第4回紛争処理小委員会について
平成14年9月10日
経済産業省特許庁
9月9日(月曜日)15時~17時に産業構造審議会知的財産政策部会第4回紛争処理小委員会(委員長:大渕哲也 東京大学先端科学技術研究センター教授)が開催された。
1.審議内容
(1)事務局説明
配布資料「新制度における審決取消訴訟・訂正審判の在り方」に沿って、①新制度における審決取消訴訟②審決取消訴訟係属中の訂正審判の在り方について事務局から説明した。
(2)自由討議
事務局説明について自由討議を行ったところ、委員からの主な意見は以下のとおり。
(新制度における審決取消訴訟への特許庁の関与について)
- 審決取消訴訟に特許庁が訴訟参加をする制度について、無効審決を維持する立場に特許庁が参加することは公平性の点から懸念がある。参加するにしても、その機会は限定されるべき。
- 紛争は当事者間のものであり、特許庁の訴訟参加は当事者への圧力となる。参加ではなく、求意見・意見陳述の制度で足りるのではないか。
- 当事者対立の構造に特許庁が加わることにより、審理構造が複雑になることが懸念される。
- 審決取消訴訟への特許庁の訴訟参加を義務づけて、当事者、特許庁、裁判所の三者を集めて議論を尽くす制度の方が紛争の迅速な解決に有効ではないか。
(審決取消訴訟継続中の訂正審判の在り方について)
- 制度はシンプルなものが望ましい。したがって、裁判所の判断を重視し、裁判所で対応できるものは裁判所で、それが無理なものは審判に戻すようにすべき。また、制度はシンプルなものが望ましい。
- キャッチボール現象をなくすためには、訂正を完全に遮断する案がよい。
- ユーザーとしては、審決後にも訂正の機会があることを望む。また、紛争解決のためには、当事者が議論を尽くす機会を設けることが重要であり、訂正されたものについて相手側が同一の場で意見を述べる差し戻し審判のような機会が設けられることが望ましい。
- 裁判所と特許庁とではそもそも役割が違う。現在のように両機関の存在を前提とする以上は、キャッチボール現象の発生は不可避である。また、全てのキャッチボールが紛争解決の遅延の原因になっているわけではない。キャッチボールをなくすことを目的に制度を検討することには疑問を感じる。
- 審決後にも一定期間に限り、訂正の機会を認め、審判において審理を尽くす一方、審決取消訴訟においては訂正を認めない制度が望ましいのではないか。
- 審判段階で攻撃・防御を尽くすことで、審決後の訂正の要望はある程度絞ることができると考えられる。
- 審決後に訂正を必要とする案件はそれほど多くないにもかかわらず、無効審判全件について予め特許庁の判断を示し、これに対する訂正の機会を与えると、特許庁への負担が過度に増え、対応が困難にならないか。
2.次回の審議予定
第5回紛争処理小委員会は、9月30日(月曜日)15時00分~17時00分に開催する予定。
[更新日 2002年9月11日]
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