第3回特許制度小委員会 議事要旨
平成14年11月18日
経済産業省特許庁
11月15日標記委員会(委員長:後藤晃東大教授)が開催されたところ、概要は以下のとおり。
冒頭、事務局から日米の審査協力についての進捗状況報告。
1.審査制度
- 国際競争力確保の観点から国際出願が不可欠の中で、出願書類の補正、一度の出願書内に含まれる発明の範囲の規定、特許請求の範囲の記載要件などは国際的な制度の調和という現在の事務局案の方向で検討すべき。
- 特許請求範囲の記載要件の明確化については、制度改正よりも審査官と出願人との間の意志疎通が重要ではないか。
- 大学等が原理特許を取得する場合や技術動向の早い先端分野で、補正の範囲を広くすることは有意義。他方、成熟した技術分野では、補正の拡大により権利間に抵触がおきやすく、混乱を招く可能性が大きいのではないか。
- 早期審査の急増は、他の案件の審査待ちが深刻化する可能性があり、公平性・透明性を担保すべきであり、実施関連以外は慎重に検討すべき。他方、業種によっては外国出願の場合の早期審査制度はメリットあり。また、ベンチャー企業については早期審査を推奨すべき。
- 同一の審査請求人の案件は、審査請求の順番にかかわらず、審査の順番を変更可能にすべき。他方、(複数の委員から)慎重に対応すべきとの意見あり。
- 民間調査機関は、審査請求料金を上げれば市場ができ、状況が好転するのではないか。
- 特許庁の持つ情報は広く使うべきであり、特許電子図書館(IPDL)は、サービスの拡張を含め一層使いやすくすべき。
2.料金制度
- 審査請求取り下げ分の料金返納制度創設については様々な観点から検討すべき。
- EPOによる調査報告添付の場合の料金一部減免は国際出願奨励につながる。
- 審査請求料を上げる場合には、即時導入可能な着手時払い制度を検討すべきではないか。
- 特許料金を下げる場合には、累進制については全体としてのバランスに留意すべき。
- 特許審査の迅速化のためには、料金体系の見直しだけでなく総合的な対策で対応すべき。
- 企業としては、長期的にはメリットのある料金体系の見直し案には賛成だが、知的財産部としての予算の制約があるため短期的には何らかの影響緩和策について引き続き検討していただきたい。
3.議論の結論と今後のスケジュール
委員会では、今後我が国が目指すべき、迅速かつ的確な特許審査の在り方として、補正の見直し、料金体系の見直し、早期審査制度などを含めた総合的な対策を講ずることの必要性について、多くの委員から様々な意見が出たため、今後、事務局において、産業界など関係方面と具体的な議論を深め、次回までに、迅速かつ的確な特許審査の在り方について、できる限り総合的な対策案を作成し、次回の委員会において中間的な報告をとりまとめることとなった。
次回、第4回委員会は12月12日(木曜日)15時半から、中間とりまとめ案について審議予定。
以上
[更新日 2002年11月19日]
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