委員長
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それでは、ただいまから産業構造審議会知的財産政策部会第23回特許制度小委員会を開催いたします。
前回まで特許制度の在り方についての方向性を示すべくご審議をいただき、皆様からご意見をちょうだいいたしました。本日はこれまでの議論を踏まえまして作成された報告書、「特許制度の在り方について」(案)につきまして、事務局において先週1月27日までの1か月間実施されましたパブリックコメントにて提出されました意見等についての考え方を整理するとともに、報告書の「特許制度の在り方について」をとりまとめるべくご審議いただきたいというふうに思っております。
それでは、事務局より配布資料の確認をお願いいたします。
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事務局
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それでは、配布資料の確認をさせていただきます。
本日の配布資料でございますが、議事次第、配布資料一覧の1枚紙、委員名簿、資料1といたしまして、「産業構造審議会知的財産政策部会特許制度小委員会報告書『特許制度の在り方について』(案)」でございます。それから資料2といたしまして「パブリックコメントに提出された主な意見に対する考え方」、参考資料といたしまして「パブリックコメント項目別概要表」、それから先ほどお配りをいたしました「特許審査迅速化・効率化のための行動計画」でございます。なお、委員の皆様方には、ご参考といたしまして、パブリックコメントに寄せられました意見、その全体版をお配りしております。
以上でございます。不足等ございますでしょうか。
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委員長
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それでは、早速議題に入らせていただきますが、本日は、「特許制度の在り方について」という報告書の案がお手元にあると思いますけれども、これに対しまして、パブリックコメントで提出されました主な意見をご紹介いただきまして、ここでいただきましたご意見に対する考え方及び若干修正させていただいた報告書案について、事務局よりご説明を行っていただきたいと思います。
それでは、よろしくお願いいたします。
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事務局
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おはようございます。報告書の「特許制度の在り方について」(案)について提出されましたパブリックコメントの主な意見及びその考え方につきまして、私の方から、「分割出願制度の見直し」、「一部継続出願制度、国内優先権制度」、「補正制度の見直し」についてご説明したいと思います。
それでは、お手元の資料2をご覧になっていただきたいと思います。
まず、「分割出願制度の見直し」については幾つか項目が分かれておりますが、「分割時期の緩和」をまずご説明します。「分割時期制限の緩和について」のところで、特許査定あるいは拒絶査定の後の一定期間分割を認めてはどうかということを提案させていただいたわけですが、それに対しまして、時期の制限の緩和についての意見を見てみますと、賛成する意見が多数ありました。ただ、②のように、審決後についても出願の分割を可能とすべきという意見もございます。それから③にありますように、包括納付制度を利用した場合にも分割の要否を検討する時間を十分に確保できるようにというようなご意見もございました。
意見に対しまして、「考え方」というところですが、特に審決後の分割につきましては、報告書にもありますように、分割時期あるいは権利化の時期を先延ばすという目的で審判請求をするといったような制度濫用のおそれもありますので、これからの分割出願制度の利用状況を見ながら、必要に応じて再度検討していきたいと考えております。それから先ほどの「包括納付制度」を利用した場合につきましては、制度あるいは運用の詳細について検討すべきところがございますが、このあたりを検討しながら考えていきたいと思っております。
次の項目Bの分割出願への新規事項付加の拒絶理由化につきましては、パブリックコメントの段階の報告書案におきましては拒絶理由化をしていくという方向で案を出していたわけですが、この点が大きく今回変わっております。
まず意見をご紹介しておきます。このような拒絶理由化を行いますと、手続が煩雑になるのではないかという意見、あるいは、拒絶となった分割出願からさらに分割された子、孫といった出願があったとしますと、EPOでの運用に見られるようにと、例えば、子のところで新規事項が入ってしまいますと、孫とか曾孫といったそれに連なっている後の出願が権利化できないということになってしまいますので、扱いが厳しくなってしまうのではないかという制度改正に否定的な意見もございました。また、新規事項が付加された日まで出願日の遡及を認めれば制度改正に賛成だという意見もございました。こちらにつきましては、「考え方」のところに説明されています。新規事項の有無にかかわらず、分割出願の出願日をもとの出願の出願日に遡及させた上で、新規事項が含まれている場合には拒絶理由とするという制度、すなわちEPOが採用している制度を念頭に置いているわけですが、こういった制度を採用したとします。新規事項を含んだ子出願、これをさらに分割した孫出願とか曾孫出願がされた状況におきまして、子出願には新規事項が含まれているという拒絶理由が発生したときに、孫出願についてみますと、子出願の拒絶理由というのは孫出願を補正することによっては解消できませんので、結局、孫出願については権利化の途が閉ざされるという運用になってしまいます。そうしますと、現行制度と比べまして、かえって出願人に酷な制度になってしまうのではないかということで、新規事項の拒絶理由化につきましては、欧米の制度を十分検討したり、あるいはどういう仕組みが望ましいかということを検討しながら、これからも検討を続けていきたいと考えております。
次の1-2「分割出願制度の濫用防止」に関しまして、まず1つ目の「分割出願の補正制限」をご説明します。もとの出願において審査された拒絶理由を解消していない場合、分割出願において最後の拒絶理由と同様の補正制限を課すというものですが、意見の方を見ていただきますと、こういう補正制限に賛成する意見がありました。一方、もとの特許出願について妥当でない拒絶理由が通知された場合にまで補正制限がかかってしまうということで反対という意見もございました。
さらには②のところにありますが、「もとの出願の範囲」というのがどこまでかというご指摘がございまして、もとの出願の範囲を「最初の特許出願とファミリー関係にある全ての特許出願」、すなわち、分割というのは数多くの出願が次々分割されることがございますので、こういったファミリーにある出願全てとしますと、戦略的な分割出願の利用が妨げられるのではないかというようなご意見もございます。
③のところで、例えば、分割後に名義変更があったようなときに、もとの出願の拒絶理由というのが分からないのではないかという意見、あるいは、もとの出願について通知された拒絶理由を解消するための期間が十分ではないのでないかというご意見もございました。
④としまして、分割出願の審査をするときに、もとの特許出願について通知された拒絶理由を解消しているかどうかというところは見解が分かれるのではないかというご意見もございました。
これに対する「考え方」につきまして、①のところですけれども、そもそもこのような濫用防止の仕組みというのは必要だと考えます。なお、もとの出願についての拒絶理由を解消していないとして拒絶理由を通知するときには補正制限が課される訳ですが、もとの出願について既に通知してある拒絶理由が妥当でなかったというときには、当然適用すべきでないと考えます。
次に、②のもとの出願の範囲についてですが、実際に分割の事例を見てみますと、多数回にわたる分割ももちろんありますが、一つの出願から大量に分割出願が出ているというような事例もございます。こういった一連の分割出願すべてを対象として補正制限をかけないと、濫用防止の効果が十分ではないと考えられます。このために、もとの特許出願の範囲としましては、一つの特許出願から分割された一連の特許出願の全てということで考えております。
それから、分割後の名義変更の場合はどうするのかというご意見がございますが、もとの出願について拒絶理由の内容が知り得ない状況にある場合につきましては、補正制限はかからないというような制度にしたいと考えております。
分割出願の特許請求の範囲について精査する期間が十分でないというご意見もございますが、そもそも分割可能な期間というものがございますし、分割出願の審査請求までの期間、さらには最初に拒絶理由が出るまでの期間がございますので、期間としては十分ではないかと考えております。なお、分割出願の補正制限の運用につきましては、審査基準を整備しまして、運用の明確化を図っていきたいと考えております。
次のB「累次・長期にわたる分割出願の制限」につきましては、導入については慎重に行うべき、あるいは引き続き検討することを望むというような意見がございます。こちらにつきましては、報告書案の方向性の通り、分割出願制度の濫用の状況であるとか、国際的な制度の動向を見ながら制度の導入を含めて検討していきたいということを考えております。
次の1-3「分割の内容的制限の緩和」につきましては、パブリックコメント段階の報告書案に、国際調和の議論の中で引き続き検討するというような形で入っていたわけですが、意見の内容としましては、検討の継続を望むというご意見、あるいは我が国の「実質同一」の概念が欧米に比べて広いため、欧米では同一とされないようなものも日本では同一となることがあるといった問題点の指摘がございました。こちらにつきましても、国際調和の議論がありますので、そういった国際調和あるいは制度利用者の意見も踏まえながら引き続き検討していきたいと考えております。
次の項目の「一部継続出願制度、国内優先権制度」につきましては、パブリックコメント段階の報告書案で、現時点では見送り、国際的な制度調和の中で議論していきたいとなっておりました。それに対する意見としましては、分割時に新規事項を追加できる利益というのは中小企業にとって大きいとか、あるいは特定の業種・技術分野については、特に利益が大きいというような肯定的な意見もございました。これに対する「考え方」としましては、アンケート調査であるとか、ヒアリング調査では否定的な意見が強く、また、一部継続出願制度の導入と併せて米国型のグレースピリオドの導入も検討しなければいけないというところがございますので、今回は一部継続出願制度の導入を見送るということが適当ではないかと考えております。
次の項目に移りますが、「補正制度の見直し」についてご説明します。こちらは、国際調和の観点であるとか、あるいは各出願の間の取扱いの公平性といった観点でシフト補正を禁止すべきというものです。
これにつきまして幾つか意見をいただいております。まず、シフト補正の定義に関しまして、報告書案の中で挙げられた2つのタイプの補正、これはかなり明確なシフト補正の事例を挙げていたわけですが、そういったものに制限されるような定義を採用すべきでないかという意見がございました。
それから運用面につきまして、先行技術の再調査が必要とならない範囲内であればシフト補正とすべきでないという意見、あるいは基準を策定するときには、事例を明示して審査のバラツキを防止すべきというようなご意見がございます。また、少し観点は違いますが、審査官が発明の単一性の要件違反を発見した場合には、どの発明について審査を受けたいのかを出願人が選択できるようにしてはどうかというようなご意見もございました。
こちらの意見では、運用に対するご懸念というのが示されていると理解しておりまして、そういったご懸念に対しましては、必要以上に厳格な運用とならないように審査基準を策定し、その中で事例を明示しながら運用の明確化を図っていきたいと考えております。
次の②のところでございますが、出願人が審査を受けたい発明を選択するというご意見がありますが、現在どういう運用をしているかといいますと、審査官が発明の単一性の違反を発見した場合には、最初に記載されている発明との間で単一性を判断しますので、出願人側としては、最も審査を受けたいものを最初の発明として記載しておけば、結果的には審査を受けたい発明を選択できることになりますし、また、仮に審査を受けてから発明を選択するといった仕組みを導入しますと、審査効率が低下することも考えられますので、現段階では、こういった審査手順を採用することは適当でないと考えております。
私の方からひとまず以上でございます。
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事務局
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続きまして権利侵害行為に「輸出」を追加すること、これについてパブリックコメントに出されました意見及び考え方につきましてご説明をいたします。
まず、「意見の概要」といたしまして、「輸出」を追加するということによって、侵害物品の拡散の防止、あるいは実効的な水際措置の観点から賛成する意見というのがございました。一方で発明の実施行為に「輸出」を追加するというときには、水際取締の措置について濫用防止措置を講ずるべきである。政府部内あるいは官民において調整・連携をして制度の適切な運用のため、十分な検討がなされるべきであるというご意見、それから中国の輸出禁止制度の方がむしろ進んでいるということで、それとの対比を示すべきではないかといったご意見がございます。
それから「通過」につきまして我が国を仕向地として保税地域に置かれた物品が通関することなく再度日本を積出し国として送り出す行為、これについて「輸出」に該当するとして侵害行為とすることが検討を要するのではないかというご意見が寄せられております。
「考え方」でございますが、まず、模倣品対策を強化するという観点がございます。我が国は、ご承知のとおり模倣品・海賊版防止条約、この実現を目指しているところでございます。これは現在、輸入の水際措置というのが中心でございますが、それぞれの国が根元から模倣品・海賊版といったものを輸出しない、あるいは国際的な通過というものを規制することによって、国際的な模倣品・海賊版の流通を阻止しようということでございます。このため、水際取締制度につきましても、財務省で現在その導入について作業・検討が進められているところでございます。現行の特許法について見てみますと、この「輸出」という行為が発明の実施行為に規定をされていないため、侵害物品の製造、譲渡というのが秘密裏に行われて、輸出段階で発見された場合、差止めを行うことができないということがございます。また、特許権のそもそもの目的からいたしますと、国内でその発明品の製造、譲渡等を独占的に行うという経済的な利益を適切に保護する必要があります。また、さらに先ほど申し上げましたように、模倣品の侵害物品の流通を防止するためにも、「輸出」というものを発明の実施行為に追加することが適当であるということでございます。
また、水際取締措置につきましては、濫用による弊害の防止を含めまして、その手続・運用について政府部内、税関、経済産業省で十分な連携・調整をすることによって適切な運用が図られることが重要であると考えております。
なお、中国の輸出禁止制度につきましては、特許法自体には「輸出」を侵害行為とする明文の規定はございませんが、いわゆる海関保護条例によりまして、中国国内の特許権、実用新案権等の侵害物品の輸出を水際で差し止めるということが可能になっております。
続きまして、通過につきましては、これは先ほどの繰り返しでございますが、一旦日本を仕向け地として陸揚げをされまして、再度日本からの輸出という形で海外に輸出される場合には、原産地の偽装ということによって、その第三国における模倣品あるいは侵害物品の規制というものをすり抜けてしまうという可能性もあるということでございまして、こうした行為を水際措置の中で取り締まることが必要であるということでございます。したがいまして、まず一旦我が国を仕向地として陸揚げされているという状況におきましては、我が国の領域内にあるということで、特許法の効力が及び得るということ、それから一旦保税地域に入ったものについても、実際には譲渡等が可能であるということから、国内で製造された侵害物品と同様に権利者の利益を侵害する蓋然性があるということから、こうした形態について、「輸出」に該当するという局面をとらえて水際措置でその規制をするということが適当であるということでございます。
続きまして、刑事罰につきましては、刑事罰を強化する方向性につきまして反対意見はございませんでしたが、懲役刑の引上げ等、罰則の強化というものを強調すると萎縮効果が働くのではないかというご意見、それから特許権の侵害抑止というものは、これは経済事犯であるということから罰金刑を中心にすべきであって、自由刑を強化することは合理的ではないということで懲役刑の引上げについて検討する必要性はないとするご意見、企業のコンプライアンス体制がきちんとしていたにもかかわらず、例えば従業員が特許権侵害を行ったといった場合に、その事業主の刑の減免措置等を置くべきではないかというご意見がございました。
まず、「考え方」といたしまして、現行の特許法、実用新案法、これは特許権の登録要件を明確に定めておりまして、刑事上の特許権等の侵害罪の場合には、現実に特許権を侵害しているという事実認識、いわゆる「故意」が必要となっております。刑事事件発生の予測可能性というのは、まず法律で明確に登録要件を課している。それから特許権の公報公示及び登録制度がございますし、実際の故意というものによっても担保されておりますので、これによって研究開発を萎縮させるおそれは低いのではないかというふうに考えております。
それから、刑事罰の引上げでございますけれども、これについては取締りの動向を注視いたしまして、引き続き検討を行うということが適当であると考えております。
コンプライアンス体制が採用されていた場合に、事業主の刑の減免等の規定を定めるべきであるというご意見につきましては、事業主が過失の不存在を証明した場合には免責になり得るという余地はございますので、これは単にコンプランアンス体制をとっていたか否かということで判断されることではなく、事例ごとに個別に判断をされるべきものであるというふうに考えております。
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事務局
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6.の「先使用権制度の在り方」につきましては、私の方からご説明させていただきます。
まず、「意見の概要」でございますが、①といたしまして、先使用権制度の明確化及び先使用の立証容易化のためにガイドライン(事例集)を作成することについて賛成するとの意見が複数ございました。また個人の方からでございましたが、先使用権を有するか否かが不明瞭と考えられる事例を挙げていただいた上で、法改正またはガイドラインによる制度の明確化を求める意見もございました。そして、発明の簡便な届出制度を設け、先に製造ノウハウ等の技術を開発したものに無償の実施権を与える制度、いわゆるフランス的な制度でございますが、その導入には反対するという意見がございました。他方、個人の方1名からでございましたが、そのような制度の導入を求めるという意見もございました。
このような意見を受けました結果といたしまして、どのように考えるかということでございますが、前回の小委員会でとりまとめていただきました考え方と内容的に変わるものではなく、以下のようにまとめさせていただいております。
まず、①についてでございますけれども、要件の明確化ということについては、判決をもとに条文の明確化の法改正ということも考えられるわけでございますけれども、個別の事例ごとの判断を一般化させることによりまして、結果として特許権者と先使用権者のバランスが変更されるおそれがあるということ、また法改正を行いましても、先使用権の適用の範囲内かどうかを一義的に容易に判断できる程度に明確化するというのは難しく、むしろ想定されないほかの問題を生じ得る懸念もあるということから、現状におきましては、法改正ではなくて、ガイドライン(事例集)の作成により、制度の明確化や立証の容易化を図ることが適切であると考えるものでございます。そして、ガイドラインの作成後には、その周知徹底を図りまして、その後生じた課題とか判例を注視して、特許制度の下で先使用権制度が有効に活用されるように努めていくことが重要であると考えます。
②につきましては、発明の簡便な届出制度を導入するということになりますと、先使用権の要件から、「事業実施」、「事業準備」を外した制度となるわけでございまして、特許権の効力の大きな例外を設けるということで、特許権者と先使用権者のバランスを大きく変えることになりますので、制度利用者の方々からも強い反対意見がございます。また世界的に見ましても、フランス、ベルギーのみに採用される特異な制度ということで、国際的な制度調和にも反しますので、先使用権の要件から「事業実施」、「事業準備」を外すということは適切ではないと考えます。
以上でございまして、この先使用権制度の在り方というところにつきましては、先般ご審議いただきました報告書案の内容を変更する必要はないというように事務局としては考えているところでございます。
以上でございます。
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事務局
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それでは、私の方から再びご説明いたします。
7.「拒絶理由通知の応答期間」、8.「インターネットを通じた特許審査の手続書類等の情報提供」、それから9.「カラー図面の取扱い」という3項目について見ていきたいと思います。
まず、7.「拒絶理由通知の応答期間」のところでございます。こちらにつきましては、報告書案では、国内出願人について、応答期間の60日に加えて、合理的な理由があれば1か月の延長を認めるということを考えていたわけです。これに対するご意見をご紹介いたしますと、ライフサイエンスの分野では、拒絶理由に対して実験データの提出が必要となるということで、現在の60日の応答期間では不十分であり、延長を行うことで最大6か月程度の応答期間が必要というご意見がございました。
こちらに対しましては、現在、特許審査の迅速化・効率化に取り組んでおり、一次審査に関する審査官の記憶が鮮明なうちに次の二次審査を行うことが効率化に役に立っているという状況がございますので、現時点では1か月程度の延長が適当と考えております。実験データの取得にさらに時間がかかるといったような場合がございましたら、審査官と出願人の意思疎通を図っていただいて、迅速・的確な審査の観点から必要性を考慮しながら、例えば、上申書等で書類を提出するというような柔軟な対応も必要だろうと考えております。なお、この実験データといいますのは、あくまでも、例えば拒絶理由で示された引用文献に記載された発明との比較実験データという意味でございます。
次の8.「インターネットを通じた特許審査の手続書類等の情報提供」につきまして、本格稼働を予定よりも前倒しして早期に実施すべきというご意見がございました。こちらに対しましては、まずインターネットを通じた特許審査の手続書類の情報提供拡大について引き続き検討していきたいと思いますし、新事務処理システムの本格運用につきましても、早期の実現を目指したいと考えております。
次の9.「カラー図面の取扱い」についてですが、ライフサイエンス分野では、カラー図面を用いることによるメリットが大きいため、日本が率先して認めていくべきではないかというご意見がございます。このご意見に対する考え方としましては、日本が単独で図面をカラー化していくことを考えますと、海外の特許庁と優先権書類であるとか公報のデータを電子的に交換するといったときに影響が出る可能性があります。これはネガティブに検討するという意味ではありませんが、カラー図面の取扱いにつきましては、やはり具体的なニーズというのを調査して、さらには審査実務への影響、システムへの影響、あるいは国際的な制度調和も見ながら検討していきたいと考えております。
以上でございます。
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事務局
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「特許庁の判定制度とADR機関との適切な役割分担」につきましては私の方から説明いたします。
まず、提出された意見の概要でございますが、現行法上の判定制度は、その結果に対する不服申立の道が閉ざされておりますので、廃止するか、あるいは権利範囲確認審判を復活させるべきであるとの意見、また特許庁が自ら付与した権利に関する保護範囲の判定を行うことは特許庁の所掌事務の範囲を超える。権利付与手続の迅速化のために審査に人材を投入する必要がある。またセンター判定は特許庁判定に置き換わり得るものであるから、特許庁判定は廃止する方向で検討すべきという意見がございました。
これに対しまして、その考え方でございますが、特許庁の判定制度につきましては、前身の権利範囲確認審判の審決の効力が明確でないとの指摘を受けまして、昭和34年に法的拘束力を持たず、判定結果に対して不服申立をすることができない現行制度に改正されたものでございます。特許庁の判定というものは、現在、個人・中小企業を中心に年間100件ほど利用されておりまして、一方、センター判定につきましては、大体年間6件程度でございますので、特許庁の判定とは機能・役割が異なるものでございまして、利用者のニーズも相違しているというところがあります。このため、紛争解決手段の多様な選択肢を提供するという観点からも、特許庁の判定制度を廃止することについては慎重な検討が必要でございます。現段階で廃止することは適当でないと考えられますが、特許庁の判定制度は、適切に運用されるよう、引き続き検討を行うということは重要だと思われます。
一方、民間のADR機関の活性化は、多用な紛争解決手段を提供する上で望ましいことでございます。このため、行政としましては、民間型ADR機関の活性化を可能な限り支援するとともに、民間型ADR機関の定着状況を見極めた上で、それと、特許庁による判定制度との関係について、判定制度の存廃を改めて検討することが適当と考えられます。
以上です。
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事務局
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今まで、パブリックコメントの意見とその考え方をご紹介させていただきましたが、報告書の案につきまして、ご意見等を踏まえまして、若干の修正を加えておりますので、その修正箇所についてご説明したいと思います。
お手元の資料1「特許制度の在り方について」(案)の10ページを見ていただきたいと思います。10ページの⑤に先ほどの「分割出願への新規事項付加の拒絶理由化」という項目がございまして、こちらの結論は前回とは変わっております。
内容を少し読んでみますと、「現行制度では、新規事項を含んだ分割出願(子出願)については出願日の遡及を認めておらず、このため複数世代にわたって出願の分割が行われた場合には、分割出願(子出願)の新規事項の存否の状況によって、その分割出願(孫出願)の出願日が変動することとなる。このような変動を無くし、分割出願の取扱いを容易化する観点から、分割出願に新規事項が含まれている場合であっても、出願日を遡及させた上で、新規事項付加を拒絶理由又は無効理由として取り扱う制度とすることが考えられる」。次が大きな変更点となりますが、「しかしながら、このような制度の下では分割出願に新規事項を付加した場合の取扱いが現行制度より厳しくなる(新規事項を含んだ分割出願(子出願)をさらに分割した出願(孫出願)は新規事項付加の拒絶理由を解消できなくなる)可能性もあるため、分割出願への新規事項付加の拒絶理由化については、欧米の制度について十分に検討を行った上で、引き続き、我が国にとってどのような仕組みが望ましいか検討することが適当であると考えられる」というような形で、パブリックコメントのご意見を踏まえまして修正をしております。これが大きな変更になっております。
それからもう一点、明確化のための修文をしておりまして、14ページを見ていただきたいと思いますが、こちらの分割の内容的制限の3.「検討内容」というところでございます。「検討内容」の最後の文章になりますが、「一方、医薬等の分野における用途発明について、上位概念の発明と下位概念の発明を『実質同一発明』として扱う現行運用の問題点を指摘する意見もあった。」という文章がございます。前回の報告書案では、「医薬等の分野における」が入っておりませんでしたが、この文章についてのご意見、ご指摘の内容は医薬分野の用途発明でございましたので、この点を明確化する意味で、「医薬等の分野における」というところを追加してございます。
報告書の内容の修正点については以上でございます。
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委員長
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どうもありがとうございます。
それでは、以上の説明を踏まえまして、ご議論いただきたいと思いますが、ご自由にご意見をお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
委員どうぞ。
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委員
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資料2の「パブリックコメントに提出された主な意見に対する考え方」の方なんですけれども、1ページ目の「考え方」の③、下の方なんですけれども、包括納付制度ですね。これについて最後のまとめとして、「制度の運用の詳細について検討することが適当であると考えられる」ということで、もう少し具体的に書いていただいた方がいいのかなという気もするんですけれども、もともと包括納付制度というのは庁と出願人にとって利便性が高いはずなので、内容的には30日という日数が不利にならないように検討するぐらいの内容にはならないのでしょうか。
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事務局
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今、検討段階でございますが、30日という日数が期間の面で不利にならないようにという形の修文をしたいと思います。
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委員
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同じく資料2の7ページ目、「権利侵害行為への『輸出』への追加」というところで、「意見の概要」のところで②として、途中から「水際取締まりの濫用防止措置を講ずるべきであり、政府部内や官民において調整・連携し」と書いてありまして、それに対する考え方として、下段の方の②というのがございまして、②の2行目、「濫用による弊害の防止を含め、その手続・運用に関する政府部内等での調整・連携により」という、この「政府部内等」の「等」というのは、具体的に上のことを考えると「政府部内や官民において」と同等なんでしょうか。
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事務局
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ここでは同等であると考えております。具体的に産業界でどのような懸念があるのかということについて私どもにもきちんとしたインプットをいただき、それによって適切な運用のためにどういうことをする必要があるといったことを連携・調整をしていくという趣旨でございます。
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委員
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ありがとうございました。ぜひ、官民合同というか、民間の方の事情とかいろんなものを聞いていただいてやっていただければ、濫用防止ということにつながっていくと思いますので、ぜひその辺、よろしくお願いしたいと思います。
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委員長
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どうもありがとうございました。ほかに何かございませんか。委員どうぞ。
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委員
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1つは、今のご質問に関連するんですが、特許権の場合に、侵害・非侵害を判断するのはある程度時間がかかると思うんですね。具体的に侵害ということが確定されないといろんな問題が起こると思うんですが、侵害を決めるために時間がかかるということと、これを特許法の中に入れて実効を求めるということはどういうふうにお考えでしょうか。
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事務局
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具体的な水際措置の設計の話になるかと思います。これにつきましては、財務省で検討しておりまして、まず最初の受理段階で専門家の意見を聴く仕組を今回導入し、それに対して当事者の意見も聴く。実際の認定の過程におきましても専門家の意見を聴く、それに対して当事者がそれぞれ意見を述べることができる、かつ特許庁長官への意見照会等を行うといったところによって担保することができると考えております。
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委員
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そうすると、具体的に司法的な判断が出る前に、これを使うということになりますね。
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事務局
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司法的判断がかかっている場合には、それは水際の措置として、これは明らかに侵害であるというようなケースは当然そうだと思いますし、グレーな場合にどういうふうにやっていくかということについては、これは具体的な運用をどういうふうにやっていくのかということで、財務省とも連携をしていく部分であると思います。
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委員
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それからついでに幾つかあるんですが、先ほどの14ページになるんですが、拒絶理由通知の応答期間で、ライフサイエンスの場合、非常に時間がかかる。特に毒性試験であるとか、催奇形性のデータですね、この比較データを出そうと思ったら、正直言いまして、まず1か月では無理なんですよ。それは上申書でやっていただけるということなんですが、その辺はもう少し柔軟に運用しやすいようにやっていただきたい。特にここにも書いてありますように、審査官と出願人との意思疎通を図りと書いてございますけれども、具体的に生物データというのはなかなか比較実験でも出せない、時間がかかるというのが現実に非常にたくさんありますから、その辺をかなり柔軟に運用していただきたい。
それからカラー図面ですが、制度調和を図るということで、米・欧でもやっていないということはよく分かるんですけれども、逆に言いますと、今時、学術文献でカラー写真がないなんていうのはないんですよ。10年前だったら白黒ですけれども、今はバイオの分野であれば、ほとんどカラーの写真なんですよ。だから、制度調和をするということはいいんですけれども、例えはカラーの写真と白黒とを併用にして、日本の方ではカラーで逆に審査した方が早くよく審査できると思いますので、この辺についても、運用という面で柔軟に対応していただきたいというふうに思います。
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事務局
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拒絶理由の応答期間とカラー図面につきましては、分野の特徴というのがいろいろありまして、この特徴に応じて拒絶理由の応答期間が必要であるとか、カラー図面が必要であるというニーズがあると理解しております。一方、分野全体を見ながら審査の仕組みを考える必要がありますので、ご意見をいただきながら、運用面で検討していきたいと思います。
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委員
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一律にやることも大事でしょうし、審査を早くするということも大事なんですが、本当にそういうところをうまくやらないで拒絶されて特許にならなかったというと、これは日本としては非常に大きな損失ですから、そういう分野別でぜひご配慮をいただきたいというふうに思います。
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委員長
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ありがとうございました。ほかに何かございませんか。
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委員
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国内居住者、在外者の区別は、どういう運用になっているのでしょうか。
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事務局
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在外者につきましては、出願人の中に在外者が含まれている場合を在外者として扱っております。
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委員
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在外者の基準というのは、法人であると法人本店所在地というふうに理解してよろしゅうございましょうか。
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委員長
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どなたかご存じの方ありませんか。
もし今わからなければ、後で調べて回答していただくことにいたします。
ほかに何かございますか。
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委員
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輸出について、24ページの③でアメリカ合衆国特許法第271条(f)が引いてあるのですが、この規定は間接侵害に関する規定ではなかったでしょうか。今回、間接侵害については触れないということですので、諸外国の考え方の中にこれを入れておくことがいいのかどうか疑問があります。26ページの101条の関係については将来にわたって検討するという趣旨であれば、第271条(f)が入っていて別に不思議ではないのですけれども、その点はいかがでしょうか。
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委員長
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これはたしか前にもご指摘いただいたことだと思うんですが。
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事務局
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現在の整理では、間接侵害については、これは規制になる行為が国外であるということで対象にしないということにしております。そういう文脈では、ご指摘のとおりに271条(f)をここに入れるのは少しミスリードではないかということでございます。したがいまして、間接侵害規定としてというふうに明示をするということでいかがかと思います。
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委員
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271条(f)を部品と書いてあるので、間接侵害とわかる人はわかると思いますけれども、もう少し明確にしていただいた方がいいと思います。
それに関連して26ページのところで、101条に関連して、「属地主義の観点から、我が国特許権の侵害物品を海外で製造することは、侵害とはならないため、『製造にのみ用いる物』の『輸出』を侵害とみなすことは、侵害に当たらない海外での製造行為の予備的行為を侵害行為として捉えることとなるため適当ではない」。これは属地主義に反するから101条には入れられないのだという趣旨に読めます。属地主義の概念自体がどうも余りはっきりしていません。したがって、将来の可能性を摘んでいる趣旨に読まれるのではないか、という虞があります。つまり、アメリカ合衆国特許法第271条(f)というのは属地主義には反すると理解されてしまう虞があると思いますが、いかがでしょうか。
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事務局
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お答えをいたします。これは現在の考え方の整理をしているものでございまして、属地主義自体が今後変わり得るところというのはあるかと思いますが、現状の整理としては、属地主義との関係ということで一応の整理をしております。
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委員
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海外での製造そのものを侵害とすることは、妥当でないと思います。しかし、271条(f)は国内における行為を侵害としているわけですね。輸出行為を侵害としているのでありますから、それが属地主義に反するという理解についてはやや疑問があります。
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委員長
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委員お願いいたします。
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委員
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今、ご発言があった点は、文章として、この「属地主義の観点から、」という部分がどこまでかかっているかにもよるようにも思えますが。つまり、「属地主義の観点から、」という部分が、「我が国特許権の侵害物品を海外で製造することは、侵害とはならないため、」という前半部分の理由として書かれているだけであるのか、それとも、その後の後半の部分までかかってくるのかによって、今のご発言の点がかかわるかも少し変わってくるようにも思われますが。
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委員長
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ここは文章も非常に長いし、少し明確化するために表現の仕方をちょっと検討していただければ思いますけれども。
委員どうぞ。
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委員
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これは表現の話なんですが、23ページの「問題の所在」の2段落目にある「本年」というのは2005年という意味ですよね。それで今回、輸出の話の前提で、知的財産権侵害に向けて国際的な約束をまとめていくべきという、これが一つのトリガーになっているようなんですけれども、知的財産といったときに、いわゆる特許だけじゃなくて、著作権なんかもオーバーオールで入るかと思うんですけれども、著作権に関しての輸出関連のところの動きみたいなものはどうなっているんですかね。
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事務局
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お答えいたします。著作権につきましても、この「輸出」に加えるべき作業を進めているということでございますが、著作権法自体の改正が具体的にあるかどうかということについては、今回は諸般の事情で全体の著作権法の改正については見送ることになっていると承知しておりますが、方向としては加えるということで作業を進めているというふうに理解をしております。
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委員
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そうしたときに、全般を通してそういうものとの平仄を合わせてある時期を見るとか、そういう考えはお持ちではないんですか。
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事務局
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お答えいたします。今回まずできる水際措置として、追加のできるところは追加しようということでございます。今回の特許法等の改正に合わせて「輸出」についても追加をしていきたいと考えております。
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委員長
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ほかに何かございませんか。委員どうぞ。
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委員
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パブコメの11ページに書かれているADR機関について一言ご説明というか、釈明をさせていただきます。
結論としまして、日本弁理士会といたしましては、この考え方については賛成いたします。内部的な話なんですけれども、私ども日本弁理士会のADR推進機構では、特許庁の判定制度は早急に廃止を検討すべきだという意見を出しておりますけれども、一方、意匠委員会では存続を希望しております。それからご承知だと思うんですけれども、平成19年の春には法務省のADR認証制度がスタートしますけれども、日本弁理士会と弁護士連合会で共催しています仲裁センターが、法務省がやっていますこの認証制度についての検討も終わっておりません。それから、私どもの仲裁センターは、残念ながら今の段階では、特許庁の判定制度に代わる組織、全技術分野に対する人材、機能、料金などまだいろいろ問題があると思われます。したがって、今直ちに我々、仲裁センター等が特許庁の判定制度を代替できる機能はないということを認識しております。今後、法務省及び特許庁等のご支援をいただいて、十分代替できる機能が整えた段階で仲裁センターなどのADR機構に特許庁の判定制度を移していただければというふうに考えております。
以上です。
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委員長
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ありがとうございました。ほかにございませんか。
よろしいですか。ご意見が出尽くしたということかと思いますけれども、何か最後にご発言ありますでしょうか。
それでは、ご審議いただきましてありがとうございました。報告書につきましては、今幾つの修正のご指摘をいただきましたけれども、委員から24ページの米国の271条(f)についての表現、それから26ページの属地主義にかかわるところの表現等修正させていただきたいと思います。それから委員からご指摘ありました23ページの「本年」というのは、2005年というふうに明確に記述するということです。それから委員からは、パブコメに対する対応の資料の2につきまして、検討するというところ、検討の方向性も含めて記載するようにというご指摘をいただいたと思うんですが、それを修正するということを前提にいたしまして、この報告書の案を本小委員会の報告書とするということでご異論はございませんでしょうか。
それでは、本報告書を、今のような修正を加えた上で本小委員会の報告書とさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
それでは、報告書関係は以上で議論は終わりですが、次に、もう一つ議題が今日追加になった部分がありますけれども、議題の3番目ですけれども、1月17日に発表されました「特許審査迅速化・効率化のための行動計画」というのがありますが、これについて、事務局よりご説明をいただきたいと思います。よろしくお願いします。
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事務局
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資料番号は付いておりませんが、先ほど皆様のお手元にお配りしました「特許審査迅速化・効率化のための行動計画」について、お時間をいただいてご紹介をさせていただきたいと思います。
お手元、行動計画の本体と説明用のA3のポンチ絵がございます。時間の関係もありますので、このA3のポンチ絵でご説明をさせていただきたいと思います。
まず、この特許審査迅速化本部でございますけれども、昨年の12月22日に経済産業大臣をヘッドといたしまして発足をいたしました。この本部の構成表につきましては、本体の一番最後のページにございますので、後ほどごらんいただければと思います。
この背景でございますけれども、左の上にもございますけれども、特許審査の迅速化、あるいは出願人サイドにおかれましては、「量」から「質」への転換を図るということが我が国の国際競争力の向上に資するという観点から官民挙げた、そういった取組の行動計画を策定させていただきまして、1月17日に公表させていただいた次第でございます。
まず、左の下にございますけれども、我々行政サイドとして特に特許権を付与する特許庁としての目標設定をしております。これは「知的財産推進計画」で定められております平成20年にFA期間が30か月を超えない、それから平成25年には11か月まで短縮するという目標を見据えて、来年度どれだけ審査をするかということでございますけれども、まず、迅速化目標として一次審査件数を今年度24万件のところを2割強のアップで約29万件を行うということでございます。それによりまして審査順番待ち期間を今年度の目標の27か月を、さらに来年度については28か月までにとどめるということを目標として定めております。
併せまして、効率化も図らなければならないということで、別途効率化目標というのを3点定めております。
1つは、審査官一人当たりの年間処理件数でございますけれども、ご案内のとおり、年々1出願当たりの請求項が増えているということで、この効率化の指標としては、請求項ベースで挙げさせていただいております。今年度審査官一人当たり年間約1,100項の審査をしていることになりますが、5年後の22年度にはこれを1,400項まで高めるということにしております。それから限られたリソースをより有効に活用するということで、先行技術調査のアウトソーシングを進めているわけでございますけれども、これを一層進めるということで、今年度の19万件から5年後には24万件まで拡大するということでございます。それから審査に係る直接コストの削減ということで、今年度1請求項当たり約2.8万円かかっているわけでございますけれども、5年後にはこれを約2.2万円までコスト削減を図るという効率化目標を3点定めております。
こういった目標を達成するために、具体的な取組というのを4つのカテゴリーで詳細に定めております。その中の主なものをこちらのポンチ絵の方で挙げさせていただいております。我々審査当局の取組といたしまして、まずは審査能力を強化・拡充していかないといけないということで、審査業務の様々な効率化を図ることによって審査時間の拡大を図る。それから任期付審査官を5年間で500名の増員という計画をしておりますが、引き続き、これを達成すべく任期付審査官の確保を図っていくということを計画しております。
それから先ほどもご紹介しました効率化を図る上で先行技術調査の民間外注の規模を拡大していき、さらにより効率的な手法を拡充していくということで審査能力を上げていきたいと思っております。
それから外国特許庁との協力ということで、特に3極間、日米欧3極特許庁間で同じ出願を審査しているということもありますので、利用できるサーチ結果、審査結果については、極力活用するようなスキームを今後とも進めていきたいと考えております。
それから併せまして、産業界にも幾つかの取組を要請したいというふうに考えております。出願人の出願審査請求の厳選と行動計画の策定ということで、現在、我が国の出願構造というのは、海外に出願されるものが全体の18%でございます。残り82%は国内のみに出願しているということになっております。ちなみに欧米を見ますと、アメリカでは、出願の44%が海外にまで出願されております。ヨーロッパでは60%が海外にまで出願されているということで、非常に国内偏重の出願構造になっております。このことは、特許制度は出願公開が前提になっておりますので、特許情報を海外に垂れ流しをしているというような懸念もあるわけでございますので、そういった国内出願を場合によってはノウハウとして秘匿するとか、そういった知財戦略をより一層進めていただいて、国内出願を見直すことによって、せめてグローバル出願、つまり海外に出願するものを3割まで向上できないかということを要請したいと思っております。ただし、これにつきましても、それぞれの業種・企業によってまた異なりますので、我々マクロの目標としては3割でございますけれども、個別の業界企業によって、また個別にこの点は対応させていただきたいというふうに思っております。
それから出願内容の事前チェックの徹底ということで、現在審査をいたしまして、特許になる割合が49.5%、約5割でございます。残りの5割が拒絶になってしまいます。その中で審査官が拒絶理由を打って、何ら応答なく断念するというのが拒絶査定のうちの半分ございます。そういったところをより先行技術調査を徹底していただくことによって、その審査請求の厳選を図っていただけないかと。キャッチフレーズとしては、「黒星2割カット」というような目標を挙げさせていただいております。
それから、こういった知財戦略については、当然ながら企業におかれては事業戦略と経営戦略と密接に関係しているところでございますので、この知財戦略について一元的に社内で責任体制をとるような、我々はCPO(Chief Patent Officer )と仮称で呼んでいますが、そういった一元管理をするような責任者の設置を要請したいと思っております。それと、今までのものは、出願段階では審査請求段階の厳選でございますが、既に審査請求されたものが今年度末で80万件にも達するような状況でございますが、既に審査請求されたものをもう一度見直していただいて、場合によって事業化の予定のなくなったものについては取り下げをしていただきたいというような要請も図っていきたいと思っております。こういったものについて、各企業におかれては、出願厳選に向けたプログラムを特許管理行動計画として策定していただきたいというような要請も進めていきたいというふうに考えております。
それから、当然ながら、大部分の出願は弁理士の方が代理をして出願されているということもありますので、弁理士の方々にも、こういった企業側の取組にご協力をいただくよう要請をしたいというふうに考えております。
それから、産業界あるいは弁理士の方々にこういった取組の要請をするということで、特許庁としても、それを支援するような施策を今後展開していきたいというふうに考えております。
具体的には、民間の先行技術調査能力の向上として、企業側に出願請求の厳選をお願いするということですので、出願人サイドにおける先行技術調査の能力向上のための研修を本年の6月から予定しておりますが、情報・研修館で実施をしたいと思っております。そういったことを活用していただき、先行技術調査能力の向上を図っていただきたいと考えております。それから現在もインターネットでサービスをしておりますIPDLの機能向上について随時図っていきたいというふうに考えております。
それから2番目が審査請求料返還制度利用拡充として、先ほど申し上げました過去の審査請求されたものの見直しをより進めていただこうということで、現在審査請求されたものを取下げた場合に、審査請求料を約半額返還する制度がございますが、この返還幅を拡充できないかということを今関係方面と調整中でございます。
あと主要企業・代理人の特許取得状況の情報提供ということで、様々な企業あるいは代理人の方々の知財活動に関するデータを公表すべく関係方面とこれも調整中でございます。
それから、いろいろ施策は進めるわけでございますけれども、しばらくの間は審査期間が長期化することは避けられない状況でございますので、中小企業の方々に対しては、様々なプログラムを用意したいというふうに考えております。
まず1つは、幾つか特例措置がある中で、早期審査制度あるいは中小企業の方の先行技術調査について特許庁で費用負担を行っているわけですが、この利用が必ずしも十分ではないということがございますので、これのPR活動を精力的に行っていきたいというふうに考えております。
それから2番目としては、それ以外具体的な支援措置として「知財駆け込み寺」、これは中小企業庁の方で実施をする施策でございますが、そういったものとか、あるいは様々な中小企業向けの相談会の機会を増やしていくなどの中小企業支援策も展開していきたいと思っております。
こういった取組をきちんと策定するだけではなくて、今後フォローアップをしていかないといけないので、特許審査迅速化推進協議会というような名前で、主要な産業界の団体、あるいは中小企業関連団体、日本弁理士会、それから経済産業省、こういったメンバーで構成する協議会を設置しまして、フォローアップを進めていきたいというふうに考えております。
ぜひとも官民挙げた取組に皆様方もご協力をいただきたいということで本日ご紹介をさせていただきました。よろしくお願いいたします。
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委員長
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どうもありがとうございました。ただいまご説明いただきました「特許審査迅速化・効率化のための行動計画」につきまして、何かご質問、ご意見等おありでしたら。委員どうぞ。
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委員
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大学の特許出願の数はまだまだ少ないのですけれども、昨年は5,000件に達していると聞いています。中小企業に対する配慮というところに、大学はある意味で中小企業に相当するぐらいの力しかないと思いますので、例えば「中小企業・大学」とかどこかに入れていただけたらと思います。
また、大学では件数を競わされているという状況から、国内出願だけに終わっている場合が多く、今後、問題になるのではないかと懸念されます。大学こそ世界的視野での出願戦略というのでしょうか、海外出願の比率を上げなければならないと思います。大学についてはどこにも記載されておりませんので、啓発の意味も込めて、どこか仲間に入れていただけたらと思いますし、協議会等にも大学の知財担当の人を入れていただいて、情報がいただけるような環境になっていると好ましいかと思います。
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事務局
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今の点でございますけれども、まさにおっしゃるとおりです。ちなみに、この早期審査制度については、大学あるいはTLOの方々についても、早期審査を行うことができるというような制度もございますので、併せてPRをさせていただきたいと思います。
それから、グローバル出願比率、現在出願人全体の平均で18%とご紹介させていただきましたが、大学TLOは現在24%ということで全体平均よりも高くなっております。これは多分私の推測するところに、今まで非常に予算が少ない中で厳選せざるを得ない状況で、結果的に多分高くなっているのではないかと思っています。今後どんどん知財本部が立ち上がって、出願なり請求件数が増えてくる中で、なお一層これを高めるために、そういった大学関係での国際出願への助成についてはより一層取り組む必要があるのではないかというのは、先日、総合科学技術会議の知財戦略専門調査会でも私の方から要請をしておりますので、その辺はまた文科省さんとも連携をとって進めていきたいと思っております。
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委員
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外国出願の比率が24%とおっしゃいましたのは、去年の5,000件に対してではなく、もっと前の年になりますよね。少ない特許の数のときの時代ですよね。
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事務局
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これは2004年のデータです。おっしゃったように、今後増えてくると、若干これは下がる懸念がありますので。
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委員
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実は大学技術移転協議会の方でも今アンケートを全国のTLOと知財本部に流しています。外国出願の比率を上げようとしているのですが、恐らく企業よりも低い数字が出てくるような感じになっておりますので、ぜひこの点は促していただけたらと思います。
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委員長
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ほかに。委員どうぞ。
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委員
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ちょっとあえて耳痛いことを言わせていただきます。
南課長の方から経団連にもご説明いただいたときに、特に全体についていろいろ厳しいことを言わせていただいたんですけれども、今回の基本的な認識の中でやるのは、特許庁さん自身の自助努力がまず不可欠でしょうと。7ページの2にある「産業界等による取組」のところは、企業が基本的に考えてやる部分まで踏み込んで言っていただいているので、ちょっとそこまではという意見もありました。特に特許庁さんのいろんな意味での行政の役割の中で、先ほどのいろんな制度設計等環境整備をやっていただくという面と、実務そのもののある意味でのポテンシャルを上げていただくという大きな意味で2つあるかと思いますけれども、今回のこれは、出願があるいは審査請求がかなり多くなっているという事態を踏まえていうと、企業でいうと、例えばお客さんからこれを買いたいといって生産能力を超えればいろんな手を打ってやるわけで、そこのところをぜひいろんな形でやって、いろいろ工夫されているでしょうけれども、さらにもっといろんな知恵を出していだだければなと思っています。
多分、これだけ増えているのは、7年から3年に審査請求制度を短くしたのが大きな要因の一つだろうと思いますので、審査請求制度そのものをもう一回きちんと見据えて考えるようなことをしておかないと大変じゃないかという感じはしています。
あと7ページのさっき外国出願等の話が出ましたけれども、要するにマクロでこういう統計の数値を見ると、こんなふうに3割とか5割とか言いますけれども、さっき事務局のご説明がありましたように、基本的にはそれぞれの業種業態、企業のやり方によって変わりますから、こういう3割を目指しますということを挙げて、これについての達成度がどうのこうのというのは、ちょっと設定としてはあんまり前提条件が合っていないんじゃないかなという気がしています。
それから③の実効ある社内責任体制の整備というのも、これも当然企業であれば、自らのリスクで必要であればやる話でしょうし、それから⑤の特許管理行動計画の策定あたりについても、多分、企業が一番心配しているのは、以前あったAP60、80みたいな形のある種の数値での管理をして、こういうふうにしなさいと言われて、事項的にそれが一つの約束事になって自らの企業活動の行動を縛るような形にはしてほしくないと。
それからもう一つあったのは、数を絞っていきますということが実は研究開発の現場の研究者のある意味での開発意欲を見えないところでかなり削ぐんじゃないかという危惧される声が、産業界だけじゃなくて、弁理士会の本当の現場を見ている方もおっしゃる方、見識ある方はおられるので、ぜひ、こういうのをいろんな形で浸透するときに、一番大事なのは研究開発のところからいい発明が出ていって、それが産業のいろんな意味での活性化につながるというところですから、基本的に特許庁さんがロードを抱えて大変だというのはわかるんですけれども、ちょっとそこら辺のハンドリングを誤るとシュリンクする部分もあるので、ぜひそこのところは、いろんなところで真摯に耳を傾けていただきたいなと思っております。
以上です。
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委員長
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どうもありがとうございました。よろしいですか。
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事務局
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冒頭におっしゃった、まず特許庁がやるべきじゃないかというのは、それは我々審査官全力を挙げてこの問題には取り組むべく今いろいろ進めているところでございます。
あと2番目のところといいますか、産業界の要請事項でございますけれども、我々としてもう一度現在の大量出願といいますか、大量請求といいますか、そういった出願構造、現在の出願人の方々の行動をもう一度見直していただくことが結果として全体の競争力強化につながるのではないかということで、こういったことをご提案させていただいます。それは今おっしゃったような研究者の方々のインセンティブのために特許出願を利用するという、それはそれで、いいものがどんどん出てくるのであれば、我々も大歓迎で、我々全力を挙げて審査しなければならないのは当然でございます。ところが実際に見てくると、先ほどご紹介いたしましたけれども、半分拒絶のうちで、その半分は応答なく取下げてしまうとか、もう少し審査請求段階で精査をしていただければ、審査請求しなくて済むようなものも多々あるのではないかと我々考えている次第で、そういったところを効率化することによって、出願人の方々もより効率的な知財活動なり研究開発活動ができるのではないかと。我々も限られた資源を本当に特許化が必要な出願に振り向けられるのではないかと、そういったことで官民併せて協力をして進めていきたいというふうに提案させていただいている次第でございます。
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委員長
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ほかによろしいですか。委員どうぞ。
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委員
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今の事務局に反対するわけでもないし、委員を応援するわけでもないんですが、私どものところにも山口部長が来られていろいろご説明いただきました。委員とまるっきり同じこと、多分ほとんど同じことを言っていると思います。だから、産業界としてはそういう意見が大勢でありまして、取組のところの「産業界等による取組」ということは、産業界が入っていないところで踏み込み過ぎているんじゃないかなというふうに思います。
それからもう一つは、これも委員が言われたと思いますが、産業分野によって出願構造が非常に違う、これは特許庁さん当然ご存じだと思うんですが、その資料が出てきていませんけれども、ご存じですよね。そういう意味で、産業界による取組等については、先ほど協議会等をつくられると言われたと思いますが、そういう場で、場合によっては産業分野別にきちんとやられて進められた方がいいんじゃないか。ここに出てくるのは余りにも、産業界やっているところもある、やらないところもある、あるいは産業界にCPOを置けとか、ちょっと踏み込み過ぎではないかというふうな気がします。やはりここの場合は、産業界を入れて十分検討され、産業分野別にきちんと決められる方がいいんじゃないかというふうに思います。
それからもう一つお聞きしたいのは、特許庁さんのご努力ということで審査官一人当たりの年間処理件数、これはクレーム請求項ベースですが、1万1,000を1万4,000に上げる、外注やなんかのアウトソーシングはいいんですが、ここのところは、審査官の能力の向上ですよね。しかも費用も安くなっちゃう。これをどういうふうに担保されるのかなと思います。これもご存じだと思いますが、アメリカでバイオサイエンスが非常に出てきたとき、審査官によってバラツキが多かった。一時特許庁さんが人手が足りないときに、審査官によって非常にバラツキが多かった。後で産業界としては非常に困るわけです。そういうところで審査官の能力を上げて、請求項も一人当たり処理数を増やすというんですが、この辺の担保をどういうふうにされているのか。任期付審査官を雇ってどうのこうのだって一人当たりの処理数は多くなるわけですね。これをどういうふうにお考えになっているのかをちょっとお聞きしたいんですが。
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事務局
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一時、審査処理件数を上げることによって非常に審査のバラツキが出たということに対して、産業界あるいはいろいろなところからいろいろなご指摘をいただいて、我々審査の質の向上といいますか、安定的な権利を設定すべくいろんな取組をして、現在非常にいい評判をいただいているというふうに認識しております。今回この処理件数を上げることに対して、そこの質の担保といいますか、質は維持するということを大前提に進めさせていただきたいと思っています。そのために様々な業務の効率化を図ることによって基本的には、審査時間の拡大で質を担保しつつ、量を進めていくということで取り組みたいと思っています。
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委員長
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よろしゅうございますか。どうぞ。
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事務局
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委員のご質問の中に、審査官同士の審査のバラツキというお話がございましたけれども、我々も審査がばらつくと出願の厳選なり、審査請求の厳選をお願いできないというのは十分承知しておりまして、今は審査部の中に技術分野ごとにグループをつくりまして、その中で重要案件とかそういったものについては協議をした上で、こういったレベルで審査していこうというようなことを審査官同士がすり合わせをして審査レベルを合わせるような体制をつくっております、今ご指摘のような問題がないような形で審査を進めてまいりたいというふうに思っております。
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事務局
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委員方のお話の中で少し経産省として申し上げなきゃいけないことがあろうかと思いまして、まず個々の産業界なり、個々の企業にとってどういう戦略をおつくりなのか、これは当然あることは前提になっています。多分、各社で事情が違いますから、具体的なプランの中身も違ってくるんでしょう。それを一律に3割だ、2割だ、1割だということではなく、そっちの方向性として示しているので、それをベースにいろんなバリエーションを持っていただくのは構わないところだと思うんです。
他方で、これは本部長が大臣であることにあらわれるように、特許庁だけの方針ではないんです。産業政策を含めた経産省全体の問題意識をお伝えしております。そういう意味では、個々の企業の方々がもっとシリアスにこういうことを考えていただくということが個々の企業のためであり、日本の産業界のためであり、それが競争力の確保にもなっていくというふうに考えております。
それから、じゃ、個々の利益の追求がその和が全体の利益になっているかというと、今そうなっていない面があるんだと思います。これは制度改正によるとか原因はあるんでしょう。しかし、現象面からして実際こういう問題が起こったときにどうするかと。私は例が必ずしもいいとは思いませんけれども、渇水時の給水対策をどうするのか、それから環境問題で個々の企業と全体の環境保全をどうするのか、いろんなことを議論するときと同じように、個々の企業の自由でしょうというところが必ずしも全体の和にならないところがあるときに、全員がこういう方向を目指すことによって全体の効用を増すということをシリアスに考えなきゃいけない。そういう事態になっているんじゃないかと思います。
そういう意味で、経産省としては、これは余計なお世話を申し上げているつもりはなくて、みんなで一緒に考えていきましょうと。官は官でやり、民はこういうことについてお考えいただいてはどうでしょうかということでございます。
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委員長
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委員どうぞ。
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委員
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今の発言ですが、渇水対策とか環境対策とこれを同列に議論されることは例として不適当ではないかと思います。
基本的に日本のビジネス界の方は合理的に行動しているというふうに考えて良いと思います。他の国でこういう出願を抑制してくださいという例があるのでしょうか。例えば、経済がいいと言われているアメリカ合衆国で特許商標庁がそういうお願いをしていらっしゃるのでしょうか。
先ほど委員からご指摘があったように、審査請求期間を7年から3年に急激に短縮したというところに問題の原因があるのですから、問題を解消するために出願抑制のお願いなどという対症療法ばかりやるのではなくて、審査請求制度全体をもう一度検討するということが必要ではないかと思います。審査請求取下げという多少の手当てはしたわけですけれども、こういう議論が出てきたということは、それでは間に合わないということだろうと思います。ですから、もう一度審査請求制度を見直した方がいいのではないかと思います。
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委員長
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委員どうぞ。
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委員
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今の事務局のお話なんですが、国がやるべきことは、日本の産業をいかにするかということであって、国がこうしろという問題じゃないんですよ。そこを間違えないでほしい。要するにこれを決めるときに、本部長が経産省の大臣かどうかは別として、産業界をどういうふうに考えているか、産業界の実情がどうであるか、個々の産業界がどういうような出願構造になっているか、こういうことをきちんと考えた上で、それで国家戦略として産業界も国と協力してやりましょうということだと思うんです。国が決めたから、本部長か大臣だから、そういう発言ではやはりおかしいんじゃないんですか。
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事務局
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先に委員のご意見についてでありますけれども、こうしろああしろと言っているつもりはないんです。あくまでこういう方向を目指されたらどうですかという要請を申し上げているということだと思います。
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委員
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ですから、産業界と十分相談した上で、産業界の取組をどうするか決められたらいかがですかと私は言ったんです。
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事務局
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ご相談を排除しているつもりは全くなくて……。
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委員
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だから、そういうふうにしたらどうですかと。今後そういう協議会をつくられるわけですから……。
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事務局
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私の発言中でございまして、すみません。事前にこれは十分な時間がとれたかどうかという議論がありますけれども、経団連さんや知財協さんにも、こういうことを今後進めたいと思っておりますというお話をさせていただいて、詳細というか、具体は今後ということになってございますので、決して、そういうことを排除しているつもりはないし、むしろそうしますということも申し上げております。これをこの場でまずご報告させていただきます。そういう意味では、ああしろ、こうしろ、ここで終わりということでは全くございませんと。
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委員
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今のことについてまずお答えします。私どももその話は、先ほど言いましたように聞いておりますが、これが出てきたときに、産業界としては、経団連さんもそうでしょうけれども、何も聞いておりません。
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事務局
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これは私自身がやったので聞いていないということはないと思いますが、まあ、置いておいて、委員のご意見について少し申し上げますと、日本の個々の企業が合理的に動いておられると、私もそう期待したいと思っておりますが、これは個々の企業の評価をどのようにするかという問題なので、すべてがすべて日本の企業は合理的かどうかというのは、それこそ具体的なデータで精査する必要があって、またそれを何と比べるかということでも違ってくるのだと思っておりますと。
次に、米国ではこういうことをやっているかということでありますけれども、米国でやるかどうかということも大事ですけれども、国際出願率なり特許率なりを海外と比べてどうかという視点も同時に盛り込まないと、そうする必要性のある国とそれが全くない、それは最終的にはその国々が考える話ではあるわけでありますけれども、そういったものを比較した上で、私どもはこういった議論をさせていただいてはどうでしょうかということであります。
それから次に、7年、3年の話がありましたと。私は逆だと思っていまして、今、対症療法というお話がありましたけれども、私どもは決して対症療法だと思っておりません。むしろ、これは本来こうあるべきだということを申し上げているだけでありまして、たまたま7年、3年を機に、これがみんなで取り組むことを再確認するという意味ではいいきっかけだったと思います。じゃ、7年、3年をどうするかの議論でありますけれども、これは前回議論したから今回封殺するつもりではありませんけれども、私どもは依然なお海外の動向を見て、また現在の企業のいろんな実態を踏まえて、前回行ったような議論は依然として有効であると思っている中で、3年を7年に戻すという考え方をとるのは適当だと思っておりません。
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事務局
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ちょっと今までの議論の中で少し理解をさらにしていただきたいなと思っておりますのは、これは出願を抑制しなさいということを申し上げているのではないんです。むしろ、日本の民間の研究開発費は、トータル12兆円あります。仮にそれが特許の権利を求めてくるとしたとして、請求して5割が認められませんということからすると、その部分の研究開発費というのは、実はもっと先行技術というものをしっかりとサーチして、トレースをして、そこで研究開発戦略を立てていったならば、日本全体としても無駄にならなかったのではないか、もっと我が国の競争力を強化する方向に向かえたということは言えるんじゃないでしょうかと。これはマクロにも言えることではありますけれども、ミクロの個別企業の行動においても、そういうことは当然言えるのではないでしょうかと。
そういう視点から考えてみた場合には、研究開発と知的財産の権利化計画、こういったものを戦略的に考えて、更に合理的な方向に企業経営を向けていくということをされた方がいいのではないでしょうかと。これはおせっかいではなくて、当然おわかりになっているところもありますけれども、もう一度そういったことを日本全体で考える、あるいは個別の企業でお考えになるということが、むしろ合理的なのではないでしょうかというメッセージが込められているということです。
それからここで3、2、1というようなマクロ的な数字がありますけれども、これはあくまでもマクロで見たらこういう状況になっていますよということであって、もちろん、その中に業界ごとにいろんなバラツキがありますから、そこについては一律にこの数値ということではなくて、当然に業界ごとでの議論を深めていきたいと思っています。その意味でもいろんな段階でこういったご議論、あるいは協議会の場でのご議論が必要になってくるのだろうというふうに思います。
それから7年とか3年の問題も含めですけれども、やはり権利の早期化というところについて言えば、研究開発の効率化ということで大事だと思いますし、それから企業側の本音で言えば、こういってどうかわかりませんが、制度論として7年というものがあって選択肢が多様であれば、それは個々の企業にとってみれば非常に合理的な行動をよく組みやすくなる、それは当たり前のことだと思います。けれども、その当たり前のことが引き起こしている総合的な結果から見たときには、社会全体では監視コストも多くなってくるというようなことも当然出てくるわけで、そういったことも全部踏まえた上で、国際的な調和も考えて、少なくとも7年は3年にしましょうということで法律改正をしたわけです。だから、この中でのルールで我々はいかに日本の競争力を強めていくのか、ミクロの企業はいかにそのルールの設定の中で自分たちの最も効率的な合理的な選択をとっていくのかということが大事なんだと思います。
そういうことでございまして、これは出願を抑制しなさいと言っているのではなくて、こういうような視点でお考えいただくということが日本全体にとってもいいし、ミクロの企業レベルでもより合理的なんじゃないでしょうかと。もちろん、そんなことはうちは当然やっていますという企業はたくさんございますけれども、その方はそれでおせっかいとお思いになるところはあるかもしれませんが、そういう方も含めて、さらに広範な視点でより多数の企業が、今申し上げたようなこと、我々のメッセージを踏まえてもう一度このルールの中で合理的な行動をとるためにどうしたらいいかということを点検されてはいかがでしょうかと。
私どもとしても、それに対する支援なり協力ということは全面的にいたします。もちろん特許庁の側で審査を促進するというのは、その前の大前提でありますから、我々としては、ここに掲げてあるような目標を掲げて必ずこれを達成いたします。そういうメッセージだということでご理解いただきたいと思っております。
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委員長
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委員どうぞ。
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委員
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誠に恐縮ですけれども、私、所用のために間もなく退席しなければならないので、今の問題について一言だけ私の意見を申し上げておきます。
審査請求期間を7年から3年にするときに、当時の工業所有権審議会で審議されて、私も委員としてその議論には参加しました。私自身は、審査請求期間を3年に短縮することには賛成ですから、今でもその方向の方が正しいと思っていますが、当時の審議会で委員が一番懸念されたことは、7年を3年に短縮したら、ある時点において審査請求が膨大な数に及んで、そのために審査が停滞するということが起きるのではないかということを一番心配の種だったわけです。その問題を中心に、7年を3年にすることの善し悪しよりも、そういう法律改正をしたときにどんな事態が起こるかの方が当時の委員の心配するところであったわけです。
特許庁は、それは絶対大丈夫だということで言い切って、法律改正が行われたのです。ですから、結果的に、こういう事態になるということはある程度予測されたことであり、ただ、その事態をそのまま放置しておいていいということはないわけですから、それをいかにして解決していくかということは、現在の審査制度を運用する上では絶対に必要なことなので、そのために経産省がこういう効率化のための行動計画というのを考えるということは大事なことだと思います。行動計画は、目標としては、非常に大雑把で技術分野も、各企業の個別の対応も抽象化して入っていますから、その点ではもう少し実態に合うような表現を用いた方がよかったのでないかと私は思いますけれども。
それはそれとして、結果的には、何と言っても産業界の協力を得なかったら、この計画は遂行できません。私が今言っているように、法律改正のときに、7年を3年にしたらどういう問題が起きるというのを懸念したことと同じことが起きて、こういう行動計画が絵にかいた餅になりかねない。そこのところは産業界の協力が絶対必要なことです。私は産業界に対してある程度の、ここで書いてあるようなことを行政の側から望むのはもっともなところもあると思うんですけれども、実際に計画を実行に移すためには、ぜひともその辺を考慮して頂きたい。メンバーを見ると全部経産省の方々ばかりですから、今後この計画を本当に実行できるためには、産業界との間の意思交流というのをしっかりと進めてやっていただきたい。そうでないと、また前輪の轍を踏むことになりかねないので、そこのところを特に要望しておきたいと思います。
以上です。
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委員長
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どうもありがとうございました。
それでは、この件はこれでよろしゅうございますか。ほかに何かご意見おありですか。
それでは、特許制度は、今、技術進歩のための基本的な制度的なインフラだと思いますけれども、いろいろ大変な状況にありますので、これをどのようにして賢く設計して運営していくかということにつきまして、いろいろと委員の方からご意見をいただきましたので、ぜひともこれを参考にして、今後取り組んでいただきたいと思います。
それから先ほどご質問がありました在外者の定義について調べがついたということなので、ご回答いただけますでしょうか。
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事務局
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先ほど委員から、拒絶理由の応答期間のところで法人の在外者の定義についてご質問いただきました。調べさせていただいたところ、ご指摘されたように、運用上は本店の所在地をもって在外者かどうかを判断しているということでございます。
以上です。
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委員長
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それでは、きょうの予定した議題はこれで終了しましたが、きょうは報告書のとりまとめということをいたしましたので、中島長官の方からごあいさつをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
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中嶋長官
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中嶋でございます。本当に長い間、委員の皆様には大変拘束の多い会議になりましてありがとうございます。心から御礼を申し上げます。ちょっと座らせていただきます。
今日2つ申し上げたいんですが、1つは、今回のとりまとめについての御礼に関係するんですが、もともと、例の政府を挙げてやっている知的財産推進計画というものの中に特許の補正とか、分割制度とか、あるいは模倣品対策とかいろいろ課題に挙がっているということを、より具体的な方向性を出していただくためにご議論いただいたわけでございます。
端的に言って大きな問題意識は2つあって、特許制度、これは人間がつくった制度でありますけれども、その時々の時代の要請といいますか、変化に応じてより使い勝手のいいといいますか、もう少しはっきり言えば、今の日本の状況というのは、より特許権の保護が強く行われるようにという方向での見直しということ。それからもう一つは、これは特許に限らず、意匠、商標を含めてでありますけれども、模倣品の問題というのは、中国とかアジアの国も制度は整いつつあるとはいえ、非常に大きな問題だと。それに対して少しでもより有効な手立てをという2点であります。
その前者の方については、今回、分割制度の拡充といいますか、そういったような方向性も出していただきましたし、それから例の先使用権のエビデンス、実務でそれを使いやすくしていくかという点についても、いわばベストプラクティス集といいますか、そういうことを早急にまとめるようにという方向性も出していただきました。それから模倣品対策の方は、輸出の扱いとか、あるいは刑事罰の引上げとか、そういう方向も出していただきまして、これ自体としては、こういう方向で今度の国会、多分、実際に提出できるのは来月になると思いますが、国会でご審議をいただきたいと思っております。
その延長線で実は経済産業省的に言いますと、今、新経済成長戦略というものを春から夏にかけてつくろうとしております。経済構造改革というのは実は10年前の橋本内閣のときから言い出して、若干紆余曲折あって今、小泉内閣の看板になっているわけですけれども、10年ぐらいやってきて、これからどうなるんだということでありますけれども、その中で、もちろんマクロの名目とか、実質の成長率とか、消費税をどうするんだとかという議論もありますけれども、他方で企業、産業として、内外の資金とか人材とかをこれまた国の外でも中でもどうやってうまく活用していくか。そういう中で技術とか知的財産をどううまく活用していくのか。最終的には全体のそういった要素を組み合わせる経営力といいますか、もちろん、すべて個々の民間企業のご努力によるところなんですけれども、少しでもそういうことをしやすいような環境をつくっていくという方向で、同じ産業構造審議会の別の部会で議論を始めていただいたところであります。ですから、この知財の話もそういう中に組み込まれていくものと思っております。
それからもう一つの点は、先ほどたまたま1月の17日に特許審査迅速化・効率化の推進本部がございましたので、その紹介をさせていただいていろんなご意見をいただきましてありがとうございました。若干補足をしますと、まさに今日も化学業界の方々と懇談というか、意見交換をさせていただいたんですけれども、今私どもがやっておりますのは、主な業界ごとに、あるいは特に出願というか、登録といいますか、件数の多い企業の方には個別に私が伺っていろいろ意見交換をさせていただいています。ですから、当然ながら具体的な企業・産業界の取組にはそれぞれの事情があって、単純に言って、例えば特許の歩留り率だって業種でみれば確かに自動車とか鉄鋼が非常に高くて、事務機器とかが低いんですけれども、それはそれでいろんな業界のご事情もあったりとか、ところが、同じエレクトロニクスの中でも企業によってまた格差もあるんですね。そういうこともいろいろお聞きしながら問題意識はシェアしていきたい。
もう事務局が申し上げたのであんまりくどくど繰り返しませんけれども、端的には、7年、3年の話は、国際的な動向の中でそれに合わせていこうと。私も去年から例えば日米欧3極の特許庁長官会合とかやって、要は率直に言いますと、WIPOの議論というのは、もちろん、これからも一生懸命やっていきますけれども、途上国の問題があってそう簡単には進まないわけです。そうすると、少しでも日米欧とかそういうところで進めていこうと。これはアメリカの特許庁とも問題意識は共有しているんですが、お互いに多く件数を抱えて、しかも日米欧で年間100万件ぐらいのうちの20万件ぐらいはお互いに双方で出し合っているわけですから、そういうところについては、理想を言えばワンアプリケーション、ワンサーチ、ワンイグザミネーションで、日本で特許がとれたら自動的にアメリカでも特許になるとか、そんなふうになっていくのが産業界の立場からすると将来的には一番いいのかもしれません。ただ、残念ながら今すぐそういうことはが、あるいは逆にアメリカで特許になったら、それが自動的に日本で特許になるとか、なかなかそこまではいかないと。少なくともワンアプリテーション、ワンサーチぐらいのことは実務的に工夫すればできるんじゃないか。そういうような問題意識で、例えば日米の特許審査ハイウェイと言っているんですけれども、要するに最初に特許をとった方の結果をその次の特許庁で利用していただいて早期審査をしようと。こういうことをやろうと思うと、お互いに双方向でそれぞれの審査結果ができるだけ早く提供されるということが必要なわけなんですね。
この点については、実は業界によってはいろんな本音ベースの話があるんですけれども、そういう話は今回捨象しまして、大きな流れとしては、少しでも特許庁間の重複した作業を避けながら取り組んでいくことが、結果的にそれぞれの産業界の出願人の方が早く安いコストでそれぞれの国で特許をとるということも必要なんだろう。そういうような全体のハーモナイゼーションの中で日本の特許制度とか運用もやっていきたいというのがございます。
ですから、もちろん今回のこういった審査請求が増えるというのは想定の範囲内ではあるんですが、ただ、そうはいっても、これだけの件数の事態になっておりますので、もう一度そこをしっかり取り組むという意味で、私どもは任期付の審査官の話とか、サーチの外注の話とか、あるいは、そういったアメリカの特許庁との協力関係、これが今年なるべく早くトライヤルでスタートしようとしていますし、韓国とも今それをやろうとしているんですけれども、そういうこともやっていくと。
他方で、さっきからお話が出ている、ここに出ていらっしゃる産業界の方は十分おわかりなんですけれども、この際ぜひ企業の方にも、それぞれの知的財産戦略を深めていただきたい。私にしてみれば、十数年前に当時の通産省で知的財産政策室をつくったころに比べれば、世の中全体常識のようにみんなが知財、知財と言っていただいているわけです。その中でこれも釈迦に説法になりますけれども、ノウハウでとっておいた方がいいのも、特許としてトライすべきもの。特許としてやるからには、まちの発明家の方ならいざ知らず、国際的な競争をする業種とか企業であれば、できるだけグローバルな出願もしておかないと、いざというときには意味がない。そういうことを、ポートフォリオを考えるためにも、先ほど申し上げた先使用権をどうやったら日頃から確保していくかとかいろんなことについて、それぞれの業種とか企業の方でもお考えいただきたいし、私どももそれを少しでも取り組んでいただけるように、サーチのための情報、これは審査官と同じようなアクセスができるように情報提供を工夫するとか、あるいは先使用権のガイドライン的なものを考えるとか、いろんなことを取り組んでいきたいというわけであります。
したがって、冒頭申し上げた個別に、今まで私自身がやりましたのは、自動車部品とか化学とかゴムとかですけれども、これからも3月にかけて順次やっていくつもりですけれども、そういうところでお互いに問題意識を共有しながら、一国の知的財産の制度というのは、官民の二人三脚だと思いますので、私どもも精一杯やりますし、それぞれの企業のお立場でも、どういう形でやるのが本当に強い競争力に結びつくのか、当然ながら、私がこんなことを言うのは変な話なんですけれども、特許をどんどん、出願なりとっていくことだけをトライして、かえって意図せざる技術情報の垂れ流しになっても、むしろ意に反するわけですし、いろんな角度からもう一度社内での取組を深めていただきたいという意味で今意見交換をさせていただいているというわけでございます。
今回は、とりあえず、この報告書をおまとめいただきましたけれども、これからも知的財産の制度というのは、シンカという、進むのか、深まるのか、時に応じていろんな課題がまだ続くと思うんです。したがいまして、先生方には、引き続き産業界の具体的なニーズとか、あるいは国際的な動向も踏まえながら折に触れてまたいろんなご意見というか、ご教示、ご示唆を賜ればありがたいと思っております。
どうも本当にありがとうございました。
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委員長
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どうもありがとうございました。
それでは、以上をもちまして、産業構造審議会知的財産政策部会第23回特許制度小委員会を閉会させていただきます。
本日はどうもありがとうございました。
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