第14回商標制度小委員会 議事要旨
11月18日(金曜日)14時00分~16時00分に、産業構造審議会 知的財産政策部会 第14回商標制度小委員会(委員長:土肥一史 一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授)が開催された。
1.審議内容
事務局から資料1(商標制度の在り方(論点整理))に沿って説明した後、自由討議を行ったところ、委員からの意見の概要は以下のとおり。
小売業等のサービスマークとしての保護について
    - 総合小売と単品小売の線引きは難しく、単品小売を役務に該当しないとするのは困難ではないか。また、ニース協定の国際分類の関係や国際的調和の観点からも、単品小売をも認めるべきではないか。 
 
    - 小売を役務として認めた場合、既存の小売店内で小規模の店舗を展開するときに小売関連サービスで権利を取得できるなど、商標権採択の幅が広がるとのメリットが考えられる。 
 
    - 総合小売については権利取得が容易となるメリットがあるが、単品小売については役務として認めるメリットがなく、必要性に疑問がある。 
 
    - メーカーが商品だけでなく役務についても権利取得しなければならなくなることが心配である。 
 
    - 商品に商標を付ければ商品商標であり、商標をどのように使用しているかによって使う人が商品かサービスかを選べばよいのではないか。 
 
    - 商標法4条1項11号との関係では、総合小売と商品の間では原則クロスサーチは不要であり、単品小売であっても基本的に不要である。 
 
    - 単品小売の表示態様の指定役務であれば商品とのクロスサーチは必要なのではないか。 
 
権利侵害行為への「輸出」の追加について
    - 輸出の立法趣旨として模倣品対策、環流があったが、模倣品対策については日本が輸出規制後進国だと具合が悪いことは理解するが、環流は現実的に危惧されているのか。 
 
    - 「輸出」の追加については政策的問題であり、必要であれば反対するものではない。 
 
    - 輸出を追加することに賛成である。ただし、模倣品対策というよりも国内の競業者が公正な利益を確保できるようにするとの趣旨で理解すべきではないか。 
 
    - 輸出の規定は水際でも必要であり、輸出を侵害とした上で取り締まりの枠組みを考えるべきである。 
 
    - 輸出目的の所持を侵害行為とする流れは異論がない。 
 
コンセント制度について
    - 現行法に基づいて同意書さえあれば審査をクリアするのは問題である。商標法4条1項11号の商標の類否は同意書を出せば覆るということはなく、問題があるのではないか。。 
 
    - 事実上コンセントで類否判断を覆すことはしないとの提案であれば問題ないが、それでは元々の企業ニーズには合致していない狭いコンセント制度であり、やらない方がよいのではないか。 
 
    - コンセント制度へのニーズはあるが、今回の提案であれば見送ってもらって構わない。 
 
    - 魅力ある商標の選択については既登録例が多く難しいため、商標採択の幅が広がるのは嬉しいが、類似の基準がわかりにくいと商標採択で二の足を踏むこともあり得る。 
 
    - 類似商品役務審査基準の改正にしても、現実に完全に対応したものとすることは不可能である。コンセント制度としてではなくても、同意書を参考に審査してもらうとありがたい。 
 
    - 事務局の提案は、留保型コンセントとは言えないと思われるが、同意書を参考にする制度であれば賛成する。 
 
    - コンセント型は完全型が望ましいが、法の精神からは行き過ぎとの面もあり、留保型までとの認識がある。今までの審査では審査官と出願人の視点しかなかったものが商標権者の視点も入ることで客観性が高まるのではないか。 
 
2.今後の審議スケジュール
第15回商標制度小委員会は、平成17年12月9日(金曜日)10時00分~12時00分に開催する予定。
[更新日 2005年11月30日]
    
        
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