ホーム> 支援情報・活用事例> 一般支援情報> スタートアップ&アトツギベンチャー プロボノ人材マッチングプログラム(2025年度)> スタボノ2025成果共有会レポート
ここから本文です。

特許庁が主催する、スタートアップとアトツギベンチャーの事業課題へ、知財人材やビジネス人材で挑戦するマッチングプログラム「スタボノ」。
2026年2月、その集大成となる成果共有会が開催されました。知財・法務・ビジネスのプロたちが垣根を越えた成果をレポートします。
スタボノは、弁理士や弁護士などの「知財人材」「法務人材」と、経営企画・広報・マーケティング等を担う「ビジネス人材」が3名1チームとなり、スタートアップ等の事業課題(知財戦略、契約、市場探索など)を解決するプログラムです。
単なるアドバイスに留まらず、現場に深く潜り込み、3ヶ月という短期間で具体的なアウトプット(出願、契約書雛形、戦略ロードマップ等)を出す実戦形式が特徴です。
「本業では得られない経験を積みながら、自身のスキルを社会に活かしたい」と考える企業・事務所所属の人材と、「リソースが限られる中で、実務経験豊富な人材のサポートを受けたい」と考えるスタートアップ・アトツギベンチャーの双方をマッチングする仕組みとなっています。


特許庁のプログラムではありますが、知財人材に枠を狭めず、各領域で横断的に取り組む必要性がある課題を多様な人材が3人1組でチームアップすることも特徴です。

今年度の成果共有会でも、その垣根を超えた体験によって自身のコンフォートゾーンを超える『支援先への成果』、『学び』を得られたという声も多くいただきました。
“3人が違う立場から意見を交わすことで(アウトプットの)精度が数倍にもなった。1足す1足す1が3ではなく、それ以上になる感覚だ。”(成果共有会(発言抜粋) プロボノ参加者)

プロボノ側の満足度だけでなく、支援先へのアンケートでも「プロボノによる支援を通じて得られた成果物(資料・分析データ等)は、貴社の業務にとって有益でしたか」は10社/10社が有益であったと回答し、双方向な価値が生まれたことを表しています。
成果共有会では、全10チームが達成した驚異的な成果と、泥臭くも充実した活動の裏側が語られました。
ここでは3チームをピックアップして紹介します。
「活動終了後も、支援先が自走できるように」 、有限会社電研を支援したチームが最初から最後まで貫いたポリシーです 。

“最初に「価値の明確化→市場分析→プロモーション」へと繋げる一連のフローチャートを明確に定義し、その流れの中で3人が協力する体制を決めたことが最も大きかった。”(成果共有会(発言抜粋)有限会社電研支援チーム 桑田さま)
特筆すべきは、そのチーム運営の温かさです。プログラム終了後、Slack上ではプロボノメンバーから支援先へ「サンキューメッセージ」が送られていました。
こまめな情報共有と支援先を含めて参加する全員の前のめりな姿勢が自然と「一つのチーム」という連帯感を生み、アイデアが次々と重なるポジティブなサイクルを回しました。
【本チームの主なアウトプット】
大阪の町工場である圓井繊維機械株式会社を支援したチームは、プロボノメンバーの誰も経験がない「繊維業界」という新天地に挑みました。
彼らが取り組んだのは、サステナブルな新素材の用途探索です。プロジェクトの初期はあえて役割分担を決めず、それぞれの専門性からアイデアを出し合い、結果として、具体的なターゲットを特定し、企画書の制作、連携候補先企業への打診から面談の約束まで到達しました。

“少し悩んだのは、キーワードから連携や用途を考える際(連想ゲームのような段階)に、特許を調べていく手段が多岐にわたり「誰がどう実施するか」を少し決めにくいところがあった。そこで、一旦役割分担はせず、全員が自分のやり方で実施してみる形をとった。持ち寄ってみると多種多様なアイデアが出てきたので、判断材料としては非常に良かったと感じている。”(成果共有会(発言抜粋)圓井繊維機械株式会社支援チーム 繁田さま)
「職種や業界が異なる多様なメンバーが集まれば、1+1=2を超える仕事ができる」。その言葉通り、支援先の担当者も「本当のチームの一員」としてプロボノを迎え入れ、深い信頼関係の中でプロジェクトは完遂されました。
【本チームの主なアウトプット】
甲子化学工業株式会社を支援したチームは、「ネットでは絶対に分からない知財戦略」を出すことにこだわったと言います。

事業上の課題仮説を基につぶさに引き出し、メンバーそれぞれの専門性と密な連携を通じて「明日から使える」というコンセプトの成果物に仕上げたことには、成果共有会に参加した本事業委員からも「3ヶ月でこれほどの成果が出たことは驚き」と声が上がりました。
本プログラムでは事前に“現実的”、“野心的”の2パターンの目標を各チームで設定していましたが、本チームは“野心的”の目標まで殆ど達成し、しかもその全ての成果物に甲子化学工業株式会社ならではの「フレーバー(工夫)」を盛り込むことを非常に意識されていたのが印象的でした。
【本チームの主なアウトプット】
3ヶ月を終えた参加者へのアンケートでは、100%が「自身の貢献を実感できた」と答え、約93%が「自身のスキルに自信が持てた」と回答しています。


スタボノという場が、支援先であるスタートアップ・アトツギベンチャーにとっては専門家の知見を得て事業を加速させ、プロボノは慣れ親しんだ組織を飛び出すことで、自身のスキルの真価を再発見する機会となりました。
“私は昨年度は委員として見ているだけだったが、今年はメンバーとしても活動し、成果を出した自負もある。委員とプロボノ参加者の2つの立場を経験し、成果共有会で皆さまの話を聞いて改めて感じたのは「現場での様々な化学反応や泥臭いやり取り」が確実に起きているということだ。現場のリアルをうまくフィードバックし、この取り組みがさらに良くなるようにしたい。”(成果共有会(発言抜粋)ピクシーダストテクノロジーズ株式会社 木本さま)
スタボノも2年目が終了を迎え、昨年度に引き続き様々な可能性を垣間見ることができました。今回得られた知見をもとに取り組みのアップデートを検討していきます。
[更新日 2026年3月6日]
|
お問い合わせ |
|
特許庁総務部普及支援課産業財産権専門官 電話:03-3581-1101 内線2340 |
|
特許庁総務部企画調査課人材育成班 電話:03-3581-1101 内線2152 |