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第3回医療行為WGについて

平成14年12月11日
経済産業省
特許庁

12月5日午後、産業構造審議会知的財産政策部会特許制度小委員会第3回医療行為ワーキンググループ(座長:相澤英孝早稲田大学アジア太平洋研究センター教授)が開催された。

1.審議内容

(1)事務局説明

前回に引き続き、配布資料に沿って、特許法における医療関連行為発明の取扱いの方向性について、事務局から説明した。

(2)自由討議

事務局説明について自由討議を行ったところ、委員からの主な意見は以下のとおり。

  • 特許法は安全性の確保と無関係ではあるが、特許権があることでその技術が安全なものであるかのように思われることを懸念する。
  • 生物由来製品の製造以外の医療関連行為については、研究機関や病院で安全性を確保しながら研究されている。しかし、その場合でも法律により安全性が担保されていない形で特許化されるのは問題である。
  • 皮膚の培養を業として行うような場合は、薬事法での生物由来製品の製造にあたるが、これについては厚生労働省で従来以上の安全性の基準を検討中であり、医療機関でのチェックと薬事法とで二重に安全性が担保されることになるから、その製造方法を特許対象とすることに問題はない。
  • 医療関連行為発明を特許の対象とすべきであるが、先端医療技術に関する発明については、特に急を要するものであり、それ以外の医療関連行為発明を別にしても、早急に制度の整備等を行うべきである。また、川下規制が好ましいが、場合によっては川上、川下両規制の併用や審査基準の改定による対応も考えられるのではないか。
  • 先端医療技術に関する発明は基礎研究の成果として出願されているが、これを他の医療関連行為発明と分けて考えられるのであれば、前者は実施にあたり法律により安全性が改めて確認されているものでもあり、産業上利用できるものとして特許対象とすることが可能であると考える。
  • 医療関連行為発明は、特許化すべきものとそうでないものとに分けられる。事例をカテゴリーに分けた上で検討した方が明確ではないか。
  • 先端医療技術に関する発明とそれ以外の医療関連行為発明との区別は困難と考えられるので、全体について川下規制で対応すべきである。
  • 川下規制が望ましいと考えるが、研究活動に専念する医師もいるため、主体で区別するのが最良とはいえない。一方、川下規制したい範囲の全体を表現するためには、例えば「診療行為」という表現を用いる方が妥当。
  • 川上規制で医行為を判断することは不確定性を伴うが、現行の運用でも、技能が発明とされなかったり、実施可能要件のような記載要件の充足が特許付与の条件とされているから、これらの要件を積極的に適用することにより医行為を判断する際における不確定性を改善できる部分もある。
  • 運用ではなく法改正によって対応すべき。
  • 川下規制の場合、対価請求権については別途検討すべきである。
  • 医療機器業界には、医療関連行為発明が特許対象となれば、従来権利行使されなかった部分でも間接侵害として権利行使される可能性があり、影響を懸念する声がある。
  • かつて医薬品業界は権利行使対象が拡大することで影響を受けた経験があるが、現在はそれを克服して国際的に通用する製品を送り出すまでになっている。医療機器業界もこれを機会に体質改善を行うべきではないか。

2.今後の審議スケジュール

第4回医療行為ワーキンググループは、日程を調整の上、開催する予定。

[更新日 2002年12月13日]

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