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第2回医療行為WGについて

平成14年11月19日
経済産業省
特許庁

11月14日午前、産業構造審議会知的財産政策部会特許制度小委員会第2回医療行為ワーキンググループ(座長:相澤英孝早稲田大学アジア太平洋研究センター教授)が開催された。

1.審議内容

(1)事務局説明

配布資料に沿って、(1)特許法における医療関連行為発明の取扱いの方向性、及び(2)日米欧における医療関連行為発明の特許法上の取扱いの在り方について、事務局から説明した。

(2)自由討議

事務局説明について自由討議を行ったところ、委員からの主な意見は以下のとおり。

  • 川上規制は医行為の範囲の決定が困難であるのに対し、川下規制は予備的行為に関しても権利行使を認めるため、関連業種の発展が期待できる。したがって、後者が望ましい。
  • 将来の社会の動きに応じ医行為に対する対価請求を可能とするため、通常実施権の設定または運用に任せることが望ましい。
  • 通常実施権設定により川下規制とする場合、対価請求権の設定には反対。
  • 今後、医療の世界では先端医療技術の大幅な発展が期待され、保護が必要である。現行の運用は欧州よりも厳しいのではないか。
  • 技術発展の促進、制度・運用変更によるメリット、デメリットの大きさや国民の健康の維持増進への影響に着目して議論すべき。
  • 検討の結果、産業の発展に資さないのであれば、川上規制とすべき。
  • 医師は健康保険の適用を考えるため医療現場には問題が及ばないのではないか。
  • 川下規制の場合でも、国民の安全が守られることが必要。複雑なプロセスをとる臨床研究の内容を審査することは困難ではないか。
  • ある方法について特許を認めると、その方法に何らかの安全性が認められたかのように取られることが懸念される。
  • 研究段階では研究者の責任で安全性を確保すべきであり、事業化段階では十分な有効性と安全性の確認が必要。ただし、これらを特許法に求めるべきではない。
  • 患者の治療に影響を与えない範囲で先端医療技術として産業の発展に役立つなら川下規制を考慮することも可能だが、間接侵害訴訟増大による無用な負担増で産業が衰退することが懸念される。
  • 間接侵害を認めると、医師の診療活動における医療費の高騰が懸念される。
  • コストの観点からは、医師による臨床研究の役割が大きい。特に既知医薬の新規用途発見については、製薬企業よりも医療機関の役割が大きい。
  • 再生医療や遺伝子治療に係る技術の特許法上の取扱いが現在の課題であるならば、それらについて先行して制度を改正し、その後医療行為一般について更に検討して制度改正する二段階方式もあり得る。
  • 出願の代理人をしていると、大学の再生医療研究者を中心に、医療関連行為に特許を認めてほしいという要望が多い。
  • 医師等の行為が免責の場合、メーカーのみがリスクを負うのは問題である。
  • 医師は患者から報酬を得るため、営利事業として行うメーカーとは異なる。リスクはメーカーが負うべきではないか。
  • 医療関連行為で顕著な効果が得られたもののみが方法の特許として認められるなら構わないが、実際にそうなるかは疑問。
  • 臨床研究と治療とは同一視できないため、先端医療技術と特許というのは互いにかけ離れたものという印象がある。

2.今後の審議スケジュール

第3回医療行為ワーキンググループは、12月5日(木曜日)14時00分~16時00分に開催する予定。

[更新日 2002年11月21日]

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