第1回特許戦略計画関連問題ワーキンググループについて
(本記事作成:特許庁総務部総務課制度改正審議室)
平成15年9月3日
特許庁
9月2日(火曜日)10時00分~12時00分に、産業構造審議会 知的財産政策部会 特許制度小委員会 第1回特許戦略計画関連問題ワーキンググループ(座長:長岡 貞男 一橋大学イノベーション研究センター教授)が開催された。
特許戦略計画関連問題ワーキンググループでは、「特許戦略計画」、「知財推進計画」、及び「特許法等の一部を改正する法律案」に対する附帯決議」等で検討すべきとされている課題を中心に、迅速かつ的確な特許審査に資する制度の見直し等について検討を行う予定。
第1回のワーキンググループでは、迅速かつ的確な特許審査の意義として、迅速かつ的確な特許審査による、出願人のメリット、第3者のメリット、我が国全体としてのメリットは、それぞれどのようなものか検討を行った。
1.審議内容
(1)事務局による説明
配布資料に沿って、迅速・的確な審査のための体制・制度の整備と新たな検討課題などについて事務局から説明した。
(2)自由討議
事務局による説明に続いて自由討議を行ったところ、委員からの意見の概要は以下のとおり。
(迅速・的確な審査について)
- 権利が早く付与されることは、的確な審査が確保できるならば大いに賛成である。
- 審査期間自体は単なるコストである。条件が同じであれば、審査期間は早ければ早いほど良い。法制度は企業の戦略的行動に対してニュートラルでなくてはならない。審査期間は、長くても短いにしても一律であるべきで、その場合早ければ早いほど良い。
- 権利として成立するか否かが不安定な状態の出願が多く存在することは大きなリスクである。これを回避するには基本的には迅速に審査が行われることが重要。分割出願の要件緩和も含めて、権利者の視点のみではなく第三者の視点を持って考える事も必要だろう。
- 国際競争力という観点から、海外の権利取得時期も含めて考えることが重要。日本のみで権利化されていたとしても権利を使うことができない。
- アジア各国での日本特許庁の審査結果の利用を高めていく事が必要。
- 的確に審査をしてもらいたい。異議申立制度が廃止されたことで、益々的確性の要求が高まっている。
- 最も無駄と考えられることは、本来特許とはならないものが特許となった場合への対応である。的確な審査をすれば、その後の無駄な労力は不要である。的確性を確保した上での迅速な審査を考えてもらいたい。
(出願人の先行技術調査)
- 先の国会の附帯決議で指摘されている、十分な先行技術調査を伴う場合の審査請求料減額について、この場合の先行技術調査は、指定機関のみだけではなく企業内で十分な調査を行った場合にも減額してもらいたい。
- 企業によって、多額のコストをかけて先行技術調査を行って出願するところと、先行技術調査を充分に行わないところが存在するが、両者間に料金面での差を設けて欲しい。
- 企業の側としては、先行技術調査をきちんと行い、それを踏まえて出願をすれば、迅速的確な審査につながることになる。
- 先行技術調査がしっかりと行われる状態を作るために、どのような施策が必要か考えるべきだろう。インセンティブを働かせる手段は、料金減免だけでは無いのではないか。
- 先行技術調査をどこまで信じて審査ができるかが迅速化の一つのテーマであり、また、そのような機関を作ることが必要。
(その他)
- 特許庁が所有している各種指標は積極的に公表すべき。
- 企業は、特許ポリシーを「数」重視、から「質」重視に変えてゆくべきである。
2.今後の審議スケジュール
第2回特許戦略計画関連問題ワーキンググループは9月22日(月曜日)14時00分からの開催を予定。
[更新日 2003年9月5日]
お問い合わせ
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特許庁特許審査第1部調整課企画調査班
担当者:大畑、宮田
電話:03-3581-1101 内線 3107

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