産業構造審議会知的財産分科会商標制度小委員会
第3回商標審査基準ワーキンググループ議事要旨
1.日時・場所
日時:平成26年6月3日(火曜日)16時00分から18時00分
場所:特許庁庁舎16階 特別会議室
2.出席者
小塚座長、池田委員、小川委員、加藤委員、林委員、本多委員
3.議題
- 制度改正に伴う地域団体商標の登録主体の拡充に係る審査基準の改訂について
- 新しいタイプの商標の導入に伴う審査基準の改訂について
- 音商標に関する審査基準について
4.議事内容
6月3日(火曜日)16時から18時に開催された、産業構造審議会知的財産分科会商標制度小委員会第3回商標審査基準ワーキンググループ(座長:小塚 荘一郎 学習院大学法学部 教授)において、議題1に係る「制度改正に伴う地域団体商標の登録主体の拡充に係る審査基準の改訂について(案)」については、基本的な方向性は了承された。議題2に係る「新しいタイプの商標の導入に伴う審査基準の改訂について(案)」については、今後の進め方について了承された。議題3に係る「音商標に関する審査基準について(案)」については、今後、論点を整理した上で、更に検討を行うこととなった。
各議題についての審議の概要は以下のとおり。
- 制度改正に伴う地域団体商標の登録主体の拡充に係る審査基準の改訂について(資料1)
- 国内の「事業協同組合その他の特別の法律により設立された組合」等に求められる要件を列挙し、それらの要件を満たしていることをもって「これらに相当する外国の法人」であることを認めるとしているが、加入の自由の規定は商標法第7条の2の条文上も括弧書きとして書かれているものであるため、特に重要な要件として書くべきではないか。
- 海外の場合には、我が国の設立根拠法における宗教や政治との分離を定めた規定に抵触する可能性のあるNPO法人等も想定されるが、これは各国の事情による部分もあるため、そうした事情を考慮可能な表現とするべきではないか。
- 新しいタイプの商標の導入に伴う審査基準の改訂について(資料2)
- 商標のタイプごとに検討を進めることに異論はないが、どこかでタイプ間の整合性を確認する機会があるとよいのではないか。
- 音商標に関する審査基準について(資料3)
- (1)音商標の識別力について
- 基本的に音は今までCMやドラマ等で自由に使用できたので、商標登録され誰かに独占されると産業界としては萎縮してしまう。自然界に存在する音をはじめ、音は音であり原則的には識別力がないのではないか。使用することで、初めて識別力が生じるのではないか。
- 企業はよく練ってサウンドロゴを作成しており、使用により識別力が認められる場合(商標法第3条第2項)にのみ、登録を認めるという考え方には反対である。
- 使用により識別力を獲得した場合(商標法第3条第2項)までいかずとも、使用の事実を証明することで登録を認めるという考え方もあるのではないか。
- 原則として識別力が認められない例として楽曲を示すのか、あるいは、楽曲とは1曲全体を指すのか、一部のフレーズを指すのか等について更なる検討が必要。
- (2)使用による識別力を認める場合の出願商標と使用商標の同一性の認定について
- 同一性の認定において、リズム、メロディー、ハーモニー及び音色といった基本的要素がほぼ同一であることを必要とすることは、現在も3条2項の審査基準において明朝体とゴシック体の相違等同一性を損なわないものについては認めているように、音商標についても、ある程度同一の範囲の許容性をもたせるということは理解出来る。
- 資料3の2.(3)「・・・使用証拠書類に出願商標とは別の使用する音等が含まれている場合、当該出願商標の音それ自体が需要者に強い印象を与え・・・」中の「出願商標の音それ自体」とは、願書の「商標登録を受けようとする商標」の記載なのか、提出物件(音声ファイル)なのか、明らかにして欲しい。
- 資料3の2.(3)「ミニマグライト事件判決」等の裁判例が記載されており、立体商標の場合における当該判決のような判断が、音商標における3条2項の立証の判断においても可能となるよう、審査基準で明確にしてはどうか。
- (3)先願に係る他人の登録商標との類否について
- 資料3の3.(2)②の例において、言語的要素が「要部」となる場合には、メロディーが特殊であっても当該言語的要素を文字で表した文字商標とも類似するのではないか。
- 言語的要素の識別力の強さに応じて、メロディーの識別力の強さも変わるのではないか。
- (4)出願方法について
- 楽譜に演奏楽器の記載がなく、特定の楽器で演奏された音声ファイルが添付された場合等における権利範囲については、更なる検討が必要。3条2項の適用においては実際の使用により権利化されるという点についても考慮が必要。
[更新日 2014年6月5日]
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