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産業構造審議会知的財産分科会商標制度小委員会
第6回商標審査基準ワーキンググループ議事要旨

1.日時・場所

日時:平成26年9月17日(水曜日)14時00分から16時20分

場所:特許庁庁舎16階 特別会議室

2.出席者

小塚座長、池田委員、小川委員、加藤委員、外川委員、本多委員

3.議題

  1. 動き商標、ホログラム商標、位置商標に関する審査基準について
  2. 国際商標登録出願における新しいタイプの商標の取扱いについて
  3. 商標審査基準たたき台案について

4.議事内容

9月17日(水曜日)14時から16時20分に開催された、産業構造審議会知的財産分科会商標制度小委員会第6回商標審査基準ワーキンググループ(座長:小塚 荘一郎 学習院大学法学部教授)において、前回事務局により整理することとなっていた位置商標および動き商標の指摘事項について、資料4に基づき審議をおこなった。議題1「動き商標、ホログラム商標、位置商標に関する審査基準について」の、動き商標及びホログラム商標については、資料の一部修正事項があったが、今後の検討の方向性については概ね了解をいただいた。位置商標については、出願方法及び識別力の考え方について審議を行い、不登録事由(商標の類否)、議題2「国際商標登録出願における新しいタイプの商標の取扱いについて」及び議題3「商標審査基準たたき台案について」は次回以降に審議することとなった。

各議題についての審議の概要は以下のとおり。

  1. 第5回ワーキンググループにおける指摘事項について(資料4)
    • 「1.位置商標」については、了承をいただいた。
    • 「2.動き商標」については、以下の審議がなされた。
    • 資料では、軌跡が残る場合のみが強調され過ぎており、それのみが保護対象となっているような印象を受けるため、表現に工夫が必要ではないかとの意見が出された。
    • 標章が変化すれば軌跡が残らずとも動き商標として保護の対象となる旨、また、最終的に軌跡が残らずとも途中に軌跡が描かれて需要者に認識されるようなものについては保護の対象となる旨、事務局から説明がなされた。この場合には、商標の詳細な説明に変化の様子について記載する必要がある旨の説明もなされた。
    • また、標章が変化せず、軌跡が残らないものについて、標章の動き方が特定の出所を表示するようなものであり、その旨商標の詳細な説明に記載されている場合には、審査において考慮する可能性について事務局が言及したところ、5条2項1号の文理解釈上、どのような動き方をしても標章が変化しなければ、保護の対象とはならないのではないかとの意見が出された。
    • さらに、標章の動き方が特定の出所を表示するような独特で特徴のあるものであれば保護対象となり得るのであれば、動き方がありふれたものであるのか等の判断をすることとなるのではないかとの意見が出された。
    • 資料4の2ページ目の3つの例については、現行の図形商標と同様に商標記載欄における位置は特定の意味を持たないため、車が下から上へと移動する動き商標としては認められず、上2つの例は、車の大きさが変化したり、車からでる煙の長さが変化したりする動き商標となる旨、事務局から説明がなされた。
    • 車が上から下へと移動する動き商標として出願をしたいのであれば、例えば、商標記載欄の中に枠を描き、その枠の中で車が動いているように、枠も含め商標全体として変化している記載とすべき旨、事務局から説明がなされた。
    • これに対し、動き商標は、現行の図形商標と同様に考えるのではなく、商標記載欄における位置に意味を持たせ、これを商標記載欄や商標の詳細な説明等によって特定できるようにすべきではないかとの意見が出された。
  2. 動きの商標に関する審査基準について(資料1)
    • 3.(1)(ア)及び(イ)のタイトルの「標章そのもの」という表現を、「動き商標の構成要素である変化する文字や図形等」とし、文字や図形等が変化する標章について識別力があるか否かを検討していることを明確にしてはどうか。
    • 3.(1)(イ)の「標章そのものに識別力が認められる場合」には、すべて商標全体として識別力が認められると考えられるため、「商標全体として識別力が認められる場合が多いと考えられる」を「原則として、商標全体として識別力が認められる」等の表現にしてはどうか。
    • 3.(1)(イ)の(参考)に、外国の例として英国の審査基準を載せているが、これは動きそのものを識別力の判断の対象としたものであるため、ここに記載するのは適切ではない。
    • 4.(1)(イ)の「残像の描く軌跡」という表現を「変化の態様」としてはどうか。
    • 4.(1)(イ)の青色の枠線の外に商標記載欄の枠線を記載し、青色の枠線は商標の一部であることを明確にするべき。
  3. ホログラム商標に関する審査基準について(資料2)
    • 2.(3)の「ホログラムが平面上に複数の表示面を与えるために使用されているとき」という表現はわかりづらいため、「複数の異なる文字・図形等が見る角度によって現れるとき」としてはどうか。
    • また、これを認めない国と認める国があるが、我が国は後者であり、こうしたホログラム商標は一商標一出願には反しないことをより明確に表現してはどうか。
    • 4.の例3は、多数の表示面に標章が表示されている場合に、各表示面に表示された文字や図形の全体に対する割合が低い等の理由で要部観察を行わない趣旨の例と考えられるが、全体に対する割合の高低だけでなく、各表示面の観念的なつながり等も考慮した例としてはどうか。
  4. 位置商標に関する審査基準について(資料3)
    • 位置商標の出願方法については、特定の位置に付する標章の形状を特定させる必要がある旨を明記してはどうか。
  5. その他
    • 位置商標の類否及び国際商標登録出願における新しいタイプの商標の取扱いについては、審査基準たたき台案を基に検討し、その後たたき台案の全体について議論することになった。

[更新日 2014年9月19日]

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