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産業構造審議会 第10回知的財産政策部会 議事要旨

平成19年4月4日
経済産業省

4月4日(水曜日)10時00分~12時00分に開催された、産業構造審議会第10回知的財産政策部会(部会長:中山信弘 東京大学大学院法学政治学研究科教授)について、概要は以下のとおり。

1.イノベーション促進のための特許審査改革加速プラン2007について

資料2-1「イノベーション促進のための特許審査改革加速プラン2007概要」及び資料2-2「イノベーション促進のための特許審査改革加速プラン2007本文」に沿って事務局から説明を行った。これに対する委員からの指摘・意見は以下の通り。

資料2-1の2枚目の下の第2に「品質監理室」の設置とあるが、具体的にはどのような組織になるのか。

→審査の質のばらつき排除のために設けている審査基準が、実際の審査の上で活用されているかを、専門の審査官にチェックしてもらい、それを庁内にフィードバックしていくことになる。

2.戦略的な知的財産管理に向けて-技術経営力を高めるために-<知財戦略事例集>(案)について

資料3-1「戦略的な知的財産管理に向けて-技術経営力を高めるために-〈知財戦略事例集〉(案)の策定について」、資料3-2「戦略的な知的財産管理に向けて-技術経営力を高めるために-〈知財戦略事例集〉(案)のポイント」及び資料3-3「戦略的な知的財産管理に向けて-技術経営力を高めるために-〈知財戦略事例集〉(案)」に沿って事務局から説明を行った。これに対する委員からの指摘及び意見は以下の通り。

  • この事例集は極めて有意義であるので、長官が企業のトップの方に会う時に広報するなど、周知を図ってもらいたい。また、企業が十分に活用できるような研修なども検討いただきたい。
    →今後、経済産業省全体として、説明会を実施するなど、これの周知徹底を図ってまいりたい。
  • 業種等、分野別の事例集を作成すると一層参考になるのではないか。
    →分野に関して、産業界や学会等からの有識者による委員会において議論をしたところ、むしろ分野を示さない方が、読者に先入観を与えないため良いのではないかとの結論に至った。
  • 本文中には詳細に正しく書いてあるが、説明用の要約資料(資料3-2)1ページ目の「自社事業の維持・拡大」の部分に「競合会社の排除」とあるが、表現が適切でないのではないか。また、発明のブラッシュアップの際、特許弁護士などが発明を創作したということにならないように、発明者が何を発明したのかが重要であることを記載した方がよい。
    →修正を検討させて頂きたい。

3.地域知財戦略本部の活動方針について

資料4「地域知的財産戦略本部の現状と今後の方向」に沿って事務局から説明を行った。これに対する委員からの指摘及び意見は以下の通り。

  • 四国において若者向けにセミナー、出前授業等を実施しているが、小中学生、高校生等への知財教育は非常に大事。是非とも全国規模で取り組んでほしい。
    →若者向け普及・啓発活動の重要性は承知。他の地域においても各局の事業プランを相互交換し事業展開していく所存。
  • 近畿地域で行われている学生等を企業に派遣する知財インターンシップ事業は、ポスドク人材を知財分野に移行させるきっかけにもなり有益な事業と認識。私立大だけでなく、国公立大学からの積極的参加も望む。

4.地域ブランドフェスティバルについて

資料5-1地域ブランドフェスティバルについて」、資料5-2「パネル展示されている地域団体商標」、資料5-3「地域団体商標の出願状況について」及び資料5-4「地域団体商標の登録査定状況について」に沿って事務局から説明を行った。

5.弁理士法の改正について

資料6-1「弁理士法の一部を改正する法律案の概要」及び資料6-2「弁理士法の一部を改正する法律案について」に沿って事務局から説明を行った。この際、委員から以下の意見があった。

日本弁理士会は、弁理士の新しい研修制度や業務について、全力で準備しているところである。弁理士としては、知財のプロフェッショナルとして、ますますレベルアップに努め、世間の期待にこたえるべく邁進したい。

6.発明の進歩性判断について

資料7-1「発明の進歩性判断に関する検討結果について」、資料7-2「進歩性検討会報告書」及び資料7-3「進歩性等に関する各国運用等の調査研究報告書」に沿って事務局から説明を行った。これに対する委員からの指摘及び意見は以下の通り。

  • ヒアリングの結果や事例研究の記載を見ると、我が国の進歩性判断に関し、全体としては肯定的な意見が多いが、バイオ分野では批判も見られ、分野ごとの特徴があるのではないか。
    →バイオ分野については、進歩性だけでなく、記載要件も含めさまざまな意見をいただいている。本年度予定している記載要件に関する調査研究や日米欧三極特許庁で行う比較研究等を通じて、更に議論を深めたい。
  • 今回のような検討を進めてゆくことで、アメリカのパテントトロールといった特許の質に関する議論に影響を与えることになると考えられるのか。
    →今回、米国の有識者や企業に対してもヒアリングを行ったが、進歩性の水準が低いという認識を持っている方が多く、また、現在連邦最高裁で行われている進歩性水準の見直しの結果に期待したいという意見も多くあった。我々としても見直しがなされることを期待している。

[更新日 2007年4月24日]

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