ここから本文です。
令和3年4月
特許庁総務部企画調査課
日本企業を取り巻く競争環境が厳しさを増す中、経営層は、迅速・的確に経営判断を行う必要があります。
迅速・的確な経営判断には、客観的な裏付けが必要であり、公開情報たる知財情報は経営判断に有益な情報の一つであることから、経営判断における知財情報の活用(IPランドスケープ)がますます期待されています。
そこで、特許庁としても知財情報を活用した経営の普及・定着に貢献するべく、IPランドスケープの取組の現状を可視化し広く共有することを目的として調査研究を実施し、報告書にまとめました。
本調査研究の結果を、各企業におけるベンチマークやIPランドスケープの実装に向けた課題の特定等にお役立ていただければ幸いです。
調査報告書につきましては、下記のリンクよりダウンロードしてご参照ください。
概要版につきましては、下記のリンクよりダウンロードしてご参照ください。
本調査研究では、IPランドスケープを「経営戦略又は事業戦略の立案に際し、(1)経営・事業情報に知財情報を取り込んだ分析を実施し、(2)その結果(現状の俯瞰・将来展望等)を経営者・事業責任者と共有(※)すること」と定義しました。
(※)ここでの共有とは、分析結果を提示することをきっかけに、経営戦略又は事業戦略の立案検討のための議論や協議を行ったり、分析結果に対するフィードバックを受けたりするなどの双方向のやり取りが行われることをいいます。
IPランドスケープの概要図
IPランドスケープという言葉を知っていると回答した者は約8割を占め、その内、IPランドスケープを理解していると回答した者は約3割でした。また、IPランドスケープが必要と回答した者は約8割であったものの、IPランドスケープを十分に実施できていると回答した者は約1割でした。
IPランドスケープの理解・必要性・実施状況
IPランドスケープを導入したことによる効果及び成果(アンケート調査)は次の通りです。
また、ヒアリング調査でも各事業フェーズにおいてIPランドスケープが有効に活用されているといった結果が得られました。
※特許庁では、別途【新事業創造に資する知財戦略事例集~「共創の知財戦略」実践に向けた取り組みと課題~】を作成しました。こちらも併せてご参照ください。
IPランドスケープの効果・成果(アンケート調査)
IPランドスケープの効果・成果(ヒアリング調査)
アンケート調査やヒアリング調査を通じて、IPランドスケープを可能にした要因として、「(1)IPランドスケープに対する理解」・「(2)経営層の理解」・「(3)部門間連携の構築」・「(4)知財部員のスキル向上」・「(5)情報収集の環境整備」が挙げられました。
IPランドスケープを可能にした要因の俯瞰図
IPランドスケープを実施できている者へのアンケートから次の結果が得られました。
IPランドスケープを高尚で難しいものと考えず、「知財情報を活用して経営・事業に貢献する」ことを意識した取組をまずは実施してみることが重要です。
本格実施に至るまでの期間・実施体制・知財業務担当者数
[更新日 2021年4月21日]
お問い合わせ |
特許庁総務部企画調査課 特許戦略企画班 電話:03-3581-1101 内線2152 |