第1回商標審査基準ワーキンググループ議事要旨
平成24年6月
経済産業省
5月25日(金曜日)14時00分から16時00分に開催された、産業構造審議会 知的財産政策部会 商標制度小委員会 第1回商標審査基準ワーキンググループ(座長:小塚 荘一郎 学習院大学法学部 教授)について、概要は以下のとおり。
1.国内外の周知な地名からなる商標登録出願の取扱について
資料3「国内外の周知な地名からなる商標登録出願の取扱いについて(案)」に沿って事務局から説明を行ったところ、委員の指摘を踏まえ一部修正し、座長の承認を得た上で、パブリックコメントに付す旨が了承された。事務局からの説明に対し、委員から出された意見の概要は、以下のとおり。
- 資料の表題が「国内外の周知な地名からなる商標登録出願の取扱」となっているが、商標法第3条第1項第3号に規定する商品の産地、販売地又は役務の提供場所には、周知であることは不要である。
- 本改正案の趣旨には賛成である。実務において第3条第1項第6号の規定が適用されるケースは少ないかもしれないが、地名保護の観点からは対外的にも一歩前進しているのではないか。
- 実務家としては、本基準の見直しによって、地名以外にも意味が生ずるようなものや地名として知られていないものが拒絶になるのか、さらに、地名と識別力のない言葉との結合商標がどのように扱われるのか等、実務への影響に注目していきたい。
- 本改正案は、従来からの実務を明確にして審査基準に整理したものであるが、国内外のユーザーにとっては、審査基準の規定によって容易に運用を理解することができるので、予見可能性・客観性の観点からは重要なことである。
- 商標法第3条第1項第3号、同第6号ともに基準改正案には、「・・・認識させる場合には本号の規定に該当するものとする」旨の文言で断定的に記載している。条文上は第6号については第3条第2項の適用がないが、第3条第1項第6号の規定に該当するとされた商標であっても、第3条第2項に相当する使用による識別力を獲得している場合には、識別力があるものとして同項第6号の規定に該当しない、と判断して登録すると整理しているのなら、その実務を審査基準に明記してはどうか。
- 本基準改正の趣旨は賛成だが、商標法第3条第1項第6号が適用される例を示してほしい。
2.新しいタイプの商標の海外主要国における実態について
資料4-1「新しいタイプの商標例と企業の声」及び資料4-2「新しいタイプの商標に関する海外主要国における実態について」に沿って事務局から説明を行ったところ、事務局からの説明に対し、委員から出された意見の概要は、以下のとおり。
- 各国における新しいタイプの商標の保護状況をみると、日本としても、早急に新しいタイプの商標を制度上保護すべきであることを実感。商標制度小委員会において制度改正の議論が進められているが、本ワーキンググループにおいては、適切な審査基準を作成していくことが重要であると認識。
- 各国の新しいタイプの商標の登録例をみると商標のタイプ分けには明確な定義がないようだが、日本が導入するにあたっては、明確に整理することが必要である。
- 新しいタイプの商標の保護制度及び運用の在り方については、それぞれ小委員会及び本ワーキンググループで議論することは重要である。
[更新日 2012年6月8日]
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