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産業構造審議会知的財産分科会商標制度小委員会
第18回商標審査基準ワーキンググループ議事要旨

1. 日時・場所

日時:平成28年6月17日(金曜日)10時00分から12時08分

会場:特許庁16階 特別会議室

2. 出席者

小塚座長、大西委員、小川委員、加藤委員、金子委員、田中委員、外川委員、林委員、本田委員

3. 議題

  1. 公益的な機関等(4条1項1号~5号)、博覧会の賞(9号)、登録品種(14号)、ぶどう酒等の産地(17号)、地域団体商標(7条の2)の商標審査基準について
  2. 類否判断(4条1項11号)の商標審査基準について
  3. 品質の誤認(4条1項16号)の商標審査基準について

4. 議事内容

平成28年6月17日(金曜日)10時00分から12時08分に開催された、産業構造審議会知的財産分科会商標制度小委員会第18回商標審査基準ワーキンググループ(座長:小塚 荘一郎 学習院大学法学部教授)において、議題1「公益的な機関等(4条1項1号~5号)、博覧会の賞(9号)、登録品種(14号)、ぶどう酒等の産地(17号)、地域団体商標(7条の2)の商標審査基準について」は資料1及び2に基づき審議を行い、了承をいただいた。議題2「類否判断(4条1項11号)の商標審査基準について」は、事務局提案の議論すべき事項の基本的な方向性は了承され、今後引き続き検討していくこととなった。議題3「品質の誤認(4条1項16号)の商標審査基準について」は、修正が必要な箇所や引き続き検討を要する点もあるが、概ね了承された。

各議題についての審議の概要は以下のとおり。

1. 公益的な機関等(4条1項1号~5号)、博覧会の賞(9号)、登録品種(14号)、ぶどう酒等の産地(17号)、地域団体商標(7条の2)の商標審査基準について(資料1及び資料2)

資料1の「4.第4条第1項第14号」の(1)①については、引き続き検討を要するが、その他の点については了承された。

2. 類否判断(4条1項11号)の商標審査基準について(資料3)

商標の類否判断方法(総論)について

  • 商標の類否判断(総論)についての改訂案は、本号のリーディングケースとされている判例(最判43年2月27日民集22巻2号299頁〔氷山印事件〕)をベースに作成し、商標の考察にあたっては、指定商品又は指定役務における一般的・恒常的な取引の実情を考慮できるものとする方向で了承された。「取引の実情」に関する具体的な記載ぶり(例えば、「浮動的、一時的、局所的な事情を参酌することは適切でない」等と記載するか)は事務局で検討し、改訂案を示すこととなった。
  • 現行審査基準には、称呼の認定及び類否判断について詳細な記載があるが、予見可能性を高めるために、称呼、外観、観念についてバランスよく示された改訂案となるよう引き続き事務局で検討することとなった。
  • 今回検討している改訂案は、現在、実際に行われている審査実務を明確にするものであり、現在の実務を大きく変更する趣旨のものではないことを確認した。

結合商標の類否判断について(要部抽出)

  • 審査基準改訂のイメージとしては、結合商標の類否判断の一般的な考え方を示した上で、現行審査基準6及び7のような例示を示す方向性で進めることが確認された。
  • 結合商標の類否判断の一般的な考え方は、全体観察を基本としつつ、商標の構成部分の一部(要部)を抽出できる場合があるという方向で了承されたが、つつみのおひなっこや事件(最判平成20年9月8日判時2021号92頁)のように、要部抽出が認められる場合の要件を限定しすぎないよう、記載ぶりについては考慮することとされた。

存続期間満了後の商標との類否判断の取り扱い

  • 現行審査基準4. には「ただし、引用商標の商標権者が引用商標の商標権の存続期間の更新申請をしない旨の意思表示をし、存続期間の更新がないことが明らかになった場合は、この限りでない。」とあるが、この運用はほとんど使用されておらず、また、実際に回復されるケースはほとんどないので、倍額納付期間の6月は必要だが、その後6月の回復期間を待つ必要はないと思われるとの意見が複数出された。これらの意見を受けて、回復期間を待たない場合に特段の弊害があるか等、事務局で確認し、再検討することとなった。

その他

  • 商品・役務の類否判断(現行審査基準11~13)についても、一般的な考え方を記載してはどうか。
  • 取引実情説明書(現行審査基準3)について、もっと使いやすい制度になるよう検討してほしい。

3. 品質の誤認(4条1項16号)の商標審査基準について(資料4及び資料5)

現行審査基準3(イ)(ロ)に記載されている、「商品の品質又は役務の質の誤認を生じさせることなく適正に表示されている場合」の例示が削除されてしまうと、その後の運用がわからなくなりユーザーは混乱するため、どのような補正なら認められるのか、例示は必ず入れてほしい、といった旨の意見が複数出された。(イ)(ロ)のような補正案の例示については、今後検討が予定されている「補正の却下」(現行審査基準第13(第16条の2及び第17条の2))の見直しがなされるまでペンディングとし、本号又は「補正の却下」の部分のどちらに記載するべきか、事務局で引き続き検討することとなった。

以上


[更新日 2016年6月22日]

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