• 用語解説

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ブラジル 意匠規則

 1. 所有権

1.1. 産業財産法第6条(4)に基づく創作者の氏名の非開示請求は,登録出願に示さなければならず,創作者を指名し身元を明らかにする出願人の書類,及び自己の指名の非開示を請求する創作者の陳述書を,封緘した封筒に入れて,添付書類として願書に添付しなければならない。

1.1.1. 国家産業財産庁(以下「INPI」と略称する。)による協議に基づいて,上記の書類及び陳述書は封緘した封筒に保管する。

1.2. 創作者の氏名の非開示請求に基づいて,INPIは主題の事件に関連する公告においてかかる情報を省略し,第三者に提供された事件の複写からも省略する。

1.3. 1.1.の場合,法律上の利害を有する第三者はINPIに対して創作者の氏名を開示するよう請求することができるが,ただし法律の罰則を留保して,合法性の欠如の有無を判断しこれに異議申立するために必要な程度を超えてかかる情報を開示しない旨の確約に基づくものとする。

 2. 猶予期間

2.1. 工業意匠(以下「意匠」と略称する。)の開示が,産業財産法第12条(a),(b)及び(c)に基づいて意匠の登録出願日又は優先日に先立つ180日の間(猶予期間)に行われた場合は,技術水準とはみなされない。

2.2. 出願人は,産業財産法第12条の適用上,出願時に,出願人自身が開示した開示の方法,場所及び日付を示すことができる。

2.3. INPIは,審査中必要とみなすときはいつでも,産業財産法第12条に規定するように,かかる開示に関連した証拠でその存在と日付に関する確実性の要件を伴っているもの,及びかかる開示の関係を,60日以内に提出するよう求める指令を発することができる。

 3. 優先権

3.1. 優先権の主張は,適切な原出願国の書類によって証明されなければならず,これには図面並びに場合により明細書及びクレームを含め,出願証明書又はこれに相当する書類の非公式の翻訳文を添付する。

3.2. 出願証明書又はこれに相当する書類において参照された出願を明らかにする全てのデータが登録出願(様式1.06)と合致している場合は,かかる適切な書類の提出日までに,産業財産法第16条(2)に言及する非公式の翻訳文と同一の趣意の宣言を,それぞれの願書について又は分離して行うことができる。

3.3. 優先権の主張が登録出願時になされ,産業財産法第16条(1)に基づき他の優先権の主張によって補足された場合,個々の証明についての登録出願日からの最初の90日の期間(産業財産法第99条)は変更されない。

3.4. 優先権の基礎となった書類が,権利の譲渡によってブラジルで出願した出願人以外の出願人に帰属する場合は,ブラジルにおける出願に先立つ日付で署名された対応する譲渡証書の謄本,又は公証/認証のない譲渡陳述書又はこれに相当する書類に,非公式の翻訳文又は2か国語の書類を添付して,提出しなければならない。

3.4.1. 優先権の譲渡証書の方式要件は,その捺印書類が署名された国の法律によって決定される。

3.4.2. 出願人が出願人の使用者又は創作者の契約者である意匠の登録出願の場合,出願及び優先権についての権利は譲渡されたとみなされるが,ただしかかる関係及び将来の創作物の譲渡を証明する書類又はこれに相当する書類を提出することを条件とする。

3.5. 産業財産法第16条に規定する優先権の主張の証拠がない場合,その優先権は喪失したとされるが,ただし産業財産法第221条の規定を適用して,当事者が正当な事由で履行しなかったことを証明する場合はその限りでない。

 4. 意匠の登録出願

4.1. 意匠の登録出願は,常にポルトガル語でなければならず,次を含まなければならない。

  • (I) 様式1.06による願書
  • (II) 場合により,本規則の規定に基づく明細書
  • (III) 本規則の規定に基づくクレーム
  • (IV) 本規則に規定する図案又は写真
  • (V) 対象物の使用分野
  • (VI) 法定出願手数料の納付受領書

4.2. 意匠の登録出願は,INPIの事務所の受付に送るか,又はプラサマウア(Praca Maua)7のINPIの特許部(DIRPA/SAAPAT)宛に,コードDVPを記載して,書留郵便で送付することができる。

4.2.1. 郵送された願書は投函日に受領されたとみなされ,土曜日,日曜日若しくは休日並びにリオ・デ・ジャネイロのINPIの主たる事務所の受付終了時に投函されたときは,翌就業日に受領されたものとみなされる。

4.3. 上記の(I)から(V)までの規定に方式上は合致しないが,出願人及び創作者に関連する情報を含む出願で,対象物が完全に識別できるような図案又は写真で構成されるものは,INPIでの受領日付で提出することができ,INPIは産業財産法第226条に規定するように,その受領確認から30日以内に指令が履行されることを規定する。

4.3.1. 方式に関する指令が履行された場合,登録出願は受領書に明記された日付で提出されたとみなされる。

4.3.2. 記述された対象物が原文と対応しない場合,提出有効日とみなされる日付は,指令が履行された日とする。

4.3.3. 指令に従わない場合,出願は出願人に返送されるか,又は爾後返送が可能になるまで,INPIの特定のファイルに保管して出願人が利用できるようにする。

4.4. 出願を郵送で提出したときに,出願人へ返送するために追加の出願様式書類を送付する場合があったときのために,出願人は追加の出願様式書類の郵送による返送を受けるため,住所を書き切手を貼った追加の封筒も送らなければならず,INPIはかかる出願様式書類が紛失しても責任を負わない。住所を書き切手を貼った封筒がない場合,かかる追加の出願様式書類はリオ・デ・ジャネイロにあるINPIの本庁において,出願人の処理を待つものとする。

 5. 登録出願

5.1. 保管は,INPIが予備的な方式審査に基づいて,特定の番号の下に意匠の登録出願を記録し保管する行為として定義する。

 6. 5年分の登録料

6.1. 第2回目の5年分の登録料の納付は,出願日から5年目中に行わなければならないが,追加手数料を納付すれば,通知に拘らず,かかる期間に続く6月以内に行うことができる。

6.2. 残存する5年分の登録料の納付は,その更新請求時に行わなければならない。

6.2.1. かかる5年分の登録料の納付は,追加手数料を納付すれば,上記の期間に続く6月以内に行うことができる。

6.3. 納付証明

6.3.1. 第2回目の5年分の登録料の納付は,様式1.07により証明することができる。

6.3.1.1. 残存する5年分の登録料の納付証明は,更新請求と一緒に行なわない場合は,様式1.07により行うことができる。

6.3.2. 5年分の登録料の納付は,納付のために規定された期間内に証明することができる。

6.3.2.1. 5年分の登録料の納付証明は,法定手数料の納付書の控,又は場合により銀行為替又は類似の為替の控で,個々の5年分の登録料を含め納付がなされたことを正しく確認できるものの提出によって行うことができる。

6.3.3. 納付証明は,INPIの本庁の受付に送るか,又は書留郵便で送付することができる。

6.3.4. 納付証明は,法定手数料の納付の対象にはならない。

6.4. 5年分の登録料の納付証明がない場合の効果

6.4.1. 納付が証明されない場合,INPIは納付証明の提出を求める指令を発し,指令は60日以内に履行されなければならない。

6.4.2. かかる指令が履行されない場合,INPIは納付されなかったとみなして該当する措置を進める。

 7. その他の規定

7.1. 委任状

7.1.1. 当事者本人が出願しない場合は,産業財産法第216条に規定する様式及び条件に基づいて,通知又は指令に拘らず,当事者が最初に行った手続行為の履行から60日以内に,委任状を提出することができる。

7.1.1.1. 出願人が外国に居住し,その行為を代理人が産業財産法第216条の規定に基づいて履行しなかった場合は,行為を本人がなしたとしても,産業財産法第217条に規定するように委任状を提出しなければならない。

7.1.1.2. 産業財産法第217条に規定する委任状が登録出願時に提出されない場合,INPIは特許消滅後を含め随時委任状を請求することができ,委任状は60日以内に提出されなければならない。

7.1.1.3. 登録出願の日から60日以内に委任状が提出されない場合,出願は確定的に拒絶処分されたとみなされ,公告される。

7.2. 予見される法定手数料の減額は,最大70%までしか累積することができない。

7.3. 産業財産法第216条(2)に言及する拒絶処分は申立が適用され,かかる拒絶処分決定に対して不服請求を行うことができる。

7.4. 本規則で言及する非公式の翻訳文には,それが真正であることに関する当事者,出願人又は所有者の表明を含まなければならない。

 8. 期間

8.1. 正当な事由で履行されなかった行為を実行するための期間の延長の請求は,様式1.08により,その弁明と該当する証拠を添えて提出しなければならない。

8.2. 当事者が法定期間内にある行為を実行することを妨げた正当な事由をINPIが認容した場合,産業財産法第226条に規定するように,INPIはその当事者に付与された期間を通知する。

8.3. 産業財産法第103条により予見される場合,行為の履行のために付与される期間は5日とし,他のケースに該当する行為については少なくとも15日,最大でも当該行為について法律上定められている期限である。

 9. 優先権の保証

法第5772/71号に基づく登録出願で請求された優先権の保証は,最初の出願日から6月以内に登録出願がなされない場合は,自動的に失効する。

 10. 番号

10.1. 意匠の登録出願及びそれに対応する意匠登録の番号は,3つの要素と1つの管理数字からなる。すなわち,

10.1.1. アルファベットの認識子:DI

10.1.2. 提出年度を特定する数字の認識子。2つの番号で構成され,左から右に向かって2番目の番号は10年間の年(下1桁)を表し,左から右に向かって最初の数字は提出年度の10年台(下2桁)に対応し,そこから4を引く。

10.1.3. 数量子。00001から始まる5桁の数字で,年ごとに連続番号が大きくなる。

10.1.4. 管理数字

 11. 意匠の登録出願の説明

11.1. 明細書

11.1.1. 提出された図案又は写真が,対象物とその変形例を描きかつ明確に輪郭づけるのに十分でない場合は,明細書を必ず提出しなければならない。

11.1.2. 明細書には,次を満たさなければならない。

  • a) 名称で始まり,
  • b) 対象物の装飾的な面に限定し,
  • c) 形態の変形例の場合は,その主要な特徴を表示して出願の対象物の変形例であると明確に定義し,
  • d) 図面又は写真,及び場合により表示番号を明瞭に,正確にかつ簡潔に記載し,
  • e) 使用分野を目立つ方法で定義する。

11.2. クレーム

11.2.1. 提出された図面又は写真が,対象物やその変形例を明確に描きかつ輪郭づけるのに十分ではない場合は,クレームを必ず付さなければならない。

11.2.2. 変形例については,クレームが1つの変形例に限定されるように,クレームは形態の変形例又は全体の概念と同数にしなければならない。

11.2.3. 各クレームは,品目のセット又は類似の品目に関連している場合(例えば,ティーセットの場合のティーポットとティーカップ,ナイフ・フォーク類の場合のナイフとレードル),名称又は対応する対象物をもって始めなければならず,関連の図又は写真の数的な参照を含め,場合により,それぞれの数的な参照を示す。

11.3. 使用分野

11.3.1. 意匠の登録出願においては,使用分野を必ず示さなければならない。

11.3.2. 使用分野の説明は,明確に定義しなければならない。

11.3.3. 品目のセットの場合,その対象物(最大20品目)は同一の目的のために,同じ優勢な特徴(例えば化粧品のパッケージのセット)を付帯している同一の対象物に関するものでなければならない。

11.3.4. 線と色彩のセットからなり,異なる商品に適用される装飾パターンの場合,使用分野はかかるパターンが使用される商品又は商品群を特定する。

11.3.5. 商品に適用されうる線と色彩の装飾セットの場合,同じ優勢的な特徴面を付帯している線と色彩のセットの最大20の変形例。

11.4. 図面又は写真

11.4.1. 図面又は写真は,次でなければならない。

  • a) 頁にはアラビア数字で連続番号を付し,指定事項を参照する頁の番号及び総数を示さなければならず,好ましくは斜線で区切る(例えば1/5...5/5,1/5は明細書が5頁の場合の最初の頁を示す。)。
  • b) 三次元対象物の場合は常に斜視図を含めなければならず,かつ対象物の完全な外観のために必要とされるだけの数の図(正面図,背面図,平面図,底面図及び側面図)を含めることができる。
  • c) 明瞭に,かつ詳細が明らかになる縮尺で作成しなければならず,1つの頁に幾つかの図を含めることができるが,その場合は互いに明確に分離されるようにし,かつ連続番号を付さなければならない。
  • d) アラビア数字で連続番号を付したイラストを含めなければならない。同一の対象物について1以上の図がある場合,かかる図は,図の数に応じて,かかる対象物の番号に小数の番号を加えて識別しなければならない。
    例えば,ティーポット・セットの場合は,ティーポット(図1.1から図1.5まで),カップ(図2.1から図2.4まで),小皿(図3)及び皿(図4.1及び図4.2)
  • e) 該当する場合,明細書と同一の数的参照を含める。
  • f) 白黒の図面又は写真の場合,対応する着色の範囲を表示する。
  • g) 着色した写真又は図面の場合,必要な複写をカラーで提出する。

11.4.2. 写真の場合は,登録期間にわたって鮮明に維持されなければならない。登録更新の際には,新しい複写を提出しなければならない。

11.4.3. 内部の詳細に関するイラストで装飾的な特徴を表していないものは,意匠保護の趣旨には該当しない。

11.4.4. 図面又は写真における番号及び文字は,少なくとも0.32cmの高さでなければならない。

11.4.5. 図面又は写真は,線によって枠取りしたり,境界づけをしてはならず,紙の上に次の最小の余白をとって表示しなければならない。

図面又は写真の余白

上部の余白

2.5cm,好ましくは4cm

左側の余白

2.5cm,好ましくは3cm

右側の余白

1.5cm

下部の余白

1cm

11.5. 追加の説明

11.5.1. 名称

11.5.1.1. 名称は,次の通りとする。

  • a) 明細書及びクレームについて同一でなければならない。
  • b) 簡潔,明瞭かつ正確でなければならず,関連のない又は不必要な表現又は言葉は一切用いない(例えば「新規の」,「より良い」,「独創的な」など,その他類似のもの)。

11.5.2. 追加の一般的説明

11.5.2.1. 明細書及びクレームはタイプ打又は印刷し,1行おきに,消えない黒いインクで記載しなければならず,修正,削除若しくは行間の空白,印章,ロゴ,刻印,署名又は性質を問わない表示があってはならない。

11.5.2.2. 図面又は写真は,図1,図2などを除いて,文章,ロゴ,印章又はイニシャルを含んではならない。

11.5.2.3. 出願の主要なすべての書類,すなわち明細書,クレーム及び図面は,複製ができるように提出しなければならない。

11.5.2.4. 明細書,クレーム及び図面又は写真は,INPIで使用するために原本3通を提出し,署名又はイニシャルを付さず,297mm×210mmの寸法(DIN A4形式)の,柔らかで強く,白色で均一の光沢のない紙で,片面のみを使用し,皺,破れ又は折れがないものとし,出願人への返送用に2通以上の原本の提出が認められる。

11.5.2.5. 明細書及びクレームを含む頁は,次の通りとする。

a) 文章は次の余白内に納める。

文章の余白

 

最小限

最大限

上部の余白

3cm

4cm,好ましくは4cm

左側の余白

3cm

4cm

右側の余白

2cm

3cm

下部の余白

2cm

3cm

b) 用紙の上部中央に,端から1cmから2cmまでの間に,明細書及びクレームの頁の番号及び総数を示すアラビア数字の連続番号を付し,好ましくは斜線で分離する(例えば1/5...5/5,1/5は明細書が5頁の場合の最初の頁を示す)。

c) 文章の左側の余白に,5行目から5行ごとに番号を付さなければならない(5,10,15など)。

11.6. 写真複写の請求は,様式1.05によって提出しなければならない。

 12. 公告

12.1. 意匠の登録出願は,それに対する最終決定に基づいて公告され,かかる決定が認容決定,拒絶又は確定的な拒絶処分であるか否かを問わない。

12.2. 図面又はカラー写真を含む出願はカラーで公告し,出願人は対応する法定手数料を納付しなければならない。

 13. 更新

更新請求は,登録期間の最終年中に提出し,法定手数料の納付受領書によって裏付としなければならないが,通知に拘らず,かつ一定の法定追加手数料を納付すれば,かかる期間終了後180日以内に提出することができる。

 14. 最終及び経過規定

14.1. 当時有効であった法第5772/71号の期間中に提出された工業的モデル(以下「ひな形」と略称する。)及び意匠の係属出願に基づいて付与された登録の5年分の登録料の納付を計算する目的で,履行されなかったサービス及び既に納付された年金については,すべての納付がなされたとする。

14.1.1. 出願人は,既に納付した各法定手数料の価額及び権利を有する貸方を示して,納付を履行しなければならない。

14.1.2. 期限が過ぎた5年分の登録料は,消滅の罰則を留保して,登録が付与された日から60日以内に納付しなければならない。

14.2. 当時有効であった法第5772/71号に基づいてなされたひな形及び意匠の特許出願で未だ係属中のものは,自動的に意匠登録のための指定特許出願となり,14.4.に規定するように番号が付け替えられる。

14.2.1. 当時有効であった法第5772/71号の期間中に公告が実施されなかった前記の状況の出願は,あらゆる目的で1997年5月15日に公告されたとみなされる。

14.2.1.1. 前記の状況の出願は,産業財産公報(RPI)におけるその公告まで,当事者がINPIにおいて写真複写又は調査できるように保管する。

14.2.1.2. INPIは前記の状況の出願を公告し,それに基づいて当事者がCEDIN部門で利用できるようにする。

14.3. 1989年12月21日付規範法第104号によって制定されたひな形及び意匠の全国分類は,意匠登録に適用される。

14.4. 番号の付け替え

法第5772/71号に基づいてなされたひな形及び意匠の特許登録で未だ係属中のものは,次のとおり番号が付け替えられる。

14.4.1. ひな形

14.4.1. ひな形

アルファベットの認識子

MIからDIに変更される。

数字の認識子

変更されない。

数量子

変更されない。

照合数字

変更されない。

14.4.2. 意匠
14.4.2. 意匠

アルファベットの認識子

変更されない。

数字の認識子

変更され,左から右に向かって最初の数字に2を加えて,
提出された10年間に対応するようする。

数量子

変更され,提出に対応する年のひな形に与えられた最後の
数字の直後の数字に置き換える。

管理数字

変更されない。

 15.

本規則は1997年5月15日に発効し,規範法第013/75号,第077/85号及び第078/85号並びにその他の反対規定は廃止される。