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第21回商標制度小委員会 議事要旨

平成22年4月

経済産業省

3月24日(水曜日)10時00分~12時00分に開催された、産業構造審議会 知的財産政策部会 第21回商標制度小委員会(委員長:土肥 一史 一橋大学大学院国際企業戦略研究科教授)について、概要は以下のとおり。

1.商標行政を巡る最近の動向について

資料1「商標行政を巡る最近の動向について」に沿って事務局から説明を行った。

2.「商標」の定義への識別性の追加等について

資料2「『商標』の定義への識別性の追加等について」に沿って事務局から説明をした後、自由討議を行ったところ、委員から意見の概要は以下のとおり。

  • 侵害の場面において、商標の識別性の有無というより識別性を発揮する態様か否かが問題となっているとすると、商標の定義の見直しの必要性は諸外国等との整合性程度となる。定義規定への識別性の追加の検討に当たっては、見直しの必要性の度合いとその影響とを比較しつつ、慎重に検討していくべきではないか。
  • 侵害訴訟の実務において、現行規定で特に支障は生じていないと感じている。改正の必要性や、改正による関係条文や実務への影響について、十分な検討が必要ではないか。
  • 識別力が商標を保護する上で大事なファクターであることを商標法上明確にし、真に保護されるべきものと業界で自由に使えるものとを明確にできるような制度として欲しい。結論はともかく、十分な検討をして欲しい。
  • 知財四法の中で商標法のみ本質を定義していないため、知財四法の整合性の観点からも、商標の定義に商標の本質である自他商品等識別機能、出所表示機能を規定すべき。
  • 商標の定義の仕方としては、客観的識別性を追加することが妥当。その場合、3条1項6号の削除は免れないが、1~5号については識別性がないものの例示的な規定として残すべき。
  • 37条については、商標を標章に改め、識別性を持たない態様での使用の除外規定を設けるべき。なお、商標の定義に客観的識別性を追加すれば、使用の除外規定とも相まって商標的使用が明確化されるため、25条・37条の使用について手当てする必要はないのではないか。
  • 定義の見直しに伴い、例えば3条と26条の関係等、この機会に整理すべき。
  • 現行法を変更する必要はないと考えているが、仮に商標の定義に識別性を追加する場合には、侵害訴訟に支障が生じないようにすること、並びに、現行3条と同様に識別性を除く形で消極的に規定するかということを考慮すべき。
  • 商標的使用論の明文化の問題については、侵害訴訟のみならず不使用取消審判にも影響するので、商標的使用論を手当てするのであれば、50条も何らかの手当てをする必要があるのではないか。
  • 混同要件を追加すると、現在の判例実務を変更するおそれがあるのではないか。
  • 定義等の改正については、判例を含めた法の内容を変えるか否かがキーポイント。特許庁の提案が法の内容を変えるものではなく条文の体系をわかりやすくするものであれば検討に値するし結論的にも方向性は間違っていない。
  • 法の内容を変えないのに条文を変える理由は、条文のわかりやすさであり、専門家に聞かなくても読んでわかるようにすることは重要。
  • 実務者としては、定義等の改正により審査・審判・裁判・模倣品対策等の各場面でどのような影響があるかを踏まえたシミュレーションができるよう、時間をかけて議論してもらいたい。

3.商標法第4条第1項第13号の見直しについて

資料3「商標権消滅後1年間の他人の商標登録排除規定の見直し」に沿って事務局から説明を行ったところ、資料3に示された方向性で了承された。
事務局からの説明に対し、委員から出された意見の概要は、以下のとおり。

  • 存続期間満了により商標権が消滅した場合については、満了直前まで使用していたにもかかわらず更新しないということは稀と考えられることを前提とすると、13号の理念と現実には乖離があるのではないか。13号は廃止し、存続期間が満了したものについては、審査基準等に基づき一定期間査定を待つという運用でもよいのではないか。
  • マドプロ等の国際出願の重要性が高まっている現状においては、基礎となる日本の出願の早期権利化やスムースな審査が非常に重要であるから、13号は早急に見直すべきであり、満了後の権利の更新期間については運用による対応でよいのではないか。

4.改正後の「類似商品・役務審査基準」の導入方法について

資料4「改正後の『類似商品・役務審査基準』の導入方法について」に沿って事務局から説明を行ったところ、資料4に示された方向性で了承された。

[更新日 2010年4月13日]

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