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第4回商標制度小委員会 議事録

  1. 日時:平成15年10月20日(月曜日)15時00分~17時00分
  2. 場所:特許庁 特別会議室
  3. 出席委員:
    土肥小委員長、大泉委員、古関委員、小塚委員、琴寄委員、髙部委員、竹田委員、田村委員、萬歳委員代理(白石)、松尾委員、三宅委員、山中委員
  4. 議題:小売業商標のサービスマークとしての取扱い及び団体商標制度の拡充について
議事録

土肥委員長

それでは、ただいまから産業構造審議会知的財産政策部会第4回の商標制度小委員会を開催いたします。
本日は「小売業商標のサービスマークとしての取扱い及び団体商標制度の拡充」、これを中心にご審議いただければと考えております。
それでは、早速議題に入らせていただきます。資料を事務局で用意しておりますので、その説明をお願いいたします。

木村審議室長

まず配付資料の確認をさせていただきます。本日の配布資料は、資料1が「小売業商標のサービスマークとしての取扱い及び団体商標制度の拡充について」という説明資料でございます。資料2が「参考資料」となっております。以上2点でございます。ご確認をいただければと思います。加えて「日本商標協会誌」別冊資料がお手元に配られておると思います。
それでは、資料1を中心にご説明させていただきたいと思います。
まず前回の議論と今後の議論の進め方ということで、I.の部分でございます。前回、「同一」「類似」「混同のおそれ」という概念整理を行うとともに、相対的拒絶理由については異議待ち審査制度についての導入の可否についてご議論をいただいたわけでございます。基本的に前者の点、概念整理につきましては、「混同」または「混同のおそれ」というのを基本として概念を再構築すべきという考え方もございますけれども、他方、類似の概念は、登録主義の観点から必要である、あるいは審査においては一般的・抽象的観念で形式的に判断すべきではないかというようなご意見もあったかと思います。あるいは「混同のおそれ」につきましても、不正競争防止法との関係も考慮に入れるべきであるというご議論もあったと思います。
相対的拒絶理由につきまして、異議待ち審査制度、これは現に欧州等で導入されておるわけでございますけれども、それについても検討をしたわけでございますけれども、これについては、商標権の権利の安定性、あるいは類似商標に関する監視のための費用負担が増加するということで、好ましくないというご意見が多数出たわけでございます。他方、商標制度全体の見直しの中で避けて通れない論点ではないかということで、国際的調和の観点から検討することは必要ではないかというご意見もあったと思います。いずれにいたしましても、もしこれを導入するということになりますと非常に大きな制度改正ということになるものですから、これにつきましては、長所、短所について幅広い視点から検証すべきであるので、さらに詳細な調査・検証をした上で議論を継続していくことが必要ではないかと考えております。
したがいまして、2ページでございますけれども、コンセント制度、あるいは防護標章などは、これと非常に密接に関連するテーマでもございますので、基本的には次回以降、詳細な調査等を経た上で改めて検討するということにいたしまして、今回は、小売業商標のサービスマーク、それから団体商標制度の拡充について検討をしていただければ幸いでございます。
それでは、本論の方に入らせていただきます。3ページでございます。「小売業商標のサービスマークとしての取扱いについて」ということで、ご承知のとおり小売業、あるいは卸売業もそうなのですけれども、複数の商品を取り扱うこと自体にブランドとしての魅力を有するということであるにもかかわらず、サービスマークとして小売業、卸売業の商標を登録するということは認められていないわけでございまして、これについては相当程度のご要望もあると理解をしております。この中で、小売業、卸売業等の商標をサービスマークとして採用することの是非を、この際検討していってはいかがかということでございます。
まず前提といたしまして、小売業の商標をサービスマークとしては認めていない。卸売業もございますけれども、説明のために、小売業ということに、以下させていただきたいと思います。それについて、サービスマークは認められていないということでありまして、基本的にサービスマークが法律上保護の対象となるためには、サービスが独立して経済的価値を有することが必要だ、そういう考え方に立っている。したがいまして、シャディ事件、あるいはエスプリ事件の判決において示されているところで、商標法にいう「役務」とは、他人のためにする労務又は便益であって、付随的でなく独立して市場において取引の対象となり得るものということが前提になっているわけでございます。そのため、サービスとして観念することはできたとしても、それが独立した取引対象となり得るものでない限り商標法上の保護は受けられない、そういう整理になっているということだと思います。
したがいまして、現在、小売業者の方がみずからの商標を保護するためには、取り扱う商品のすべてについて商品商標をおとりになるというのがもっとも一般的に行われているやり方であるということだと思います。
他方、これですと、自己の商標を出願して登録を維持する上でのコストが高いということであります。商品商標、現在34の区分に分かれておりますし、登録料は一区分について、6万6,000円かかるということで、これに区分の数だけかかるわけでございますので、それなりにコストがかかっているということは間違いない。それに対して、サービスマークとして1つの登録で済むということになりますと、コスト面での削減効果というのは見込めるのではないかという考え方はあろうかと思います。もちろんそういうコスト面だけの話でもなくて、流通産業の発達によりまして、こういう複数の商品を取り扱うこと自体、取り扱う方法にブランドとしての魅力でありますとか、顧客吸引力が備わってきているわけでございますので、小売業の商標というのを正面からとらえて保護すべきではないかという考え方はあるわけでございます。
諸外国でどうなっているかということを2.で簡単に分析をしております。米国におきましては、従来は保護されてこなかったということでございますけれども、現在、これについては保護をされているということでございまして、商業サービスが独立のサービスとされる根拠、例えばデパート等におきましては、さまざまな商品を集める、あるいは購入のできる空間を与える、商品を選びやすくする、購入者に満足を与えるような手段を与える、そういう行為そのものが、単に物の取引、譲渡という行為を越えたサービスであるということで観念をされているということだろうと思います。
欧州におきましても、英国においては2000年の10月、OHIMにおきましても2001年の3月から、それぞれ小売業の商標をサービスマークとして、これは運用でございますけれども、認めていこうということになったようでございます。
他方、中国、韓国におきましては、サービスマークとして小売業の商標を登録することはできないという状況になっております。
「(2) ニース国際分類」でございますけれども、ニース協定では、第9版の発効はまだ先のことで、2007年ということのようでございますけれども、それの35類の注釈には、「この類には、特に次のサービスを含む。他人の便宜のために各種商品を揃え、顧客がこれらの商品を見、かつ、購入するために便宜を図ること。」というのが、まずあって、それに対して「当該サービスは、小売店、卸売店、カタログの郵便による注文、又はウェブサイト若しくはテレビのショッピング番組などの電子メディアによって提供される場合がある。」ということで、従来から小売業をもともと排除する趣旨ではなかったのだろうと思いますけれども、第9版においてそれが一層明確になっているということだろうと思います。これ自身、必ずしも各国を直ちに拘束するものではございませんけれども、小売業の商標がサービスマークとして扱われるというのが国際的趨勢ではないかという一つの証左としてご紹介をしておるわけでございます。
5ページでございますけれども、「小売業の商標の重要性の増加」ということで、先ほど来ご説明しておりますとおり、小売業そのもの、個々の商品の譲渡ということで、それに個別的に着目するだけではなくて、やはり多種多様な商品、一定の指標に基づいて選別をし、それを、適時、適所、適材に揃えて陳列する、それに価格設定をすることで顧客を誘引する、独立性のあるサービスであるというように理解ができるわけでございます。商品ごとに個別にサービスが存在しているわけではなくて、全体の事業の在り方からブランド価値が生まれてくるということだろうと思います。現在、商品商標しか認められていないので、実体のブランド価値とずれているということは明らかなのではないかという指摘があるわけでして、特に広範囲に事業展開をしておる、そういう小売業者につきましては、サービスマークを小売についても認めるべきだという具体的要請が強いということだろうと思っております。
「小売業商標をサービスマークとして取り扱うことの是非」ということで、これも若干繰り返しになりますけれども、基本的に取り扱う商品に係る信用とは別に、商標が特定の役務に係る信用を伝達しているというように評価されるわけでございますので、これをサービスマークとして正面から認めていってはどうかという提案をしているわけでございます。
他方、新しく小売業商標をサービスマークとして認めていくということになりますと、混同を回避するということで、運用上の難しさがあらわれてくる可能性があるということでございます。現在、役務商標と商品商標につきましては、それぞれの境界を越えたクロス・サーチというのは行っていないということでございます。基本的に役務商標と商品商標、それぞれ信用に係る情報が異なっている。類型的に混同又は混同のおそれが生じる可能性が低いというようにとらえられておりまして、そのためにクロス・サーチというのは行ってこなかったということでございますが、小売業は商品を譲渡するというのが本質でございますので、商品商標との間で混同又は混同のおそれというのが生じてくる可能性が低いとは、一概には断定できないだろうということであります。例えば、同一又は類似の商品商標と役務商標が別々の方に登録をされて、消費者の間で混同が生じる、そういう事態は避ける必要があるということで、一定のクロス・サーチのような必要性が出てまいるかもしれないということでございます。もちろん、小売業といいましてもさまざまな業態があるということで、取り扱い品目が多いか少ないか、あるいは提供の形態など、さまざまなものがあるということでございますけれども、例えば単一の商品を提供する小売業において使用される商標、これについては単一の商品を製造する者の商標と同一又は類似の場合というのは、非常に混同の可能性が高まるおそれがある。必ずしもこういうふうに類型的に言うのがいいのかどうかわかりませんけれども、ここでは、話を簡単にするためにこういうふうに割り切って書いておりますが、他方、百貨店ですとかコンビニエンス・ストア、多品種の商品を販売することが業態になっている、そういう小売業者の場合ですと、類似の商標に別の単一の商品を製造する業者が商品商標として使用しておっても、必ずしも混同が生じる可能性は高くはないだろうというふうにも思われるわけでございます。こういう業態、あるいは多様な在り方を踏まえまして、クロス・サーチをどのように効率的に行っていくべきなのか、その辺のルールについてもあわせて検討していく必要が、今後あるのではないかという問題提起でございます。
「6.登録の在り方」を書いております。基本的に小売業を新しくサービスマークとして認めていくということになったときに、専門店か百貨店かという区別を行うことなく、役務商標としての登録を全体的に認めていくべきではないかということを書かせていただいております。一つは、単品だけを販売する業者とそうでない業者の間の線引きの難しさということもあるでしょうし、単品の販売業者であっても、みずからが販売業者として自認をして、役務商標で保護を受けたいというニーズがある場合、これを排除する必要性はないだろうということで、このように私どもとしてとりあえず考えておるわけでございます。
他方、そうは申しましても、さまざまな形態の差違があるわけでございますので、できれば登録の仕方としては、単に小売と書くだけではなくて、一例でございますけれども、「百貨店において、他人の便宜のために各種商品を揃え、顧客がこれらを見、かつ、購入するために便宜を図るサービス」あるいは「コンビニエンス・ストアにおける小売りサービス」、これは精粗まちまちでございますけれども、さまざまな書き方があろうかなということで、具体的な形態を記載するというのが望ましいということで、ここでは書いております。
他方、それでは小売として出願があったときに、それが直ちに拒絶をするのかということでございますが、混同のおそれがあったり、識別性がないと判断されるおそれは高まるだろうと思いますが、これは一律に禁じる必要もないのではないかということで触れております。
若干行ったり来たりしておりますけれども、具体的に記載をするということが望ましいということであれば、ルールについて何らかの定めを置く必要があるのかどうかというようなことをここでは書いてございます。
7ページの7.でございますが、今回新しくサービスマークとして小売業の商標が仮に登場するということになった場合に、従来の運用のもとで小売業商標を保護するために商品商標を皆さんお使いになっておったわけでございまして、新しく小売のサービスマークに移行するという場合に、商品商標の世界で蓄積されてきた信用、そういうものをきちんと配慮した上で移行をするということが必要になってくるのかなということでございます。平成4年にサービスマークを新たに導入したときも、例えば使用に基づく特例の適用による優先といったようなこともやったわけでございますけれども、そういう経過措置につきましても参考にしながら、具体的に運用上のトラブルが起きないように検討していく必要があるのではないかという問題提起をさせていただいております。
「8.法改正の必要性」ということでございますが、政令なり省令で具体的なサービスマークも含めまして登録の外延といいますか、そういうものが定められているということでございます。これ自身は、ここにそのものずばりの記載がないからだめだというようなことではないということでございますが、他方、今回新たに小売業に係る商標をサービスマークとして登録するということになるのであれば、何らかの法律改正に基づく変更ということにするのが一番わかりやすさという観点からみても適切なのではないかと考えておるわけでございます。
「他の流通業の取扱い」というのが一番最後に出てまいります。卸売業につきましても、必ずしも排除する必要はないのか、あるいは余り実需はないのか、その辺についても検討してみてはどうか、ニース協定にも卸売店というのも出てまいっておりますので、これについても需要があれば認めていくということも考えられるのではないかということでございます。
以上が、小売業にサービスマークを認めるかどうかという問題でございます。
8ページ以降が「団体商標制度の拡充について」ということで書かせていただいております。典型的には地域ブランドの保護の問題でございまして、地域ブランドとして需要者に親しまれて、顧客吸引力のある標識として機能している、そういうものにつきまして、現在、原則として保護対象とはなっていないわけでございます。これは、当然、特定の事業者に独占を認めることが妥当ではないという考え方に基づくわけでございますけれども、諸外国の例、あるいは地域産業、伝統産業、そういうものを通じた地域おこし等の観点から、こういうものについてもより前向きに認めていく必要があるのかないのか、その辺をご議論いただければと考えております。
まず「問題の所在」ということでございます。今申し上げたことの繰り返しになりますので省略いたしますけれども、基本的に地域ブランドとして顧客吸引力のある標識として機能している場合がありまして、そういう標識につきましては、欧米等主要国においては団体商標として保護をされているということでございます。一般的に商標を管理する方が生産者組合等でありまして、基本的にみずからは標識を業として使っているわけではない。ただ、その構成員が当該標識を使用するときに、それの管理、あるいは他人による侵害の排除、そういうことを行うために特別の範疇を設けて保護されているということでございます。我が国では、産地表示からなる商標につきまして、特に特則を設けてそれをそのまま保護するような仕組みにはなっていないわけでございますけれども、地域ブランドを詐称するような商品が市場に出回ったり、そういうときにも、例えば差しとめたりする仕組みがない。ブランドにおける本家争いといったようなことが起こってくるということで、商標法における保護の在り方というのも考えてみてもいいのではないか、そういう問題意識でございます。
2.でパリ条約について触れております。パリ条約の第7条の2では、「団体商標の登録を認めかつ保護することを約束する。」ということで、団体商標制度の導入そのものは、各国に対して義務づけをしているということでございます。ただ、その定義がございませんで、具体的な保護の条件等については各国にゆだねられているという理解でございます。
団体商標制度の趣旨として、産地の識別というのがあるということで、これを念頭に置いたような形で団体商標保護のための制度が設けられているということだろうと思います。欧米の主要国では、すべての国におきまして、本来、識別力がないとして絶対的拒絶理由に該当するとされる産地表示からなる商標について、特定の登録要件及び登録後の特別措置の対象となることを条件に、通常の登録商標と同様の権利が認められているということでございます。米国ないしは英国におきましては、団体商標制度と類似の制度として、さらに証明商標制度もあるということでございまして、団体商標制度が特定の団体の構成員によって使用されるわけでございますけれども、証明商標制度におきましては必ずしも団体を組織しているわけではないけれども、例えば一定の地域的な出所を証明するために使用される標識を対象とする制度として別途設けられているということでございます。
こうした制度におおむね共通する特徴として、以下4つ挙げております。
1つは、商標登録の絶対的拒絶理由の規定にかかわらず登録が可能であるということ。
2点目は、出願人は、出願に係る商標の使用を管理する定款なり、そういうものを出願とともに提出をしなければならない。当該定款には、団体の構成員資格、商標の使用の条件、そういったものを記載しなければならないということでございます。
3番目に、定款に違反して使用されている場合、権利者が、例えば当該団体が合理的な措置をとらなければならない。あるいは公衆に誤認を生じさせるおそれがあるとか、あるいは定款が変更になって法定の要件を満たさなくなったとか、そういう場合、登録が取り消されるという制裁があるということでございます。
団体に所属しないけれども、一定の要件を満たしている第三者がいる場合、その使用を認めるための法的な手当てがあるということが4点目でございます。
我が国におきまして団体商標がどのように保護されてきたか。我が国の歴史的な変遷をここにたどっておりますけれども、大正10年法におきましては、団体標章制度があったということでございまして、地域名と商品名を結びつけて使用していた同業者の多数が団体を組織し、商標を実際の使用の態様に特定させて団体標章として出願してきた場合、その地域における大部分の者が団体員として出願商標と同一性のある商標を使用している実績があるときは、いわゆる使用による特別顕著性を取得しているということで、通常の商標に比べて結果的には緩やかな基準で登録をするということがあったということでございます。
昭和34年の現行法になりましたときには、団体商標の保護のための特別な規定は置いていなかった。これは、団体自身が商標権を取得して、それを構成員に許諾すればいいではないかという考え方であったようでございますけれども、平成8年の改正によりまして、団体商標制度というのが、国際的調和の観点から導入されたということでございます。「団体商標」、ここでは構成員に共通に使用される商標であって、商品又は役務の出所が当該団体の構成員であることを明らかにするものだというとらえ方になっております。
特徴といたしましては、当該団体のみならずその構成員が使用する商標である。団体のみが使用するものというのは、それに当たらないということになっておりますし、基本的に登録されましたら、通常の商標に関する法律の規定のすべてが適用されるということでございまして、第7条所定の要件のみが例外的になっているということでございます。団体構成員の登録商標の使用する権利につきましては、団体の構成員であるとの地位に基づいて、それのみで団体商標に係る権利の発生と同時に発生をするという理解になっております。
他方、そうは申しましても、団体商標制度、現実に平成14年までの実績で登録出願300件、登録は約200件ということで、かなり少ない利用にとどまっているということでありまして、特に単なる産地表示からなる商標を団体商標として出願したもので登録が認められたものはほとんどないということでございます。
これについては、以下のような制限があるからだということでいわれております。1つは「産地表示からなる商標の識別性の認定」の問題でございます。現行法は、単なる産地表示からなる商標は団体商標として登録を認めない、そういう原則になっているということで、一定期間の使用実績があって、産地表示が継続して特定の団体の商品・役務を識別する機能を有していると認められる場合に限り、特別顕著性というのでしょうか、そういうものである限り、商標法第3条第2項を適用して登録を認めるということになっておりまして、これは、団体商標だからといって、特に要件が緩和されたりというようなことにはなっていない、特別扱いはしていないわけでございます。そういう意味で、3条第2項というのは非常に厳しく、抑制的に運用されているということだろうと思います。
「権利主体の制限」がございます。団体商標の権利者たるためには、民法第34条の規定によって設立された社団法人あるいは事業協同組合その他の特別の法律によって設立された組合又はこれらに相当する外国の法人ということでなければならないわけでございます。
こういう状況を踏まえまして、我が国においても団体商標、特に産地表示からなる商標の団体商標制度、証明商標制度というものを認めていくべきではないかという考え方をとる余地がないかどうか、それについてご議論をいただければありがたいと思っております。
「具体的検討」というところでございますが、欧米主要国におきましては、産地表示からなる商標につきましては、「絶対的拒絶理由に関わらず、団体商標(又は証明商標)として登録することが可能である」ということで、識別力というのをどういうふうにとらえるかによるのですけれども、特別顕著性が必要かどうか、その辺のことについて議論をしていく必要があるのではないかと思っております。一定期間使用され、認知が高まる、そのことによって、当該商標が特定の団体の商品、あるいはサービスの識別標識として機能する状態にあることが、例えば米国であれば、その要件になっているとされておるようでございます。この辺、より詳細な調査が必要な部分ではありますけれども、この辺の考え方をどうするか。
次の問題といたしましては、欧米主要国の制度では、登録要件として、例えば定款の提出を義務づけている。これを公衆の閲覧に供して、これが変更されて登録要件を満たさなくなった場合、あるいは基準外使用があった場合、そういう場合は取り消しという制裁があり得るわけでございまして、独占権を付与するわけでございますので、それに見合う公平性・統一性というものを厳格に図っているということだろうと思います。
こういった措置を講じることによりまして、一定の場合にこういう産地表示からなる商標につきましても、一律に登録を拒絶するのではなくて、登録の要件として定款、あるいは商標の使用に関する基準を考慮することによりまして、当該商標が構成員の商品・役務を示す標識として機能するに至っているということを考えて、登録を認めていくということができるのではないかというのが(1)の趣旨でございます。
(2)で「団体商標の権利者の範囲を拡大すべきではないか」ということで、先ほど申しましたように、民法上の社団法人、事業協同組合等しか認められないということでございますが、財団法人、あるいは株式会社、フランチャイズチェーンのようなもの、それから商工会議所といったものも、必ずしも排除される必然性があるのかどうか、その辺が議論すべきテーマとして考えられるのではないかと思っております。
団体商標として独占性を認めていくということになりますと、団体に何らかの事情で属していない当該産地の生産業者や販売業者が、その産地表示は使用できないということになりますと、それはそれで不当だという議論がございます。そのために、使用を認めていく上での一定の要件を満たしていく第三者の行為に対しては、団体商標の効力の範囲外とするための措置を考えるべきではないかという論点が(3)でございます。
(4)でございますが、登録団体商標の独自の効力として損害賠償請求権の特則を設けるかどうかということで、平成8年法改正を議論したときに、そういう議論はあったわけでございます。背景といたしましては、団体商標の権利者自身、団体でございますけれども、これは、商標をみずから使用していないわけでございますので、商標法38条の損害額の推定規定は働かない。38条には、自己の受けた損害の賠償を請求する場合において、というように定めておりますので、これでは権利の保護として十分ではないのではないかということ。それから団体の構成員は通常使用権者としての保護しか与えられないということで、保護が薄過ぎるということを考えて議論にはなったということでございますが、他方、団体商標が周知な商品等表示であれば、構成員が不正競争防止法の2条1項1号に基づく損害賠償請求をなし得るという議論もございますし、大正10年法には、同様の条文があったということも、そのまま現行法に引き移すということもできないだろうということで、実際問題、どういう特則を置くのか、それが非常に難しいということもございまして、推定規定は設けられていないわけでございます。こういうことも、団体商標を導入していくということになりますと、論点として出てまいるということかもしれません。
最後に「証明商標について」少し触れておりますが、イギリス、あるいはアメリカ、カナダといった国に証明商標制度が明示的に採用されているということのようでございます。
他方、我が国の商標法は、明示的に規定はされておりませんが、2条第1項の商標の定義そのものの中に、業として商品を証明し、というのがある。すなわち他人が生産する商品について一定の基準に合致することを証明することを業とする者がその証明に用いる標章を商標として登録できるということになっておりますので、その上でこういった制度がさらに独自に必要かどうかということについて、ここではそれ以上触れておりませんけれども、検討する必要があるかどうかということでございます。
十分な説明になっていないかもしれませんけれども、とりあえず以上でございます。

土肥委員長

ありがとうございました。
それでは、早速議論に移りたいと思います。議論の前に、たった今説明のございましたサービスマークとして小売業も認めるかどうか、この問題が1つ。もう1つは、団体商標の問題、この2つの問題を扱うわけでございますけれども、ペーパーの中で、あるいは説明との関係で、ご質問等ございましたら、まずその点からお出しいただければと思います。

髙部委員

質問の第1ですけれども、4ページで、イギリス等で最近になって小売業の商標をサービスマークとして認めるようになったということなのですけれども、どういう契機で認めるようになったのかがわかれば教えていただきたいということ。
第2点ですけれども、同じページの下のあたりで、ニース協定が加盟国を拘束するものではないということなのですけれども、今回、アンダーラインが引かれた部分が新規に追加されたわけですけれども、これが発効した後も拘束されないと考えていいのか、つまり小売業を認めなくても、条約上の義務履行といいますか、義務違反にはならないかどうかということを教えていただきたいと思います。
3つ目ですけれども、7ページの「法改正の必要性」というところで、現在の運用が法律の規定の趣旨や判例を踏まえたものであると記されているのですけれども、判例というのは、エスプリとかシャディに関する判決のほかにも何かあるのかどうか。法律の規定の趣旨というのは何条のことをおっしゃっているのか。もしかしますと、3ページで判決を引用されている部分にある役務とは、「付随的でなく独立して市場において取引の対象となり得るもの」という例示部分をもって法律の趣旨ということなのかもしれないのですけれども、役務について法文に定義は特にないので、法律の規定の趣旨というのはどういうことをいうのかという点を教えていただきたいと思います。
団体商標についても、一緒に質問してよろしいですか。

土肥委員長

分けましょうか。一応3つ出ましたので、それを先にお答えさせていただきたいと思います。サービスマークの今の3点。

小川商標制度企画室長

順不同ですけれども、国際分類に掲載されているものがすべて各国を拘束するかというところなのですが、ここのところについては、ニース協定の第2条(1)に、国際分類の効果は各同盟国が定めるものとするという趣旨の規定があります。したがって、各国は自国で商品と認めていないものを商品と認めたり、サービスと認めていないものをサービスと認めたりというようなことをしなければいけない義務はない、というふうに説明されています。

髙部委員

条約違反にはならないわけですね。

小川商標制度企画室長

ならないと私どもは理解しています。
英国等が、ペーパーに書いてある時点で、何でこう切りかえたのかというところについては、今のところまだはっきりとは調べ切れていません。

木村審議室長

3点目のご質問で、ちょっとここの表現がよくないのかもしれませんけれども、私どもの意識としては、3ページに書いたシャディ、エスプリ等において示されている解釈、あるいは当然、商標法の書物等も読みますと、サービスが独立して経済的価値を有するべきものだ、そういうものに法律上の保護が与えられるべきだということから、現行法の解釈運用として、そういうものだということで運用してきているという程度の意味でございまして、法律上確かに明文がないというのは全くおっしゃるとおりだと思いますし、そういうことをここでいっているわけではございません。

髙部委員

これで、もし小売に認めるということになると、付随的なものであっても役務になる、こういうふうに考えるわけですか。

木村審議室長

それは解釈変更でやっていいのか、あるいは、そうはいっても当然大きく変更する話になりますので、何らかの明文上の確認規定といいますか、そういうものを置く必要があるのかどうかという議論だと思っていただければ……。

土肥委員長

今の質問は、付随的なサービスであっても認める趣旨か、ということもお尋ねですね。

髙部委員

ですから、シャディとかエスプリ判決で、付随的な取引ではだめで、独立して取引の対象とならなければいけないとして、小売は認めないと判断したので、小売がオーケーだということになると、そこのところは、付随的なものでも認めるという趣旨なのかということは……。

木村審議室長

基本的な意識としては、小売業というのが独立したサービスを提供している、あるいは業態の変化によって、特にそういうものを提供するに至っているという状況変化があって、そこは政策論として小売業というのを独立した役務の提供であるというふうに改めて認知をしようではないかということで考えている。もちろん、業態によってさまざまなものがある。総合小売のようなものもございますし、単品しか取り扱っていない小売もあるということで、確かに単品しか取り扱っていない小売というのは、付随的な役務だというようにいえば確かにいえるのかもしれないのですけれども、そこは、必ずしもどこで線が引けるのか、あるいは小売業全体について、独立したサービスというように、そこは全体として解釈変更してもいいのではないかなと、私どもとしては思っているということです。

土肥委員長

今の点は、そもそもサービスの中に小売を入れるかどうか、そもそものところの議論にもなろうかと思いますので、一応それは、今のお答えということで仮どめにしておいていただければと思います。小売の問題については、ほかの委員の方でご質問ございませんか。

古関委員

先ほどのイギリスは、たしか審査基準が改正になったのだろうと思います。それとOHIMの方は、上級審というか、いわゆる日本でいう審判の段階で小売サービスが認められていたというふうに記憶しています。
質問は、4ページの下線部のところですけれども、これは第9版から発効するのですか。確か8.1というか8.5というか、途中でたしかニース協定改定されるはずですね。その段階で発効するのではなくて、第9版から発効するのか、そこをちょっと教えていただきたいのですけれども。

小川商標制度企画室長

先日の専門家会合では、2007年の1月1日に、第9版として発効することになったと聞いています。

古関委員

ここについてですね。

小川商標制度企画室長

そうです。

土肥委員長

ほかにいかがでしょうか。――それでは、団体商標につきまして、ご質問ございましたら……。

髙部委員

9ページの2行目で、地域ブランドの本家争いの紛争があるというように書かれているのですけれども、具体例を教えていただければと思います。
もう1つは、識別力がないものであっても団体商標として認めたいという趣旨で書かれているのですね。そうしますと、特別顕著性の関係で、13ページの6行目ですが、「当該商標が構成員の商品・役務を示す標識として機能するに至っていること」と書いてあるのですけれども、これは特別顕著性とは違う何か別のものとして考えておられるのか、仮に違うとすると、どこがどう違うのかということを教えていただきたいと思います。その2点です。

小川商標制度企画室長

少し事情が違うかもしれませんけれども、新聞紙上で紹介された事例としては、水沢うどんの事例が、商標権者とこれを使用する他の業者との関係で話題になったことがあるかと思います。

土肥委員長

水沢うどんは、団体商標なんですか。あれは個人の人が10人ぐらいで……。

小川商標制度企画室長

団体ではありません。うどん業者の何軒かが共同で登録をとっているケースだと思います。

髙部委員

10人ぐらいの個人の方たちが共同で出願してという話ですね。

木村審議室長

後者のご質問の点は、非常に難しい問題だと思います。3条の2項をどういうふうに考えるかということになるのだと思うのですけれども、識別力の基準を団体商標について緩和をするのか、あるいはそうではなくて定款等、そういうものがあれば、それはまさに使用等の識別力を判断する上での証左というように認めるのかということかと思いますけれども、私どもの基本的な意識としては、平成8年のときにも多分そういうことで議論になったのではないかと思いますけれども、とりあえずは識別力を団体商標について緩和をする、そういう考え方が一つあり得るのかなと思ってはおります。そこについては、もちろんご議論いただいて、特別顕著性がないものについて、なぜそういうものを認める必要があるのかというような議論も当然出てまいると思いますので、そこはぜひご議論いただければありがたいということだと思います。

土肥委員長

最後の問題は、まさに3条2項の問題にもつながるところでありまして、そもそも団体商標をどういうふうに考えていくかというのは、我々に求められているところだろうと思いますので、後ほどの時間の中で検討させていただければと思います。
それでは、早速でございますけれども、第1点目でありますけれども、小売業をサービスとして認めるかどうか、こういう問題でございます。
特に私から申し上げるようなこともなかったのですけれども、サービスマークを導入した経緯、かつて歴史的な経緯もございますね、当然その中で議論が、小売についてもされたのだろうと思ったわけでございます。したがいまして、この委員の方々の中には、そのときの議論を非常に精通されておられる方もおいでになろうと思いましたので、もし最初にどなたかのご意見がなければ、そこからかなと思ったのですけれども、どうぞお願いいたします。

萬歳委員代理(白石)

きょうのおまとめいただきました資料をずっと通読させていただきまして、非常に好意的に小売業に対してのサービスマークをお認めになっていただけるというような方向性、極めてうれしく思います。特に5ページの3.4.でございますけれども、信用ということについての着目という部分に加えまして、補足という意味でありますが、いわゆる小売業の役務商標といいますか、それの使用の態様といったところがどういうものがあるか。まずは店名であります。それから店のいわゆる看板、扉、壁面、包装用の袋、または包装用紙、価格票、いわゆる値札というラベルでございます。それと領収書等の取引書類、広告等のチラシ、こういった特に店名に代表されるようなものが認められれば、それで使用が認められれば十分だという基本的な考えであります。いわゆるラベルでありますとか看板をみまして、消費者の方が、その商標が個々の商品の出所を表示するものではなくて、商品の販売者がだれであるかということを認識して消費者は取引を行うのだろう。メーカーの方は、メーカー、卸、小売、消費者、転々流通という部分がありますけれども、小売業者の流通の特殊性ということにつきましては、小売の業者から消費者へ直接流通をして、そこで流通が完了するということなのです。ここが非常にメーカーさんのお立場とは違うなといったところがあると思います。小売業の物というのは、どちらかというと役務の商標に近いのだろうと考えます。小売業という一つの非常に大きなくくりの中で登録を認めてくれというふうには考えておりません。いわゆる使用の範囲の限定ないしは権利行使の制限といったもので何とか小売業をサービスマークとして認められないかなと考えています。では、プライベートブランドはどうなのだ。今ずっとお話ししたのは大体ナショナルブランドの話なのですが、プライベートブランドは、特定の商品についての商品商標というものを登録すればそれでいいのだ。
問題点は、ここにありますとおり、5ページの5.以降、登録の在り方と混同回避のための方法をどうするのですか、というところなのでございます。手前勝手ですが、自分の業界のコンビニエンス・ストアというそのものについては、余り混同というのはないのだろうなというふうには思うのですが、私どもが役務商標というものを登録した。だけど同一ないしは類似の商品商標は登録されてしまったということになりますと、まさに混同の問題が消費者に起こってしまうだろう。
したがって、これは、ご意見もあろうかと思いますが、商標法24条の4、混同防止表示請求といった形の中で、現実に実際の市場の中で混同が生じたかどうか、これをご判断いただいて解決でき得る道があるのではないかと思います。非常に手前勝手ですが、避けてほしい、これだけはやめてくださいというその部分は、もしでき得るならば現状どおりで、クロス・サーチは必要ないと思っています。特にみてほしいところはどこですかというのは、何らかの具体的な限定列挙といいますか、そういった形のものでないと識別性といいますか、そこら辺での統一した審査もできないのだろうということがありますので、その点だけと思いまして意見を述べさせていただきました。以上であります。

土肥委員長

ありがとうございました。私も現在の小売のサービスの中に、独立した付随的でないサービスとして認められるようなものも当然あるのだろうと思うのです。それはあるのだろうと思うのですけれども、これの場合に、サービスというものが独立してない、付随的なものも当然あり得る。当然ここでいわれている独立したサービスというのは、消費者に対するサービスですね。メーカーに対するサービスではなくて、消費者に対してサービスが提供されていて、それが独立している。こういうものについて、すべて小売業の場合に認められるのかどうかという問題はもちろんありましょうし、認められるものだけに考えていくのかというような問題もあるのだろうと思いますね。さっきの考え方だと、従来の独立したサービスであるという基準からすれば、別に変えるところはないわけですけれども、今回のご提案は、もう少しそれを越えていこうというようなところで伺っておるわけですが、委員の皆さんにお尋ねしたいのは、そもそも現在の基準では、小売のサービスというものを十分保護できていないのかどうか、ここですけれども、この点はいかがでしょうか。当然、今、白石委員からいろいろお話があったところなのですけれども、それはどちらかというと、当然そのような保護がなされていないのだというご意見だと思うのですけれども……。

松尾委員

私のこういう関係の訴訟を通じての経験ですけれども、百貨店とかコンビニなどの名称、こういうものは今の法律では保護が十分ではないと思っています。今、白石さんがおっしゃったような店名につけるとか領収書とか袋とか、物を置いてある棚に値段をつけるときに小さく、例えばセブン-イレブンとかローソンとか書きますね、ああいうのは商標として使っているのではないと思います。使っている態様からみますと、私、随分コンビニなど歩き回りましたけれども、表示があっても商標の使用ではないのですね。ところが、それを商標ではないということをどこから読むかといいますと、商標法2条の定義からすると、商品の宣伝になる広告媒体に使っているということで商標と解される可能性があります。そこで、商品商標をもっている方から商標権侵害だといわれたときに、防御が非常に難しいのです。他方で、商品商標をもっている方に対して、不使用取消を起こせるかということになると、広告の概念が広く全ての商標の使用ということになってしまうので、今の定義のみからではセブン-イレブンなどの保護は難しい。商品商標が先に登録されているような場合に、店舗の名称としてしか使ってない人が、どうやって自分を積極的に守っていくかというと、護りようがないというように思います。私は、ぜひ小売業のサービスマークは認めてほしいと思います。私は、今の小売業のサービスということで登録するものであって、今までの議論を越えて何でも登録するという必要はないのだろうと思います。
先ほどのイギリスなのですけれども、私の調べたところでは、今の商標法ができるときには大いに議論されまして、そのときには認められなかったわけですね。議事録なども随分ありますけれども、それによると、百貨店とかそういう小売業について独立のサービスではないということが議論の中心になったと思います。ところが、その後、今、商標協会から出しているアンケート調査の88ページとか89ページをみていただくと大体見当をつけていただけると思うのですけれども、ここでは、結局、小売業に対するサービスマークの出願がOHIMに多く出され、OHIM中心にニース協定などで小売業が問題になってきて、そのときの議論の一つに、何で小売業のサービスマークの登録について、サービスが商品から離れた独立性を要求されるのだろうかということが問題とされました。小売業のサービスというのは別のサービスではないかということで、そういう意味では、サービスというものに対する考え方が時代の変化とともに変わってきたのではないだろうかと思っています。
89ページにありますように、OHIM、あるいはCTMの方の考え方の変化によって変わってきているけれども、イギリスではまだ商標としてのサービスマークの登録はないということです。確かに今イギリスでいろいろ出されているものを読みましても、積極的に小売サービスを認める議論はなく、今までサービスマークの登録を否定してきたが、否定する理由は消えてきているということだと思います。イギリスなどでよく例に出ているのに、百貨店で物を配達するとか、子供を預かるとか、乳児施設ですね、そういうものは百貨店の小売サービスのサービス業の中に入れて登録する必要は全然ない。私は小売業がサービスとしてそれだけのを備えているなら登録を許していいのだろうと認識していたのです。そこら辺はいかがなのでしょうか。

土肥委員長

例えば、今、販売商標ありますね、販売商標というようなものでいくと、3~4倍費用がかかるということがあるから、だからサービスマークということなのか、そうではなくて、3~4倍の問題ではなくて、時代の変遷とともに小売というのも一つのサービスとして認められるようになったので、だからそこにサービスマークとして認めてほしいという根拠がある、こういうことですか。

松尾委員

そうです。先ほど委員長が、そういうことではなくて、今それを越えて小売業についても認めようという議論になっているのではないかというようなことをちょっといわれました。私はそうではなくて、総合的なものにしても、専門的な小売業にしても、小売自体にサービスがあるときには登録する。だから小売業なら、何でも登録するというわけではないという見解です。そこら辺はどうなのでしょうか。

土肥委員長

そこはよくわかるのですけれども、今回のご提案は、今のようなところよりも越えたように聞こえるのですけれども、そうでもないのですか。

木村審議室長

当方の提案といいますか、そこはもちろん議論していただければよろしいのだと思うのですけれども、今、例に出されたような百貨店の託児サービスですか、そういうものというのはある意味では純粋に付随的なもので、そこまで幅広く認めていく必要性までは、あるとは、必ずしも現時点では我々は認識はしていない。ただ、小売業が独立したサービスとして認識されるということで、それについてサービスマークを認めていこうというときに、その中でどこで線を引いて、それが独立的なのか付随的なのかとかいうことで分けたりすることができるのだろうかというのは、にわかには私どもとして今すぐにはわからない――わからないというのも変ですけれども、特に提案としては線引きはしないで、小売業については単品の販売業であっても、それは独立したサービスが小売業という業態の中にあるのだろうという認識をして認めていく余地は十分あるのではないかと思うのですけれども。

松尾委員

私も、それはそれで賛成なのです。さっきいわれたプライベートブランドですね、三越が三越のブランドでしか商品をつくっておらず、その三越のブランドで商品をすべて売っているときに、それまでサービスを認めるかというと、それは話は別で、自分のブランドのつくったものを自分で売るのではなくて、他人のものを売る、そこにサービスがあるのだ、そういうことです。何も百貨店だけという意味ではないのですけれども、百貨店と特定の専門店、そことの切り分けは非常に難しいですし、そういうことではないのですが、他人の商品を売る、そこにサービスがある、そういうことだろうと思っています。

竹田委員

今の議論で確認なのですけれども、そうすると、小売業商標を役務商標として認めるということは、商標法の2条の使用の関係でいえば、当然3項で規定している役務についての使用がすべて小売業商標の使用に当たるということを認めることになりますね。そうしますと、当然個々的な商品との関係が、どうしても問題となってくるのではないですか。それについての、先ほどから出ているクロス・サーチ等の問題等を考えてくべきで、そういう審査は何もしなくてもいいということで、かつ2条3項の役務商標としての全部の使用を認めるのは、まさに混同のおそれが生ずることになるのではないですか。そこをどう考えているのですか。

土肥委員長

もちろん、そういう具体的な個別の規定との、あるいはシステムとの関係の整合性の問題、確かにあるのだと思うのですけれども、私、まず気になるのは、サービスマークというものを認めるとして、そもそも認める必要があるかどうかというのが、まずあるのだと思うのですけれども、認めるとしたらどういう小売のサービスについて認めようとしているのか、今のところ、どうも小売は全般にというような理解で聞いているのですけれども、果たしてそういうことなのかどうかというのが少し気になるものですから、そこをちょっと決めさせていただきたいのですが、田村委員、今のことで何かありましたら……。

田村委員

松尾先生のご意見もよくわかるのですが、現行の商標法ですと、商品を製造している者だけが商品商標の主体になるという建前にはなっていないわけでして、商品を販売しているだけの者も商品の商標について使用しているということになっております。そういう現行法の立場を離れて、メーカーが、商品の場合は商品を製造している者が商品商標、他人の製造した商品を販売している者は、例えば役務商標だ、そういう整理の仕方はもちろんあり得るのでしょうけれども、それは少なくとも現行法からはかなり大きく変更を迫るものだと思います。そういう抜本的な改正が必要だというのであれば、それはそれで良いのですが、ただ、私はそのような大きな改正をする前に、もうちょっと、せめてここまではやるべきだというところがあるはずだと思っております。それは一番の問題は、多品目を扱っているデパートやコンビニエンス・ストアさんが、個々の商品は独自の信用が付着していると思うのですが、現行法の運用は登録商標の保護を受けにくい状況になっていることが問題だと思います。
私自身は、もともと商品商標しかなかった昔の商標法ならいざしらず、役務商標法が入った時点で、そのようにちゃんと信用が付着している多品目の商品を扱っている小売業さんが商標法の保護を受けることができないという解釈を、とっていませんので、今それが運用でうまくいってないことの方がおかしいと思っています。ですから、少なくともそこは変える必要があると思うのですが、それを越えて一般的に単品の小売も含めて役務商標に含めていくというのは、本当にそれは、かなりの抜本的な問題ではないか、慎重であってしかるべきかなと思っています。

土肥委員長

今おっしゃるように、デパートとかコンビニのようなもの、そういったものについては非常にコストがかかって不都合が生じておるので、そういう点については考える必要があるかもしらんけれども、そうでない他の小売については、例えば販売商標という商標を利用しさえすれば恐らく対応できる、そういうことですね、そこのところが私もよくわからなくて、販売商標というものがありながら、あらゆる小売のすべての業態についてサービスマークにしていかなくてはいけないというところが、先ほどからちょっとわからなかったということなのですけれども、古関委員の方にお尋ねした方がいいのかどうかわかりませんけれども、これだけ厚い商標協会でアンケートをなさっておられますね。これは、古関委員の方からコメントか何かあるわけではないのですか。

古関委員

これについては特に……。

土肥委員長

ないんですか。松尾先生、ちょっとおっしゃったのですけれども、松尾先生にお尋ねした方がよろしいのですかね、これをお出しいただいたわけですけれども、この中で、商標協会として、例えばこういうふうなアンケートの結果が、実態としてはこういう問題があるのだということをここにまとまっていると思うのですけれども、手短に……。

松尾委員

それは、全部をまとめたものではありません。これは、それぞれ各国に質問票を出して、それを整理して、答えでわからなかったところをもう一度聞いたりして整理した、それだけのことで、これをまとめてどうということはありません。

三宅委員

私は小売サービスについての店舗名称、あるいはマーク、そういったものを役務商標として認めることには賛成です。と申しますのは、現実問題として、そういったものは、もうブランドとして定着しているものもありますし、やはりそこに接客であるとか、陳列であるとか、品揃えであるとか、そういったところに独自の創意工夫があって、そういった行為に対して信用も蓄積されている。また、それ自体、同じようなコンビニならコンビニの中でどれを選ぶかというときに一つの識別機能も発揮している。そういう意味では、判例で指摘しているような独立取引性の部分、これさえ除けばほかの商標とほとんど変わらないのだろうと思うのです。
また、さっき単品専門店のことが出ましたけれども、この部分についても、私は同じだろうと思うのです。と申しますのは、例えば眼鏡であれ、靴であれ、自分でつくって売るというわけではなくて、そこはいろんなメーカーのものがたくさん品揃えされて、選びやすいように陳列されている。そういう意味では同じなのですね。そこのところを、百貨店ならオーケーで、単品専門店はおかしいというのは、理論的にはちょっと違うかなという気がします。

松尾委員

私も今の三宅委員に全く同感なので、さっき田村委員がいわれたことで、ちょっと私との食い違いは、自分がつくったものについて使用するのでなければ、商標とはならないといっているのではなくて、4ページの「ニース国際分類」のところの4行目にニース国際分類で取り上げようとしている小売業の定義がありますね。ここに「他人の便宜のために各種商品を揃え」で、各種商品というのは単品だという意味ですね。今、三宅委員がいわれたように、いろんな靴とかいろいろな帽子とか、そういう意味の商品の専門店ということで、要するに自分のつくったものを自分で売るだけのことではないというだけのことをいっているのだろうと思います。こういう小売業のサービスマークを認めようと、私は、今回のご提案はそう思ったのですが、そうではなくて、単品で、自分のつくったものを自分だけで売るという小売業も認めよう、そういうご趣旨なのでしょうか。

土肥委員長

先ほどの報告には、今おっしゃったようなことは入ってない。
時間の関係もあるのですけれども、小売全般なのか、あるいは特徴的なサービスを提供するデパート、あるいは今おっしゃったような単品の眼鏡屋さん、あるいはコンビニなんかも含めて、そこでサービスマークを入れると、仮にした場合に、竹田委員のおっしゃった個別の関係の制度との調整、これはどういうふうに考えたらよろしいのでしょうか、クロス・サーチ、あるいは経過規定、あるいは登録の分類の問題、さまざまいろんな問題があろうと思うのですけれども……。

竹田委員

先ほどから出ているような著名な、現在だれでも信用が付着しているだろうと思うような小売業の名称だったら、なるほどなという感じがします。しかし、これが一たん登録を認めるようになったら、どんどんいろんなものが出てきますね。そうすると、当然、商品商標とのクロスは起きてくるわけです。それについて、何も手当てしないでいいとか、審査の対象にもならないということになるのは、商標制度の在り方としてどうかなと思いますので、そこを一番懸念しているわけですけれども、そこの点は、賛成される方はどういうふうにお考えになるのか、お聞きしたいと思うのです。

古関委員

私は原則として、クロス・サーチの必要はないと考えています。あくまでクロス・サーチというのは、今の法律上の規定でも、商品役務間の類似規定というのは推定規定はありますから、それは当然生きてくるわけですけれども、実際の審査段階で審査官がそこの役務と各商品間の類否、あるいは出所混同の可能性ということを検討する必要はないだろう。ここはあくまでも当事者間の異議申し立て、あるいは無効審判の請求を待って、そこで判断すれば足りる事項ではないかと思います。

竹田委員

それをいわれるとちょっとお話ししたいのですけれども、前回、私、欠席してしまったので、議論は議事録で読んだだけですけれども、審査はいわばそういう意味だと形式的な審査になってしまって、今の日本の知的財産の4法についての制度は、厳格な審査制度下にあって成り立っているので、形式的にそういう審査はしないで登録は認めていって、あとは異議なり無効審判で、そこで決着すればいいのだというのは、少なくとも今の特許を初めとする日本の審査制度の基本的な行き方に、齟齬をする気がしてならないので、そう簡単にいっていいかなというのは非常に疑問です。

土肥委員長

前回も全体的な意見は、竹田委員がおっしゃったような形で議論としては行われたと思うのです。前回の議論は、その全体的な意見は大体そういう感じでしたね。古関委員の場合は、少し独自のご見解があるものですから、そういうふうになるのだろうと思うのですが……。

古関委員

これは基本的に委員長が最初におっしゃられたところの従来の小売のサービスマークとして保護が十分だったのかどうか、ここが非常に関連するところだろうと思うのです。3ページ目に、運用としては保護されてきたというような規定ぶりがありますけれども、ここは本当に従来、小売の商標というのが保護されてきたのでしょうか。従来、先ほどから出ていますように価格表に例えばセブン-イレブンと書いてあったりとか、伊勢丹というマークが、金額とともにラベルのところに張ってあるというのは、果たして商品について使用してきたといえるのかどうか、ここに対する基本的な考え方があるのだろうと思うのです。そうすると、小売業者のマークが商品について本当に使用してきたのか、それとも小売行為についての使用だったのかという区分けをすると、おのずと分かれてくるのではないかというような理解でいます。

田村委員

単に事実の指摘の問題でございますが、従来の判決例では、商品に付した値札やレシートの商標を表示する行為とか、陳列棚に商標を表示する行為も、商品の使用に関する商標の使用に含まれるというようにしております。田村善之『商標法概説』145ページ、第2版です(笑声)。多分このような構成をなさるに当たって、もしかしたらそれぞれの個別事件で弁護士さんや裁判官の方のご苦労があったのかと思いますが、少なくとも今ではそのご苦労が報われているものと私は理解しています。

松尾委員

全然報われてないんですよ(笑声)。陳列棚につけるときも、値札につけるときも、どういう形でつけるか、どういうふうにつけられているかというところが問題なので、値札についてますとか、陳列棚についてますというだけでは、私は決して正当な結論になっていなかったと思いますね。カタログ販売なんかも明らかにそうですね。カタログ内の商品についている商標は、カタログに使用されているマークとは全然別のものなんです。カタログによる販売だけなんです。それは、カタログ販売の小売業としては認められてないので、やっぱり保護されてなかったということで、保護していただく以外にない。そういうふうにいろいろと使い方がありますから、私はクロス・サーチというのは、まず不要だろうと思っています。

土肥委員長

不要ですか。

松尾委員

はい。

田村委員

結局、クロス・サーチが必要かどうかは、どのような小売業にあえてサービスマークを認めるのかという問題にかかわっていると思います。多品目の、先ほどから一番保護の必要性があることでは恐らく異論がない百貨店とかコンビニエンス・ストアでしたら、我々の感覚からしても、個別商品とは離れた信用があるように思われます。運用の仕方でしょうが、もし全部の商品とのクロス・サーチをするということになれば、当然登録はかなり難しくなってくるわけでして、そういう限定された小売業に役務商標と認めるだけでしたら不要という結論もあり得るところではないかと思います。
しかし、先ほどからのご議論を聞いていると、単品の眼鏡とか単品の小売についても、私はいまだにその必要性がわからないのですが、新たに役務商標としてもう一項類を設けるということになりますと、サーチは必要だろうと。そうしないと、突然何もサーチのされない、今までの商標法の歴史から自由な分類が急にできるということになって、大変私には不思議に思われるところであります。

土肥委員長

恐らくサービスマークがああいう形で入った後も、落ち着くまでにはいろんな経過があったのではないかと思うのですけれども、今回、小売というものをサービスとして認めていくということになったら、恐らくさまざまな問題が出るのだろうと思うのです。当然、取得したものが他の小売メーカーにいろいろアクションを起こしていったりするような、そういうこともできてくると思うのですけれども、そういういろんなトラブルが、できるだけ量として少ないような形で事前に審査をしておくというのは、一つの考え方としては当然あるのだろうと思うのですけれども、もう一度白石委員にお尋ねをしたいのですが、白石委員のようなお立場からすると、クロス・サーチをして、きちんと審査を受けて、より強い権利が発生した方が、企業の立場からしたらその方が都合がよろしいということはないのですか。

萬歳委員代理(白石)

それを言い過ぎますと企業の横暴になるわけなんです。やはり従来の商品商標というのはきちんと守りながら、現行制度との間で何とか役務商標というものが認められないかどうか、そこでございます。ですから、先ほど申し上げたように、範囲の限定といいますか、そういった形で登録できる余地はないのかというご提案を申し上げたわけです。

土肥委員長

そうすると、相当ぶつかるものがあると想定されているということですね。

萬歳委員代理(白石)

ないとはいえないんですね。

土肥委員長

そういうことですか。それからどういう形で法改正をしていくのか、それはわかりませんけれども、シャディ判決のようなきちんとした判決があるわけですから、そのときには、あの手の小売といいますか、カタログ販売というものが認められなくて、今度は認められるというところがはっきりわかるような形での改正が必要なのだろうと思うのですけれども、そういう点について、何かご意見はありませんでしょうか。

髙部委員

シャディの判決も、エスプリの判決も、役務商標ができた後で、しかも平成12年、13年の判決です。これは高裁限りで、その後、上告は不受理になって、最高裁の判断は示されてはいませんけれども、最近の高裁の判決でだめといっている以上は、単に運用で変えるということは許されなくて、認めるのであればきちんと立法をすべきであろうと思います。立法をするときに、どこまで審査の範囲を及ぼすかということよりも、まずどういう範囲で認めるかという議論を詰めていく方が先の話だと思います。それを仮に認めるときにはどこまでサーチしましょうということになるのだろうと思いますけれども……。

土肥委員長

多分そうだと思うのですけれども、一応相場として、大体今の議論の状況がどれぐらいなところあたりかということを私としては知りたくて、ちょっと聞かせていただいたということですけれども……。

髙部委員

今、イギリスとかOHIMでは、審査基準だとか審判という段階で認めるようになったということなのですけれども、そういったレベルで変わるというのは非常に不自然だと思います。どこが変わったのか、つまり初めに質問したように、独立して市場で取引の対象となるような役務だと認められるようになったのかどうか、仮にそう認められるとすると、個々の小売業がそういうふうに認められるという必要があるのでしょうけれども、そこのあたりの認識といいますか、そこらを整理をしておく必要があるのかなと思います。

土肥委員長

きょうの皆さんのご議論というのは、まだ、これ一回でここは終わりというようなことを毫も考えておりませんで、大体皆さんのお考えを聞かせていただくということでございます。

田村委員

1点だけ最後にします。6ページの下から2段目のところです。これは最後の方のことになりますが、仮に多品目に限らず単品の小売についても役務商標の登録を認めるとした立場をとったときの具体的方策がいろいろと書かれていて、そのうちの特に、これはちょっと広過ぎるのではないかと思われるのは、単に小売としての出願も認めるというところです。もともと単品は設ける必要はないと思っているのですが、もし認めたとしても、これを許すというのでは、今まで全類指定さえ許さないで頑張っていたのは何だったのかということになるわけです。これは全類指定よりもすごいんですよ。小売と書けばよい。どういうふうになさるかよくわからないけれども、額面どおり受け取りますと、小売として書いているのだから、何を売ってでも使用に当たるということになるのでしょうから、不使用に取り消されることもなさそうですし、侵害はすべての小売に及ぶのでしょうか、とにかく物すごい商標ができるような気がします。ですから、さすがにこれだけはやめていただきたいと私は思います。

土肥委員長

「あったとしても」と、こういってますので、上の方にきちんとその辺のことは書いてあるのではないかと思いますが……。

田村委員

それはどうでしょうか。

土肥委員長

上の「もっとも」のところ、上の段落のところにいろいろ、登録をするとすれば……。

田村委員

「~望ましいのではないか。ただし、」と書いてあって、「一律に禁じる必要もないのではないか。」ということは、逆にいうと、何か小売と書くことが認めることがあり得るということのように読めるのですが…。

小塚委員

田村先生のそういうご指摘があったので申し上げないわけにはいかないのですけれども、私は、この制度設計は、結局、効果をどう認めるかということと両にらみで設計しないと議論が拡散していくということではないかと理解しています。私の理解したところが皆さんと違っているかもしれませんが、小売業について、ある一定の場合かもしれませんが、独立の取引対象として認める価値がある、少なくとも立法者としてはそう判断する、裁判所とは見解が違うかもしれないけれども。こういうことでスタートしているのだと思いますので、そうだとすると、独立の対象としての価値がある範囲にのみ効果が及ぶということではないかと思うわけです。その点をはっきりさせるべきではないかというのが、途中で竹田先生がおっしゃった、その場合に使用の定義はどうなるのですかというご指摘だと思います。そこが明確にならない段階でいろいろと細かいことを申し上げるのは、私としては差し控えたいと思いますが、その点を詰める必要があるということだけ申し上げておきます。

土肥委員長

使用の問題は、一番最初の委員会で議論があったところでして、すべてを一回俯瞰した上でまた戻るという了解でやらせていただいておりますので、その点をいま少しお待ちいただければと思いますが、髙部委員、サービスマークとの関係でありますでしょうか。もしなければ、団体商標の方に行きたいと思うのですけれども。

髙部委員

田村委員が小売一般に関しておっしゃったのですが、仮に小売一般はだめだといっても、エスプリのときはものすごくたくさんの商品の小売という形で、出願していたのですね。そういうのとのボーダーラインといいますか、そういった点も問題になりそうな気がします。

土肥委員長

それでは、時間の関係もございますので、もう一つの議論、論点でございますが、団体商標制度の拡充、この問題について議論をいただきたいと思います。これは既に現在ある制度でございますので、先ほどのご報告にありましたように、300ぐらいの出願があるけれども、200ぐらいしかされていないということですけれども、拒絶されている100ぐらいのものは、今おっしゃった、例えば産地と商品名を並べるような、そういうようなものということですか。そういうものも入っているということですね。

小川商標制度企画室長

一部入っています。

土肥委員長

例えば博多明太子というのはだめだということになりますね、今の運用では。何となく私、これは、審査官研修とか審判官研修あたりのときに、団体商標の説明のときによく話したりするのですけれども、それがだめだと知らなかったのですが、皆さんどうですか、団体商標制度について、今現在の扱っておられて、お困りの点とか、そういう切り口からでも結構ですけれども、いかがでございましょうか。一番大きいのは、先ほど髙部委員の質問の中にあった識別力との関係だと思うのですけれども、当然論点になろうと思いますが、団体商標一般で何かご意見ございますでしょうか。

古関委員

11ページの「現行の団体商標制度の課題」というので、出願件数自体をここに書いておられますけれども、これは施行当時、たしか出願をしなくても登録になっていたものも団体商標に変更の登録が可能だったと私は記憶しているのですが、その中には、従来登録になっていたものの中に、先ほどの博多明太子というのがありましたけれども、同様の信州味噌というのがありまして、これは従来、登録になっていたものを、多分団体商標に変更していた事例があったはずだろうと思います。私も、実際、団体商標の制度が導入された当初、約1年間ぐらいだったと思いますけれども、どういう商標が登録出願されているのかというのを調べたことがありました。
確かにここで100件ほど拒絶になっているのですけれども、多分これは、団体の要件を満たさなかったものもあるでしょうし、あるいは3条の識別力の問題だったのもあったように記憶をしているのですけれども、識別性の問題をどうとらえるかというところが、非常に私は痛しかゆしなところがございまして、これは検討課題の中の団体に含まれてないものというのがあって、これが、地域名と商品の普通名称からなる団体商標があった場合に、団体に含まれてないものがどの程度保護されるのかというところの問題が非常につながってくるのだろうと思うのです。
もう一つは、先ほど申しましたように、団体商標の主体的な要件のところが、ここはかなり厳しくなっているので、私は、ここに書いてありますとおり、もう少し広げた形にされた方がいいのではないかというようには思っております。

土肥委員長

主体的要件のところはよくわかりましたけれども、団体に含まれていないもの?例えば具体的には……。

古関委員

例えば信州味噌であれば、信州味噌の農業協同組合の構成員のみ使用できるという形になっているのだろうと思うのですけれども、先ほど水沢うどんがありましたけれども、これは多分、民法法上の団体ではないということで登録は認められなかった。仮にこれが広がってきた場合に、一つの社団法人のようなものを形成してきた場合に、その団体に含まれてない者、阻害された者ですね、入れなかった者……。

土肥委員長

アウトサイダーですね。

古関委員

ここが使用できなくなることと、権利として認めることの調整をどうされるのかというところが問題なのかなというふうな認識です。

土肥委員長

それは13ページの(3)のところの問題になりますね。

古関委員

はい、そうです。

土肥委員長

わかりました。今、古関委員に団体商標制度についての恐らく出願をされておられる過程の中でのご感想かと思いますけれども、利用者の観点から何かございますでしょうか、団体商標制度に関してありませんでしょうか。いずれにしても、ここが200しかないというのは、もっとあってもおかしくないなと思うのですけれども……。
どうでしょうね、今の出していただいた、割合議論しやすいところからすると、主体的な問題、このあたりを割合簡単に議論としてはできるのではないかと思うのですけれども、主体の点、これは民法上の公益法人でしたか、それと協同組合とかそういうようなものしかだめだということになっていると思いますけれども、ここを少し広げたいというのが今回の提案だと思うのですが、この点について、ご意見ございますでしょうか。

松尾委員

例えば民事訴訟法の29条で「法人でない社団又は財団代表者又は管理人の定めがあるものは、その名において訴え、又、訴えられることができる。」というのがありますね、12ページの(1)に書いてあるようなこういう厳格なものではなくても、代表者が定められているとか、定款が定められているということで、その名前で行動できるものが登録できるということができるようにならなければ、出願するときに非常に限られてしまうので、何かここが拡げられないものであろうかと。民訴のようなほかの法律にあるというのが一つの根拠にならないものなのかなと思います。

土肥委員長

法人格のないところまで広げるような、そういう考え方はいかがなんですか。つまり一般的には、協同組合とか公益法人とか株式会社組織、そういう営利法人、そのあたりは穏当なところかなと思うのですけれども、今の点どうですか。

木村審議室長

私どもが念頭に置いて考えていたのは、法人格というのはそれなりに必要なのかなと思ったのですけれども、逆にいうと、今おっしゃられた民事訴訟法29条で、当事者能力というのですか、それがあるけれども、ただ法人格をもってない人たちが、実際こういうものをとりたいという実需といいますか、そういうものがかなりあるのであれば、それは確かに検討の余地はある話なのかなと思いますけれども。

髙部委員

特許法では6条で、法人格なき社団の手続能力を定めていますね。特許権自体は法人格なき社団でも取得できるということですか。

小川商標制度企画室長

特許法の6条は、あくまで手続能力の話であって、権利能力の話ではありません。あくまで商標権という権利の主体となるためですから、権利能力は絶対必要だというのが平成8年改正のときの法制局の考え方です。

髙部委員

そうだとすると、今、団体商標の場合の督促をどう考えるかという話なので、団体商標と普通の商標の場合で、普通の商標の場合には一切権利能力なき社団について権利能力を認めないけれども、団体商標のときだけはいいというふうな整理は可能なんでしょうか。

小川商標制度企画室長

一般の商標も団体商標も、例外なく権利能力は必要だと考えています。

髙部委員

必要なんですね。今、松尾先生が、広げたらどうかとおっしゃっている考え方というのは……。

小川商標制度企画室長

そういう意見もあるのかもしれませんけれども、難しいのではないかと思いますが……。

土肥委員長

6条も非常に限定的ですね。

髙部委員

手続能力だけですね。

萬歳委員代理(白石)

フランチャイズチェーンのことを書かれているのですが、これは何らかの意味がございますか。私は、権利者の範囲を拡大すべきではないかと、ここに財団法人、株式会社、フランチャイズチェーンあるのですが、どちらかというとフランチャイズチェーンではなくて、これはボランタリーチェーンじゃないですか、もし団体性ということを非常に意識すべきならば。フランチャイズチェーンというのは全部、いわゆる「フランチャイザー」が商標の管理から何から、範囲、使い方まで全部「ジー」に対して定めているんです。

土肥委員長

多分そういうことだと思うのですけれども、これは、そういう趣旨です。そういう趣旨で書いております。

松尾委員

ぜひここのところでは、外国の法令を調べていただきたいと思うのです。アメリカなんかで結構広く出願されているのではないかと思うのです。イギリスの証明商標などというのは非常に面倒な手続が要るようなのですが、国際的に日本がほかの国と同じように団体商標も登録できるようにならないと、対外的に損するような感じがしていますので、これはぜひ調査していただきたいと思います。

土肥委員長

一応資料としては部分的には載っているのですけれども、今の外国における主体の範囲、ひとつお調べいただいて、お願いいたします。
主体の問題はそういうことなのですけれども、アウトサイダーの問題、識別力の問題、これはかなり似たような話になろうかと思うのですけれども、つまり古関委員がおっしゃったアウトサイダーには使わせなくなるということは適当でない。つまり団体商標ということになりますと、団体の構成員のみが使えて、アウトサイダーは使えなくなる。だけど識別力を3条2項よりももっと広げていくと、アウトサイダーも名称を使わざるを得ない状況が当然出てくる。ここをどうするかという問題が、先ほどの議論になるのだろうと思うのです。3条2項の問題、それからアウトサイダーの使用の確保をどういうふうに図るか、ここはかなり大きな問題だろうと思うのですけれども、いかがでございましょうか。

竹田委員

きょうここで議論されている団体商標の問題でいえば、何といっても識別力の問題だろうと思いますね。商標というのは本来出所表示機能をもつもので、まさに識別力があるからこそ商標になるわけで、その原則を曲げるというのは、私は絶対できないことだと。それは許されないことではないかと思いますね。産地表示を含んでいても、なおかつ識別力があるというものであれば、それは3条2項でいくということができるかどうかの問題になるかもしれませんけれども、そこのところを広げてしまっていいよというのは、それは商標制度をどう考えているんですかといわざるを得ないと思うのですね。だから、その点は十分慎重であるべきだと思いますけれども。

田村委員

私も基本的には竹田委員と同じ意見であります。日本の商標法は、これまで原産地表示を、それ自体として保護する法制度をとっていないので、むしろそういうものは、現在では不正競争防止法の品質誤認表示でありますとか、あるいは景表法で規制するというのが日本法のこれまでの建前だったと思います。それを変えるということになりますので、それは大きな踏み出しだろうと思います。大きな踏み出しをなさろうとするから、アウトサイダーの問題とかいろいろと出てきて、結局アウトサイダーも使っていいよということになると、やっていることは不正競争防止法の品質誤認表示の請求権者に登録が与えられたというようなものができるのだと思うのです。かなりの大きな改正になるので、その必要性が本当にあるのかどうかよくわからないと思います。むしろ3条2項の要件の方定が、もしかしたら今まで高過ぎたのかもしれないですし、そういったものの運用の問題のような気がしております。

土肥委員長

この制度は、平成8年のときの団体商標制度の議論、委員会のときにいろんな議論があったのだろうと思うのですけれども、その議論があるからこそ狭めている、厳格に解しているのではないかと思うのですけれども。

田村委員

私、その改正のときに参加しておりましたので、今と全く同じことを申し上げました。また怒られるかもしれないのですが、田村『商標法概説』の23ページあたりにまとめて、2ページぐらいでみれるように書いております。

土肥委員長

そういう田村説を受けて、今の制度ができていると、こういうことですね。

田村委員

きょうのペーパーには、当時の議論が全部入れていただいておりますので、これで読めばおわかりになることだと思います。

松尾委員

私も、田村委員のおっしゃるとおりだと思うのですが、私、結論を全然もっているわけではないのですが、このごろヨーロッパの国の動きをみていますと、あれっと思うことが多いので、ぜひここら辺も、国際的な法制度の調査をして検討してお知らせいただきたいと思います。

田村委員

原産地表示誤認に関するマドリッド協定に加入しているかどうかというのは大きな問題だと思うのです。加入している国としてない国というのはおのずから違うと思います。ついでに、ぜひ不競法とか景表法の規制もあるぞということにも触れていただけると、何か日本がさぼっているようにみえるのはよくないと思いますので、以上です。

土肥委員長

そこまで古い、マドリッド協定までさかのぼらなくても、TRIPSにもありますね。ですからTRIPSとの関係の議論もあるのだろうとは思うのですけれども。

三宅委員

松尾先生もおっしゃいましたように、恐らくこの議論の契機というのは、ヨーロッパ等からそういった著名な産地名称、地理的表示とも言ってますけれども、それを保護しろというところから来ていると思います。ただ、保護の在り方としては、積極的に商標権等を与えるというやり方もあるでしょうし、不正出願とか不正使用を排除するというやり方での保護もあると思うのですが、ヨーロッパ等が言っているのは、積極的に商標権を与えろということなのでしょうか、それとも、そういった不正使用等を排除する制度をきちんとつくれと言っているのでしょうか。

土肥委員長

今の点いかがでしょうか。地理的表示の問題については、球磨焼酎とかありますね、薩摩何とかとかいうのがありますけれども、ああいう地理的表示の議論というのは、TRIPSの議論でいうと、必ずしも商標法の枠の中でという議論ではないのですね。
商標法の枠の中でやろうとすればということなのだろうと思うのですけれども、団体商標が何かできるかということですね。だから、博多の明太子の話でいうと、どうも博多明太子と小樽の明太子と、それはやっぱり違うだろうと。その意味では識別力はあるのだろうと思うのです。だけれども、それは出所というよりも、その地域全部の明太子に関する表示ということになるのだろうと思うのですが、そういうものを商標法でやるのか、あるいは外でやるのか、やり方はあるのだろうと思います。時間はまだ残っておりますので、第1点の問題ですけれども、3条2項の問題というのは非常に重要な問題である。つまりここを軽々に上げたり下げたりというのは基本的には余りすべきではないというようなご議論が多かったかと思いますけれども、権利主体については考えてみていいのではないか、こういうことでしたね。
アウトサイダーの問題というのは、3条2項との関係が出てくるのですが、ペーパーの中に入っている損害賠償の問題と証明商標の問題というのがあるのだろうと思うのです。このペーパーに書いてある2つの点について、皆さん、ご意見いかがでしょうか。損害賠償のところ、このあたりは田村委員ということになるのでしょうか。

田村委員

これも私の意見がそのまま書いていただいております。やはり不正競争防止法が大正10年のころと違ってできておりまして、個々の構成員が損害賠償請求権をもっているので、それを取り上げるような形はなかなか認めにくいと思うのです。要するに実際の損害が逸失利益がないところの本部に一律請求権を取り上げるような形は否定しにくいと思います。ですから、大正10年法のような形で簡単に書くわけにはいかないということですね、少なくともいえることは。あとは、もし本当に必要だということになれば、いろいろとやりようはあるのかもしれませんが、そのときは、例えば個々の構成員から、もし仮にフィーみたいなものをとっているのだったら、そういうのに基づいて相当額みたいなものを認めていくとか、そういった形で、通常の商標権における損害額の推定規定と違った形の規定を設けていく必要があると思います。

土肥委員長

商標法の中でもそういう規定がきちんと書いてあっても、メープルシロップのようなものは相互的な補完関係がないのだから適用がないとかといってますね。だから、そういう解釈でも対応できるのだろうとは思うのですけれどもね。

田村委員

それは、もちろんそうだと思います。

土肥委員長

いかがでございましょうか、証明商標との関係ではいかがでしょうか。――ありませんでしょうか、特にございませんようでしたら、全体的に……。

古関委員

多少議論が外れるかもしれないのですけれども、変な話なのですけれども、最近また妙な判決が出て話題になっておりますけれども、例えばある一つの団体が、キャッチフレーズを協賛する企業各社に使用させるといった場合に、協賛各社がそれぞれの商品に団体のスローガンないし標章を使用させるという行為は、個別具体的にみれば協賛各社の各商品、あるいはサービスにおける標章の使用に該当するのかもしれないですけれども、反面、それは標章ないしスローガンの団体の大もとのサービスの広告的使用態様にも当たるのかなという見方をしますと、この辺の団体商標ないしサービス商標としてみた場合に、個別具体的に雑誌のタイトルと競合する、しないとかという問題とは別の問題が考えられるのかなというような気がしていたのですけれども、この点はいかがでしょうか。

土肥委員長

それは、例のドクター中松ということになるのですか。「がんばれ日本」。

古関委員

念頭にあるのはそうです。

土肥委員長

そういうことですか、よく事案を承知してないのですけれども、日本オリンピック委員会か何かの使用になるのではないかということですか。

古関委員

そういう見方をすると、団体商標であったり、財団法人に入ってますので今回議論してますし、あるいは証明商標ですか、それが協賛をしていることの証明であるという議論の見方というのはできないのかなということですね。

土肥委員長

協賛商標と証明商標との関係……。

古関委員

それと多少オーバーラップするような部分が、団体と証明にはあるのかなという感じがしたものですから。

土肥委員長

ちょっと難しいのですけれども、その点については古関委員にひとつ考えていただいて(笑声)、残りの時間の中でその議論をしにくいなと思っておりまして、まず判決そのものを十分承知しておらないというのがございまして、その話というのは「阪神優勝」にもつながるような、いろんなそういう興味深いところはあるのだろうと思うのですけれども、それはご紹介ということにここではとどめさせていただいて、議論はなしということでさせていただきたいと思います。
全体を通じてなのですけれども、小売のサービスマークとの関係も含めまして、特にそこのあたり、ぜひこの点についてはいっておきたいというご意見もあろうかと思いますので……。

大泉委員

1点目の小売業の方では、クロス・サーチのお話が出ていましたけれども、小売業のサービスマークと商品商標のクロス・サーチを考えるときに、もう一つは、小売業と包括的に書いたときに、個々の商品の小売業と書いたものとのクロス・サーチあると思います。今既に商品と役務が類似することがあり得るという前提ですが、クロス・サーチしていないという問題があるのですね。例えば食品と飲食品の提供とか、そういうところではクロス・サーチされておりません。小売業のクロス・サーチの話が具体的になったときには、今までクロス・サーチしてなかったところをどうするのかという話が出てくると思うのです。そのバランスをとるように考えた方がいいのではないかなと感じております。

松尾委員

今のような問題とも関連するのですが、1ページ目に相対的拒絶理由に関する異議待ち審査制度の導入について、さらに調査・検証するということなのですが、相対的拒絶理由という言葉自体、これをECの方の法律と全く同じように捉えているのかどうか。日本の法律は、3条、4条みんな一緒になってますね、そのうちのどれとどれを絶対的といい、どれとどれを相対的というのか、そこら辺、ちょっと概念をはっきりさせてから議論しないと、混乱するのではないかなと思います。これからもう一度さらに調査・検証するのであれば、そこら辺をきちんとして議論を進めていったらいいのではないかと思います。

土肥委員長

いずれ前回議論させていただいた点についての残りの部分については検討させていただこうと思いますけれども、そのときには、今、松尾委員がおっしゃったようなことを含めて整理したものを出させていただくということにさせていただきたいと思います。
時間はちょうど5時になっておるのですけれども、よろしゅうございますでしょうか。――
それでは、時間がちょうど5時ということでございますので、本日の委員会はこれくらいにしたいと考えております。活発なご議論をいただきましてありがとうございました。
それでは最後に、次回の小委員会につきまして事務局から紹介をお願いいたします。

木村審議室長

次回の小委員会でございますけれども、12月1日、月曜日午後3時からの開催と予定しております。会場は今回同様、この部屋、16階の特別会議室を予定しております。議題等は、また追ってご連絡を申し上げます。

土肥委員長

以上をもちまして、産業構造審議会知的財産政策部会第4回商標制度小委員会を閉会させていただきます。本日はどうもありがとうございました。

-了-

[更新日 2003年11月21日]

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