ホーム> 資料・統計> 審議会・研究会> 産業構造審議会> 産業構造審議会 知的財産分科会> 通常実施権等登録制度ワーキンググループ> 第1回通常実施権等登録制度ワーキンググループ 議事録
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間庭審議室長 |
定刻になりましたので、ただいまから産業構造審議会知的財産政策部会特許制度小委員会の第1回通常実施権等登録制度ワーキンググループを開会いたします。 |
間庭審議室長 |
竹田座長から、一言ごあいさつをお願いいたします。 |
竹田座長 |
御指名により座長を務めさせていただきます竹田です。よろしくお願いいたします。 |
間庭審議室長 |
どうもありがとうございました。 |
竹田座長 |
本日は第1回のワーキンググループでございますので、事務局から委員の皆様及び特許庁側の出席者の御紹介をお願いいたします。 |
間庭審議室長 |
委員のあいうえお順で御紹介いたします。 |
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三菱化学株式会社理事、契約・ライセンス室長の浅井委員。 早稲田大学大学院法務研究科教授の鎌田委員。 神戸大学大学院法学研究科教授の島並委員。 大阪大学大学院高等司法研究科教授の茶園委員。 日本弁理士会執行理事、長濱国際特許事務所弁理士の長濱委員。 東京大学大学院法学政治学研究科教授の中山委員。 東京医科歯科大学知的財産本部技術移転センター長、農工大TLO株式会社シニアアドバイザーの前田委員。 長島・大野・常松法律事務所弁護士の松田委員。 日本知的財産協会常務理事、ソニー株式会社知的財産センター長の守屋委員。 なお、本日、欠席されている委員が4名おられます。IPトレーディングジャパン株式会社代表取締役社長兼CEOの梅原委員。東京大学大学院法学政治学研究科教授の大渕委員。一橋大学大学院法学研究科教授の中田委員。一橋大学大学院法学研究科教授の山本委員。4名の方が御欠席でございます。 |
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特許庁側の出席でございます。 |
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長官の肥塚、総務部長の長尾、審査業務部長の武濤、特許審査第一部長の芝、特許審査第二部長の南、特許審査第四部長の櫻井、審判部長の高倉、首席審判長の梅田、総務課長の小川、登録室長の高柳、制度改正審議室の亀山と福田でございます。 |
竹田座長 |
どうもありがとうございました。 |
竹田座長 |
議事に入る前に、肥塚特許庁長官から一言ごあいさつをお願いいたします。 |
肥塚特許庁長官 |
竹田先生、中山先生初めとして、諸先生には暑いところをお集まりいただきまして、どうもありがとうございます。よろしくお願いいたします。 |
竹田座長 |
ありがとうございました。 |
竹田座長 |
事務局で、資料を用意、配付いたしておりますので、御確認をお願いいたします。 |
間庭審議室長 |
配付資料を確認させていただきます。 |
竹田座長 |
ありがとうございました。 |
竹田座長 |
議題に先立ちまして、このワーキンググループの公開について事務局から御説明の上、皆様の御同意を得ておきたいと思います。 |
間庭審議室長 |
資料1をごらんください。産業構造審議会は、その運営規程によりまして、部会や小委員会、ワーキンググループを含めまして、原則公開でございます。本ワーキンググループにおきましては、委員各位の率直かつ自由な意見交換を確保するために、会議の傍聴は受けないということとさせていただきたいと思います。ただ、配付資料、議事要旨、また議事録については、発言者名を記載して、会議後に特許庁ホームページに掲載させていただきたいと存じております。 |
竹田座長 |
ただいまの事務局からの説明について、御異議はございませんでしょうか。 |
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〔「異議なし」の声あり〕 |
竹田座長 |
ありがとうございました。 |
竹田座長 |
早速、議題に入らせていただきます。まず配付資料について事務局から御説明を行っていただきます。 |
間庭審議室長 |
お手元の資料2、資料3、資料4について、続けて御説明させていただきたいと思います。 |
竹田座長 |
どうもありがとうございました。 |
竹田座長 |
議論に移りたいと思います。 |
浅井委員 |
この制度を見直すことによって、今までよりも使いやすい制度にするということはいいかと思いますが、しからば、この制度が使いやすい形になったとしても、すべてのライセンス契約をこういう形で登録することになっていくのだろうかということについては、実務の中では、必ずそうなるだろうという見通しは得にくいなという感じをします。制度の内容の見直しとはちょっと違うかもしれませんけれども。 |
竹田座長 |
今おっしゃった点で、今度の制度改正の議論を通じて、特許のライセンス契約を使いやすいものにするという点を見直していこうということであろうと思いますけれども、ライセンス契約はそれぞれの特許権者とライセンシーとの間で、さまざまな事情があると思いますので、それですべてが登録制度にのっけようということまでは考えてここで議論するのではないだろうと思いますけど、その点について事務局から何か御意見ありますか。 |
間庭審議室長 |
そこは実際に登録するのかしないのか、これもまた企業の経営判断だと思うわけですね。先ほどの登録しない理由のところで一番多かったのが、相手がつぶれたりするようなことはないので、事業は継続できるだろうというようなことで登録しないという結果も出ております。そういった事業継続リスクをどのようにライセンシーたる企業が評価しているのかということで、登録しないということであれば、これはしないで結構だと思っております。 |
竹田座長 |
ほかに御意見いかがでしょうか。 |
守屋委員 |
包括登録制度のパブリックコメントでも業界団体からいろいろ申し上げましたが、業界団体としては、基本的には登録制度なしに通常実施権、ライセンスについては対抗を認めていただきたいということが基本的な考です。今回は土俵に乗っているのが通常実施権の登録制度の改正ということなので、この意味では、ある制度を使いやすくしていただくというには大変感謝しております。 |
竹田座長 |
その意味で、登録しなければならない事項と、開示される事項とは、区別はある程度可能かと思います。その辺の議論もこれからいろいろ出てくるであろうと思いますけれども、特に企業と産学連携の関係で、大学の研究機関との間の問題特許を受ける権利に関連しても出ておりましたけれども、その辺の問題はどうですか。 |
守屋委員 |
確かに、出願中の権利についても、ある程度登録……。 |
竹田座長 |
今、大学研究機関のことをお話し頂きました。前田委員からいかがでしょうか。 |
前田委員 |
TLOや知的財産本部の側から言いますと、ほとんどの場合がライセンサーになります。私どもが使っていただくという形になります。 |
竹田座長 |
ありがとうございました。 |
長濱委員 |
日本弁理士会執行理事の長濱でございます。 |
竹田座長 |
ほかにいかがでしょうか。 |
鎌田委員 |
詳しいことは、これからの審議の中で御議論の対象になると思うんですけれども、二、三申し上げたいと思います。 |
竹田座長 |
いろいろな論点について、貴重な御意見を承りました。 |
鎌田委員 |
あり得ると思います。先ほど三つの仕組み方があると言って、ちゃんと言わなかったかもしれませんけれども、特許を受ける権利の登録制度をつくるのと、将来の特許権についての予備登録制度をつくるのと、将来成立するであろう特許権について出願または出願公開の段階から本登録をさせてしまうというのと、3通りあるというふうに思います。 |
竹田座長 |
ありがとうございました。 |
中山委員 |
事務局の出されました論点整理は、私はこれでよろしいのではないかと思っております。 |
竹田座長 |
今、中山委員がおっしゃった点で、活用、流通性をよくするということは知財制度にとって重要なことだと思いますが、その一方に、取引の安全にどれだけ配慮するかという点が、どこまで登録事項にするか、どこまで開示するかに関連して非常に問題になるところだと思います。 |
中山委員 |
まさに、それが一番のイシューで、これまでの産活法の改正で非常に議論になったわけですけれども、理論的な問題も大きいのですけれども、実務の要請も大きいと思います。例えば不動産の賃貸借について対抗要件の問題になったのは、地震売買といって、非常にけしからん売買が沢山あり、困った人が大勢出たと、だから、ああいう制度をとったわけです。 |
竹田座長 |
ほかにいかがでしょうか。 |
茶園委員 |
2点、質問があります。また、こういう問題もあるかなということを1点お話させていただきます。 |
竹田座長 |
今の御質問の点について、事務局からお答えいただきますか。 |
亀山審議班長 |
第1点目は対価の額について、現実にどういうふうに登録しているかと。我々が把握している限りでは、対価は決めていないので登録できないという人もいるのか、それは一定程度いるだろうと。あとは、対価の決めがある場合は登録するというふうにされていますので、その決めがないということで、あえて空欄で出してくるというケースも見受けられると認識はしております。 |
竹田座長 |
特許を受ける権利に関して、特にいろいろ御意見が出ております。島並委員、いかがですか。 |
島並委員 |
特許を受ける権利からとは、違う点でもよろしいでしょうか。 |
竹田座長 |
どうぞ御自由に御発言ください。 |
島並委員 |
事務局には非常に丹念に論点を挙げていただいて勉強になったのですけれども、今後、これをどういう順序で検討していくかについて少し考えていることを申し上げたいと思います。 |
間庭審議室長 |
まさにそのとおりだと思っております。私どもも、そこのところははっきりしないと、何が対抗できるのか、対抗できないのか、わからなくなってきてしまいますので、御指摘を踏まえ整理させていただきます。また御相談に乗っていただきたいと思っております。 |
中山委員 |
現状についてお伺いしたいのですけれども、対価の額を書かなくてもよろしいわけですね。そうすると、書かなくてもいいということになると、問題ないと思うんですけれども、仮に対価の決めがあって、かつ書かない場合というのは何らかのサンクションがあるんですか。それとも、書いてなければ、それでおしまいなのでしょうか。 |
亀山審議班長 |
今は対価の額が空欄で出てきた場合に、本当に決めがないのかどうかというところまでは、行政的には、そこまで確認はできておりません。そういった意味で、サンクションを特には設けておりませんというのが実態でございます。 |
中山委員 |
アンケートをとると、対価の記載が問題だというのが圧倒的に多いわけですね。それはブランクでいいということを知らないということなのでしょうか。違いますか。 |
守屋委員 |
対価の定めがある場合は書かないといけないんですね。 |
亀山審議班長 |
そうです。 |
守屋委員 |
定めがない場合はブランクでもいいと? |
中山委員 |
私が聞いているのは、そうだけれども、仮にブランクだった場合に、何かサンクションがあるのかということです。何もなければ書かなくてもいいというのと結論は同じことになるのではないですか、こういう質問なのです。 |
亀山審議班長 |
そこは、実態はおっしゃるとおりで、賢い人は対価の額は空欄で出してくるということだと思いますが、法律上は、定めがある場合は登録しなければいけないとなっていますので、それを前提に我々も動いております。そこで使いにくいという声も実際にあるのも事実ですので、そこは見直しをしていきたいと考えております。 |
中山委員 |
先ほどの島並教授の発言とも関係するのですけれども、そこで対価の記載があれば対抗できるとか、そういう効果があるかどうかという問題です。これは学説も分かれていまして、判例もないのではっきりしないんですけれども、多分そこら辺のことではないかなと思います。 |
亀山審議班長 |
対価の額、登録の効果もぜひ御議論していただきたいと思っていますけれども、特許法上の条文だけを見ると、通常実施権は、取得した人に対しても、登録したら、その効力が発生するというふうにしか書いておりませんので、素直に法制的に整理をするのであれば、対価の額は登録しても、それは参考情報に過ぎないということなのではないかと思っています。そこは不動産登記の方でも、まさに学説分かれておりますので、そのあたりとの整理もうまくやりながらやっていきたいと思っています。 |
鎌田委員 |
今回はまだ余りテクニカルな話に立ち入るべき回ではないと思うのですけれども、対価の登録の効果というのは結構難しい問題で、不動産賃貸借における賃料の登記効果をめぐって学説上も議論されているというのは御指摘のとおりです。私自身は単なる情報提供のためだけの登記事項というのは、どんな登記・登録であっても、幅広く認めていいと考えているんですが、不動産登記法における伝統的な考え方は、登記をすることによって何らの効果も生じないものは登記をする必要がないし、させるべきでないというのが基本的な考え方ですから、登記してあることは基本的に全部意味があることになります。賃料を登記すれば、登記した賃料額で対抗していくというのが原則です。 |
竹田座長 |
通常登録事項として法律が規定していれば、それに何の意味がない、単なる情報開示だというだけのことだということは、通常はあり得ないと思います。 |
守屋委員 |
標準化に関係した特許なんかは、RAND(Reasonable and non-dicriminarory)でライセンスすることを条件とされていますので、そういった場合は、ある程度開示せざるを得ないのかもしれないんですけど、先ほど申しましたように、契約の内容が多様化していまして、特許だけの場合や著作権、ノウハウやトレードマークが含まれたような契約の形態もありますし、相手方から対価をもらう、グランドバックでいい特許を(許諾して)もらっているので、料率が下がっているようなケース、あるいはグランドバックがないので金額は高いようなケースのように、いろいろあります。 |
竹田座長 |
時間が残り少なくなってまいりましたが、どういう論点でも結構ですが、いかがでしょうか。 |
浅井委員 |
今の守屋さんの件で補完ですけれども、守屋さんが御指摘されましたように、対価というのは対価単独だけで決められるものではなくて、すべての取引の内容、対応を重ねまして、その結果としてあらわれている一つの現象なものですから、そこの面だけがひとり歩きしてしまうのは本末転倒かなと思います。 |
竹田座長 |
松田委員、いかがですか。 |
松田委員 |
2点だけ申し上げます。 |
竹田座長 |
ありがとうございます。 |
竹田座長 |
今後のスケジュール案について、事務局から御説明をいただきます。 |
間庭審議室長 |
資料5に今後のスケジュール(案)という1枚紙を用意してございます。本日の御議論を受けまして、次回、第2回目は9月の上旬あたりを予定してございまして、各論点の具体的検討についてということで、登録事項の限定化ですとか、一部非開示化、また出願中の権利に係る登録制度について御議論いただきたく存じております。 |
竹田座長 |
今後のスケジュールについて御説明いただきましたが、具体的な日程については、皆様、委員の御予定を伺って、審議室長から、また御連絡があると思います。 |
間庭審議室長 |
また御予定を伺って、2回目、3回目の日程を決めたいと思っております。 |
竹田座長 |
ただいまの御説明についての御意見、御質問がありましたら、何かございますでしょうか。――よろしいですか。 |
竹田座長 |
時間となりましたので、以上をもちまして、産業構造審議会知的財産政策部会特許制度小委員会の第1回通常実施権等登録制度ワーキンググループを閉会させていただきます。 |
[更新日 2007年9月3日]
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