第14回特許制度小委員会 議事要旨
平成15年10月20日
経済産業省
特許庁
10月17日標記委員会(委員長:後藤 晃東京大学教授・先端経済工学研究センター長)が開催されたところ、概要は以下のとおり。
報告書案の修正に関する意見
- 勤務規則、報償規程を使用者等が「一方的」に定めているとの記載は、表現が強すぎるので削除すべきではないか。
- 報告書案第2頁の第3段落に、企業や大学等のリスクを低減することが必要である旨の記載を加えるべきではないか。
- 報告書案の第3頁に、我が国における将来の雇用形態や雇用流動性の状況によっては、今後第35条の廃止もあり得る旨記載すべきではないか。
- 報告書案第5頁1行~2行における「ただし、使用者が実施する場合、」の記載は、通常実施権のことについて言及していることを明確にすべきではないか。
- 報告書案第7頁21行~24行における「また、職務発明をめぐる訴訟の判決を契機として、~基本的な問題点は改善されていない」の記載は、対価が高ければ高いほどよいとの印象を与えかねない。この記載は削除すべきではないか。
- 報告書案第12頁1行~4行における「なお、対価の決定の際における発明価値の評価~場合があることに留意すべきである。」との記載は意味がわかりにくい。記載を明確化すべきではないか。
- 報告書案第12頁14行~16行における「包括クロスライセンス~許容すべきこと」の記載は、他の記載と比べて具体的すぎる。この記載は削除すべきではないか。
- 報告書案第12頁14行~16行における「包括クロスライセンス~許容すべきこと」の記載は削除すべきではない。ただし、表現振りについては検討の余地があるのではないか。
- 報告書案第17頁には、職務意匠について、承継から早い段階で対価を決定することも必要である旨記載されている。職務発明についても、承継から早い段階で対価を決定することが許容されることを明確化する記載を加えるべきではないか。
報告書案全体についての意見
- 報告書案には、これまでの小委員会における議論が網羅的に記載されているのではないか。
- 報告書案は、労働者側から見ても評価のできる内容である。使用者側が、労働者の主張をある程度反映させることによって、両者間の紛争が減少することを希望する。
- 報告書案は、発明は発明者に帰属するという現行法の枠組みの中で、最大限対価の予測可能性を高めるものと評価できる。適切な手続を踏むことによって、使用者側は対価の予測可能性を高めることができ、従業者側は満足度が高まることとなる。
- 今後、報告書案の趣旨に沿って職務発明規定の条文が策定されることを要望する。
- 対価についての予測可能性を高めるため、「対価の決定」に際し合理的な手続を踏んでいれば、「対価」自体については裁判所における不合理性審査の対象から除外すべきである。
- 報告書案では、「対価の決定」の不合理性の判断基準が必ずしも明確でない。それが明確でないと、結局は「対価」についての予測可能性が高まらないのではないか。
- 不合理とされないための明確な基準を設ける場合、当該基準は画一的かつ高いレベルに設定せざるを得ない。そうなると、各企業、各大学における事情を柔軟に反映させることができなくなってしまうのではないか。
- 不合理性について、厳格な基準を設けることはむしろ妥当ではなく、改正法の解説等において職務発明規定の趣旨を説明することで対応すればよいのではないか。
今後のスケジュール等
17日の小委員会での議論を踏まえ報告書案を修正した後、修正後の報告書案はパブリックコメントに付される。このパブリックコメントを踏まえて報告書が取りまとめられる予定。
なお、次回の小委員会は、12月上旬頃に開催予定。
以上
[更新日 2003年10月21日]
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