第11回意匠制度小委員会 議事要旨
平成20年1月
経済産業省
1月22日(火曜日)10時00分~11時30分に開催された、産業構造審議会 知的財産政策部会 第11回意匠制度小委員会(委員長:大渕 哲也 東京大学大学院法学政治学研究科教授)について、概要は以下のとおり。
1.意匠政策を巡る最近の動向について
資料1「意匠政策を巡る最近の動向について」に沿って事務局から説明を行った。この際、委員から以下の指摘があり、事務局から適宜対応した。
- 2007年の出願件数は増加しているとあるが、どの程度増加しているのか。
→2006年に比べ、1%を下回る程度の微増である。
- 画面デザインの出願のうち、平成18年法改正により新しく保護対象となったものの出願はどのくらいの割合か。
→画面デザインの出願について、従前から認められているものか、新たに認められたものかの判断は審査をしないと判断できず、現状では審査結果が出揃っていないため、ある程度審査が終わった段階で分析をし、明らかにしたい。
- 新法施行後の関連意匠出願の出願傾向はいかがか。
→本意匠の出願後にされた関連意匠出願件数は、資料のとおりであるが、関連意匠の出願件数全体としてみると微減している。
- 秘密意匠の利用状況についてお聞きしたい。
→平成12年頃まで年間二桁台で推移していたが、近年審査期間が短縮されたために利用が増え、近年では年間1000件程度利用されている。なお、新法施行後に出願のあった案件のうち、登録料納付時に秘密意匠請求した案件は、現在までに約30件程度である。
- 今後更にアジア諸国との協力に力を入れて頂きたい。
→可能な限り働きかけをし、一層努力をしていきたい。
- 諸外国のデザイン開発と意匠権取得についてのバランスをどのように考えているのか。
→デザイン開発とその権利化との関係は本質的でかつ重要な問題であるため、日本、米国及び欧州のマクロ調査を行っており、その結果については特許庁HP上にも公開している。今後は中国、韓国等を対象に加えて更に調査を進めていきたい。
2.通常実施権等登録制度の見直しについて
資料2「意匠法上の通常実施権等の登録制度の見直しについて(案)」に沿って事務局から説明を行った。この際、委員から以下の指摘があり、事務局から適宜対応した。
- 将来的にライセンスを取り巻く状況に変化が生じ、更なるニーズが生じた場合、より使いやすいシステムとなるよう、将来的に見直すことも検討いただきたい。
→制度活用状況に留意しつつ、制度利用者の利便性を向上できるよう、今後も検討してまいりたい。
- ライセンス契約の締結によって許諾された権利は、契約の存在をもって譲受人等に当然に対抗できるようにするべきではないか。
→企業を中心にこのような要望が強いことは十分承知しているが、これは特許法を始めとする知財法の領域にとどまらず、民法を始めとする私法体系全体の在り方にも関わってくる問題であり、今後の課題とさせていただきたい。
- 対価の記載のない新たな通常実施権の登録された意匠権が移転された場合、ライセンス料について新たな権利者と再度調整する必要があるが、その際に法外なライセンス料を求められた場合、国が何らかの調整を行うのか。
→ライセンスにはノウハウの提供等も含まれるため、特定の意匠権に係る通常実施権のみの対価を算定することは困難として登録記載事項から除外した。また、登録制度を用いている諸外国においても対価は登録事項とされていない。
ライセンス料の額自体について国の関与は難しく、当事者同士で対応していただきたい。
3.拒絶査定不服審判の請求期間等の適正化について
資料3「拒絶査定不服審判の請求期間等の適正化について(案)」に沿って事務局から説明を行った。
4.特許料等手数料納付における口座振替制度の導入について
資料4「特許料等手数料納付の口座振替制度の導入について」に沿って事務局から説明を行った。
[更新日 2008年2月8日]
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