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第1回特許制度小委員会 議事要旨

平成14年9月19日
経済産業省特許庁

9月18日(水曜日)14時~16時、産業構造審議会知的財産政策部会第1回特許制度小委員会(委員長:後藤 晃・東京大学先端経済工学研究センター教授)が開催された。

1.委員会の趣旨

産業構造審議会知的財産政策部会特許制度小委員会は、知的財産戦略大綱において早期に検討が必要とされた特許制度に関連した事項につき検討を行う。

2.審議内容

以下の項目に関する現状や検討課題について事務局から説明。
その後、自由討議を行ったところ、委員からの意見は以下のとおり。

(1)最適な特許審査に向けた特許制度の在り方について

  • 我が国は先願主義であり、先行技術調査がなくとも出願は早くせざるを得ない。
    よって、出願と審査請求とは分けて議論すべき。
  • 政策誘導的な料金体系もあって良い。
  • 手数料は実際に要する審査のコストの観点から検討すべき。出願件数が多いから料金体系を見直すというのはおかしい。
  • 単一性の範囲、継続出願等も考慮した合理的な制度を検討し、それを踏まえた手数料の議論が必要。
  • 審査費用の実態を示して欲しい。
  • 取材によれば、十分に先行技術調査もせずに出願している実態や、強い特許をとるというより報償を得るために発明を小分けで出願する実態を聞く。特許庁は企業の実態をよく把握すべき。
  • 審査請求の多くなる原因は、甘い審査にもある。審査をキチンとやってもらうことが重要。
  • 海外の企業は、国内出願が増やせないと悩んでおり、日・米、日・独等の間に理想型があるのではないか。
  • 出願料を中小・大企業で分けて欲しい。

(2)実用新案制度の在り方について

  • 実用新案制度を検討するのであれば、手続の簡素化とともに、企業のアジアでの事業展開に伴う権利保護、ノウハウの保護といった観点からも検討すべき。
  • 企業の立場から言うと、個人発明家から実用新案を使った権利侵害の問い合わせが多くなっており、その対応コストが増大していることに留意が必要。
  • 実用新案は、平成5年の改正において、特許審査を促進する観点からも無審査としたはず。検討に当たっては、こうした特許審査との関係も踏まえるべき。

(3)医療行為と特許について

専門的な話であり、WGを設置することで了承。

(4)職務発明制度の在り方について

  • 中村判決は、自由発明か否かという論点もある。論点を職務発明だけに限ることは不十分ではないか。
  • 職務発明については、国際的な視点も必要。日・独だけの特異な制度ではないか。

3.今後の審議スケジュール

第2回特許制度小委員会は、10月15日(火曜日)15時30分~17時30分に開催予定。
年内に中間とりまとめ、年度末に最終とりまとめ予定。

別紙

産業構造審議会知的財産政策部会特許制度小委員会 委員名簿

【委員長】

 

後藤 晃

東京大学先端経済工学研究センター教授

【委員】

 

相澤 英孝

早稲田大学アジア太平洋研究センター教授

浅見 直樹

日経エレクトロニクス編集長

阿部 一正

新日本製鐵株式会社参与・知的財産部長

市位 嘉宏

日本アイ・ビー・エム株式会社第一知的所有権担当副部長・弁理士

江崎 正啓

トヨタ自動車株式会社知的財産部部長・日本知的財産協会理事長

岡田 和廣

株式会社ワコー代表取締役

北村 行孝

読売新聞社論説委員

志村 勇

松下電器産業株式会社IPRオペレーションカンパニー知財開発センター所長

下坂 スミ子

下坂・松田国際特許事務所弁理士

田中 信義

キヤノン株式会社常務取締役 知的財産法務本部長

田中 道七

立命館大学副学長・関西TLO株式会社代表取締役専務

長岡 貞男

一橋大学イノベーション研究センター教授

西出 義一

藤沢薬品工業株式会社知的財産部長・日本製薬工業協会知的財産委員会委員長

松尾 和子

中村合同特許法律事務所弁護士・弁理士

渡部 俊也

東京大学先端科学技術研究センター教授

[更新日 2002年9月24日]

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