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委員長 |
定刻になりましたので、きょうの委員会を始めたいと思います。 |
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事務局 |
それでは、私の方から人事異動のご紹介をさせていただきます。7月11日付で太田信一郎長官、それから平井敏文総務部長が退任をいたしまして、新たに今井康夫長官、迎陽一総務部長が着任いたしました。ご紹介いたします。 |
委員長 |
それでは、今井特許庁長官から一言ごあいさついただけますでしょうか。 |
今井特許庁長官 |
新しく長官を拝命いたしました今井でございます。役所の常といたしまして、このように走っている汽車に飛び乗るというのは、皆さんに大変申しわけないのでございますが、たまたま私は1年生、2年生、ここで勤めさせてもらいましたし、特許特会をつくるときとか、プロパテント政策の開始のとき、省庁再編も含めて、いろいろな場面場面で特許には割と深い関係がございましたので、なるべく早くキャッチアップし、またご議論に参加させていただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。 |
委員長 |
どうもありがとうございました。 |
事務局 |
資料確認の前に一言、7月22日、委員会を中止させていただいたことについてお詫びをさせていただきます。事務局として調整に努めたわけでございますが、時間が足りないということで、委員長と相談の上、中止をさせていただきました。皆様におかれましては、日程調整でいろいろご骨折りいただきましたけれども、そのような結果になりまして、どうも申しわけございませんでした。 |
委員長 |
どうもありがとうございました。 |
委員 |
基準の策定とか基準の適用が合理的な場合にはそれを尊重すると書いてあるわけですけれども、これが合理的でない場合には、どういう判断になるのでしょうか。つまり、合理的でないから、合理的な規定を作成しろとか、あるいは当てはめを合理的にやれということになるのか、そうではなくて、そもそもそれは合理的でないから、対価は裁判所が決定すると、こういうことになるのでしょうか。 |
事務局 |
まず定め自体がそもそも合理的でないとすると、相当の対価を裁判所が認定をして、実際に支払われたものとの差額がある場合には、現行のように、その差額分の支払いを命ずるようなことになるのではないかと思っています。他方、定めは合理的で、当てはめについて不合理な場合には、恐らく当てはめの見解の相違といいますか、当てはめのミスということなので、定めの中で適切な当てはめを裁判所が認定して、その差額の支払いを求めるということになるのではないかと思っております。 |
委員 |
確認ですけれども、だから合理的ではないという場合には、規定がなかったということと効果は同じだということですね。 |
事務局 |
定めについていえば、定めが不合理な場合には定めがないのと同じようにはなります。 |
委員長 |
ほかにいかがでしょうか。どうぞ。 |
委員 |
質問ですけれども、2ページの②です。「基準に照らして当該発明に対していかなる対価を支払うかを決定する基準の適用の手続」というように書いてあるのですが、例えばアメリカの企業の場合は、往々にして実績報酬を全くしないわけです。特許を登録するときに1ドルのみ支払い、研究者の評価は、特許を含めて全体的に評価して、昇進とか昇給で対応しているところもたくさんあるわけですけれども、そういう処遇のシステムをもっていた場合に、こういう基準に照らして合理的であるといえるのかどうか。あるいは合理的でないということになるのか。もしその判断が分かれるとしたら、裁判所はどういう判断をされるのかなというのがいまいちよくわからなくて、それをお聞きしたいというのが1点目です。 |
事務局 |
まず最初のご質問でございますけれども、基本的には、今回の考え方でいえば、まず手続の合理性をみるということでございますから、そのような対価の支払い方について、例えば職務発明規程なり、就業規則なりをつくり、そのような定めを定めるに当たって、従業者にきちっと説明をし、ある程度納得が得られるような手続を踏んでいれば、それが尊重されるのではないかと考えております。 |
委員長 |
ちょっと確認ですけれども、最初の論点は対価を、例えば1,000円ぐらいしか払わなくても、そういう重要な発明をした人には、例えば研究の自由度をもっと与えるとか、そういうルールをつくっていても、そのプロセスさえ合理的であればそれでよろしいということですか。 |
事務局 |
従業者が納得いくような制度であればよろしいのではないかと。 |
事務局 |
基本的に契約で定められるわけなので、相当の対価というのを一から計算をして定めるということは当然なくなるだろうと思っております。それで、契約が不合理だといわれるのは、基本的にはよほどの場合ではないかと考えております。したがって、契約の合理性というのは非常に幅のある概念だとお受けとめいただければいいと思うのですが、それは手続を非常に重視するということは当然なのですけれども、手続だけで、あとはいいのだということには必ずしもならないだろうと。ただ、従業者がそのとき十分納得して、金銭は要らないから、基本的に処遇とか、そういうことで十分満足だということで、本当に納得して契約を結んでいるというようなことがあれば、それが尊重されるということはあるだろうと思いますけれども、全く対価が無関係であるということはないと思います。 |
委員 |
先ほど事務局のご説明の中で、4の②について、例えばと例を出されたと思います。オリンパスの判決をみてみると、オリンパスの場合は、それでもだめだったということで裁判になっているわけです。ここでいうと、「寄与した権利に対して実績補償を行い、それ以外の権利に対しては補償しない」という考えに基づき、オリンパス側は、「会社側はそれ以外の権利だ」という理解のもとにやっていて、発明者の側は「交渉に寄与したのだ」ということで議論になっているのだとすると、現状と何も変わっていないということになりはしないでしょうか。 |
事務局 |
まず今の事例でございますけれども、現行法と一番違うのは、後段に書いてありますが、合理的な手続を経て決められているかどうか、例えばこのような包括ライセンスの規定にすることについて、ある程度従業者のコンセンサスが得られているかどうかというのを重視するようになりますということです。それで、仮にそのように規定がつくられた場合、今の事例で行きますと、今度は当てはめの問題だと思います。使用者側はコアのものではないと主張し、一方、従業者側はコアだと主張するようなケースでございますが、このような場合、従業者側から、これは何でコアではないのですかという質問をする機会を設けていただいて、そのときにある程度納得いくような説明をする。それで納得しなければ訴訟になるのかもしれませんけれども、そのような手続を踏んでいただくことによって、会社側の判断というのも、今より尊重されるようになるのではないかということでございます。 |
委員 |
オリンパスも当然そういう経緯を踏んでやってきた結果、発明者が納得せず、裁判になっているということは、今のオリンパスのやっている手続が合理的かどうかという問題になるのです。しかし、当てはめが不合理であるということであるならば、基本的には全く今と変化がないのではないかと。 |
事務局 |
先ほどもご説明しましたけれども、契約の内容を審査する上で手続というのは非常に重要で、そこで従業者が納得している程度というのが、ある意味では問われることはあるということだと思います。それで従業者も十分納得していて、安い対価でも自分としては満足だということであれば、そういうものも合理的だと思いますし、逆に余り満足感がないという中で、例えば一方的に定めた勤務規則で決めているというような場合であれば、それはそれなりの対価というものが審査されて、その中で合理性が判断されるということになろうかと思います。ただ、そういう意味でいうと非常に総合的な判断だと思うのですけれども、対価というのは、ある意味では非常に幅があるということはご理解していただいて、不合理でなければ基本的に契約で定められた対価を支払えばいいということになると。今のように一から相当の対価という、ある意味では1つの正義を追求するというようなプロセスには必ずしも乗らないのではないかと思っておりますし、それから基準が非常に妥当で、例えば使用者側に明らかなミスがあって当てはめに間違いがあるというようなことであれば、当てはめ直した契約に基づく対価をお支払いいただければいいのではないかと。そのときに、直ちに相当な対価という計算に立ち返るということにはならないというように考えております。したがって、そういう意味では全然、今とは違うのではないかと。 |
委員 |
おっしゃったとおりで、日立さん、オリンパスさんの具体的な例をこれに当てはめてみると、それぞれに合理性がある手続をとっておられると思うのですが、それでも対価の額について不満であったら、合理性も含めてもう一度争っているということになるわけで、その意味において、あれらの事件は避けられるものではないし、大手企業すべてがかなり合理的な手続を踏んでいるとすると、現行と何も変わらないのではないかということではないでしょうか。 |
事務局 |
現行法との差異でございますけれども、2ページの下から4行目をごらんになっていただきたいと思います。そのような懸念がおありではないだろうかということで書かせていただいておりますが、「ただし」以下です。現行法と今回の改正の考え方と根本的に違うのは、手続要件を法定化するということです。ご存じのとおり、現行の35条というのは相当の対価、すなわち額の規定しかありませんけれども、今回はそれを判断するに当たって手続要件もみますということで、争いになった場合には必ず手続が合理的になされているかどうかがポイントとなる。逆にいうと、従業者側から手続が不合理であったことの主張立証が必要になるということですから、運用は大きく変わると考えております。 |
委員 |
いろいろご説明をいただいて、変わるとすれば、手続要件の合理性を裁判所が必ず一度は判断をしておかなければいけないということだと思うのです。判断をした結果、合理的であるけれども額において不満があるので、やはりこれは別問題となれば今の日立の事件にしろ、オリンパスの事件にしろ、何ら変わりはないと思います。実態として変化がないと申し上げているのです。 |
委員 |
現行法の解釈でどこまでできるかという問題はあるわけですけれども、ともかく最高裁判決を初めとして、現在の判例の問題点というのは、私がここでしばしば申し上げましたように、結局企業がその企業の属する技術の分野とか、それから企業自体のもっているいろいろな体質とか、その他の条件とか、そういうものを勘案した上で、なおかつ発明の適切な評価をして、報奨規定を定めていても、まずこの規定が強行規定であるから、裁判所が正しいと思った相当の対価を認定して、それに報奨規定で定めた額が及ばなければ、差額を払いなさいというのが現在の判例であると思います。そのような35条の解釈が私は正しいとは思わないのですけれども、しかしその最高裁判決の考え方というのが今後、私法的合意として機能していく以上、やはり企業が現在置かれている状況から35条の3項、4項は見直しを考えなければならない。 |
委員 |
ちょっと補足をしますと、私も事務局案に賛成なのですが、先ほど委員がおっしゃったご懸念について申し上げると、現行法のもとでは、大手企業が定めた規定も手続も合理的であるのに、それでもなおかつ額が争われている。今回の案の場合にどうなるのかといいますと、恐らく裁判所はまず手続がどうであったかということをみるわけですが、この案によれば、この手続を尊重しなければいけないということになります。したがって、現在と決定的に違うのは、プロセスが合理的であれば、それを尊重しなければいけないので、それで仮に対価の額が争われても、合理的な制度、手続を定め、それを履行している企業においては、もはや額の審査はないということが眼目だと思うのです。まずそれが重要なポイントだと思います。 |
委員 |
2点、質問させていただきたいのですが、2ページの(3)の①の説明で、「(2)①と②の要件が満たされていれば」「対価は通常合理的であると考えられる」と。この表現と、その下に「しかし」といって、承継が一方的になされる前提があるのだから、「対価の額の合理性を、審査の対象から完全に排除することは難しい」と。この表現と、それから5ページのオプション1として書かれた制度概要の中に、「対価の額が合理的な手続を経て決定され、かつその対価の額が不合理でない場合には」という、この表現は同じなのでしょうか。それが第1点です。 |
事務局 |
まず第1点目でございますけれども、2ページに書かせていただいている対価は、手続を経た場合は通常合理的であって、ただ、先ほど来ご説明しておりますとおり、契約内容の合理性というのは、いうまでもなく対価、手続、両面が総合的に考慮されるということで、その中で、特に手続というのが重要ではないかということを申し上げているわけです。したがって、最終的に導き出されてきます対価の額の合理性というものが、およそ司法審査の対象でないとか、あるいは契約の合理性の中に入らないということはないという意味で(3)の①と②というのは書かせていただいていると。 |
委員 |
特に2点目に関してですが、そのような内容でしたら、あえて個々に決めるということを積極的に書かなくてもいいのではないかと私は思うのですけれども、いかがでございましょう。 |
事務局 |
表現ぶりは、最終的な報告書をまとめさせていただく段階でまた考えさせていただきます。ただ、基本的に争いになったり、あるいはお互いが主張を立証したりする単位というのは、恐らく権利であるということにかんがみて、それをここでは書いているだけでございます。もちろん業種業態によっても違うと思いますし、あるいは勤務規則であらかじめお定めになる基準の中で従業者の納得も得ながら、定め方を工夫されることによって、常に個々の権利というのを、それごとの当てはめというのを行わなくても、そこは十分合理的であるという判断の余地というのはあると思います。最終報告書においては、それは考慮させていただくということでよろしいでしょうか。 |
委員 |
先ほど来出ております手続の問題と対価の合理性の問題について一言だけご質問させていただきたいと思います。 |
委員 |
今、委員がいわれたことに賛成なのですけれども、そこのところを少し具体的に類型化して考えることが妥当ではないかと思うのです。1つは、今、おっしゃったように、一方で情報の対等性を確保して、もう1つ交渉力の問題が残るわけですが、交渉力の対等を手続ないしプロセスの面で確保するのに非常に重要だと思うのは、2ページの(2)の②のところです。②は2つの部分からなっていて、説明がなされるというのは、情報の対称性を確保するということですが、もう1つは、不服を述べる機会が与えられることであるというのがあります。これは、内容規制とは別に交渉力の対等性担保する1つの方法だと思うのです。したがって、交渉力の対等をサポートするための手続上の制度がこれになるのだろうと思います。その意味で、これは非常に重要な位置づけをすべきではないかと考えます。 |
委員 |
先ほどの委員の話にも関係あるのですが、35条の強行規定がないときの契約に交渉力の対等性はないということを考慮されるというのはわかるのですが、今、心配しているのは、合理性があるかどうかということを検討して、合理性がないとしたときにどこへ行きつくのかというと、現行法の35条の強行規定にたどりつくということです。ですから、強行規定が最後に残っていて、そこへ行くまでのプロセスしかいっていないのではないかと、そこが大問題というか、大分違うのではないかと思うのです。最後の強行規定がない状態で合理性がなかったときどうするかという判断とはちょっと違うのではないかと思うのです。そこが、私にはよくわからないのです。 |
事務局 |
手続がきちんと踏まれていて、かつ対価の額がおかしいということはまずないと思うのですけれども、最終的に、やはり一方的な承継とか、そういうことを前提に考えると、契約の内容規制のようなものは残さざるを得ないだろうと。ただ、申し上げているのは、契約で定めたものが基本的に尊重されるという世の中を、法改正によって目指したらどうかということを考えておりますので、それは今の相当の対価というものが働く局面というのは極めて少なくはなるだろうし、それから契約によって、契約の合理性といいますけれども、基本的に不合理でない限り合理的だと考えるならば、契約が不合理であるというように審査の結果、判断されるというのは極めてレアなケースになるのではないかと。そう考えると、合理性というのは非常に幅のある概念ではないかと考えております。したがって、例えば当てはめのところでミスがあって、対価がちょっとおかしいというような場合には、契約に基づいた対価を改めてお支払いになるということで、恐らく足りると思いますし、その場合に、ある意味では絶対的な正義のような位置づけになっている相当な対価というものを必ず支払わなければいけないということにはならないと、私どもとしては考えております。 |
委員 |
今の点を含めて2点、補足させていただきます。まず第1に、先ほど委員がおっしゃった点で、完全にお互いに納得して合意している場合でも内容規制が行われるのかという点ですが、これは、実はまさに消費者契約法をつくるときに大きい問題になった点です。私、消費者契約法の立法に若干かかわりましたもので、そのときの情報提供のみなのですが、例えば中古車に欠陥がある場合に、売主は一切責任を負いませんというような条項は無効だということが消費者契約法には規定があるのですけれども、いや、少々欠陥があっても私は安い方がいいから構わないので買うというように消費者が納得して買った場合に、では、後で欠陥が発見された場合、その条項は有効なのか、無効なのかという点が議論になりました。そして、当時は経済企画庁ですけれども、立法を担当された方々、及びそれを支持された方々の考え方は、当事者が幾ら納得していても、交渉力の不均衡が主たる根拠だと思いますが、やはり消費者契約法が適用されて、そういう瑕疵担保の責任を排除する条項というのは消費者契約法上無効だという考え方で、どうも説明をされていた記憶があります。私は大反対で、そんなもの、納得すれば絶対有効ではないかと強くいっていた方なので、私個人の意見はそうですけれども、しかし消費者契約法を支配する一般的な考え方というのは、やはりそういった条項でも最低限の不当条項規制はついてくるという考えでできているようです。個人的には反対なのですが、そういうことだというのが1点です。 |
委員 |
先ほどからの説明を聞いていますと、手続的にきちっと守られれば、それが尊重されるということを原則にしているのに対して、産業界の代表の方々は、そうはいったって、結局は相当の対価といったら同じではないかということの議論の蒸し返しだと思うのです。これは規定ぶりにもよると思うのですけれども、手続がきちっと守られたら、それは相当の対価を定めたものと推定すると。それに対して、それが相当な対価を定めたものでない、例えば著しく低額なものであるということについての証明責任は従業者側に負わせるというような形で規定することが可能であれば、割合そこのところはすんなり納得していただけるような気がするのですが、いかがですか。 |
委員 |
話が変わって申しわけないのですけれども、5ページのオプション案の検討の1です。35条3項及び4項の改正案についてですが、これを読んでしまいますと、我々は大変心配をするわけです。と申しますのは、制度の概要の中に「職務発明について、権利の承継に対する対価の額が合理的な手続を経て決定され、かつその対価の額が不合理でない場合には、当該決定が尊重される制度」と、こういわれているのですけれども、先ほど来の委員のご説明をお伺いしていると、この「かつ」というところはないような感じがするのです。「権利の承継に対する対価の額が合理的な手続を経て決定された場合には、当該決定が尊重される制度」なのですと感じるわけです。従業者に与える影響というところも読むと、①と②で「対価額決定の手続等が不合理である場合には、訴訟を通じて救済を求めることができる」と書いてあるので、この上の「かつ」の部分がないと同じようなことになっているように思うのです。だとすれば、竹田先生のおっしゃっているような形のことなのではないかと感じるのです。こうやって「かつ」と書かれていると、従業者に与える影響に③があって、手続等が合理的であった場合においても、金額が不合理な場合には訴訟を通じて救済を求めることができると書いてあるような感じがするのです。だから、書きぶりにもよるのか、その辺の趣旨、私も実際にどうなるのか、よくみてみないとわからないのです。 |
事務局 |
済みません、5ページ、6ページについては簡略に書いたところ、言葉足らずのところがあります。先ほど事務局の方からご説明したとおりでございまして、前段の1ページから4ページまでの考え方というのが基本的な考え方ですから、それを言葉足らずで略してしまったので、今のような誤解があったと思いますが、この改正案の趣旨は、今まで事務局がご説明させていただいたとおり、1ページ、2ページに書いてあることだというようにご理解いただければと思います。 |
委員 |
そういうことですと、知財協の提案そのものでいいのかというように感じるのですが、違いますでしょうか。 |
事務局 |
全く異質のものではないかと、我々は考えております。ご存じない方もいらっしゃるかとは思いますが、以前、この小委員会で各団体からの提案というのをご紹介させていただいております。各委員の方々にお配りしたものでございますけれども、簡単に内容をいいますと、知財協案というのは、3項、4項を削除して、新3項を新たに設ける。3項の内容は、使用者は承継及びその際の条件を定めることができる。簡単にいうと、そういうことだと思います。それでいきますと、承継を定めることができるというのは現行法の2項にありますけれども、問題はその条件のところです。例えば対価のようなものですけれども、使用者は対価を定めることができるということですから、これは基本的に一方的に使用者が定めることができるということになってしまうのです。そして、現行3、4項がなくなりますから、条件に不合理性があった場合に、従業者が争う手段がなくなるということで、申しわけないのですが、知財協案というのは余りにも従業者に不利な案ではないかということを、今までご説明させていただいているところでございます。 |
委員 |
重大な誤りがあるので、ただしておかないといけないと思います。契約によって定めることができるというように書いてあって、主語に何を選ぼうかというときに、たまたま「使用者は」というところから書き始めただけであって、最初の提言の案のところに趣旨が書いてありまして、「従業者等の職務発明の取り扱いに関しては、使用者等に特許を受ける権利等の承継させることの条件等について、使用者等と従業者等の契約勤務規則、その他の規定にゆだねることをできる制度とすることを提案する」というようにいっているので、使用者が一方的に決めることができるなどということはどこにも書いたつもりもないし、そういうことではないというように……。 |
事務局 |
問題は、「契約勤務規則、その他の定め」の「その他の定め」でして、当然ながら、きちっと契約がされていれば、それは合意が形成されているというように考えられるわけですが、現在の職務発明規定のように何らかの合意を要件とせず、あるいは労働基準監督署への届出等も何も要件としないような、その他の定めで定めることができるというところが我々、問題にしているところでございます。 |
委員 |
そこは集団的な契約ということであって、合理性があるかどうかということは後で判断されることであるのではないですか。 |
事務局 |
後で判断されるにしても、そこに不合理性があった場合、従業者の権利を担保する規定が何もないというのは望ましくないので、それを担保するために我々、強行規定を残したりとか、あるいは手続の合理性である程度担保するとかということを提案させていただいている次第です。 |
委員 |
そのために民法90条とか、1条の信義誠実とか、そういう法律が補完をしているのではないでしょうか。 |
事務局 |
実際問題、例えば35条が全部ない世界とか、あるいは3項、4項がない世界で、従業者がどうやって合理性を争うのかということになったときに、おっしゃるとおり民法の一般条項というのはあるとは思うのです。ただ、それはある意味では非常に争いにくい手段だろうと。それよりは、やはり手続の要件のようなものを表に出して、それで両当事者間で契約なり、場合によっては勤務規則で定めたものをそのまま有効にする。そのかわり、それの合理性――合理性というより不合理性だと思いますけれども、それを私法によって、争いになれば判断するというようにした方が、法的にも、あるいは可能性の見地からもより妥当なのではないかと。仮に民法の90条ですべて判断するということになると、承継が全部無効というようなことになるとか、仮に全部無効になったとしても、従業者は別に何も得なことはないのかなと。それによって権利を取り戻すことは、現在の特許法の構造を前提とする限りできませんし、不当利得とか、そういうことで争っていくとかいう道もあるのかもしれませんけれども、その前に、例えば冒認で無効審判を経ていないと、主張においても、訴訟の現場においても迫力がないというようなことにもなるでしょうから、やはり3項、4項を削除するとか、あるいは全部削除というようなことには、我々としてはご提案としては乗りがたいという気がしているということなのです。 |
委員 |
規定があっても、承継のところの部分が合理的でなければ冒認の話にはなりますので、規定があるかないかの差は、そこではないというように思います。ですから、ことさら民法90条だ、信義規則だという強行規定の部分を文字にあらわしているのか、そこは法律にゆだねてやっているのかの違いだと思いまして、重大な差異は、私はないと認識しています。 |
委員 |
ちょっと補足を……。民法の話ですので、これはちゃんといえると思いますので、いわせていただきますと、民法90条で書かれていること、そのままではないかというご趣旨ですけれども、民法90条をみていただきましても、「公ノ秩序又ハ善良ノ風俗ニ反スル事項ヲ目的トスル法律行為ハ無効トス」と、それだけでして、その中身というのは必ずしも定かではない。もちろん民法ができてもう 100年ですので、それなりに考え方の積み上げというのはあるわけです。恐らく、先ほどのご指摘との関係で一番大きい違いになり得ると思われることを1ついいますと、やはり民法は個別的な契約をした当事者の救済というのが主たる目的というか、当たり前ですが、契約当事者間で契約を無効にするというのは一方当事者を保護するためですので、個別契約当事者の救済保護というのを念頭に置くことになります。としますと、その際に、公の秩序または善良の風俗に反するかどうかの判断に際しては、考え方としては、契約内容自体の不合理性というのですか、正義に反するというような点と、その契約がどのようにしてできたのかという過程も勘案しながら判断するというのが、かなり主流だと思います。 |
委員 |
先ほどどなたかの解説で、35条があったときとなかったときの、その承継の合理性、規定の合理性、その他の規定の合理性の判断については結果的には同じではないかというご説明があったと思うのです。主観的な面において違うかどうかというのは、ちょっと私にはよくわかりませんけれども、裁判官が判断するときに、そういう判断をされるだろうというのは、裁判官の心証の問題としてということですよね。 |
委員 |
繰り返しだけなのですけれども、心証の問題というよりは何を考慮の要素として無効判断をするかということでして、民法90条ですと、どうしても個々の、その従業者がどのようにして契約なり勤務規則のような定めを約束したのか、あるいは約束させられたのかという点に重点が置かれると。それが民法90条の判断の仕方なのです。ただ、先ほど事務局でご説明になっておられたのは、勤務規則のケースで行きますと、その定めがどのような手続を経て合理的に策定されたのかどうか、その当てはめに際して合理的に手続を踏んでいるかどうかという、従業者からやや離れた抽象的な――抽象的というと変な感じですけれども、もう少し一般的な手続の方に力点を置いてご説明されたのではないでしょうか。そういう意味では、民法90条の考え方とはちょっと違うなという感じは、私からみるといたします。心証の問題ではなくて、何を考慮要因として判断するかの、その仕組みがちょっと違うなという感じがいたします。 |
委員 |
35条があるとないとでは違うという結論ですね。 |
委員 |
事務局案がある場合と、ない場合とでは違うということですね。事務局案による場合とよらない場合とで違うという趣旨です。 |
委員 |
知的財産協会の案が配られていますが、この文章を素直に読めば、使用者等はその条件を定めることができるということであって、これは手続等については何ら触れていないし、しかも勤務規則、その他の定めということで、権利承継と全く同じに一方的に規則をつくって、その対価を定めることができるということになっています。現在、提示されている手続の合理性を担保しようとしている案とは異質であるというのは、先ほど事務局のおっしゃったとおりであろうと思います。適正手続をとることによって、権利承継を一方的行為で行うことの合理性を担保しようとしているわけです。適正な手続ということの中には、手続そのものの合理性のほかに、普通は結果の合理性を含むというように解釈しています。デュープロセスという言葉は、多分、手続そのものと結果の合理性ということの2つ含んだものだろうと思います。したがって、結果が相当であるというか、結果が合理的であるということは、当然含まれてくるものだと思います。先ほどから産業界の委員の方から、現行と違わないのではないかというご指摘があるのですが、違うと思います。現在は、決めた額が相当かどうかをみるという条文になっているのに対して、決めたかが相当であればよいということになるわけですから、現行と明らかに違ってくるだろうと思います。ただし、訴訟が減るかどうかの問題についていえば、どういう規定を置いても、最後は法廷で決着をつけることができるというのは、法治国家でありますから当然であります。どういう規定を置いても、最終的には裁判所に行きますし、手続の合理性という新しい概念を持ち込むと、それについての議論が生じる可能性はあります。例えば全面削除案にしても、新たな別の議論が生じるわけですし、規定を改正する以上、その部分についての新たな議論が起こることはやむを得ない問題ではないかと思います。 |
委員 |
質問なのですが、この委員会の議論は、裁判所が個々の発明の対価の額に立ち入るということは非常に煩雑になるから、それを避けようということで進められてきたと思うのですけれども、5ページの一番上、「かつ」以下のところです。「かつ、その対価の額が不合理でない場合には」という、この表現があるので、これに不服をもつと、裁判所が額について言及しなければいけない。そして従業員に与える影響のところでは、「手続等が不合理である」という「等」になっているのですが、等の中に額が入っているのか、入っていないのか、その辺の確認をしたいのですが。 |
事務局 |
恐らく紛争になるときは、基準とか、そういうものの抽象的な合理性の争いになるのではなくて、当然、請求の対象というのは金銭の請求、それが訴訟物になるということだと思います。したがって、そういう意味でいうと、額をめぐって争われると。そのときに従業者の方は、具体的にこういうひどい手続でやったのだ、額もおかしいのだということを主張され、証拠を出されるということになろうかと思うのですけれども、そのときに、基本的には手続をきちんとやっているという抗弁を反証としてお出しになれば、そのことによって直ちに相当の対価に行くというようなことはない。すなわち、従業者側、原告サイドはが手続の不合理性ないし額の不合理性の立証に成功しなければ、基本的に契約なり勤務規則で定められた対価というのが合理性をもつというように認定されることになると思うのです。そういう意味でいうと、額というのは当然争いの前面に出てきますし、特に基準が不合理だというようなことを抽象的に、それを確認するための訴えというようなことは恐らくないだろうという意味で、額というのは先ほど委員の方もおっしゃられたとおり、デュープロセスというのが内容の適切さを担保するためのものだとすれば、それはある意味では一体のものだと考えております。そのときに、使用者側は手続をきちんとやっているという抗弁で反論することが十分できるだろうということを申し上げているわけです。 |
委員 |
そこが現行法と違うところだというわけですね。 |
事務局 |
はい。 |
委員 |
今の点なのですが、もしそうだとしますと、額についてという追加の表現は要らないのではないのかと。デュープロセスの中に額が入っているのなら、合理的なプロセスによってできた契約で、当然包含されているはずですよね。にもかかわらず、「しかし」と、いつも注意書きなり、「かつ」と書いてみたり、対価が独立的に表現されているような印象を非常に受けるのです。それが不安なのですが、先ほどのご説明で何回聞いても同じだと思いますので、感じだけ申し上げます。 |
委員長 |
今、外国特許の問題に入る前に論点の3と4をご検討いただいているわけです。大体話が決まってきたといいますか、基本的な論点はクリアになってきたように思いますので…… |
委員 |
第4項の問題は議論していいのですか、今。3ページのところに現行35条4項の規定を改正することは必要かというように…… |
委員長 |
ちょっと待っていただけますか。3、4につきましては、以上で一応、議論を打ちきりといいますか、まだ何か……。 |
委員 |
今、委員がいわれたことを聞いていると、私はむしろ、産業界の側にとっては逆で、相当な対価に関する部分を入れておかないと、デュープロセスで、手続に結果の妥当性まで入るのだとすると、それ以外に相当の対価について規定しておきませんと、企業の証明責任の部分に結果も妥当ですよということまで証明しなければならないことになるし、それも裁判所の最初からの判断対象になってしまうでしょう。そうなったら、かえって大変なのではないですか。そのためには、手続については先ほどいったように尊重するというか、推定するというか、そういう規定を設けた上で、それとパラレルではない形で、いわば挙証責任を逆転させる形で、それが著しく相当でなかったならば、規定に従わないで相当な対価を定められるけれども、それは従業者側の証明責任ですよというような形で規定した方が、企業のためにははるかにいいと、私はそう思いますので、一言申し上げておきます。 |
委員 |
要するにわからないから質問したのです。いろいろな方がデュープロセスで対価は入っているよとおっしゃるし、先生は今、手続の中には対価の要素は入っていないと、そうおっしゃったと理解してよろしいのでしょうか。 |
委員 |
それが入っていないということを規定上、明らかにするために、別に相当な対価について挙証責任を転換した形での規定を設けたらどうでしょうかということをいっているわけです。 |
委員 |
2ページに書かれています(2)の①とか②の例えばのところを読みますと、私ども中小企業の使用者側の立場から考え、余り現実的な内容ではないような気がします。ここに書かれている(2)の①とか②というのは、多分、大企業を前提としたような内容だろうと考えられます。読みますと、「例えば、内容の開示・説明とともに、従業者の代表者の意見を聴取する手続を設けること等が通常必要となる」ということが書かれていますが、中小企業ですと、このようなことは現実的ではないだろうと思います。それから、②の例えばのところで書かれています「使用者側からその適用について説明がなされ」云々について、これもやはり中小企業を考えたときに、現実的ではないのではないかと思います。 |
委員 |
先ほどのお話、いろいろ聞いていて、やはり現行の相当の対価的3項のニュアンスが残ってしまうと。上の、基準の策定をしなさいという中に従業員の代表の意見を聴取しなさい、あるいは基準の適用の手続ということで、使用者からのその適用についての説明をやって、従業員が不服を述べる機会をちゃんと与えなさいと。現行の3項から考えると、産業界からみるとオブリゲーションがさらにふえてしまっているのかなという雰囲気が直感的にまずするのです。現行は3項だけだろうと思うのですけれども、基準の策定もまたやりなさい、基準の適用もちゃんとやりなさいというと、オブリゲーションがふえてしまっていると。私、いつも思うのですけれども、完全な完璧な基準というのはないのです。あるのであれば、特許庁の方でつくって、各企業に配ってくださいと私はいいたいのですけれども、運用もいろいろな特許の運用がありますので、ケース・バイ・ケースで生じてきます。 |
事務局 |
まずご質問の前段ですけれども、非常に誤解があるのではないかと思っております。2ページの(2)のところですが、基準の策定の手続の合理性をご説明しておりまして、基準の合理性を求めているわけではないのです。なぜ基準の策定の合理性、手続の合理性かというと、今、おっしゃったとおり、当然、それぞれの産業界なり、各企業のいろいろな事情を勘案して、労使の話し合いで決めていただければ、そこに合理性があるということをいっておりますので、絶対基準があって、そうでないと、それは合理的ではないということではありません。それを求めているわけではございませんので、そこはぜひご理解をいただきたいと思います。 |
委員 |
そうすると、結局産業界からみると、リスクは高くなっているといえるのではないですか。いろいろな裁判ということを考えると。 |
事務局 |
ですから、そういう契約が結ばれていれば、契約で定められた対価なり、勤務規則で定められた対価が適用されると。したがって、相当の対価ということには行かないというところが今回の改正の眼目になるということです。 |
委員 |
今のご説明にもあったと思うのですけれども、要するに先ほど来、議論が出ていますとおり、この趣旨、基本的な骨子は、手続をきちんとする、つまり決め方の相当性を問うということですね。決め方が相当であれば、手続が相当であれば、決まり方も相当である。つまり相当の対価と考えるということですから、企業にとってそれほど大きなオブリゲーションではないと私は思います。 |
委員長 |
では、まだ残された論点がありますので、今の論点の3と4に関しましては、基本的には手続の合理性についての問題に加えて、内容審査に入るということを、ラストリゾートとして残しておく必要があるというご意見と、それが残っているのでは現行と余り変わらないという、主に企業委員のご懸念というのが、基本的な対立点であったかと思います。これにつきまして、さらにどういうことが最終的な案なり、法律の方向性として示せるかということで、具体的な姿を考えてみることの中でもう少し両方の要望を満たすようなことができるのか、できないのかということが明らかになってくると思います。もしできなければ、それぞれのお考えを最終的な報告書に反映するということでしかやむを得ないかと思いますけれども、できるだけ両方の要望を満たすような形で何か具体的な案がまとめられないかということで、もう少し論点を整理して、皆様のご意見を伺いながら、最終的な報告案のとりまとめの努力をいたしたいと思います。 |
委員 |
先ほどご質問してしまった点なのですが、4ページの一番上段にある四角の中に囲まれた表現ですが、承継のことについては、35条には触れないという理解でよろしいのでしょうか。対価のことは含めると。承継は契約でやれるというのが、③で説明されているので、別途契約でやればいいのではないかと、こういう趣旨でとってよろしいのでしょうか。 |
事務局 |
別途契約ということをいっているわけではございません。③に書いたとおり、外国において特許を受ける権利ですとか、外国における特許権の承継というのは国内で契約をもちろんしていただいて、対価の定めもしていただくということは可能だと。ただ、承継が本当に現実に効力を生じるといいますか、そのためにはそれぞれの国で法定されている要件がある場合は手続を行っていただく必要があるということを申し上げているわけでございます。 |
委員 |
実際、会社で実務を考えてみますと、日本で発明が生まれて、それを外国で権利をとるといったとき、日本の発明と、それから外国の権利について別々にというのは考えにくいと思うのです。例えばどんなとりきめをするにしてもです。外国の特許については契約でやるとすると、恐らく個別契約など考えざるを得なくなると思うのです。その契約の中に対価というのが入らなかったら、おかしいだろうと思うのです。ですから、承継と対価というのはセットで入るだろうと思うのです。そういう運用をしようとしたときに、日本の発明については35条で規定があって、それに基づく社内用の規定ができていると。その社内用の規定の中に外国の対価のことまでも入っているというと、個別契約の阻害をするのではないかという感じがするのです。これは拘束力のない対価のことも入れられるよ程度なのか、対価を規定に従って守らないと、先ほどの合理的な規定であるかとか、合理的な適用をしているかというところに全部絡んでくるので、実際、外国と日本と一緒に個別契約でやろうとしたとき、あるいは日本の方は就業規則でやっていて、外国は個別の契約でやろうとしたときに支障を来さないような内容になっていてほしいという希望なのですけれども。この表現でそれが可能なのでしょうか。 |
事務局 |
基本的に、1つの契約で日本及び外国において特許を受ける権利を承継いたしますということは可能だと思いますし、それについて対価を定めることも可能だと。そのときに、35条の適用をするということで規定をすることは可能だというように私どもとしては考えております。ただ承継自身は、最終的な効力というのはそれぞれの国の法律によるところがあるので、対価の取り決めの部分については35条が仮に適用になるとしても、一種条件付きといいますか、実際にそれがとれたら払うとか、あるいはとれなかったら返すということがあるのかどうかわかりませんけれども、そのようなことになるのではないかと考えております。ただ契約として、特に分けて何かやらなければいけないというようには我々としては考えていないのですけれども。 |
委員 |
質問の仕方が悪かったかもしれませんが、先ほどからプロセスの合理性という話がありました。この外国の対価も、その中に包含されるのでしょうかという質問なのです。 |
事務局 |
はい。 |
委員 |
されるわけですか。だけれども、外国の権利の承継の契約そのものは入っていないわけですよね。 |
事務局 |
ですから、承継契約をやっていただいて…… |
委員 |
それは合理性の中に入るのでしょうか。別途、個別の契約で、いわゆる35条で取り決める内容に入るのか、別の契約として外国はやりなさいといっているのか、外国のも含めて合理的なという中に全部入るのですか。 |
事務局 |
ですから、使用者と従業者の方の間で、外国において特許を受ける権利を承継しましょうという契約を国内で結ばれると。そして35条にのっとって、例えば対価が支払われたということになったときに、実際、契約の具体的な履行のあり方として、外国で特許権が使用者にちゃんと帰属されるように、例えば従業者が協力をしましょうとか、そういうことが起こってくる話だというように理解をしているのです。したがって、外国において、そのための契約を別途やらなければいけないとかいうことではないという理解をしています。 |
委員 |
表現として、そう読めないので、内容がそうであるならば、表現上、わかりやすく表現していただきたいと思うのですが……。 |
事務局 |
趣旨は今、ご説明したとおりで、基本的に日本ばかりでなくて、外国における特許を受ける権利の承継については、日本国内でできると。当然ながら、それに対応する対価の取り決めについても同様にできると。それらの取り決めについては、先ほど来ご説明している3.、4.のような合理的な手続というのを踏めば、その結果としての対価についても合理性が尊重されるという考え方でございます。 |
委員 |
そうすると、合理性の条件がかかるということは、それは対価だけにかかるので、承継は保証されていないわけですよね。 |
事務局 |
ただ、承継が実際できなかった場合はお金を払う必要はないという契約内容にしておかれれば、そこは具体的な問題は生じないのではないかと思うのですけれども。例えばドイツとかアメリカにおいて承継ができなかったといいますか、具体的に特許がとれなかったという場合に、従業者の方に特に35条にのっとってそのお金を払わなければいけないという必然性はないのではないでしょうか。 |
部会長 |
今の質問も含めて、前回、この条文についていろいろな質問、疑問が出たわけですけれども、この説明でその疑問が全て解決されていますか。例えば、日本の従業員がアメリカに短期で行って研究する、あるいはアメリカ人が来てやると。あるいは、最近は両方の国で同時にやる、インターネットでやる、その他諸々の問題があるのです。あるいは日本の国と外国では法制が違うのです。そのとき、こんな条文を置いて本当に実効性があるのか。基本的には契約と国際私法でケース・バイ・ケースでやるしか、恐らく方法はないのではないかという気がするのです。ある国で、例えば労働法的な規制をしているという国があれば、それは日本で決めたって意味はないこともあります。その点はどうでしょうか。 |
事務局 |
もちろん準拠法の定めのようなものは特許法の中に置くことはできないと考えております。ただ、承継契約そのものというのは、恐らく通常の民法といいますか、そういう一般原則に基づく通常の一般的な契約ということで、それは法例の7条の適用によって、日本法がそのまま準拠法になるということは当然あり得るだろうと思っております。仮にそうだとしても、では35条が外国特許の承継契約に適用される法律かどうかというのは別の問題でございまして、それは35条を含む特許法の立脚する考え方に依存するところは確かにあると。特許法があくまでも属地主義を前提にする公法的な規律であるという建前に立てば、35条に逆にどう規定しようと、外国における承継そのものというのを日本の特許法に規定することができないのと同じで、やはり承継に伴う対価についても、35条で規定することはできないだろうと。ただ、やはり属地主義というのはそれほど原理的なものではなくて、少なくとも対価発生の要件としての――35条というのは承継があったら対価を払うというように書いてございますので、そこの承継の意味というのは何だということになると思うのですけれども、それは外国特許の承継というものも含めて解釈できるような立法を行うという余地はあるのではないかと。国際私法の先生方ともご議論させていただいたのですけれども、それは不可能ではないのではないかという考えで、とりあえず私ども、整理をさせていただいたということでございます。 |
部会長 |
不可能ではないという問題と、そう置いたとき、どういう積極的な意味があるかというのは違うわけでして、不可能でないといわれれば、それは不可能でないかもしれないけれども、置いて、どういういいことがあるのか。つまり、契約に限らず、労働協約でもいいのですけれども、契約と国際私法に任すということで何か不合理があるのだろうかという話なのです。 |
事務局 |
35条の適用によって従業者の方の保護といいますか、ここにも書きましたけれども、使用者と従業者の間の利益の調整が図られるという、それがいいことかどうかというと、ちょっといろいろなご議論があるのだろうとは思うのですけれども、そういう効果はあるということでございます。 |
委員 |
先ほどご説明で、これを入れると簡単になるというようなご説明があったのですけれども、これは多分変わらないと思います。つまり、外国で尊重されるかどうかは、その国ごとに決めるわけで、手続は別に簡単にならないと思います。 |
委員 |
私は、承継をはっきりできるならという大前提を置いているのです。ですけれども、今のご説明を伺っても、承継ということについては35条には入りませんと。ですから、外国の特許を、具体的にどうやって承継したらいいのか。契約に従いなさいと。外国の特許を契約でするぐらいなら、日本の特許も契約でした方が手続は簡単です。なぜ2つに分けなければいかんのか、これが実際、企業でやろうとしたときの問題だと、私は思うのです。そういう視点で今、いろいろお伺いしているのです。日本のものだけ35条で一生懸命修正しようとしても、外国についてどうなるのか、明らかになっていないと、日本の方もいい悪いと判断できなくなってしまう。そういう意味で申し上げているのです。 |
委員 |
部会長のご発言につなげてなのですけれども、この前から何度も出ていることですが、特許法35条が問題になるのは、あくまでも準拠法が日本法になっている場合だけですよね。準拠法が日本法にならなければ、特許法35条は何を書いても意味がないです。これが大前提です。ここでお書きになられているのは、公法的法律関係については、権利付与国法が準拠法になるというご趣旨ですね。そして、公法的法律関係とはいえない部分については、それとは別にどこの国の法が準拠法になるかが問題になって、ここでのご説明によりますと、労働関係といっていいのかどうか、契約関係一般か、労働関係一般かという問題はありますけれども、その準拠法が何かというのが日本の国際私法に従って判断されると。現行法だと前回か、前々回かに委員からご説明がありましたように、契約だと行為地法なわけですけれども、労働関係だとすると労務供給地法が準拠法になる。労務供給地が日本だとなって、初めて日本法が適用される。その場合の直接の規定は特許法35条だと。この適用と、こういう手順になるわけであって、ほとんど準拠法がどこになるかで決まってしまう問題であって、国際私法で日本法が準拠法になったときに、さて特許法35条でどう定めておくのがよろしいでしょうという問題で、その際に意味があるとすれば何があるのかというのが、先ほどの部会長のご質問ですよね。そこはいま一つ、まだ不透明な感じがするのです。ほとんど国際私法の問題で、何十%かわかりませんが、かなりの部分は決まってしまっていて、特許法35条で何を書いても意味がないという、そういう趣旨ではないでしょうか。 |
部会長 |
私も基本的にそう思います。ただ、4ページの真ん中あたりをみますと「当事者が外国法を契約準拠法とした場合であっても、同条が重ねて適用される」と書いておりますが、この点は理解できなくなります。 |
事務局 |
この辺は改めて整理をさせていただきたいと思います。確かに特許法を公法とみるのか、一部は私法とみて、当事者の準拠法の選択のようなものを許容する余地があるのかどうかということについても、まだ国際私法の先生方の間にも定説がないような状況で、このような立法がどこまでできるのかというのは、引き続き詰めさせていただきたいと思っております。 |
委員 |
私はこの論点ではなくて、5項の、裁判所が定める相当の対価というところなのですが、そこに移ってもよろしいですか。 |
委員長 |
今の点についてまず何か……どうぞ。その後でお願いいたします。 |
委員 |
この問題が出てきたのは、そもそも日立製作所事件の東京地裁判決が非常にインパクトがあったということからだと思うのです。それで、産業界でも何とかこの問題を解決したいと。それを35条の中で解決できないかというところが事務局側でも、ここまでいろいろ苦労して考えられていることだろうと思うのです。35条で何とかできるなら何とかしたいと私も思うのですけれども、確かに部会長がいわれるような問題もあって、今の時点でこういう形の法改正で果たして問題を全部解決できるかというと、なかなかそういかないところはあるのではないか。ここは余り拙速にならないように、1つはそういう契約と国際司法の問題等も配慮しながら、なおかつ検討するということも視野に入れて最終案をお考えいただいた方がいいのではないかと思います。 |
委員 |
外国の特許については別という前提を置いた場合、先ほど活動がグローバルに、お互いに交流し合って発明活動が行われていると。質問したいのは、アメリカの企業が日本に研究員を派遣して、日本で発明した。その権利に対しては、アメリカでは契約があるのでしょうけれども、35条が適用されるのですか、されないのでしょうか。それぞれの国の特許法によりというご説明があるので、では日本の特許法の35条はそれに対して適用があるのでしょうか。 |
事務局 |
もちろん契約の実態とかにもよると思いますし、あるいは派遣されている期間の長さですとか、そういうことにもよるのかもしれませんけれども、日立の判決などを素直に読みますと、35条が適用される余地というのはあり得るように思います。ただ、35条というのは国内における従業者の方の保護という言い方がいいのかどうかわかりませんが、そういうものだとすれば、それは基本的には適用しない、それは米国法によるのだということになるかもしれないということです。 |
委員 |
そうすると、35条の存在している場合と、35条がなくて、契約と国際私法で扱えばいいではないかという、そちらを前提に考えた場合と違いがあるのでしょうか。 |
事務局 |
35条ないしは特許法の公法的な性格、属地主義とかいうものをどういうものとしてとらえるかというところについて、まだ一貫した考え方というのが、少なくとも外国特許についてはないのです。それについて争われた事件というのもまだほとんどないと思うのです。したがって、どちらですかと、今、私どもに尋ねられても、なかなかお答えできない。だから、我々は35条では私法的法律関係という余地があるのだということを前提にこういうご提案をしているのですけれども、それは非常に限界もあって難しいし、より議論が定着するのを待った方がいいのではないかというご議論に、ここではなっているということです。 |
委員 |
学説がいろいろあって、分かれるのは当たり前ではないかとか、はっきりしないのは当たり前ではないかというのもわかるのですが、現実にグローバルで活動している企業は、今度規定をつくろうとして、どうやったらいいかというときに、いろいろな不安要素がある35条があるよりは、なくて、全部契約と国際私法の原則でやれといった方がすっきりするのではないかと思うのです。その問題と、35条があった方がいいというのと損得を、一般論では比較して書いていただいていますけれども、外国人からみた場合のことも含めてご説明いただけるとありがたいのです。一番心配しているのは、外国法人の人が日本に来て発明した場合、逆に日本法人の人が向こうに行って発明した場合、両方が起きているわけですけれども、そういったものを同じルールで扱えるようにしないとなかなか難しさが出てくると思うのです。そういうことを考えると、一方では35条で規定し、一方では契約でやればいいでしょう、国際私法とやりなさいといっている2本立てがあるというのは非常に複雑になるのではないかと、そんな感じがするのですが。 |
事務局 |
おっしゃられた前段の方は、私どもとしても引き続き研究をさせていただいて、外に行く場合、それから外国から来られる場合、あるいは外国で純粋に発明されて、日本国だけで特許がとられたものについて争われた場合、35条が適用されるのかどうかという問題もあると思いますし、その辺は引き続き研究したいと思います。ただ実際問題として、国内のみで完結するような特許というのも現実にたくさんとられておりますし、35条が全くないという世界ですと、例えば勤務規則でお定めになるというような道も非常に狭くなってしまうというか、ほとんどできなくなるということを考えると、外国特許の適用がないなら、35条は、だからなくてもいいのだということには、私どもとしてはならないというように理解をしております。それは、さまざまな利益考慮を行った上、やはり35条の規定を、もちろん合理的な手直しをするにしても、残すべきではないかと思っております。 |
委員 |
今のアメリカから派遣されたケースを含めて、現行法によれば、ともかく準拠法選択の問題になりますね。ですから、例えばアメリカ人が日本の法人に雇用されて、職務発明したような場合には、これは労務給付地法も契約締結地も日本ですから、これは35条が適用されると思いますが、アメリカの企業から派遣されたようなケースでは、アメリカ法になると思うのです。ただ、それは結局、準拠法選択をどうしたかという解釈の問題になるわけですから、何も選択がなければ労務給付地法で日本法になりますけれども、外国法を明示的に準拠法として選択すれば、外国法となるわけです。 |
委員 |
最初の問題に戻るのですけれども、外国特許といいますか、今、さらさらと読ませてもらったのですが、ここにAIPLAの方から質問があるのです。使用者の範囲、従業者の範囲、それから発明がどこから出たとか、その辺の質問があるのですけれども、それをどのような形で回答されるのか。私、35条というのは国内法だから日本で完結する特許しか考えていなかったのですけれども、そういう場合を想定するとどうなるのか。それを含めて、外国に対する対価とか、その辺も総合的に考えるべきではないかと思いますので、できれば次回でも、この回答を含めて、従業者が在外者、使用者が在外者といいますか、発明者が外国人の場合とか、そういうことを含めて検討していただきたいと思うのです。 |
事務局 |
参考資料でお手元にお配りしたAIPLAの紙ですけれども、今、委員がご紹介いただいたように、基本的にアメリカ企業の懸念は、先日の日立判決にあるように、この35条について属地主義が適用されることとなると、出願人が日本企業であるかアメリカ企業であるかにかかわらず、日本特許をとった出願人、それから発明者である従業者に35条が適用されるのではないかという懸念だというように考えております。したがって、以前の小委員会でご紹介させていただきましたが、主な諸外国の職務発明規定というのは、基本的には労働法的な考えで労務給付地の法律を適用するという考え方、すなわち自国民、あるいは自国企業について適用するというのが基本的な考え方なので、我が国においても、この枠囲いの中にあるように、我が国で通常勤務する従業者等がした職務発明に適用するのだという考え方を今回、出すべきではないかということで検討させていただいたわけでございます。ただ、何人かの委員から、やはり国際私法的な考えでいくと、必ずしもどこまでこの35条の中に書けるかというようなご指摘もございまして、我々も実はそこは非常に悩ましいところで、こう書けばこう適用されるということも実は確信がないところでございます。ただ、そういうメッセージを出すことによって、これは①にあるような私法的な法律関係だというメッセージは出すべきではないかということで、今回、この案をつくらせていただいたわけですが、法律的な問題を含めて、もう少し事務局で検討させていただきたいと思っております。 |
委員 |
そうすると、AIPLAの2ページから3ページにかけての質問には具体的に回答されるのですか。礼儀上、こういう質問を受け取ったからには回答すべきだと思いますけれども。 |
事務局 |
当然、その方向性は我々、出したいと思って検討しているわけですが、立法の可能性を含めて、もう少し検討させていただきたいと思います。 |
委員 |
4項の問題が議論されなかったわけですけれども、規定が合理的でない場合には、結局裁判所が計算すると。その場合には、この4項を手がかりに計算すると、こういう考え方でできているのではないかと思います。そうすると、4項の書きぶりが合理性の根拠に推定されるというか、世間ではそのように行くと思いますので、この4項の書き方というのは非常に注意してほしいと。余り限定的でなく、包括的にやってほしいと思います。 |
委員長 |
4項に関しては先ほど委員からもありましたので……。 |
委員 |
個々の権利に対する価値額の決定と組み合わせと読みますと、個々の特許については相当の対価を求める権利が存在するということがデフォルトルールになると思うのです。そうしますと、例えば研究者が2つの研究開発プロジェクトをやっていて、片一方では1億円の貢献をし、片一方はマイナス1億円の損失をしたというときに、1億円のところについては請求権が発生する。マイナス1億円のところは、もちろん企業からの請求権はありませんので、プラス1億円上げたところだけ従業者が請求できる、つまりチェリー・ピッキングができるシステムがデフォルトルールということになってしまうと思うのです。そうしますと、そもそも合理的な報酬規定といいますか、勤務規定があれば大丈夫だという推定自体が、私はかなり疑わしくなる危険があるのではないかと思います。報酬規定とか、あるいは就業規定とか、それが妥当だということが、手続が合理的であれば妥当だと推定するルールは、デフォルトルールもそのように書かないと整合性がないのではないでしょうか。つまり、個々の発明について相当な対価の請求権を残すという形だと、手続が合理的であればかなり幅広い処遇制度が大丈夫だと推定する行為とは両立性が疑われるのではないかというのが、私の質問したい点です。 |
事務局 |
確かにおっしゃるとおりだと思います。しかし35条は実際に裁判規範としても機能するわけであって、そのときにどういう特許権、あるいは特許を受ける権利というのがあって、それに対してどういう財産的価値を認めて、どう評価されて、その評価が合理的だったかどうかということで、すべてが不合理だということになったら、それはやはり相当の対価ということになるわけですけれども、それは権利ごと、権利の単位で争いになるということも考えて、私どもとしては制度として設計せざるを得ないという面はあると。したがって、個々の権利ごとに請求権を従業者に認めるべきではないということになると、事業の実態によってもかなり異なると思いますし、具体的にどうやって権利を行使するといいますか、実現していけばいいのかなという問題もあわせて考えていかなければいけないのではないかという気はいたしております。 |
委員長 |
予定の時間を大分過ぎましたので、そろそろきょうの議論は終わりにしたいと思いますが…… |
部会長 |
ごく簡単に。時効のところは先ほど両先生がおっしゃったとおりで、この文章の例示を漫然と読むと、むしろ短期消滅時効を作れというように読めるのです。賃金債権が2年なのに、こちらはどうして10年かと。ですから、もし現行法どおりとすれば、かなり説明が要る。つい最近も短期消滅時効を入れろという論文(横山久芳「職務発明制度の行方」ジュリスト1248号)が出されました。他方、在職中は現実問題として請求することは無理なのだから、退職時から時効が走るという論文もあります。両極端があるわけですけれども、もう少し詳しく理由を書いて欲しい。これだと、漫然と読むと短期消滅時効を入れる方ですよね。賃金ですら2年なのです。賃金の不足分だって、在職中は事実上請求できないこともあります。 |
委員長 |
では、時間が大分超過しましたので、本日の議論はこれで終了したいと思いますが、さまざまな論点を指摘していただきまして、まだ詰めるべきところがかなり残っているように思いますので、きょうは5ページ以下オプション案の検討は行わないことにいたしたいと思います。さらにきょういただいた意見、ご示唆いただいた点などを整理いたしまして、次回のとりまとめに向かってまた個別にいろいろとご意見を伺うこともあろうかと思いますので、その際はよろしくご協力のほど、お願いいたしたいと思います。 |
事務局 |
次回のスケジュールにつきましては、各委員の皆様にお伺いしているところでございます。現在のところ、9月の第1週ないし第2週というところで調整をさせていただいております。8月の最終週もお伺いしておりますが、それはないということで確定していただいて結構でございます。取り急ぎ、できるだけ早く確定させていただきます。今のところ9月の第1、2週で詰めさせていただくということでご了解いただきたいと思います。 |
委員長 |
では、以上をもちまして、第12回の特許制度小委員会を閉会いたします。どうも長時間、ありがとうございました。 |
委員 |
もしまとまらない形でいくと両論併記みたいなまとめになっていくのだろうと思うのですが、その際に極端な2つ、撤廃論と本日議論した案とあります。知財協の案が、書きぶりがよくないというのなら、それは合理的な形に直しまして出しますので、もう一度その中の議論としてまな板に乗ることになるのでしょうか。 |
委員長 |
それは、いただいた案をこの特許小委員会のオプションとして提示するかどうかということも含めて検討させてもらいますが、今、それを小委員会のオプションとして含めますというようにお約束することはちょっと難しいと思います。 |
委員 |
わかりました。 |
委員 |
もし含めるとすれば、1ページ目のものを使ってください。事務局がコピーを配られたものはちょっと書きぶりがよくないですから……。 |
委員長 |
十分注意いたしたいと思います。どうもありがとうございました。 |
――了――
[更新日 2003年10月21日]
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