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委員長 |
それでは、ただいまから産業構造審議会知的財産政策部会第20回特許制度小委員会を開催いたします。 |
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事務局 |
それでは、配布資料の確認をさせていただきます。本日の配布資料は議事次第、配布資料一覧、委員名簿、資料1といたしまして、特許制度の在り方について、それから本日ご欠席の相澤委員からご提出をいただいております「先使用による通常実施権のあり方についてのメモ」、これを参考1として配布をいたしております。 |
委員長 |
どうもありがとうございました。過不足等ないでしょうか。 |
事務局 |
ご説明をさせていただきます。 |
委員長 |
どうもありがとうございました。それでは以上の説明を踏まえまして、議論に移りたいと思いますが、その前に相澤委員が本日欠席されておりますけれども、先使用権在り方についてご意見をいただいておりますので、参考資料の1として配布しております。 |
委員 |
産業界からの意見ですけれども、基本的にはここの対応の方向性のとおり、法改正によるのではなく、ガイドラインの作成に留める形でいいんじゃないかというふうに考えています。特許制度は皆さんご承知のように、技術情報を公開する代償として、特許権を付与するということが根幹であって、先使用権はあくまでも、それに対応する例外的な救済措置として位置づけられていますので、今回の先使用権の話は、ノウハウの秘匿を積極的に推進するような形での先使用権制度にするのは、基本的にはちょっと適切じゃないんじゃないかなと。そこまで考えると法改正は必要ないでしょうと。 |
委員長 |
ありがとうございました。委員どうぞ。 |
委員 |
私も結論から申し上げますと、事務局からご説明いただいた原案に賛成です。 |
委員長 |
ありがとうございました。委員どうぞ。 |
委員 |
私も今まで出されたご意見に基本的に全く賛成でありまして、そういう意味では、余りつけ加える点もありませんが、もともとこの先使用権制度というものは、要するに、発明に関して、特許出願を通じて保護を図っていくというルートと、ノウハウとして秘匿していくルートとの2つをどう調和させていくかという点を中心に微妙な利益のバランスを図りながら、現行法のようにできているわけでありまして、ノウハウの保護をより強調していくということは、ある意味では特許出願を通じての保護をその限りでは堀り崩すという面もございますので、その点では、先使用権の問題だけにとどまらない、特許制度全体の根幹にもかかわるような非常に理論的ないし哲学的な面もありますし、実務的にも非常に大きなインパクトがあるところかと思います。 |
委員長 |
ありがとうございました。委員どうぞ。 |
委員 |
大学の知的財産本部、TLOの観点からも、皆さんと同じように制度の明確化をガイドライン等ではっきりさせていくべきで、範囲を広くするべきではないと思います。 |
委員長 |
ありがとうございました。委員どうぞ。 |
委員 |
私もこれについては賛成だということで、要は特許権者、先使用権者とのバランス、あるいは制度調和ですね。この辺を考えた上で1つの解決策として、ガイドラインということで整備されていくという結論については、非常にいいことなんではないかなと思います。特に企業側は、この4ページにも書かれている、あるいはデータにもありますように、確定日付を用いる人が非常に多い。より有効だとされている事実実験公正証書、この活用が必ずしも十分ではないと。多分、企業側としては、そういう存在自体をなかなかわからないケースがあるのかなと思いますので、ぜひ、この辺可能であれば、ガイドラインに、そのことを記載の上、より多くの企業に周知されるよう、庁側としてもご協力いただければなと。これをちょっとお願いしたいなと思っております。 |
委員長 |
委員どうぞ。 |
委員 |
日本弁理士会は皆さんと同じように、フランスのそのソロ-封筒制度をモデルとした先使用権制度については反対いたします。反対理由には皆さん言われた点については省略させていただきますけれども、この制度を導入するのに、もう1点あるんじゃないかと思います。 |
委員長 |
ありがとうございました。委員どうぞ。 |
委員 |
基本的には結構なんですけれども、条文もそうですけれども、最高裁の61年のケースもそうですが、実施形式とか発明という言葉が、いろいろなところに出てくるんですが、よっぽどの専門家でないといまいち理解出来ない、しにくいところがあると思います。やはり、立証した実施形式と、侵害と言われた実施形式の間のギャップですね。これはどの程度許されるかというのが明確にしてある必要性があると思うんです。ここがケース・バイ・ケースでいろいろ変わりますというガイドラインですと、予見性が無くなってしまいます。自分がやっている発明をノウハウとして長年使う訳ですが、長年使う中には、やはり条件の多少の変更は生ずる訳です。その変更の程度はどこまで許されるかというのは、ある程度予見可能であるようなガイドラインをつくっていただきたいと思うんです。 |
委員長 |
ありがとうございました。委員どうぞ。 |
委員 |
皆さんのご意見と同じように、先使用権の拡大には反対ですし、ガイドラインで対処すべきだと思います。皆さんがたからは特に話が出なかったんですが、医薬バイオ産業というのは、発明ができてから、医薬として許認可を受けるまで全然違う過程を通ります。恐らく、出願して特許になってから、十四、五年経って500億円ぐらいの金を使って初めて医薬品になる。そのときになって、先ほどから議論されているような先使用権があるよなんて言われたら、これはもうたまったもんじゃないということで、まず拡大には絶対に反対です。ただし、ガイドラインをつくるときに、ここに書いてあるように各産業の意見、これを十分聞いた上で、それに適したような、できれば木目の細かいガイドラインをつくってほしいというふうに思います。 |
委員長 |
どうもありがとうございました。ほかに。 |
部会長 |
私が言っていいかどうかわかりませんけれども、先使用権の問題というのは、問題の出方が極めて唐突でして、従来、学会で議論されたとか、実務界で非常に問題があるということで、これが問題になったわけではなくて、知的財産戦略本部のある会の専門調査会で突如これが出てきました。それが計画2005に入ってきて、それでこういう議論になったという次第でして、内在的な問題ではないような気がいたします。その意味で大方の委員のご意見がほぼ収束したということは非常に結構なことだと思っております。 |
委員長 |
それでは一通りご意見を伺いまして、皆様のご意見としては、法律の改正までをすべき問題ではなくて、ガイドラインで対応すべきであるということであったと思いますので、ガイドラインの作成に当たっては、様々な注意すべき点を委員の皆様からご指摘いたしましたので、そういった点を考慮したような形でガイドラインをつくっていただくということで、法律の改正は必ずしも適切でないということで、この小委員会の意見というふうにしたいと思います。そういう方向で最終的に報告書をまとめていただくということにいたしたいと思いますが、それでよろしゅうございましょうか。 |
委員長 |
それでは、そういうふうにさせていただきます。 |
事務局 |
「特許制度の利便性向上について」ということで、具体的には4つの独立したテーマについてご説明したいと思います。 |
委員長 |
どうもありがとうございました。利便性の向上ということで、4点検討課題をご説明いただきましたけれども、順番にご意見をお伺いしたいと思いますが、まず第1点目は、外国語書面出願の翻訳の提出期間ということでありますが、この点についてはいかがでしょうか。 |
委員 |
大学の場合、論文をそのまま特許出願するときの資料にすることが見受けられるようですが、本質的には論文を、そのまま特許にしても、クレームの範囲は狭いままです。企業の方に使っていただくときには、先生方の一番良いデータをそのまま出すのではなく、少しでもクレームの範囲を広げる工夫をして特許出願しております。ですから、特許を最初に出すときに、論文そのままではなく一工夫をしなければいけませんので、最初のときにきちんと考察し、その後翻訳を出すという過程を踏んだと考えれば、大学側としては2か月でそれほど不便をしていないのではないのかと個人的には思っております。期間を長くしていただいたとしても、最初に出した論文から、後で翻訳をするときに範囲が広げられるわけではありませんので。ただし、外国とそろえて1年2か月にしていただいても特に不都合はないと思います。 |
委員長 |
ありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。委員どうぞ。 |
委員 |
2か月でよいと思います。 |
委員長 |
何か2か月でいいという理由は。 |
委員 |
余り長くしていろいろ変化が起きる方が、我々出す側にとってみると不利かなと。延ばしていいことは何もないというふうに感じます。 |
委員長 |
ありがとうございました。ほかにございませんか。これは余り特に必要性がないのではないか、あるいは長くする必要はないのではないかというご意見がお二人からあったということでよろしいでしょうか。 |
委員 |
ライフサイエンス分野はカラーで提出した方が見やすいですし、パワーポイント等カラーで刷った方が判りやすいのは確かです。ただ現在、大学の特許は昨年度5,000件が国内出願されたにもかかわらず、外国出願はその中でごくわずかです。外国出願をせずに国内だけどんどん特許を出して、1年半経ったら公開されるという状況は、大学の核となる特許が海外にどんどん技術流出していくのではと懸念しています。ですから、審査官の方へ、参考資料としてわかりやすいカラー図面を出すこと、受け取っていただくことはとても重要だと思いますが、公開資料の中にカラーがそのまま出なくもいいのではないかと個人的には思っております。 |
委員長 |
どうもありがとうございました。ほかにご意見ありませんか。よろしいですか。委員どうぞ。 |
委員 |
当社はよく光学系の特許を出すことが多いんですが、カラーで書くと非常にわかりやすいように思えるんですけれども、最終的には、その光跡が、その色の表現が非常に曖昧になっていて、むしろそれがコピーをとっても右も左もわからなくなるような、すべてカラーでその情報が全部に行き渡るのなら、わかりやすいかもしれませんけれども、特に光跡を交えたような特許に関しましては、非常にわかりづらくなる。そういった危険性がありますので、そういった限られた分野からいきますと、カラーというのは余り好ましくないと考えております。 |
委員長 |
ありがとうございました。委員どうぞ。 |
委員 |
基本的にはそういう点もあると思いますけれども、やはり時代はカラー化だと思うんです。ワールドワイドに2番目の国際調和の観点の話になりますけれども、ああいうカラー化というのを進めるというか、加速する方向で調和を図っていただく方がいいんじゃないのかと思います。どうも先ほどの翻訳の方もそうなんですが、理由が公開の準備のために特許庁は4か月必要だから、2か月とか、その後実体調査実務で新規事項判断の影響とか、検索システムのスクリーニングがそこで遅れるよという、特許庁の都合での理由が強そうなので、もし、この要求を出したところの人たちに納得性を持たせるには、その辺はちょっと理由が弱いのかなと思います。いずれにしても、カラー化については、カラーの方が見やすい、わかりやすい、理解しやすいということがありますので、時代の趨勢から言ってもカラー化は国際的にハーモナイズするように加速していただきたいと思います。 |
委員長 |
ありがとうございました。ほかにございませんか。よろしいですか。これは特に意見を集約することも必要ないと思いますので、3番目の「拒絶理由の応答期間」についてはいかがでしょうか。 |
委員 |
これは質問ですけれども、16ページの(3)の②で応答に実験が必要で、応答時間を要する場合の扱いという部分がありますけれども、この11月11日に知財高裁大合議部がパラメーター特許についての判決を出しまして、その中で特許出願後に実験データ等によって、補充して、特許性を認めることはできないという判断を示しています。この判決の射程範囲がどの程度かは検討する必要性があろうかと思いますけれども、この判決の趣旨からすると、出願時に既に実験データがあって、それを提出することは何の問題もないと思います。しかし、それであれば延長する必要性はないわけで、ここで書かれているのは、拒絶理由通知が来たので、急いで実験して、そのデータを提出して、特許性を認めてもらおうということだろうと思いますが、そういうことは審査の段階では全く問題がなしにできることになっているんでしょうか。知財高裁大合議部判決との関係をどうご理解になっているのか、ご説明いただけたらと思います。 |
委員長 |
よろしくお願いします。 |
事務局 |
パラメーター判決は承知しておりますが、ここではあくまでも今まで周知のレベルの実験を追加して補足説明とするという程度のもので、新しく実施例を加えるとかいうことでは考えておりません。 |
委員長 |
よろしいですか。委員どうぞ。 |
委員 |
ちょっと補足しますと、実務レベルから言うと、先行技術との対比をさせられる場合に、先行技術の方が効果的に本願との関係ではっきりしないような場合があります。そういう場合に、先行技術自体を実験して、自分の特許性を立証するというようなやり方はよく使われることなので、多分、そちらの方だと思います。自らの実施例に対してのことじゃないと思います。 |
委員 |
そうであるならば、そうであるように、限定的にお書きになった方がよろしいと思います。 |
委員長 |
ありがとうございます。ほかに。 |
委員 |
やはりライフサイエンス分野は実験に時間がかかるというのは確かだと思います。60日では短く、在外者と同じように3か月あったらいいのかなという思いはしております。ただ、一律に延ばして、満期終了まで待ってから審査が行われると、審査の迅速化の観点からいいますと逆行すると思います。待たずに速やかに審査が行えて、分野によっては、申請をしたことによって、延長も可能であるような制度になっていると助かると思います。 |
委員長 |
ありがとうございました。委員どうぞ。 |
委員 |
この17ページの(5)の「検討の方向性」のところの確認なんですけれども、括弧書きで書いてあるような「指定期間の60日に加え1月の延長を」したらどうかというのが考え方の基本だと思ってよろしいんですかね。方向性のところがちょっと……。 |
事務局 |
委員のとおり、指定期間60日に加えて、プラス1か月の延長ができるようにするものです。このプラス1か月を延長するときには、手数料を納入していただいてくことになります。同じシステムが在外者適用されて、1か月ごとに手数料を払いつつ延長するということを考えております。 |
委員 |
多分、そうなったときに、その下の「その際、行政効率の観点、濫用防止の観点から……、合理的な理由が存在する出願に限定して延長を許容する」という、こういうケースだったらいいよというのは、どこかに示されるというふうに理解しておいた方がよろしいんですか。ちょっとそこら辺のところが……。 |
事務局 |
例えば、合理的な理由というのは、実験データとかというのがあるとは思いますが、具体的にどういう形で合理的な理由を設定するかは検討していきたいと思っています。 |
委員 |
現状でもたしか上申書の対応で実験データとか、いろいろあれば、対応していただけるようになっていたと思うんですけれども、それとの差というのは、どういうことになんでしょうか。 |
事務局 |
現実に国内の出願人の方には60日の指定期間があるだけで、延長が実際は認められないため、そこを認める形をとっておかなければまずいだろうということで、制度として受けられるようにすることを考えております。 |
委員 |
現場の担当から言えば、こういう拒絶理由の対応というのは、長ければ長いほど精神的に安定しているのかもしれませんけれども、とは言いながら、現状2か月というのは、ある意味では現場から言えば余裕のある期間だろうと思うんです。だから、何でもかんでも認めるというのはいかがなものなのかなという感じがしますね。今、言いましたように、実験データだとか、いろいろ個別な事由があるときのみ、これにも書かれてあるように、その際に認めていっていただければいいのかなという気がいたしております。 |
委員長 |
どうもありがとうございました。ほかにいかがでしょうか。 |
委員 |
恐らくTLOとか、知財本部、大学の私たちが一番使うことが多いのではないかと思いますが、私は特に改善をする必要がないと思っております。本来、30条適用というのは、やむなきに至ったときにしか使わないので、ライセンスするときに非常に不利です。企業の方に30条適用の特許を使ってもらった例というのは、ほとんどないです。基本的には、30条適用しなくてもいいように特許は出していかなければならないわけです。簡単にすればするだけ、先生方から「こんな簡単にできるのだから出して。」と必ずいわれます。今でも、30条適用にならずに、その前に出すように促すことが大変な状況ですから、面倒くさいほど、先生が大変になりますので、二度とやらなくなります。ですから、私個人的には、これは簡素化するべきではないと思っています。 |
委員 |
私は独り言のコメントを今言おう思っていたんですけれども、企業の中でも当然、30条は基本的に使わないという形でやらないと、もうマネジメントできなくなっちゃうんですよね。そういう意味で大学さんが産学連携でいろんなことをやろうとしているときに、30条がありきだという方向に流れないかなとちょっと危惧しますね。若干、緩めるのはいいんでしょうけれども、この理由が大学からこういう要請があるから、例外適用をもっと使ったらどうだというニュアンスにとらえられるのは、全体の流れとしてはよくないんじゃないのかなという、そういうコメントです。 |
委員長 |
ありがとうございました。委員どうぞ。 |
委員 |
今のお二方と全く反対なんですけれども、私立とかの研究機関がやっているものならいざ知らず、国立大学では時に社会的影響の大きな病気とか、いろんな問題でそういった研究をやっていることがあって、私ども新聞記者をやっていてお話なんかを伺いに行くと、公的に必要なデータにもかかわらず、特許をとっていないので出せないというようなことがしょっちゅう起きるわけです。特許はもちろん重要で、いろんな公的な資金も含めて使った研究の成果というものが、知的な財産を保護するということはもちろん重要なんですけれども、公的なバランスということもときに起きるものがあるわけです。病気だって、例えば緊急に公開してもらって、情報交換した方がいいような、例えばウイルスの遺伝子配列、DNA配列みたいなものも含めて、ものによってはありまして、こういったものを一律に後ろに持っていくという考え方が広まるというのは、今でも、現状でもいささか疑問に思っていますので、これはやはり延長して使いやすくして、場合によっては、こういうことも使って、国民なり、一般に必要な研究というのは早めにオープンにしてもらった方がいいケースもあるものですから、これはやってもらった方がいいなと思う次第です。 |
委員 |
私もそう思います。というのは、発明として完成している、していないというのがあると思うんです。ただ、データそのものは発明として完成しない前も、社会的に非常に重要なデータがあるはずなんです。それを小刻みに発表するということはあるわけですけれども、それをまとめたときに一つの出願にしたいということがあります。そういうときに30条が適用されませんと、自ら自分の小刻みにした発表でつぶれていく。そうしますと発明が完成されて、それらに特許性が出るようなところまでやらないと公に発表しないということになって、確かに今みたいなバイオとか、医療とか、そういうところに関しての社会に対する影響というのは非常に大きくなるんじゃないかなと思います。 |
委員長 |
書類の提出の30日は……。 |
委員 |
30日は別に短い長いという話がありますけれども、ここで翻訳文なんかを出さなくていいとか、宣誓書は簡便にするとか。そういうところの関係だと思うんです。だから、それとのバランスで30日がいいのか、40日がいいのかというのは決めればいいのであって、一概に現行制度でいいよというのは、ちょっと言い過ぎではないかなと思います。 |
委員長 |
ありがとうございました。 |
委員 |
30条は公知になったものの例外ですから、基本的にはこれを拡張すべきではないという意味では、委員が言われた方向が正しいと思いますが、ただ、運用面では、まだ考える余地があるのではないかなという感じがします。特に証明文書として、どういう文書を要求するかということの点については、ここで発表文とか、発表者の宣誓証書とかがありますが、大学の学長の証明文書とか、そういうようなものとか、いろいろ必要だという実務上の問題もあるので、その運用面を改善し、証明がしやすくなる方向に持っていく。これは法律改正問題でなしに対応できることであると思いますので、その辺について、まず工夫をしていただくことが先決と思います。 |
委員長 |
ありがとうございました。よろしゅうございますか。どうぞ。 |
委員 |
当社も発明品をよく展示会に出すことが起きるんですが、その証明をするに当たり、先ほど委員言われている手続の簡素化を急いでほしいなと。なかなかそれが出ないために展示できないということも起きますので、その手続の簡素化をできるだけ早くしていただきたいというのが切なる願いであります。 |
委員長 |
ありがとうございました。委員どうぞ。 |
委員 |
ちょっと細かい話で恐縮なんですけれども、ここに書いてあるように、発表者の宣誓証書というのは、ほかの手続は部門である意味でスムーズにとれていくケースがあるんですけれども、ここは発表者がそれなりの人数がいると、印鑑をとったりなんかするのに結構手間がかかるケースが多いので、この辺なんかは30日以内の必要性が必ずしもないんではないのかなという感じがしております。ある意味で先ほどご意見があったように、運用というところ、その辺でぜひ対応していただければなと思っております。 |
委員長 |
ありがとうございました。ほかにございませんか。 |
委員 |
やはりここに書いてある延長すべきということを書いてある方向でやっていただけるのかどうかというのだけ、ちょっと確認したいんですけれども。 |
委員長 |
手続とのバランスということも書いてありますので、その手続とのバランスでどう考えるかということだろうと思いますけれども。 |
事務局 |
先ほどご意見もありましたように、内容的な要件の簡素化とそれに応じてどれぐらいの期間が必要かということを検討する必要があると思いますので、そのバランスで考えていきたいと思います。 |
委員長 |
それでは利便性に関しては、これでよろしいでしょうか。利便性の向上に関して4点検討課題がありましたけれども、ユーザーの方から実務的な観点から、いろいろ貴重なご意見を伺いましたし、そのほかいろいろな貴重なご意見、コメントをいただきましたので、事務局の方でそれを整理して次回にご提案いただきたいと思います。 |
事務局 |
特許庁の判定制度とADR機関との適切な役割分担についてご説明いたします。 |
委員長 |
どうもありがとうございました。それでは、判定制度とADR機関の適切な役割分担についてというので、検討の視点と可能な対応の方向、3つの方向性、廃止、限定的に利用するようにする、当面維持するということについてご説明いただきましたけれども、これについてご意見をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。委員どうぞ。 |
委員 |
私は結論として当面判定制度は維持すべきであるという意見に賛成します。ただいま事務局のご説明をお聞きしましても、私の個人的な知見からしても、判定制度が極めて有意義で存在意義が高いとまでは、言えないだろうと思います。しかし、中小企業を中心に一定のニーズがあるわけですし、紛争解決の手段は、多様であることがより望ましいことだと思います。また、この判定制度があることで、現在の利用状況を前提にして考えると、特許庁の審判官に対する負担がさほど大きいとも言えないと思います。そういう意味では、平成14年の紛争処理小委員会でも、私は参加して議論しましたけれども、そのときの状況と大きく変わっているところはないと。当面は、この制度を維持しながら、これからの紛争解決の制度は、将来どうあるべきかを見ていくのがよろしいと思います。 |
委員長 |
わかりました。委員どうぞ。 |
委員 |
日本弁理士会でこの判定制度の存否について検討させていただきました。結論から申しまして、判定制度に対してお手元の資料の29ページに書かれていますように、意匠委員会、この委員会は意匠を中心にいろんな問題を検討している委員会なんですけれども、この委員会は存続すべきという積極的な意見でございます。 |
委員長 |
ありがとうございました。委員どうぞ。 |
委員 |
先ほどの委員と同じように③でいいんじゃないかなという意見が、我々の方で多かったです。先ほど委員がおっしゃったように、紛争解決のためのいろんな検討のための手法としてのオプションが多く存在しているという意味で、まずいいですねということと、実際に業種によっては積極的に使っていますという声がありました。 |
委員長 |
委員どうぞ。 |
委員 |
知財協としても現行の判定制度維持ということでよろしいんではないかと思います。意見としては29ページにちょっと書いてありますように、3つほどあるんですけれども、やはり中小・個人中心に希望があるという点、それとあとは先ほどご説明いただいたように、特許庁判定に要する行政リソースが人数的に見ても400人のうち、二、三人で済むということであれば、わずか1%ぐらいであれば、その辺のご説明からしても積極的に廃止する理由には当たらないのかなという気がいたしております。 |
委員長 |
ありがとうございました。委員どうぞ。 |
委員 |
製薬協の方では、この判定制度を実際には使っていないんですが、やはり、今、委員等が言われましたように、産業界としてのニーズがあるのであれば、これはむしろ残しておくべきだろうということで③でございます。 |
委員長 |
ありがとうございました。ほかにございませんか。委員どうぞ。 |
委員 |
業界のことはよくわからないんですが、まず、1点質問だけさせていただきたいんですが、事前のときにはなかったんで、特許庁の判定手数料4万円ですごい安いということになっているんですが、この新たなに出てきた別添2を見ると判定に要した総費用というのは、すさまじく高くなっているんですけれども、これは特許庁が後で懐に入れているわけではないでしょうけれども、何でこんな差額があるのかというのは……。 |
事務局 |
これは弁理士とか、弁護士とか、その他、判定をやるに当たって総費用がこれだけかかったというアンケートの結果です。 |
委員 |
そうすると、先ほど中小企業にはいいとおっしゃっていましたけれども、一慨に、このセンター判定というのと、実質大きな金額になれば、難しい事案になったり、長期にわたるものであるとすると、ほとんど差はないわけですね。4万円と30万というのを最初に見たとき、10倍の差があるのであれば、相当な特許庁における判定というものの価値というのは、あるのかなと思ったんだけれども、このアンケート結果を見る限りは、この値段の差を打ち消されるぐらいの差があるのであれば、皆さんが③の判定でいいとおっしゃったんだけれども、最初は、事前の説明を伺ったときは③でいいと思っていたんだけれども、だんだん不安になってきたということで、まず意見を申し上げさせていただいて、③じゃなくて、この中に入っていないことの意見にすべきだろうということを言いたいなと。 |
委員長 |
費用の点はいかがですか。 |
事務局 |
費用につきましては、先ほど申し上げましたように、これは総費用でございます。それからなぜ判定をやめると、中小企業・個人に負担がかかるかというと、このアンケートにございますように、判定制度がない場合は訴訟に向かうと。訴訟の方が費用が多分、10倍ぐらいかかるだろうというふうに聞いておりますので、そういう面で負担が増すというふうに判断したわけでございます。 |
委員長 |
特許庁の判定制度とセンターの判定と全体的なコストを比較した場合には、必ずしも特許庁の方が安くないということでよろしいんですか。 |
事務局 |
そこまでははっきりはわかりませんが、特許庁の手数料につきましては、それほど大きなウェートではないという意味でございます。 |
委員 |
今のは手数料ですよね。 |
事務局 |
はい、そうです。 |
委員 |
例えば、特許庁の判定なんかもこれを準備するために弁護士、弁理士の費用がかかるわけでしょう。センター判定もそうですよね。そうすると、同じものだったら、同じ負荷なんじゃないですか、コスト的負荷は。手数料が4万と31万5,000円で、それを誤解されちゃうといけないんで、彼なんか一番それを誤解しちゃっているじゃないですか。 |
委員長 |
センター判定もこれにプラスして、弁理士、弁護士費用がかかるということでしょう。 |
委員 |
両方ともここに資料を準備したり何かするために、弁理士、弁護士費用は共通で同じなんです。それに手数料がこれだけの差があるんですと。 |
委員長 |
委員どうぞ。 |
委員 |
ただ今のお答えでよいと思いますが、要するに、判定の費用は個人でも企業でも弁理士、弁護士なしにすべてやれば、4万と31万5,000円ですが、弁護士、弁理士に代理を頼んだり、その準備をしたりすれば、判定に要した費用はそれだけ上がるのであって、センター判定を申立た場合もそれと同じような比率で増えるわけですから、その意味では、弁護士、弁理士を頼まないでやれるような制度になっていればよろしいですけれども、実際上は、センター判定もそうはいかないというところがありますので、その点では費用は、ほぼ同じ比率で増えていくだろうということを、誤解のないように申し上げておきます。 |
委員長 |
そうすると、全体のコストで比べても特許庁の判定の方が安いということですね。 |
委員 |
私が言っていることが誤解されているというので、いつの間にか、また特許庁の判定を堅持するという方向に流れると嫌なので申し上げさせていただきますけれども、そんなことはわかっているので、おっしゃっているご説明はわざわざ誤解だとご指摘いただかなくても、そんなことは最初からわかっていて、ここに書いてあるとおり、100万以上とか、500万以上とか、相当の高額にわたっている部分が紛争の最終結果にあるわけですね。そうするとパーセンテージで見れば、特許庁によるものと、センター判定によるものの差は、かなり薄いということを申し上げた次第で、そうであるならば、この差が大きな魅力になるかというと、それほどの大きな魅力はなくて、むしろ民間がいろんな多様な紛争解決の手段が育てるという方向にいくことを阻害するようなほど、大きな差があるとは思えないということを申し上げた次第です。 |
委員長 |
わかりました。委員どうぞ。 |
委員 |
その関連で正確な情報を申し上げておかなければいけないんですけれども、私どもの仲裁センターの運営金、日本弁理士会、弁護士連合会約1,000万円近い金を拠出しております。それ以外の人件費はプラスアルファですね。それとほとんどの方はボランティアに近い形で活動されています。それだけは一応申し添えておきます。 |
委員長 |
わかりました。ほかにご意見ありませんか。 |
部会長 |
この結論についての賛否という話ではないんですけれども、委員のおっしゃったことと似ているんですけれども、これを考える上で、どうしても重要なことは、現在において民と民の争いに官がどのぐらい関与すべきかという、そこらの哲学が抜けているのが一つと。 |
委員長 |
ありがとうございました。ほかにご意見ありませんか。よろしいですか。これにつきましては、産業界からは存続してほしいというご意見が多かったかと思いますけれども、他方で官が本来やるべき仕事なのかどうか、民業と官業の仕分けをどうすべきかということについて、もはや官がこういうことをやる必要はなくて、民業に任せたらどうかという非常に強いご意見もあったということで、次回までにこれも持ち越して、少し整理していただきたいと思います。 |
事務局 |
今後のスケジュールについてご説明をいたします。次回、第21回は12月16日金曜日16時からの開催を予定をしております。それ以降の日程につきましては、決まり次第調整の上、追ってご連絡をしたいと考えておりますので、よろしくお願いをいたします。 |
委員長 |
以上をもちまして、産業構造審議会知的財産政策部会第20回特許制度小委員会を閉会いたします。本日は長時間ありがとうございました。 |
[更新日 2006年1月17日]
お問い合わせ |
特許庁総務部総務課制度改正審議室 |