第19回特許制度小委員会 議事要旨
10月31日(金曜日)16時00分~18時00分に、産業構造審議会 知的財産政策部会 第19回特許制度小委員会(委員長:後藤 晃 東京大学先端科学技術研究センター教授)が開催された。
1.審議内容
以下の項目に関する現状や検討課題について事務局から説明。
その後、自由討議を行ったところ、委員からの意見は以下のとおり。
(1)補正制度の見直しについて
- 明確な「シフト補正」(発明の内容を大きく変更する補正)を禁止することには反対しないが、微妙なケースについては柔軟な運用をすべき。
- 「シフト補正」違反の場合には、分割で対応できるような制度設計とすべき。
(2)分割制度の見直しについて
- 分割出願制度の濫用をどのように防止するかについて検討すべきではないか。
- 分割の時期的要件の緩和は、欧米の制度とも調和するものであり、意義があるのではないか。
- 分割出願時には新規事項の追加が禁止されており、もとの出願の当初明細書の範囲内でしか発明の内容を変更できないのだから、分割制度の濫用を危惧する必要はないのではないか。
- 特許電子図書館の機能向上により、分割出願についての第三者監視負担を軽減するのがよいのではないか。
- 提示された濫用防止策の中では、分割できる時期を、もとの出願から一定期間に制限するのがよいのではないか。
- 分割の内容的制限の緩和(実質同一発明についてのダブルパテントの許容)については、反対意見もあるが、ニーズもある。
- 分割出願に係る発明と、もとの出願に係る発明とが同一でないことについての説明を義務化するのは、出願人の負担が大きいのではないか。
- 標準規格に係る発明については、「世代数の制限」や「近接着手」をされると出願人が困るのではないか。
(3)一部継続出願制度、国内優先権制度について
- 一部継続出願は第三者の監視負担が増大するものと考えられる。現行の国内優先権制度で充分ではないか。
- 今すぐに一部継続出願制度を導入することは難しいかもしれないが、フロントランナーを保護できるような制度設計について、今後も検討すべきではないか。
(4)権利侵害行為への「輸出」の追加
- 模倣品の輸出を止める意義は理解できるが、現行の実施行為では不十分なのか。また、他の法律で手当てできないか検討すべきではないか。
- 輸出を実施行為とする場合には、間接侵害の扱いについて検討が必要ではないか。
- 諸外国において、特許法で輸出を実施行為としていない理由を調査すべきではないか。
(5)刑罰の強化
- 懲役刑と罰金刑の併科は合理性があると考えられる。
- 窃盗は物が奪われてなくなってしまうという点で、特許権侵害とは異なる。特許権侵害と窃盗を同様には考えられないのではないか。
2.今後の審議スケジュール
第20回特許制度小委員会は11月28日(月曜日)16時00分~18時00分に開催予定。第21回特許制度小委員会は12月16日(金曜日)16時00分~18時00分に開催予定。
[更新日 2005年11月15日]
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