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産業構造審議会 第9回知的財産政策部会 議事要旨

平成19年1月19日
経済産業省

1月19日(金曜日)15時30分~17時30分に、産業構造審議会 第9回知的財産政策部会(部会長:中山信弘 東京大学大学院法学政治学研究科教授)が開催されたところ、概要は以下のとおり。

1.弁理士制度の見直しの方向性について

資料1-1の「弁理士制度小委員会報告書の概要」及び資料1-2の弁理士制度小委員会報告書「弁理士制度の見直しの方向性について」に沿って事務局から説明を行い、同部会の報告書とすることが了承された。この際、委員から以下の指摘があり、事務局から適宜対応した。

特定不正競争の業務の拡大については賛成できない。理由は、原産地等誤認惹起行為において技術評価ないし技術論争が行われると言う理由で弁理士の知見が活用できるとしているが、必ずしもそうとはいえない。競争者営業誹謗行為についても、虚偽行為が必ずしも工業所有権の侵害の有無と直接結びついていない。
水際措置における輸入者及び輸出者の代理権については、法律が大きく変わってきている段階であるため、慎重に検討すべき。

→特定不正競争及び水際措置の業務の拡大については、訴訟になれば弁護士との共同代理が前提であるので、弁理士の知見が活用できる部分について弁護士とうまく連携することで業務範囲を拡大してもよいのではないか、というのが弁理士制度小委員会での大方の意見であった。

2.ライセンシー保護制度の在り方について

資料2-1の流通・流動化小委員会報告書「ライセンシー保護の在り方について(概要)」及び資料2-2「ランセンシー保護制度の在り方について」に沿って事務局から説明を行い、同部会の報告書とすることが了承された。この際、委員からは以下の意見があった。

  • 包括的ライセンス契約による通常実施権の簡易な登録制度が創設されることは大変有り難い。米国のような当然保護制度も御検討いただきたいが、まず一歩踏み出せたのは良いこと。
  • 登録対象や登録の効果について、制度を実際に活用する際に不明な点が出ることの無いよう、考え方を整理して説明してほしい。

3.イノベーション促進のための特許審査改革加速プランについて

資料3の「新たな特許行政の基本方針」に沿って事務局から説明を行った。この際、委員から以下の指摘及び意見があり、事務局から適宜対応した。

  • 国際標準化との連携という視点も重要。
  • 国際標準は、事後標準の時代から事前標準の時代になっている。国際標準との関係で、知的財産が持つ意味は飛躍的に大きくなっている。特許庁には、この分野でも活躍してもらわないといけない。

→特許庁では戦略的発明管理ガイドライン(事例集)の策定作業を進めており、その中で国際標準化に関する考え方も扱うことを検討したい。

4.「戦略的発明管理ガイドライン(事例集)」<仮称>の作成について

資料4の「戦略的発明管理ガイドライン(事例集)<仮称>の作成について」に沿って事務局から説明を行った。

5.国際的な取組について

資料5の「国際的な取組について」に沿って、事務局から説明を行った。この際、委員から以下の指摘及び意見があり、事務局から適宜対応した。

  • 商標、意匠については欧州共同体商標や意匠があるが、共同体特許は制度的に難しいものなのか。
    →特許の分野は欧州の中でも単一の特許権は実現しておらず、難しい課題である。したがって、現状の枠内では各国ごとの特許制度の中で出来るだけ審査等の負担を無くすよう取り組んでいる。この課題の解決策としては、世界特許、単一の特許権が考えられるが、まずは審査結果の相互利用・出願の作業負担の軽減というものに取り組んで行けば、審査結果の相互承認が視野に入るのではないか。
  • 特許審査ハイウェイ、各国書類の統一について、早急に対応してもらいたい。また、制度ができたら周知徹底してほしい。

6.地域団体商標の出願及び審査処理状況について

資料6-1の「地域団体商標の出願状況等について」及び資料6-2の「地域団体商標/都道府県別登録査定案件一覧」に沿って、事務局から説明を行った。

7.産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律案の概要について

資料7-1の「産業活力再生特別措置法等の一部を改正する法律案(仮称)の概要」から資料7-3の「産技法等の改正(案)について」に沿って事務局から説明を行った。この際、委員から以下の指摘があり、事務局から適宜対応した。

日本版バイ・ドール規定について、一部の国からの研究資金には適用されていないのが現状。運用を徹底してほしい。

→できるだけ統一化を図っていきたい。

8.議題全般に関する質問及び意見

  • 包括的ライセンス登録制度について、定期的に見直しを行うべき。
    →使い勝手の良さと安定性に留意して、運用に取り組んでいきたい。
  • アメリカが先願主義となり日米欧で統一の動きがあるが、その見通しについて、教えて欲しい。
    →アメリカが先発明主義を先願主義に変えていこうというのは、産業界全体の意向である。また、先進国の間で特許制度について基本的なところは調和していこうという議論をしており、アメリカに対して少しでも早く先願主義への移行を働きかけていきたい。
  • 不使用の商標が7割から9割あると聞いている。登録までの手続を変えるヨーロッパのような絶対的登録事由以外は審査しない等、根本的に商標制度を変えていかないといけないのではないか。
    →日米欧で商標制度の会合をおこなったり、中国や韓国と国際的な動向について意見交換、情報交換をおこなう等、特許庁としてより良い制度となるよう取り組んでいきたい。

[更新日 2007年2月15日]

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