ホーム> 資料・統計> 審議会・研究会> 産業構造審議会> 産業構造審議会 知的財産分科会> 特許戦略計画関連問題ワーキンググループ> 第9回特許戦略計画関連問題ワーキンググループ 議事録
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(本記事作成:特許庁総務部総務課制度改正審議室)
長岡座長 |
時間になりましたので、始めたいと思います。 |
南調整課長 |
それでは、私、7月1日付で前の技術調査課長から調整課長に異動いたしました。事務局を務めている間、皆様に御協力いただきましてありがとうございました。今後、引き続きまして補正分割の方の担当をいたしますので、よろしくお願いいたします。 |
長岡座長 |
ありがとうございました。 |
新井技術調査課長 |
ただいま南前課長からごあいさつがございましたように、後任の新井と申します。ひとつよろしくお願いいたします。 |
長岡座長 |
ありがとうございました。 |
秋元委員 |
その前に、先般INTERPATの資料を非公開ということで出させていただいておりますが、その後第2次のドラフトが送られてまいりました。これについては、主として賛成方のカンパニーの意見を盛り込んで若干文言等を変更しておりますが、最終的な結論はまだ出ておりませんので、INTERPATとして正式にそういうポジションペーパーを出すというところまでに至っておりません。しかしながら、その修正案のドラフトを見ますと、前回のドラフトとほとんど変わっておりません。文言その他等には変更がありますが、内容的には変わっておりません。 |
長岡座長 |
どうもありがとうございました。 |
新井技術調査課長 |
それでは、お手元の資料4-1から4-6に沿いまして継続して御紹介させていただきたいと思います。 |
長岡座長 |
どうもありがとうございました。 |
秋元委員 |
強制実施権のことを非常によくまとめていただいてありがたかったんですが、これらのアジア諸国で試験研究についての何か判例、事例はございますでしょうか。 |
長岡座長 |
公共の利益という観点ですか。 |
秋元委員 |
はい。 |
新井技術調査課長 |
試験研究の例外に関する視点からも調べておりますが、今回は強制実施権の事例についてご紹介させていただきました。強制実施権に関しては、事務局が調査した範囲では、アジア諸国において試験研究について強制実施権を認めた事例はございませんでした。 |
秋元委員 |
試験研究の例外に関し、中国ではたしか1件あったというふうに聞いているんですが、はっきり調べておりませんけれども、清掃機器の研究の例だったかと思います。 |
新井技術調査課長 |
アジア諸国における試験研究の例外につきましては、事務局の方で調べておりますので、次回ご紹介させていただきたいと思っております。 |
長岡座長 |
それは調べていただくことにしまして、事務局の方でこれまでのWGでの議論を踏まえまして、裁定実施権についての論点整理ペーパーを用意していただいておりますので、それについて御説明をお願いいたします。 |
新井技術調査課長 |
それでは、お手元の資料の番号で言いますと資料5でございますが、これまでの欧米の制度や事例、今般御紹介させていただきましたアジア諸国のところ、それから当然我が国の裁定の現状も踏まえまして、これまでのWGでの議論で出された裁定実施権についての論点を整理した簡単な資料を御用意させていただきました。 |
長岡座長 |
どうもありがとうございました。 |
加藤氏 |
論点整理の第2項です。特許権の保護と制限のバランスの観点ということで、(1)、(2)、つまり(1)で正当な権利範囲ではないか、また、ロイヤリティーが高くても通常ならば特許権者として正当な権利行使の範囲ではないか。(2)で不当な権利行使については、独禁法の観点から制約をかければいいじゃないかという、極論するとそういうことかと思います。その点について私どもの主張は、ややその間に置かれたような状況において、裁定実施権、強制実施権が必要なのではないかという主張でございます。 |
長岡座長 |
どうぞ、秋元委員。 |
秋元委員 |
私も産業界の端くれとしてちょっと。その前に論点整理のところでいろいろ御意見というか、書いてあるわけですけれども、これは特許庁さんの考えなのか、この委員会の考えなのか。例えば一番最初からいきますと、これ全部私は反論があるんですけれども、諸外国の制度との整合性、特に厳しい要件を課しているわけではないのではないか、これはこの委員会の結論ですか。 |
長岡座長 |
これは全く素案の素案でありますので、いろいろコメントいただいて、次回までにそれを反映したいと思います。 |
丸島委員 |
加藤さんの提出したケース2をもとにちょっと御説明させていただきたいんですが、その前に2ページで、特許権の保護と制限のバランスの観点というところで、高額なロイヤリティーの要求やライセンス拒絶は特許権者としての正当な権利行使ではないのかというので、これは一般論ではそうだと思うんですね。 |
長岡座長 |
相澤委員、お願いします。 |
相澤委員 |
私は裁定実施権を制限する方向しかとり得ないのではないかと思います。そもそも選択肢が余りないと思います。 |
長岡座長 |
どうぞ、丸島委員お願いします。 |
丸島委員 |
今のお話でグローバル化ということで、標準化の件は国内だけ直しても効果いんじゃないかと、私もそのように思います。今申し上げたのは何も国内だけにとどめてほしいというのではなくて、日本が率先して、世界の標準化というものはこうあるべきということを発信すべきじゃないのかという意味で申し上げているんです。三極でハーモナイゼーションもやっているでしょうけれども、この標準化というのは、国際的にある程度ハーモナイゼーションに持っていくような仕組みをつくらないと、これからの技術開発に相当な支障を来すと私は思っているんです。 |
長岡座長 |
秋元委員。 |
秋元委員 |
ちょっと相澤先生の御意見に対して反対するわけではないんですが、まずリサーチツールの場合は、その製品を外国へ持って行くということはないんですね。研究段階でのみ使うという定義でございますから、グローバル化しても、外国には持って行かない。ただ、日本で研究を進めて、いいものをつくり、それを海外へ持って行く。それで日本の産業の発展にも役立たせる。これがまずリサーチツールの考え方でございます。だから標準とは若干違うと思います。 |
長岡座長 |
竹田委員、お願いします。 |
竹田委員 |
相澤先生にちょっと反論したいんですけど、リサーチツールの特許というのは日本だけで問題になっているわけではなくて、秋元さんから御説明があったように、世界の製薬業界、バイオ業界が問題にしていることです。ですから、日本だけ何か突出してやっているということではない。特にアメリカでは、例えばDNAの特許なんかについては、裁定実施権ではなかなかあの国は進みませんから、独禁法上のエッセンシャル・ファシリティーの理論とか、そういうもので解決できないかということがいろいろ真剣に議論されているわけで、日本だけが何か特許を弱めるための制度を検討しているというふうにお考えになるのは間違いではないか。 |
長岡座長 |
相澤委員。 |
相澤委員 |
今のリサーチツールの件については、前回の席上、秋元委員に、アメリカでも同じような法改正の動きがあるのですかという御質問をさせていただきまして、今のところないという御返事でございましたので、国際的にこれを裁定実施権で制約するという動向にあるわけではないという理解をさせていただいたわけでございます。 |
長岡座長 |
渡部委員、お願いします。 |
渡部委員 |
ちょっと確認した上で発言させていただきます。前回までの議論で、試験研究の範囲の解釈の話の中で、総合科学技術会議で大学の学術研究について、この問題についての議論が一方であるという話だったと思うんですが、これについては結論としてはどういう形になっているのか。ちょっと漏れ伝わってくるところによりますと、余り議論されてなかったようですけれども、今はどういう状況にあるんでしょうか。 |
南調整課長 |
継続案件なので私から御説明します。 |
渡部委員 |
特段、科学技術、学術研究を行う上での自由、配慮を行うべきだということ、そういうフレームワークの議論はなかったということなんですか。 |
南調整課長 |
専門調査会で報告した際に、特段そういった議論はなかったと聞いております。 |
渡部委員 |
そうだとすると非常にこちらは特許制度の議論という形になりますので、大きな要請として科学技術、学術研究について、リサーチツールの案件なんかについては、大きな制約要件になることについての問題意識が、存在しないということであれば別なんですが、ただ、この周知をするということで大学内等で実務にかかわっておりますので、少しずつそういうことをやっておりますが、実態としては、まだ大学内でこの問題についての認識が非常に薄い。また、理解したときの反応が非常に不安定な状態がありまして。 |
長岡座長 |
どうぞ。 |
南調整課長 |
今の渡部委員の御指摘はごもっともでございまして、実は知的財産推進計画の2004の中に、国費を投入して得られた成果については、国として何らかのライセンスポリシーをつくるべきというような内容の記述がございます。例えば、念頭に置かれておりますのはNIHのライセンスガイドラインですが、このNIHのガイドラインでは、基本的にはNIHでの研究成果については、ロイヤリティーフリーでライセンスするというようなポリシーを持っているわけです。我が国においても、そういった国費を投入して得られた場合の特許権の取り扱いについて、何らかのポリシーを策定すべきではないかという宿題をいただいておりまして、これについては恐らく知的財産専門調査会が中心になって検討されることになるのではないかと考えております。 |
長岡座長 |
最初に、リサーチツールへのアクセスにつきましては利用関係ではないということだと思いますので、先ほどの日米合意とは直接は余り関係がなくて、恐らく適用するとすれば公共の利益ということになると思います。また、リサーチツール自体は権利としてどのくらい強いかといいますか、特に最終製品に及ばないケースも非常にあるわけです。そうすると一般的にリサーチツールといっても必ずしも強い権利ではなく高額なライセンスになるとも限りません。ですから、リサーチツールだからといってもさっき相澤先生がおっしゃったように何か特別扱いをするための法改正をするのは、少し難しいような感じが私の私見ですけれどもする訳ですが、いかがでしょうか。 |
秋元委員 |
その場合、先ほどのアジアの例もそうでしょうけれども、一定のそういう交渉をやっているとか、ロイヤリティーがリーズナブルであるとか、そういうところの一つの枠をはめるべきではないかと。権利があるわけですから、決して金を払わないという意味ではないんですが、だけどそれは高額だからできるできないとかそういう意味ではなくて、先ほど言いましたようにINTERPATでは広く、ノンエクスクルーシブに、ノンディスクリミナトリーにやるべきだと。私はこの精神で枠をはめるべきではないか。 |
長岡座長 |
済みません、私から標準についての御質問ですが、標準機関が要件にしているRAND条件が明確でないという御指摘がありました。それが明確でない場合に特許庁がそれを明確にすること自体非常に難しい面があり、また明確にすることが標準化団体でできれば、逆に今度は裁定の必要もなくなるという感じもしますが、その辺はいかがでしょうか。 |
加藤氏 |
前回も御説明申し上げましたとおり、本来ならば一番いいのは、標準化団体がRANDの条件とは具体的にこういうものであると言ってくれるのが一番いいんですよ。ただ、特に大きな国際標準団体、ISOしかり、ITUしかり、この問題について歴史的に逃げ腰でありまして。多分前回も申し上げたとおり、この10年、もうちょっと長くてもいいと思うんですが、その間にそういう方向に動くとは到底思えない。したがって、我々は最善の策とは言いませんけれども、裁定の中で国際標準の使われ方、状況を見て、RAND、すなわちリーズナブル、あるいはフェアな条件とは何なのかを決めてもらわざるを得ない。この点については、精神論については、秋元さんの御意見と全く国際標準の場合も一緒でございます。 |
長岡座長 |
どうもありがとうございました。 |
浅見委員 |
私も国際標準についてはそうだと思うんですが、今現実に産業界で何が起こっているかということを考えたときに、国際標準でいきなり何か使用を議論することはほとんど皆無になっていて、いわゆるテーマごとに業界団体がいろんな標準使用を決めて、それを最終的に国際標準で承認するというプロセスだと思うんです。 |
長岡座長 |
丸島委員、お願いします。 |
丸島委員 |
標準化団体が抱える問題と、団体外の人の抱える問題と両面から見ないといけないと思うんです。先ほどおっしゃった裁定というのは、どちらの人に対して適用しようとしているのか。私はむしろ標準化団体だと思うんです。標準化団体というのは、先ほど言いましたが、プール制をとってむしろ積極的には普及しようという、料率を下げているわけですね。そういう人たちが逆に団体外の人の特許を使わなければならないときに裁定の実施権をもらえないとすると、あるいはリーズナブルでライセンスをもらえないとすると、せっかくアーチスター標準化技術、あるいは普及した標準化技術が実行できないということですね。この問題で裁定という問題をお考えいただきたいということなんです。 |
長岡座長 |
他にいかがでしょうか。どうぞ、相澤委員。 |
相澤委員 |
繰り返しになりますが、知的財産法は条約あるいは国際合意が多いので、法の選択肢の幅が狭いわけです。したがいまして、私も国際的な合意ができて、各国においてそういう方向で立法が行われるという状況で反対しているわけではなくて、現状において日本がそういう選択肢をとることはちょっと難しいのではないかということです。 |
長岡座長 |
どうぞ、江崎委員お願いします。 |
江崎委員 |
この先の行く末で秋元さん、加藤さんのおっしゃっていることは大変よくわかりますし、それから、庁で全体を見て考えるべきだというのも、発展途上のいろいろんな国に対していろんな制約を受けるのは逆に非常に困るなという感じもよくわかります。 |
新井技術調査課長 |
先ほど秋元委員のプレゼンの中にもありましたが、制度改正というのはそこそこ大きな改正になりますので、我が国だけ突出したという、そこら辺のところは御議論あろうかと思います。これから我々も検討しなければいけないんですが、制度改正というよりむしろ何らかの措置としては、運用の改善とかそういうのはあり得るのかもしれません。ただ、そこも現行の運用、諸外国の運用のところをよくにらみつつやっていかなければいけないかなと思っております。 |
長岡座長 |
どうぞ、竹田委員。 |
竹田委員 |
産業界としては、必ずも裁定制度を新しく作るために法改正して、それでリサーチの特許の問題とか標準の問題をやってくれということではなくて、現在ある裁定制度、特に公共の利益の裁定の中で新しい技術状態の変化を読み込んで、運用要領の中で取り上げていただけるんじゃないかと、こういう趣旨でございます。何か法律改正というような大きいことに取り上げると、いろいろ相澤先生からのような御批判もあると思うんです。そうではなくて、運用の中でやっていけないか。特にTRIPS協定は、いわゆるグランドアプローチではなくてコンディションアプローチということになったわけですから、協定の31条に書いてある条件を満たせば別にTRIPS協定違反ではないと、こういうふうに思うんです。 |
長岡座長 |
どうぞ。 |
新井技術調査課長 |
運用の改善も一つの視野に検討していくことは必要かと思いますが、先ほど来ちょっと申しましたように、運用の改善といえども、先ほどの3つの視点を我々慎重にやらなければいけないかなと思っております。先ほどちょっと座長から御紹介がありましたように、ここでいろいろと御意見が出された分については、報告書の中で何らかの形で盛り込ませていただきたいと思っております。具体的には皆さんからまた御意見を募ることになるかと思いますが、できる限りここで出された意見を反映させていただくような形でとりまとめていきたいと思っています。 |
長岡座長 |
選択肢もそういうことでたくさんありますので、それを踏まえて次回もう一度、報告書に基づいて議論していただきたいと思います。 |
長岡座長 |
時間もかなり迫ってまいりましたので、次の議題で、補正、分割出願制度の見直しについての報告をしていただいて、議論したいと思います。よろしくお願いします。 |
南調整課長 |
それでは、お手元の資料6に沿いまして、補正制度、分割出願制度の見直しの方向性について御議論していただきたいと思っております。 |
長岡座長 |
どうもありがとうございました。 |
大西委員 |
幾つか質問等あるんですけれども、シフト補正についてなんですが、諸外国、欧米との制度を比較しますと、例えばUSの場合に単一性内という判断をされますと、リストリクションもしくはエレクションがかかります。出願人側にどちらを選ぶかという選択権があるわけなんですが、最初のクレームにAという発明とBという発明の2つが書いてある。それに対して審査官が37条違反と判断した場合に、審査官の判断でAもしくはBを選択して片側だけ審査して、例えばAは審査してBは審査せずに拒絶理由通知を出すとかという形で、出願人側に選択権がないと、その辺を若干考慮してほしいなという意見が出ています。 |
長岡座長 |
どうもありがとうございました。 |
南調整課長 |
1点目については、この中では触れていませんが、最終的に参考として入れようかと思っておりますが、今の国内優先権出願の権利の起算日は、事実上、後の出願の日から20年ということになっていますけれども、仮にこれを延長した場合に果たしてそのままでいいのかどうか。CIPですと当然、もとの出願日から20年というシーリングがかかるわけですが、そこらの整合性もあわせて検討する必要があるんじゃないかと考えています。 |
長岡座長 |
どうぞ、竹田委員お願いします。 |
竹田委員 |
提起されている問題は、ほとんど出願人の方にとってメリットがあるわけですが、シフト補正だけ何もないんですよね。これ、シフト補正を制限したいという気持ちもわかるんですけど、何といっても数が少ないんですよね。2%ぐらいでしょう。しかもタイプ2の場合は、これは37条違反で単一性がないと言って拒絶理由を出せばこれも除かれることになると、ごくわずかなものに対して、ここでシフト補正を禁止するために法律改正するというのも、何かちょっと大人げないような気がするんです。それは特許庁の方にどうしても、これはけしからんという気持ちがあるなら別ですけれども、何か大目に見てもいいような気が私は個人的にするんです。 |
南調整課長 |
今回このシフト補正の禁止についても御提案させていただいておりますが、一番の発端は(3)の追加している部分ですが、料金改定によって、現在は御指摘のとおり件数は少ないんですけれども、こういったシフト補正を行ってくるケースがふえてくるのではないかというかなり危機感を持っていて、逆に今回提案させていただいているというところでございます。そういう意味では、この料金改定後の請求動向を見ながらということもあり得るのではないかと思っております。 |
長岡座長 |
丸島委員、お願いします。 |
丸島委員 |
締めくくりで、さらに慎重に検討すべきではないかという表現が随分出てくるんですが、この意味はどういう意味なんでしょうか。 |
南調整課長 |
基本的に確かにそれぞれの項目によって書き分けておりまして、さらに慎重というのは、国際的な制度調和の検討状況とか、あるいは、まだ必ずしも第三者への影響を見極め切れないような内容だとか、そういったものについては、ここである一定の方向性を出すにはまだ時期尚早という部分について、さらに慎重に検討する必要があるというような記述にさせていただいております。 |
丸島委員 |
続けさせていただきますと、欠点がこういうのがある、こういうのがある、悪用されるのではないかということをいろんな観点から記載されているんですけれども、こういう悪いことをしようとする人に対しては、別な方法で制約をかけることも随分できると思うんです。例えば14ページで、分割すると権利を水増しして、ライセンス交渉や係争等において、資金力のある側に有利にしてしまう、こういう表現でもっともらしく表現されているんですが、これを禁止するようなことだって当然できると思うんです。ですから、余り欠点をどんどん書いて、こういうことをやるのはまずいよということを強調しなくてもいいのではないか。むしろメリットの補強をしていただいて、悪人が何かしたら、それはそれなりの別の方法で阻止するという考えをとっていただくのがいいんじゃないかと思うんです。 |
長岡座長 |
江崎委員、お願いします。 |
江崎委員 |
大筋の方向性としては、必要な項目といいますか、いろいろなところを検討していただていると思います。全体のお話として、既にここの中でもいろいろ挙げられていますけれども、やはり最終的には制度調和といいますか、審査結果の三極の間で、相互利用とか、あるいは審査結果の相互承認という方向に向けていくと、三極の間の審査の運用がそれぞれに違っているというのは非常に阻害される話でして、できればそれを視野に入れて、この辺の項目をぜひ見ていただきたいと思っております。 |
長岡座長 |
どうぞ。 |
加藤氏 |
その点について、私は委員ではないので皆さんに情報提供という点で、国際標準でプールが組まれた場合、特許権者の立場に立ったとき、どうやってロイヤリティー収入を配分するかといいますと、簡単でして、件数で決めます。現状は中身の価値を見ようがありません。したがいまして、同一出願に対する原出願と分割出願が認められますと、要するに水増しといいますか、ロイヤリティー収入の割合が簡単に倍にふやせるんですよ。ですから、もしこれをやるならば丸島委員御指摘のとおりで、何かマークしておいていただかないと。もしマークしておいていただければ、それは同一発明に関する分割だから、前と同じ割合にしますとしておけば、我々のプール運営上の問題は解決します。はっきり申し上げて、何か不適当な手段を助長するようなきらいもなきにしもあらずなので、もし表現される場合は、ほかの方法の方がよろしいかと思います。済みません、蛇足です。 |
長岡座長 |
ありがとうございました。 |
長岡座長 |
どうぞ、相澤委員。 |
相澤委員 |
手続問題ですので、猫の目のように変わらない方がいいと思います。国際調和には慎重に配慮していただきたいと思います。 |
長岡座長 |
ありがとうございました。 |
竹田委員 |
先ほど機械業界ではCIP類似の制度が余り関心がないと、必要性がないというふうなお話がありましたけど、化学とかバイオの方では、CIP類似の制度に対する要望が非常に強いんです。これは御承知だと思いますが、化学、バイオの分野では、実施例とクレームの幅との対応関係ということは常に問題になりますので、そういうニーズが非常に強いということ。ただ、その場合でもグレースピリオドを1年ぐらいにしてもらわないと、このまま導入したのではメリットがないという意見が大多数だと思います。不思議なことに、丸島さんは非常にCIPを主張されるんだけど、電機業界の方も余り主張する人はいないような気がするんです。そういう点では業界によってかなり違いがあるのかなと思います。 |
南調整課長 |
その点については、まだどの場というのは決まっておりませんが、前回グレースピリオドの件がCIPの関連で出てきておりますので、とりあえず今回この中で、国際調和の観点から、拙速に日本だけ延長するのは得策ではないのではないかという記述を入れさせていただいております。この記述に御意見があれば、この場で御意見をいただいても構いません。 |
竹田委員 |
ありがとうございました。 |
丸島委員 |
電機業界、なぜCIPがとおっしゃるんだけど、それは業界の問題ではなくて、やはり研究開発のテーマの問題だと私は思うんです。CIPは要らないというのはもう開発寄りで、何に使うかはっきりわかっている発明だと思うんですよ。これは使うのはわかっていますから、明細書もピシャッと書ける。そんなものはCIPなんて必要としてないですね。 |
竹田委員 |
研究開発型でない会社が必要ないとこう言っていると、こういうことですね。 |
丸島委員 |
そういうことです。 |
竹田委員 |
わかりました。 |
長岡座長 |
小野技監、お願いします。 |
小野特許技監 |
先ほどの竹田委員のグレースピリオドをどこで検討するかということでございますけれども、先ほど南が申し上げましたように、これ自体ハーモナイゼーションの議論、最大の問題でございまして、例えば7ページのところですが、これはアメリカが1年ということでございますが、半年を1年にするかどうかというのは、実は先願主義に移行との連動ということで今整理しておりますので、その観点でどうするかという議論が1点です。 |
長岡座長 |
江崎委員、お願いします。 |
江崎委員 |
基本発明が余りない会社ですが、(笑声)ちょっと誤解なきように申し上げると、現行の公開制度の1年6カ月というのを前提にしてCIPを考えたときに、期間の延長期間というのはほんのわずかしかありませんと。そういう意味で余りメリットはないと、逆にデメリットの方も考えなければいけないと思います。それを先ほど申し上げた30カ月とか全然別の制度にしたときの制度設計とはまた別問題の話です。 |
竹田委員 |
よくわかりました。 |
長岡座長 |
どうもありがとうございました。 |
長岡座長 |
今後のスケジュールについて、事務局の方からお願いします。 |
新井技術調査課長 |
それでは、このWGの今後のスケジュール等について簡単に御紹介したいと思います。これから夏休みに入るということもございますし、それから、先ほど御議論いただいた裁定のところも、これまでの議論を踏まえて報告書という形で事務局の方でとりまとめる関係もございまして、9月の上旬か下旬のところをターゲットとして予定させていただきたいと思いますが、近日中に各委員の皆様に御予定を確認させていただいた上で、開催日を決めて後日御連絡させていただきます。事務局としては、9月の上旬、あるいは中旬をとりあえず一つのターゲットとして調整を図らせていただきます。 |
長岡座長 |
どうもありがとうございました。 |
[更新日 2004年8月25日]
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特許庁総務部企画調査課 |