございませんでしょうか。よろしいでしょうか。 |
中山部会長 |
それでは、議事の最後に、中嶋特許庁長官から一言ごあいさつをちょうだいしたいと思います。よろしくお願いいたします。 |
中嶋長官 |
特許庁長官の中嶋でございます。座ったまま失礼いたします。 |
中山部会長 |
ありがとうございました。 |
[更新日 2006年7月13日]
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