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第4回実用新案制度ワーキンググループについて

平成15年11月14日
特許庁

11月13日(木曜日)10時30分~12時30分に、産業構造審議会知的財産政策部会特許制度小委員会第4回実用新案制度WG(座長:大渕哲也東京大学大学院法学政治学研究科教授)が開催された。

1.審議内容

事務局から配布資料に沿って説明した後、自由討議を行ったところ、委員からの意見の概要は以下のとおり。

(1)権利付与対象について

  • インターネットや記録媒体で流通するプログラムについては、現場において、保護のニーズがなく、権利付与対象の拡大については、慎重論が根強いため、対象を拡大すべきではない。
  • プログラムやビジネス方法については、監視負担等の弊害が大きいため、権利付与対象は拡大せず現状を維持すべき。
  • ソフトウェア技術が組み込まれた物については、現状においても保護することが可能であるため、対象の拡大は必要ないのではないか。
  • 多くの商品にソフトウェア技術が組み込まれている現状にかんがみ、プログラムを保護できるように、「物の考案」全体にまで権利付与対象を拡大すべき。
  • 権利付与対象を拡大しなければ、実用新案制度の利用があまり増加しないのではないか。

(2)存続期間について

  • 出願から10年という事務局案に賛成。
  • 7~10年分の登録料については、高めに設定すべき。

(3)実用新案登録に基づく特許出願について

  • 実用新案登録に基づく特許出願の導入に賛成。
  • 実用新案登録に基づく特許出願をする際には、出願時に実用新案権を放棄させるべき。
  • 実用新案登録に基づく特許出願をした後に、早期保護の必要が生じた場合は、早期審査を請求すればよい。実用新案権の登録を特許出願後も残す必要はないのではないか。
  • 出願から3年の期間は、実用か特許かの選択の期間として十分なものである。
  • 実用新案登録に基づく特許出願の特許請求の範囲に記載できる事項については、一定の制限を課すべきではないか。
  • ヒット商品については、早期に評価請求する必要があるので、例えば、出願から1年以内であれば、評価請求をした後であっても、実用新案登録に基づく特許出願が可能という制度にしてほしい。
  • 実用新案登録に基づく特許出願をした後に、これを出願分割し、さらに実用新案登録出願に出願変更することができるようにしてほしい。

(4)訂正について

  • 訂正の許容範囲を拡大することには賛成。
  • 他人からの評価請求や無効審判請求の後に、請求の範囲の減縮等の訂正ができなくなることは、権利者に酷ではないか。
  • 不確定な権利が存続し続けることを防止するために、出願から6年程度を経過した後は、訂正できないように期間制限をすべきではないか。
  • 特許庁の負担にならないのであれば、訂正の適否について訂正時に特許庁が判断してもいいのではないか。

(5)その他

  • 進歩性について規定する実用新案法第3条第2項の「きわめて容易」の用語を残すことの妥当性については、軽々に決めることではないが、発明の定義とは切り離して議論することができるのではないか。
  • 評価請求の料金については、実費を勘案して値上げすべき。
  • 将来、審査主義に戻すことについて議論すべきではないか。
  • 実用新案技術評価書の作成と特許出願の審査は同等のものであるから、実質は、実用新案制度においても審査主義が採用されていると考えることができるのではないか。そうであれば、出願から3年以内に評価請求しない場合、実用新案権を消滅させるなどの規定を置くことにより、他の制限的措置を緩和すべきではないか。
  • 評価請求可能期間を制限した場合、権利行使の必要がないと判断して評価請求せずにその期間が経過し、その後に模倣品が現れる事態が想定される。そのような場合に対応できないのでは実用新案権者に酷ではないか。

2.今後の審議スケジュール

第5回実用新案制度WGは、12月2日(火曜日)に開催する予定。

[更新日2003年11月17日]

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