第4回特許戦略計画関連問題ワーキンググループの概要
(本記事作成:特許庁総務部総務課制度改正審議室)
平成15年11月20日
特許庁
11月18日(火曜日)10時00分~12時00分に、産業構造審議会 知的財産政策部会 特許制度小委員会 第4回特許戦略計画関連問題ワーキンググループ(座長:長岡 貞男 一橋大学イノベーション研究センター教授)が開催された。
第4回特許戦略計画関連問題ワーキンググループでは、指定調査機関の活用、迅速・的確な特許審査に向けた弁理士の貢献、産業財産権行政の情報化の見直し、及び、知的財産に関連した人材育成の強化について検討を行った。
1.審議内容
(1)事務局等による説明
配布資料に沿って、指定調査機関の活用、産業財産権行政の情報化の見直し、知的財産に関連した人材育成の強化、及び、中間取りまとめ骨子(案)について説明を行った。また、迅速・的確な特許審査に向けた弁理士の貢献について大西委員より説明があった。
(2)自由討議
事務局等による説明に続いて自由討議を行ったところ、委員からの意見の概要は以下のとおり。
(指定調査機関の活用について)
- 民間参入することで緊張感が生まれ、IPCC(工業所有権協力センター)での業務も、より適正化されるのではないか。また、今回の指定調査機関の要件の緩和は、広く行政業務の民間開放の一つと捉えるべき。
- 出願人の依頼を受ける指定調査機関を複数化することは良いと思われるが、特許庁のサーチ外注は、一つの指定調査機関に集中させるべき。
- 原則的に競争原理を先行技術調査機関に持ち込むのは賛成。
- 現在の指定調査機関が公益法人のままでは、新規に指定調査機関に参入する民間調査機関との間で諸般の条件が異なり、競争原理を働かせるのは困難ではないか。
- 新規参入する指定調査機関が、全ての技術分野をカバーする必要はない。例えば、化学やバイオなどに分野を特化するのも良いだろう。
- 特許審査における先行技術調査は、本来特許庁が自らやるべき業務であり、外部に人材がいるからといって安易に分散化するのはどうか。秘密保持も難しくなるのではないか。
(迅速・的確な特許審査に向けた弁理士の貢献について)
- 弁理士に対する苦情は、専門技術外の業務を行った場合に多い。弁理士も自らの得意な専門を明らかにするべきではないか。それにより業務の能率も向上すると考えられる。
- 弁理士にすべての責任を負わせられない特許査定率等の指標により弁理士の評価を考えるのは望ましくないのではないか。
- 弁理士一人当たりの出願数が、米国等と比較して依然として多い状況であるから、弁理士の数は引き続き増やすべきである。
- 弁理士が訴訟に関与する中で、法曹倫理に関する検討が必要と思われる。
(産業財産権行政の情報化の見直し、知的財産に関連した人材育成の強化について)
- ITを利用した情報提供を充実することは、出願人のコスト低減につながるため望ましい。特に海外への出願に際しては、コストの低減が重要。
- 機械翻訳機能の強化にあたっては、拒絶理由通知で引用された文献の一部分のみではなく、引用文献全文を翻訳できるように検討して欲しい。
- IPDLを高速化したり見やすくすること自体は、政府の行うべき業務であり、民業を圧迫するものではないが、それ以上の付加価値を付けて情報を発信するとなると、これは民業を圧迫してしまうと考えられる。
- 人材育成の強化が、特許審査迅速化の中で、大学や文部科学省との役割分担にも留意しつつどのような位置づけとなるのかを明確にすべき。
- 弁理士は本来、自らで研鑽を積むべきであり、特許庁が積極的に弁理士の教育・育成を行うことは、筋が違うのではないか。
- 弁理士が自己研鑽すべきは当然であるが、審査官との交流等、弁理士会では対応できない研修について、特許庁の協力をお願いしたい。
(中間取りまとめ骨子(案)について)
審査期間の具体的な数値目標を明記するべきではないか。
2.今後の審議スケジュール
第5回特許戦略計画関連問題ワーキンググループは12月16日(火曜日)10時00分から開催予定。
[更新日 2003年11月21日]
お問い合わせ
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特許庁特許審査第一部調整課企画調査班
担当者:大畑、上尾
電話:03-3581-1101 内線3107

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