第6回商標制度小委員会 議事要旨
平成16年5月26日
特許庁
5月25日(火曜日)10時00分~11時45分に、産業構造審議会 知的財産政策部会 第6回商標制度小委員会(委員長:土肥一史 一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授)が開催された。
1.審議内容
事務局から資料1(著名な商標の保護の在り方)及び資料2(これまでの議論のまとめ)に沿って説明した後、自由討議を行ったところ、委員からの意見の概要は以下のとおり。
(1)著名な商標の保護の在り方について
- 防護標章登録制度には著名性が10年間固定されるという問題がある。また、水際措置において利用されているとの話も聞かない。産業界で特に必要ということでないのであれば、防護標章登録制度は廃止し、稀釈・汚染・フリーライド等を防止する旨の規定を設けることにより、著名な商標の禁止的効力を拡大すれば良いのではないか。
- 不正競争防止法と商標法は制度的な趣旨の違いがある。不正競争防止法にも著名商標の保護の規定があるが、商標法の目的が業務上の信用の保護であるならば、競争力のあるブランドを保護する観点から、商標法の中で著名商標の保護を正面から手当すべきではないか。
- 著名商標の効力範囲を広げることについては異論はないが、商標法と不正競争防止法の棲み分けが必要である。
- 防護標章登録制度は、同一の部分にしか効力が及ばず、使い勝手の悪い制度であるが、混同を生ずるおそれのある非類似の商品、類似の商標にまで保護を広げて欲しいという要請はある。現在も一定の範囲で使用されていることから、仮に著名商標の保護を拡大し、防護標章登録制度を廃止するとしても、何らかの経過措置は必要である。
- 防護標章登録制度は、自己の商標が他人によって登録されるのを防ぐ役割、自己の出願が4条1項15号等で拒絶されることを予測できる役割があり、廃止されると不安である。
- 防護標章登録は不正競争防止法2条1項2号の事件の証拠として提出されることがあるが、著名性はその証拠だけで決まる訳ではない。また、審査においては防護標章登録の有無にかかわらず4条1項15号で排除できるのではないか。
(2)「これまでの議論のまとめ」について
- 地理的表示と団体商標との関係については深く議論されていないので、今後検討の機会を設けて欲しい。
- 普通名称化の防止策(欧州共同体商標規則第10条に該当するもの)に関し提案がなされていたので、これについても検討して欲しい。
- 「第4 その他」に挙げられた事項については今後検討することについて了承が得られた。なお、個人輸入の規制については、商標法として規制するべきなのか、個人輸入を止める理由は何か、法解釈で解決できるのではないか、他の知的財産権との関係で議論が行われていないのか、との意見があった。
2.今後の審議スケジュール
第7回商標制度小委員会は、早ければ6月末に開催する予定。
以上
[更新日 2004年5月28日]
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