ここから本文です。
中山部会長 |
時間でございますので、ただいまから産業構造審議会の第10回知的財産政策部会を開催いたします。 |
中山部会長 |
それではまず最初に、当部会の開催に当たりまして、中嶋特許庁長官から一言御挨拶をちょうだいしたいと思います。 |
中嶋特許庁長官 |
おはようございます。本日はお忙しいところを御出席いただきまして、まことにありがとうございます。 |
中山部会長 |
ありがとうございました。 |
中山部会長 |
それでは、新たにこの部会の委員となられた方が2名おられますので、事務局から御紹介をお願いいたします。 |
間庭制度改正審議室長 |
それでは、御紹介いたします。 |
土肥委員 |
土肥でございます。よろしくお願いいたします。 |
間庭制度改正審議室長 |
日本弁理士会会長、中島淳委員。 |
中島委員 |
中島でございます。よろしくお願いいたします。 |
間庭制度改正審議室長 |
以上、お二人に新たに委員に御就任いただきました。 |
中山部会長 |
ありがとうございました。 |
間庭制度改正審議室長 |
配布資料の確認をさせていただきます。 |
中山部会長 |
よろしゅうございましょうか……。 |
中山部会長 |
それでは、最初の議題であります「イノベーション促進のための特許審査改革加速プラン2007」につきまして、事務局から説明をお願いいたします。 |
山本総務課長 |
総務課長の山本でございます。私の方から説明をさせていただきます。 |
中山部会長 |
ありがとうございました。 |
松尾委員 |
2枚目の第2のところに新しく品質監理室を設置するとありますけれども、審査の品質というのは具体的にどういうことをお考えなのか、御説明いただきたいと思います。 |
山本総務課長 |
各審査官の審査の質にばらつきがないかどうか、審査基準を定めてやっているわけでございますけれども、それに沿った審査が行われているかどうかをチェックしようということでありまして、庁内にそういう専門の部屋とそういうチェックに当たる委員のようなものを、中の審査官ですけれども、任命をいたしまして、サンプル的に抽出した案件についてそういう人たちが、その基準ときちんと合っているかどうかをチェックしよう。もしずれがある場合にはまた庁内にフィードバックしていこう、そういう活動をしていく専門の部屋をつくったということでございます。 |
松尾委員 |
何人ぐらいいるのですか。 |
淺見審査基準室長 |
品質監理室は現在3名でございますが、その品質監理委員と言いますが、チェックをする体制は現在、12名の委員を置いております。 |
松尾委員 |
ありがとうございました。 |
中山部会長 |
ほかに御質問等ございましたら。 |
宮川委員 |
済みません。第1のグローバルな権利取得の促進のところなのですが、「アジア等における模倣品対策の強化」の中で「「模倣品・海賊版拡散防止条約」(仮称)の早期実現を目指す」とありますが、この条約について非常に関心を持っておりまして、現在、どのような段階でいらっしゃるのか、簡単に情報をいただけたらと思うのですが。 |
中山部会長 |
それはどなたから、長官、お願いします。 |
中嶋特許庁長官 |
これは小泉総理のときにサミットで、こういうインターナショナルな法的なフレームワークをつくったらどうかという提案をしまして、その後、現在は先進国の中のいわば有志と言いますか、もちろんアメリカ、それからヨーロッパ、ヨーロッパはどうしてもEU委員会が中心になるわけですけれども、その中でドラフティングの作業をしています。 |
宮川委員 |
ありがとうございました。 |
中山部会長 |
ほかに何かございますか。 |
安田委員 |
安田ですが、第2のところの最後のところに「学術文献等DBの構築」というのがあります。私は今、電子情報通信学会の副会長をしているのですが、最近、特許で文献引用というのが盛んに行われて、非常に見る側から見ると文献と特許とがリンクされてわかりやすくなっていいと思うのですけれども、問題はキーワードというのが文献と特許の側で必ずしもマッチングしていない可能性があるということなので、学会レベルの論文に関してキーワードを設定している人間と、特許の審査官の方々がどういうキーワードを使うかを、少しすり合わせをするようなことをお考えいただいたらもっとわかりやすくなるのではないかということで、ぜひお願いしたいのですけれども。 |
中山部会長 |
それは……。 |
山本総務課長 |
ぜひ検討させていただきます。 |
中山部会長 |
ありがとうございます。 |
青山委員 |
アドバイザーコンサルタント協会の青山です。 |
中山部会長 |
長官。 |
中嶋特許庁長官 |
大変失礼しました。実は、昨年からこれは日仏両方から提案をして、こういうものを3月にやろうねという話で準備を相当煮詰めてやっておったのですが、直前になりまして、フランスの担当大臣というか、ブルトン大臣というのですけれども、フランスの国内政治情勢と申し上げればおわかりいただけると思うのですが、今ちょうど大統領選挙とかいろいろあることも影響しているのではないかと推測しますが、ちょっと先方の都合で大臣の訪日中止ということになったもので、とりあえず3月の開催は見送りになりました。ただ、フランス側も日本側も、できるだけフランス側の準備が整い次第、早く共同でフォーラムを開催しましょうということになっております。ですから、引き続き準備をしたいと思います。 |
中山部会長 |
ほかによろしいでしょうか……。 |
中山部会長 |
次は、「知財戦略事例集」の策定につきまして、事務局より説明をお願いいたします。 |
木原技術調査課長 |
技術調査課長の木原でございます。本件は私の方から御説明させていただきます。 |
中山部会長 |
ありがとうございました。 |
諸石委員 |
この事例集につきましてはずっとお話は伺っていたのですが、実物を拝見するのは今日が初めてでございました。朝からパラパラと見せていただいて、企業の中で知財に関与している人間にとっては非常に腑に落ちる、そのとおりというところと、これはできていないなというのでギクッとするところとか、そういう意味で実際の企業の実務に携わっている人には極めて有意義なものであろうと思います。取り上げていただいている項目が非常に網羅的に知財関連のあらゆる項目を取り上げていただいている。事例が日本のほとんどの特許先進企業を網羅しておられるのだと思いますが、そういったことで、これは特許庁でおやりいただいた事業の中でも非常に画期的な、立派なお仕事だと思います。 |
中山部会長 |
その点、木原課長、何かございましたら。 |
木原技術調査課長 |
ありがとうございます。まさに御指摘のとおりと思っておりまして、「(案)」が取れましたら冊子の形にもさせていただいて、いろいろな機会を通じてその内容の説明等もやらせていただきたいと思っております。ただ、これは特許庁だけでやれるかどうかということもございまして、この事例集表紙に「経済産業省特許庁」となっておりますように、経済産業省全体として、原局も含めていろいろなルートで周知徹底を図ってまいりたいと考えております。 |
中山部会長 |
ほかに何か御意見、どうぞ。 |
井川委員 |
どうもありがとうございます。今おっしゃったようにこの報告書自体は非常に参考に多分なるのだろうと思います。ただ、私は企業家、こういうメーカーに勤めているわけではないので、ただし、政策面で非常にいいのだけれども、1つだけもうちょっとここもプラスしたらよくなるのではないのかなということを申し上げたいなと思う次第です。 |
中山部会長 |
それでは、木原課長、お願いします。 |
木原技術調査課長 |
ありがとうございます。井川委員御指摘の点、もっともだと思っておりまして、今回の事例集の作成に当たりましては、海外の部分も、もっと厚くしたかったという、本音で申しますとそういう点がございました。しかし、実際に企業の皆様にヒアリングをお願いした結果として、事例として集まったのはこのような内容にとどまったということでございます。ただ、実際に企業の方々に直接お話を伺っておりますと、各国の制度状況、例えば、中国はかなりわかってきたけれども、インドとかロシアとか、ほかのBRICSの国々とか、あるいは最近はVISTAと言われておりますベトナム、インドネシア等も重要な国となっており、そういう国々の制度についての情報がもっと欲しいといった声が実際にございました。特許庁としては、この事例集はこういう形でございますけれども、いろいろな機会を通じてそういう情報を提供していくことが重要と考えております。1つは私の課で担当しておりますけれども、年次報告書でそういう情報を広くオープンにしていくということもありますし、国際課の方でも、各国の特許制度・運用について収集した情報をすでにホームページ等で公開していると思います。そういうものも充実していくということも大事だと考えておりますので、引き続き頑張ってまいりたいと思います。 |
中山部会長 |
ほかに、森下委員、どうぞ。 |
森下委員 |
非常によくできて、参考になるものではないかと思います。今回はこれで結構なのですけれども、先ほどのお話ではないですけれども、少し分野別というのもつくっていただけたらと思います。分野別ですね。ライフサイエンスとか電気事業、かなり分野によってやはり戦略も違いますし、ぜひそういうものもできれば参考になるのではないかと思いますので、今回のものにつけ加えるのか、あるいはその中で抽出していただくのか、ちょっとそのあたりはわからないところもありますけれども、そういうものができればさらに参考になるのではないかと思います。 |
中山部会長 |
どうぞ。 |
木原技術調査課長 |
ありがとうございます。 |
中山部会長 |
では、野間口委員。 |
野間口委員 |
大変すばらしいものができたなと思っていまして、非常に参考になる資料だと思いますが、先ほど来、周知の方法とかのお話が出ていますけれども、これはウェブの上にも載る、特許庁のホームページでもこれにアクセスできるというふうになるわけですか。 |
木原技術調査課長 |
はい。 |
野間口委員 |
後の方のあれにも関係するかと思うのですが、地域の知財戦略本部、これは各地域がホームページをおつくりになって、結構いいことをやっておられるなと。ただし、地域間でかなりレベルの違いがある。それから、その地域の人はまず地域の知財戦略本部の方にアクセスするのではないか、アプローチするのではないか。だから、そことここをリンクされるか何か、新しい情報としてこういうものが見られるよというのをぜひコマーシャルしていただいて、知らしめていただいて、たどっていけるようにされると、こういうので困っているところは非常に多いと思うのですね。そういう意味では利便性が上がるのではないかと思いますけれども。 |
木原技術調査課長 |
そういうリンク等のとり方も前向きに考えてまいりたいと思います。 |
中山部会長 |
山本委員。 |
山本委員 |
私も周知徹底の方法なのですが、1点お願いがありますのが、私は大学のことしかわかりませんけれども、大学で実感しているのは、企業と大学の共同研究で出てくる特許の出願の質というのが、非常に質的に問題を感じることが多い。特に、3月ぐらいになると予算消化のための出願なのではないかなとか、共同研究をやったというだれかを昇進させるための出願なのではないかというようなことも感じることもありますし、一方で海外の企業のサイエンスオフィサーとかテクノロジーオフィサーと話をすると、例えば極端なことを言えば1回の交渉ですべてが決まるのですね。日本の企業も、昨今はIPオフィサー的な役職を設けておられる企業もあるのですが、実質的には名称は同じでも、肩書きは同じようなところでも権限は全く違うというようなことを感じることがあって、決定権を持っておられない。 |
中山部会長 |
ありがとうございます。 |
中嶋特許庁長官 |
今いろいろ意見をいただきましたので、最大限、いろいろな機会を活用して御理解いただけるようにやっていきたいと思います。 |
中山部会長 |
ほかによろしいでしょうか。 |
松尾委員 |
ちょっと細かい点ですけれども、ポイントの要約したところの1ページ目の左の下のところの「権利の戦略的活用」というところ、ここの一番初め、「自社事業の維持・拡大」のところの初めに「競合会社を排除」と出てくるのですね。私、これが4つ並んでいるのを見て、一番初めの「競合会社を排除」というのは、これは適切ではない、姿勢としておかしいなと思っていました。それで本文の方の中を見ますと、排除する場合のメリット、デメリットというのもありますし、排除を維持するためには有効な発明をして特許を得なければいけないと書いてあるのですね。ちゃんとここは正しく書いてありますので、ここのところだけはちょっと改めた方がいいだろうと思います。(笑声) |
木原技術調査課長 |
ありがとうございます。 |
松尾委員 |
外国のところにコメントが1つあるといいと思います。 |
木原技術調査課長 |
はい。 |
中山部会長 |
ほかによろしいでしょうか。 |
中嶋特許庁長官 |
ちょっと先程申し忘れましたけれども、特に本文の方は直接知財の担当の方に非常に有益だと思うのですけれども、トップマネジメントの方にこのいわばエグゼクティブサマリー的な視点を持っていただくということもぜひ心がけたいと思っております。 |
中山部会長 |
それでは、次の議題に移りたいと思います。 |
中山部会長 |
「地域知財戦略本部の活動方針」、「地域ブランドフェスティバル」、「弁理士法の改正」につきまして、事務局より説明をお願いいたします。質疑応答は説明の後にまとめてお願いをしたいと思います。 |
山本総務課長 |
それでは、地域知財戦略本部の現状と今後の方向について、私から説明をさせていただきます。資料4のA3の横長の紙をごらんください。 |
中山部会長 |
ありがとうございました。 |
中山部会長 |
続いて、「地域ブランドフェスティバル」につきまして、事務局より説明をお願いいたします。 |
林商標課長 |
商標課長の林でございます。 |
中山部会長 |
ありがとうございました。 |
中山部会長 |
続いて、「弁理士法の改正」につきまして、事務局から説明をお願いします。 |
間庭制度改正審議室長 |
制度改正審議室長の間庭でございます。 |
中山部会長 |
ありがとうございました。 |
中島委員 |
弁理士会会長の中島でございます。 |
中山部会長 |
ほかに御意見、御質問等ございましたらお願いいたします。 |
青山委員 |
済みません。地域ブランドフェスティバルについてなのですけれども、そこで「地域団体商標2007」の作成、公表ということがございますけれども、この冊子は何部ぐらいつくられて、どんなところに配布を予定していらっしゃるか、そしてまたネットでもダウンロードができるようになりますでしょうかということが1点。 |
林商標課長 |
では、初めに御質問があった「地域団体商標2007」の作成、公表につきまして、6月ごろを予定しておりますが、部数についてはまだ確定はしておりませんが、できれば数万部程度つくって各都道府県、あるいは各経済産業局、その他知財駆け込み寺等に、日本全国レベルで配布したいというふうに考えております。 |
青山委員 |
ありがとうございます。 |
山本総務課長 |
2つ目のお話は御指摘ごもっともでございまして、四国ではまさにそういう重要性をよく考えて、若者向けの普及・啓蒙活動に力を入れているところでございます。これは四国だけの話ではありませんで、どこでも重要なことだと思います。各経済産業局ではそれぞれの他の局のプランも相互に交換をして、いいところを真似ていくというようなことをやっておりますので、ぜひそんな形で進めてまいりたいと思います。 |
中山部会長 |
どうぞ、森下委員。 |
森下委員 |
同じような視点なのですが、近畿で行われています知財インターンシップ事業なのですけれども、これはポスドク1万人計画でも、ポスドク人材を逆に知財へ流せないかとか、知的財産戦略本部でもそういう話が出ていますけれども、ぜひこういう事業をより進めていただきたいと思います。 |
山本総務課長 |
ありがとうございます。ぜひそういう方向でやっていきたいと思います。 |
中山部会長 |
ほかによろしいでしょうか。 |
野間口委員 |
今の件に関してですけれども、近畿のインターンシップ事業というのは私立大学なのですね、実行しているのは。どうして国公立はやっていないのかなと思うのですが、その辺、何か問題があるのであれば、このインターンシップが話題になったときに、単位付与も含めていろいろ検討したらいいのではないかというのが戦略本部でも話題になったように思うのですが、私も全く同感でして、ぜひこれは広げていっていただきたいと思います。 |
中山部会長 |
ありがとうございます。 |
中山部会長 |
それでは、時間も押しておりますので、次に「発明の進歩性判断について」、事務局より説明をお願いをいたします。 |
淺見審査基準室長 |
審査基準室長の淺見でございます。よろしくお願いいたします。 |
中山部会長 |
ありがとうございました。 |
森下委員 |
要約案のユーザーヒアリングの結果というのと、実際にこちらに書いている内容は必ずしも一致していないように思うのですね、実際のヒアリング内容と。確かに全体として見たら要約されているように肯定的な意見が多いという結論でいいかと思うのですが、詳細を見ますと、バイオ分野をやられている会社はほとんどクレームを述べられていると思うのですね。事務所に関しても、バイオをやられている分野の事務所の方もほとんど文句を述べられていれる。実際に一番最初の事例集にしても、第5事例はバイオの領域ですけれども、これは賛否両論ということで非常に分かれていると思います。そういう意味では、すでに十分進歩性判断に関して業界の長い領域である程度お互いのコンセンサスができているものと、やはり新しい領域でコンセンサスがいまだに不十分であって、そこが混乱を来している分野というのが極めて分かれてきているように思うのですね。私どもも非常に審査が厳しくなっているという印象が強いのですが、私はバイオ分野なのでほかの分野は逆にわかりませんので、これを見ていますとどうも分野によっての違いが非常に明確になっているのではないか。そういう意味では、問題がないという結論というのもちょっと問題が逆にあるのではないかというふうに思いが、(笑声)ヒアリング、それから事例集ともに、かなり分野ごとの特徴というのが私には見えるのですが、いかがでしょうか。 |
淺見審査基準室長 |
ありがとうございます。 |
森下委員 |
後ろの方の事例、各業種から見ていましても、住友化学さんなどはやはり化学分野ではもう余り問題がないというのを明確に書かれていまして、そういう意味では化学分野という非常に長い分野と、バイオのように新興領域というのは同じ分野に入っていること自体が非常に、現在の状況を考えますと余り正しくないのではないか。特に第5事例ですね、実際の事例集、これは賛否両論という唯一、全く2つに分かれているような結論になっていますので、ぜひもう少し今のライフサイエンス、やはり政策課題ということも考えて、御検討いただければというふうに思います。 |
淺見審査基準室長 |
ありがとうございます。 |
中山部会長 |
ほかに御意見、ございましたら。 |
野間口委員 |
それでは、余り意見がないようですので、余計なことを聞くかもしれませんけれども、今、特許庁さんは世界特許システムということで、ハーモナイゼーションを非常に主導していただいて、そういうのにやはり基盤を与える取り組みではないかなと思いまして、私どもぜひこういう取り組みの進展を期待するところでありますけれども、そういうレベルの高い話ではなくて、ちょっと1つだけ質問させていただきたいのですが、こういうことを進めていきますと、例えばアメリカのパテントトロールみたいなああいうものは余りにも常識から外れているというので、もうやめようというようなことにつながるのかどうかですね。アメリカのIPカルチャーとしてつながるのかどうか、その辺はどう評価しておられるのでしょうか。あれはもうその外側でやっているので、影響はないのだということなのかどうか。 |
中山部会長 |
それはどちら。 |
淺見審査基準室長 |
よろしいですか。 |
中山部会長 |
どうぞ。 |
淺見審査基準室長 |
今回、ここでのレジュメでは国内ヒアリングだけの結果だけを御紹介させていただきましたが、欧米にも有識者、あるいは企業の方に、18ヵ所ヒアリングをしております。そういった中で、アメリカに関して言えば、やはり進歩性の水準が低いという認識を持っている方は非常に多くございました。日本の出願人もそのように思っております。それについては、今まさに連邦最高裁で見直しがされているので、その見直しの結果に期待したいという声が多くございまして、私どももまた見直しがなされることを期待したいと考えております。 |
中山部会長 |
ほかによろしいでしょうか。 |
井上審判課審判企画室長 |
済みません、ちょっとよろしいでしょうか。 |
中山部会長 |
はい。 |
井上審判課審判企画室長 |
先ほど森下先生から第5事例、バイオという御指摘をいただいていたのですが、これは人工肺ではあるのですが、いわゆるバイオではなくてむしろ機械の分野でございまして、もちろん森下先生から御指摘いただいたようにバイオの分野はいろいろ御指摘があるというのは重々承知しておりますが、第5事例はいわゆるバイオ分野とされるとなるとちょっと違うかなということで、1点御報告させていただきたいと思います。 |
森下委員 |
この案件自体は確かにいわゆる機械なのですけれども、今一番この機械領域で問題になっているのは、医薬品と混合型のものの審査というのが進んできていて、これが日本だけ認められないのが非常に多いのですね。薬剤が既知であって機械が既知であれば、必ずそれは既知であるみたいな発想でお話がされて、各国、日本だけ本当に成立しないというのが非常に多くなって、多分紛争も一番今ふえてきているのではないかと思います。そういう意味では、元々の機械のところもどうも医療機器に関しては審査が割れている。そこにさらに医薬品という新しい要素が加わって恐らく審査が割れてきているのではないかというふうに思っていまして、その意味では純粋なバイオではないのですが、もともと医療機器自体もこういう要素がやはりあるのではないかと思っておりますので、そういう意味でライフサイエンスと言い換えた方がいいのかもしれません。 |
井上審判課審判企画室長 |
どうもありがとうございました。 |
中山部会長 |
よろしいでしょうか……。 |
中嶋特許庁長官 |
大変いろいろ活発な御意見をいただきまして、ありがとうございました。 |
中山部会長 |
それでは、最後に事務局から何か連絡事項がございましたら、お願いいたします。 |
間庭制度改正審議室長 |
どうもありがとうございます。 |
中山部会長 |
それでは、以上をもちまして、産業構造審議会の第10回知的財産政策部会を閉会といたします。 |
[更新日 2007年5月1日]
お問い合わせ |
特許庁総務課制度改正審議室 |