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第5回意匠制度小委員会 議事要旨

9月27日(火曜日)10時00分~12時00分に、産業構造審議会 知的財産政策部会 第5回意匠制度小委員会(委員長:大渕哲也 東京大学法学部大学院法学政治学研究科教授)が開催された。

1.審議内容

事務局から資料1に沿って、意匠権の効力範囲の拡大、意匠制度の枠組みの在り方及び意匠権の強化について説明した後、それぞれ自由討議を行ったところ、委員からの意見は以下のとおり。

(1)意匠権の効力範囲の拡大

  • 資料において、「製品」と「物品」という言葉が使われているが、違いを明らかにし、それを踏まえた上で議論すべきではないか。今後の画面デザインの検討にも影響すると考える。
  • 企業のデザイン戦略とともにブランド戦略をも考慮した制度検討を行うスタンスならば、どの程度ブランド戦略にウェイトを置くのか、それによって意匠法の基本的な考え方にも影響が生じるのではないか。
  • 「通過」を実施規定に加えることには抵抗がある。仮に規定したとしても実効性が低いのではないか。もし入るとすれば、税関における部品の取外しの論点にも同様に適用されるのか。
  • 類似概念の捉え方は、同一の範囲では保護が手薄になるから類似に拡大したとする考え方と、意匠は創作であるから自ずと幅があり、その範囲を類似と呼ぶ考え方があり、これは判断主体を需要者の立場に特定したとしても、継続する問題ではないか。

(2)意匠制度の枠組みの在り方(ダブルトラック化)

  • 第三者の監視負担が増加することを考慮し、無審査登録制度の導入は慎重に検討すべきではないか。企業の活動は時間との戦いであり、第三者との権利関係をクリアした上で開発を進めていく過程で、他人の権利を無効審判で対応している時間はない。意匠審査は早期化されており、料金も比較的安価であるので、ユーザーのニーズは現行制度で満たされつつあるのではないか。
  • 中国の状況を見れば、無審査登録制度であり、出願が増加を続け大量に権利が発生している。この中には、冒認出願によるものや実施しないものが含まれている。日本はまだ欧州のような無審査登録制度が機能する環境にないのではないか。できれば審査を主体とした制度が望ましいが、業界の特殊性を勘案し、特定分野を対象に導入するやり方はあり得るのではないか。
  • 無審査登録制度の権利期間は、10年では、不正競争防止法の形態模倣行為の規制が3年であることを考えると長すぎるのではないか。
  • 保護要件を創作非容易性のみとした場合、現行法の創作非容易性とは異なる解釈がされるのではないか。

(3)意匠権の強化

  • 意匠権の存続期間の延長の際に、現行の料金体系を維持するとすれば、延長した15年目から20年目の登録料が高くなりすぎるのではないか。企業では、実施が終わった後でも保護したいが、費用の要因で権利を捨てざるを得ない状況である。
  • 存続期間については、リバイバルなど過去のものが再び人気が出るケースがあることや、ブランド化して年代を超えて続く場合があるので、より長期間保護できるようにすべきではないか。また、制度の国際的調和の観点からは欧州と同様の25年という案もあるのではないか。

2.今後の予定

第6回小委員会を10月14日(金曜日)、第7回小委員会を11月7日(月曜日)に開催する予定。

[更新日 2005年10月4日]

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