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マドリッド協定に基づく規則

標章の国際登録に関するマドリッド協定第10条(2)(a)(iii)の規定に従い,標章の国際登録の特別同盟の総会(本総会に係る規定は1967年7月14日にストックホルムで改正され,1979年10月2日に修正されたものである。)及び同協定第10条(4)の規定に従い,標章の国際登録の特別同盟の工業所有権を主管する行政庁の長官委員会(本委員会に係る規定は,1957年6月15日にニースで改正された。)は,1988年4月18日から同22日に,ジュネーブで開催された合同臨時会期の会合で,標章の国際登録に関するマドリッド協定に基づく規則を満場一致で採択した。

第1章 総則

 第1規則 略称

本規則の適用上,

  • (i) 「協定」とは,1957年6月15日にニースで,1967年7月14日にストックホルムで改正され,1979年10月2日に修正された,1891年4月14日の標章の国際登録に関するマドリッド協定をいう。
  • (ii) 「国内官庁」とは,標章の有効な登録を管轄する締約国の国内官庁又は協定第9条の4(1)(a)に規定する複数の締約国間に共通の官庁をいう。
  • (iii) 「国際事務局」とは,世界知的所有権機関(WIPO)の国際事務局及びそれが存続する限り,知的所有権保護合同国際事務局(BIRPI)をいう。
  • (iv) 「国際登録出願」とは,本協定に従ってされる国際登録出願をいう。
  • (v) 「変更登録申請」とは,国際登録に影響を及ぼす変更登録申請をいう。
  • (vi) 「出願人」とは,その者の名義で国際登録出願を提出する自然人又は法人をいう。
  • (vii) 「名義人」とは,その者の名義で,国際登録簿に名義人として登録されている自然人又は法人をいう。
  • (viii) 「法人」とは,国内法により認可若しくは設立された,権利・義務の主体となれる各種組合又は法律上の団体であって法の適用範囲内の法律上の主体をいう。この場合は,法人格を有していない団体も,権利・義務の主体となれる場合に限り,法人とみなす。
  • (ix) 「国際登録」とは,本協定に従って効力が生じた標章の登録をいう。
  • (x) 「国際登録簿」とは,本規則に定める事項を記録又は登録するための登録簿をいう。
  • (xi) 「締約国」とは,本協定の締約国をいう。
  • (xii) 「当事者国」とは,国際登録の効力の及ぶ国,又は本協定第3条の3に従って国際登録の後にされた領域指定登録の効力の及ぶ国をいう。
  • (xiii) 「本国」とは,本協定第1条(3)に規定する国をいう。
  • (xiv) 「名義人の属する国」とは,国際登録の名義人が,自己の工業上若しくは商業上の営業所を有しているか,又は,これら営業所を有していない場合は住所を有しているか若しくは住所を有していない場合は国籍を有する締約国をいう。
  • (xv) 「図形的要素の国際分類」とは,1973年6月12日の標章の図形的要素の国際分類の創設に関するウィーン協定に基づく分類をいう。
  • (xvi) 「商品及びサービスの国際分類」とは,1967年7月14日にストックホルムで及び1977年5月13日にジュネーブで改正された標章の登録のための商品及びサービスの国際分類に関する1957年6月15日のニース協定に基づいて制定された分類をいう。

 第2規則 国際事務局に対する代理

  • (1) (a) 代理人の任命が,(b)から(h)までの要件に従うものである場合は,当該代理人は,正式に任命された代理人であるものとみなす。
    (b) 出願人又は名義人が,1人のみの代理人を任命することができる。
    (c) 弁護士のパートナーシップ若しくは事務所又は特許若しくは商標の代理人のパートナーシップ若しくは事務所が代理人として表示された場合は,それを1名の代理人とみなす。
    (d) 複数の代理人が任命された場合は,書面の最初に表示された者が,正式に任命された代理人とみなす。
    (e) 代理人の登録,代理人の変更登録,又は代理人に関するその他の変更の登録は,(3)の規定の適用があるものとして,本国又は名義人の属する国の国内官庁を経由して国際事務局にその登録の申請を行うものとする。
    (f) 代理人の登録は,国際登録出願の願書,国際登録の変更若しくは訂正の登録申請書又は更新登録出願の願書の定められた箇所に記載することにより,無料で申請することができる。ただし,更新登録出願について,それが名義人の属する国の国内官庁を経由して行われることによりその効力が生じることを条件とする。
    (g) 代理人の変更登録又は代理人に関するその他の変更の登録は,国際登録に影響を及ぼす変更又は訂正の登録のときに,又は名義人の属する国の国内官庁を経由して効力が生じた国際登録の更新の登録のときに,その変更の登録若しくは訂正の申請書又はその更新登録出願の願書の定められた箇所に記載することにより無料で申請することができる。
    (h) 代理人の登録,代理人の変更登録,又は代理人に関するその他の変更の登録は,名義人の属する国の国内官庁を経由して,定められた様式により,いつでも申請することができる。その登録は,第32規則(1)(e)(vi)に規定する手数料の納付を条件とする。
    (i) 代理人の登録,代理人の変更登録,又は代理人に関するその他の変更の登録の申請が,(b)から(h)までの要件に適合しないものである場合は国際事務局は申請がなかったものとして扱うものとし,その旨を当該申請が経由した国内官庁又は当該申請人に通知する。
  • (2) 国際事務局は,第24規則に従い,出願人又は名義人への各種通知を,正式に委任した代理人に宛てて発するものとする。正式に委任した代理人に宛てて発せられた各種通知は,出願人又は名義人に直接宛てたものと同様の効力を有する。正式に委任した代理人により国際事務局に宛てて発せられた通知は,出願人又は名義人自身が行ったと同様の効力を有する。
  • (3) (1)(e)の規定の例外として,
    • (i) 名義人は,国際事務局に代理人の任命を取り消す旨を自己の署名をした書面により,無料で,直接通知することができる。この場合は,国際事務局は当該名義人の属する国の国内官庁及び委任が取り消された代理人に対し,その旨を通知するものとする。
    • (ii) 代理人は,国際事務局に,代理人を辞任することを自己の署名をした書面により,無料で,直接通知することができる。この場合は,国際事務局は,当該名義人の属する国の国内官庁及び当該名義人に対し,その旨を通知するものとする。
  • (4) 代理人の新たな登録は,それ以前に任命された代理人が解任されたものとみなす。
  • (5) 代理人の登録,代理人の変更登録,又は代理人に関するその他の変更の登録は,国際事務局が本規則に適合する申請を受領した日で行うものとする。これらの登録は,関係国の国内官庁に通知されることもなく,また,Les Marques internationales誌に公表されることもない。

 第3規則 出願人,名義人

  • (1) 各々が締約国の国民であるか,又は,本協定第2条に明記する要件に適合する者である場合及び総ての出願人に対し本国が同一であることを条件として,2以上の自然人又は法人は,全く同一の国際登録のための出願人となることができる。
  • (2) 各々が締約国の国民であるか,又は,本協定第2条に明記する要件に適合する者である場合は,2以上の自然人又は法人は,全く同一の国際登録の名義人となることができる。

 第4規則 国内官庁

  • (1) 国際登録出願は,本国の国内官庁を経由して,国際事務局に宛てて送付するものとし,変更登録申請は,名義人の属する国の国内官庁を経由して,国際事務局に宛てて送付するものとする。
  • (2) 出願又は申請に関する通知は,国際事務局によって,国内官庁に宛てて送付されるものとする。国内官庁は,当該通知に対し返答するものとする。
  • (3) 所要の手数料に関しては,当事者が,国際事務局に直接納付することができる。ただし,国内法令が所要の手数料の納付については国内官庁を経由しなくともよいとしている場合又は出願人による納付を許している場合に限る。当事者が手数料を直接納付した場合は,国際事務局は,当該手数料の納付に関することは直接当事者に通知する。
  • (4) 本規則に基づき,国内官庁の署名が必要な場合は,印章又は官印をもって署名に代えることができる。
  • (5) 2以上の書類を同封した封筒には,書類の確認のためにチェックリストを同封するものとする。

 第5規則 国際事務局との通信手段

  • (1) 国際事務局への通信は,文書により行うものとする。国際事務局の行為は,当該事務局に記録された事項にのみ基づくものとする。
  • (2) 電信,テレプリンタ又は他の遠距離通信手段による国際事務局へのデータ通信は,次の条件で文書によるデータ通信に相当するものとして扱われる。
    • (i) 国際事務局へ送信されたデータが,第7規則に規定する言語により明瞭に記録されており,かつ
    • (ii) 当該データが様式に基づいた形式で提出すべきデータである場合か,又は,当該データに係る内容が表題の付された通信文であってその通信文に関連番号が明記されている場合である。
  • (3) 本規則の要求する様式又は書類に署名がなされてあれば,(2)に規定する手段によるデータ通信は,国際事務局が当該データ通信を受領した日から20日以内にその通信の元となる伝達事項に適合する書類を受領すること,又は,そのデータ通信の元となる伝達事項に適合する署名のある当該通信文を受領することを条件に効力が生じるものとして扱われる。この条件が整えば,国際事務局が,前記当該データ通信を受領した日に,当該データ通信の元となる伝達事項が受領されたものとして扱われる。

 第6規則 期間の計算

  • (1) 年をもって定められた期間は,当該事象が生じた日から起算し,該当するその後の年において当該事象が生じた月に応当する月の当該事象が生じた日に満了する。ただし,応当する月に応当する日がないときは,その月の末日に満了する。
  • (2) 月をもって定められた期間は,当該事象が生じた日から起算し,該当するその後の月において当該事象が生じた日に応当する日に満了する。ただし,その月に応当する日がないときは,その月の末日に満了する。
  • (3) 日をもって定められた期間は,当該事象が生じた日から起算し,該当する日数の最終の日に当る日に満了する。
  • (4) 与えられた期間内に通信又は手数料の納付が国際事務局に到達することが要求される最終日が,国際事務局が事務を行っていない日に当たる土曜,日曜又は休日であって当該通信又は手数料の納付を受領できない場合は,その期間はその事情のない日まで延長される。
  • (5) 国際事務局は,総ての事件について,その指定期間の満了日を表示する。

 第7規則 使用言語

  • (1) 本協定の運用のために,国際事務局での使用言語はフランス語とする。
  • (2) とりわけ,国際登録出願,変更登録申請,これら国際登録出願及び変更登録申請に関する通信,保護の拒絶,保護の拒絶についての最終決定,無効の通知並びに国際登録に関する国際事務局による通知,特に国際登録簿からの引用は,フランス語によるものとする。

第2章 国際登録出願

 第8規則 国際登録出願の様式及び内容

  • (1) 国際登録出願は,国際事務局が無料で提供する様式により作成し,本国の国内官庁が受理日を記入しかつ署名したその写2通を提出することによって行う。願書は,明瞭に作成することとし,できれば,タイプ印書することが望ましい。
  • (2) 国際登録出願には,次のことを含ませるか又は記載する。
    • (i) 出願人の氏名又は名称。出願人が自然人のときは,その氏名を名・姓の順で記載しなければならない。出願人が法人のときは,その正式名称を記載しなければならない。
    • (ii) 住宅の番号(該当する場合)を含めた住所についての完全な表示による出願人の住所。出願人は,主たる住所とともに,通信のための宛先を表示することもできる。なお,2人以上の出願人が各々異なった住所を有する場合は,通信のための宛先を表示しなければならない。
    • (iii) 出願人が現実かつ真正の工業上又は商業上の営業所を有するマドリッド同盟の加盟国の表示。当該営業所がない場合は,出願人が住所を有するマドリッド同盟の加盟国の表示。これもない場合は,出願人が国籍を有するマドリッド同盟の加盟国の表示
    • (iv) 代理人の氏名及び住所(該当する場合)
    • (v) 本国での標章についての出願日及び出願番号並びにその標章についての登録日及び登録番号
    • (vi) 該当する場合は,本国での出願又は工業所有権の保護に関するパリ同盟の他の同盟国での他の出願がパリ条約第4条に規定する最先の出願である旨の出願人による申立並びに申立に係る出願の年月日及び出願番号
    • (vii) 80mm×80mm正方形の枠内に納まる黒と白とで表示された標章見本。当該見本は,15mm以下の大きさの表示であってはならない。当該見本は,願書の指定された余白に糊付けすること
    • (viii) 色彩を標章の識別力の要素として請求する場合は,その色彩又は色彩の組合せを示さなければならない。この場合は,色彩を施した標章を,A4(210mm×297mm)の大きさを越えない用紙に複製すること
    • (ix) 標章が立体でもって構成される場合は,「立体標章」である旨の表示
    • (x) 標章又は標章の一部がラテン文字以外の文字又はアラビア数字若しくはローマ数字以外の数字よりなる場合は,それらをラテン文字又はアラビア数字に音訳したもの。この音訳は,フランス語の発音に従って行うこと
    • (xi) 該当する場合は,「団体標章」,「証明標章」,「保証標章」である旨の表示
    • (xii) 標章について保護を請求する範囲としての商品及びサービスは,商品及びサービスに関する国際分類に従って,分類すること。そして,商品及びサービスの表示は,ニース協定に基づくアルファベット順リストに記載されている用語に依ることが望ましい。
    • (xiii) 国内官庁が,国際登録出願を受理した日。当該日付は,国内官庁が当該標章を国内登録簿に登録する前に当該国際登録出願を受理した場合は,国内登録の日付となる。
    • (xiv) 本協定第3条の3(1)の規定に基づき保護を請求する国の表示
    • (xv) 第10規則(1)に従って基本手数料の納付のための20年又は10年の期間
    • (xvi) 基本手数料の総額,その納付方法及び納付日並びに当該手数料の納付当事者,また,該当する場合は,第32規則(1)(a)に示す追加手数料及び付加手数料
    • (xvii) 国際登録出願に記載された出願人及び標章についての一切の事項が,国内登録簿の記載事項と合致していることを証明する旨の本国の国内官庁の宣言
    • (xviii) 出願人が本協定第5条の2に規定する標章の特別な構成要素について,それを使用する権利を有することの証拠が本国における当該標章の国内登録に関し表示されている場合は,当該出願人がその証拠を提出している旨の国内官庁による宣言
    • (xix) 本国における標章の国内登録に関し表示されていることを条件として,その標章の構成要素を明確にするものとしての追加的表示
  • (3) 国際登録出願は,次のものを含むことができる。
    • (i) 国際登録出願が1又は2以上の国際登録した標章に関係するものである場合は,それら登録の登録日及び登録番号
    • (ii) 標章中にフランス語以外の文字を含む場合は,当該文字をフランス語に翻訳したもの

 第9規則 国際登録出願に添付される書類

  • (1) 標章が図形的要素を含む場合又は出願人が文字商標を特殊な書体で登録することを意図する場合は,国際登録出願は,(2)(ii)に該当する場合を除き,第32規則(1)(b)(i)に規定する手数料を添え,かつ,国際登録出願に表示されている見本に加えて,第8規則(2)(vii)に従い当該見本と同一の寸法の黒と白とで表した2つの標章見本を添付しなければならない。
  • (2) 国際登録出願に色彩に関しての主張が含まれている場合は,次の各号に規定するものを添付しなければならない。
    • (i) 出願人が,標章が黒と白とで公表されることを要請する場合は,A4(210mm×297mm)を越えない大きさで当該標章の50の彩色された複製を添付しなければならない。当該標章が図形的要素を含む場合又は出願人が文字標章を特殊な書体で登録することを意図する場合にも,(1)の規定が適用される。
    • (ii) 出願人が,標章が彩色して公表されることを要請する場合は,第32規則(1)(b)(ii)に規定する手数料を納付し,かつ,第8規則(2)(viii)に従った国際登録出願に表した標章に加えて,更に,彩色された複製2通を添付するとともに,第8規則(2)(vii)に規定する黒と白とによる同一寸法の複製を添付しなければならない。
  • (3) (1)及び(2)(ii)に規定する複製には,その表面に如何なる書込みもしてはならず,かつ,それら複製の細部まで鮮明に複製されているものでなければならない。
  • (4) 国際登録出願に添付した別個の書面により,国内官庁は,出願人が願書に表示した商品及びサービスについて,1又は2以上の国において,その保護の請求を放棄している旨通知することができる。

 第10規則 国際登録出願手数料及びこれに係る残余額の納付

  • (1) 国際登録出願には,第32規則(1)(a)(i)に規定する20年又は最初の10年に関する基本手数料,第32規則(1)(a)(iii)に規定する付加手数料,第32規則(1)(a)(ii)に規定する追加手数料並びに第32規則(1)(b)(i)及び(ii)に規定する特別手数料が納付されるものとする。
  • (2) 最初の10年についての基本手数料のみが納付された場合は,第32規則(1)(a)(i)に明示する額の残余の手数料は,国際登録の日から10年の期間が満了する前に,国際事務局に納付されるものとする。
  • (3) 残余の手数料の納付が10年の期間の満了前にされない場合は,国際事務局が残余の手数料及び10年の期間の満了後6月以内に第32規則(1)(d)に規定する特別手数料を受領し得る場合を除いて,標章の名義人はその登録を保持し得ず,その登録は取り消される。

第3章 欠陥を有する国際登録出願

 第11規則 欠陥についての総則

  • (1) 国際登録出願が本協定又は本規則に適合しない場合は,国際事務局は,その登録を延期し,そのことを国内官庁に通知するものとする。所要の手数料が,国内官庁を経由して納付されていない場合は,国際事務局は,出願人に対し,その納付を要請するものとする。
  • (2) 国際登録出願が(1)の規定に係る通知日から3月以内に補正されない場合は,国際事務局は,その国際登録出願の補正のために更に3月の期間を与え,その補正を要請する旨を出願人及び国内官庁に通知する。
  • (3) 国際登録出願が(2)の期間内に補正されない場合は,この国際登録出願は放棄されたものとみなされ,既納の手数料は返還される。

 第12規則 商品及びサービスの分類に係る欠陥を有する国際登録出願

  • (1) 国際登録出願において標章の保護を求める範囲としての商品及びサービスが第8規則(2)(xii)に従って分類されていない場合又は国際事務局が国際登録出願の願書に表示された分類が正しくないと認めた場合は,国内官庁に分類についての提案がなされる。この提案の結果として,第32規則(1)(a)(ii)に定める追加手数料の納付が必要な場合は,国際事務局は,出願人又は国内官庁に,その国内官庁を経由して追加手数料を納付するように助言するものとする。
  • (2) (1)の場合は,国際事務局は,出願人又は国内官庁に対し,第32規則(1)(c)に定める額の分類手数料をその国内官庁を経由して納付するように助言するものとする。
  • (3) 追加手数料及び分類手数料は,国際事務局による提案の日から3月以内に納付されるものとする。
  • (4) (3)に規定する期間の満了までに国際事務局の提案についての反対意見を国際事務局が受領せず,かつ,当該期間内に追加手数料及び分類手数料が納付された場合は,国際事務局は,第11規則及び第13規則に従ってその標章を自己の提案した類で登録する。
  • (5) (3)に規定する期間内に反対意見を国際事務局が受領した場合は国際事務局は更に3月の期間を与える旨,又は,追加手数料及び分類手数料がその3月以内に納付された場合は第11規則及び第13規則に従って国際事務局が適切と認める類でその標章を登録する旨の何れかの提案を行うことができる。
  • (6) (3)に規定する3月の期間内に追加手数料が納付されていない場合は,国際登録出願は放棄されたものとみなされ,既納の手数料は返還される。
  • (7) (3)に規定する期間内に分類手数料が納付されない場合は,国際事務局は,分類手数料の納付のために更に3月の期間を与えるものとし,出願人及び国内官庁に対しその旨を助言するものとする。この3月の期間内に分類手数料が納付されない場合は,その国際登録出願は放棄されたものとみなされ,既納の手数料は返還される。

 第13規則 不明確な,理解不能な,又は,言語学上不正確な用語を含む商品及びサービスの一覧

  • (1) 国際登録出願の願書に記載された商品及びサービスに係る表示が,極めて不明確な用語であると,又は理解不能な用語であると,更に又は,言語学上不正確な用語であると国際事務局が認めたときは,国際事務局は国内官庁に対し,該当する場合は補正案を提示し,通知の日より3月以内にその国際登録出願を補正するように通知するものとする。
  • (2) 国際登録出願が(1)に規定する期間内に補正されないときは,国際事務局は,更に,補正のために同一の期間を与えるものとし,その旨を国内官庁及び出願人に通知するものとする。
  • (3) 国際登録出願が(2)に規定する期間内に補正されないときは,国際事務局は,極めて不明確な,理解不能な,又は,言語学上不正確な用語とともに標章を登録するものとする。
    ただし,国内官庁が当該用語を分類すべき類を明記しており,またその見解として,当該用語は極めて不明確な,理解不能な,又は言語学上不正確な用語であると指摘していることを条件とする。国内官庁が類を明確にしない場合は,国際事務局は職権で当該用語を削除し,その旨を国内官庁及び出願人に通知するものとする。

第4章 国際登録

 第14規則 国際登録簿への標章の登録

  • (1) 国際事務局が,本協定及び本規則に適合する国際登録出願を受理したときは,国際登録簿に標章の登録をするものとする。
  • (2) 標章の登録には,次の事項を表示又は包含するものとする。
    • (i) 国際登録年月日
    • (ii) 標章が国際登録簿に有効に登録された年月日
    • (iii) 基本手数料が納付されている20年又は10年の期間
    • (iv) 国際登録番号
    • (v) 名義人の氏名又は名称及び住所又は居所。該当する場合は,通信のための宛先
    • (vi) 本国以外の国を名義人の住所国として表示した場合は,その国が本国となるべき理由
    • (vii) 黒と白とで表示された標章の複製及び色彩の主張があるときは,彩色した複製
    • (viii) 該当する場合は,色彩の表示又は色彩の組合せの表示
    • (ix) 該当する場合は,図形的要素の国際分類の該当項目の表示
    • (x) 該当する場合は,「立体標章」である旨の表示
    • (xi) 該当する場合は,第8規則(2)(x)に規定する音訳及び第8規則(3)(ii)に規定する翻訳
    • (xii) 該当する場合は,「団体標章」,「証明標章」,「保証標章」の表示
    • (xiii) 商品及びサービスの国際分類の類に従った,標章の保護を請求する範囲としての商品及びサービスの表示
    • (xiv) 本国の表示,国際登録出願日に本国で効力を有する当該標章の登録年月日及び登録番号並びにその出願年月日及び出願番号の表示
    • (xv) 該当する場合は,本国での出願又は工業所有権の保護に関するパリ同盟の他の同盟国での他の出願がパリ条約第4条に規定する最先の出願である旨の出願人による申立並びに申立に係る出願の年月日及び出願番号
    • (xvi) 保護を求める国及び該当する場合は,第9規則(4)に基づく保護の放棄の通知
    • (xvii) 該当する場合は,第8規則(2)(xviii)に規定する宣言
    • (xviii) 該当する場合は,第8規則(2)(xix)に規定する追加的表示
    • (xix) 該当する場合は,第8規則(3)(i)に規定する任意的表示
    • (xx) 該当する場合は,代理人に関する表示

 第15規則 国際登録日

  • (1) 国際登録日は,国際事務局が,本協定及び本規則に適合する国際登録出願を受理した日をもって,付与するものとする。
  • (2) もっとも,
    • (i) 本国の国内官庁が国際登録出願を受理した日から2月以内に国際事務局がその国際登録出願を受理し,その国際登録出願が本協定及び本規則に適合した場合は,国内官庁がその国際登録出願を受理した日をもって,国際登録日を付与するものとする。
    • (ii) 本国の国内官庁が国際登録出願に係る標章を国内登録簿に登録する前に国際登録出願を受理した場合は,国際登録日はその標章が国内登録された日をもって,国際登録日を付与するものとする。ただし,この場合は,国際事務局がその標章が国内登録された日から2月以内にその国際登録出願を受理できることが必要であり,かつ,その国際登録出願が本協定及び本規則に適合するものでなければならない。
  • (3) 国際登録出願に欠陥がある場合は,その国際登録出願を国際事務局が(1)及び(2)に従って受理できる日であって,かつ,その国際登録出願が補正された日が登録日となる。
  • (4) もっとも,国際登録日は,国際登録出願の欠陥が重要なものでなく,かつ,第11規則(1)に定める通知の日から3月以内にその国際登録出願が補正された場合は,影響を受けない。欠陥が重要な事項に係るものと認められる場合とは,
    • (i) 国際登録出願に,出願人の住所若しくは居所又は氏名若しくは名称に係る表示がない場合
    • (ii) 国際登録出願に,出願人が現実の工業上又は商業上の営業所を有する締約国の表示がない場合。同様に,出願人が住所を有する締約国の表示がない場合。更に,出願人が国籍を有する締約国の表示がない場合
    • (iii) 国際登録出願の出願年月日及びその番号並びに,本国で当該標章が登録された日及びその登録番号の表示がない場合
    • (iv) 国際登録出願に,標章の複製が添付されていない場合
    • (v) 国際登録出願に,標章について保護を求める範囲としての商品及びサービスの指定がない場合
    • (vi) 国際登録出願に,標章についての保護の要求の拡張を行う締約国の表示がない場合
    • (vii) 国際登録出願に,本国の国内官庁がその本国の国内登録簿に表示された名義人及び標章に関する事項についての宣言がない場合
    • (viii) (5)(i)の適用がある場合のほか,国際事務局に対し,所要の額の手数料の納付がないか,又は納付された額が不十分な場合
  • (5) 次の場合は,国際登録日は影響を受けない。
    • (i) 国際登録出願に,商品及びサービスの分類上の欠陥がある場合であって,その欠陥が分類手数料及び追加手数料(適用がある場合は)に相当するものであって,これら手数料が第12規則(3)に規定する3月以内に納付されることを条件とする場合
    • (ii) 第13規則の適用がある場合

第5章 拒絶,無効及び裁判上又は行政上の決定の記録

 第16規則 拒絶の通知の様式及び内容並びに拒絶に続く最終決定

  • (1) 保護についての拒絶は,仮りの形式又は最終のものとして,本協定第5条の規定及びそれらに続く最終決定として,各々の国際登録について,拒絶の年月日及び署名のある3通の写を書留郵便によって,国際事務局に通知するものとする。
  • (2) 保護の拒絶の通知には,次の事項を表示するものとする。
    • (i) 保護の拒絶をした国内官庁
    • (ii) 保護を拒絶した国際登録のその番号及びその国際登録の基礎となる国内登録の番号
    • (iii) 国際登録の名義人の氏名若しくは名称及び住所若しくは居所
    • (iv) 拒絶の理由
    • (v) すべての商品及びサービスに関して拒絶されたものではない場合は,拒絶のされた商品及びサービスの表示
    • (vi) 国際登録に対し,異議申立を行った先行する国内又は国際登録に係る標章の表示,その登録標章の指定商品及びサービス(当該商品及びサービスは,国内登録簿で用いられている言語によることができる。),抵触する標章の出願年月日及び登録年月日並びに出願番号及び登録番号,名義人の氏名若しくは名称及び住所若しくは居所。その標章が図形的要素を含む場合,又は特殊な書体による文字表示よりなる場合,更に又はそれが彩色されてあるか若しくは色彩の結合よりなる場合は,抵触する国内標章の複製を拒絶の通知の写に添付するものとする。
    • (vii) 拒絶の根拠として適用される国内法の主要な規定
    • (viii) 上訴のための期間及び上訴を提起できる機関の表示。該当する場合は,上訴が現地の代理人を経由して行わなければならないとの表示
    • (ix) 拒絶の年月日
  • (3) 拒絶に対する最終の決定の通知には,関係する国際登録の番号並びにその登録の名義人の氏名若しくは名称及び住所若しくは居所を表示するものとする。

 第17規則 拒絶の通知の期限,その記録及び送達

  • (1) 保護の拒絶の通知は,標章が国際登録された日又は保護の効果を及ぼす領域の指定が国際登録された日から1年以内で国内法の規定する期間内に,国際事務局に送達するものとする。発信日は,郵便局の消印により決定される。郵便局の消印が不明な場合は,その通知を国際事務局が受理した日の20日前に発信されたものとして扱うものとする。ただし,この場合において,当該20日前の日が拒絶の決定の日より前である場合は,拒絶の決定の日をもって発信日と扱う。
  • (2) 国際事務局は,次のものについては,拒絶の通知として扱わない。
    • (i) 郵便局の消印に基づき,(1)に規定する1年間の期間の満了後に拒絶の通知が国際事務局に送達されたものであることが明らかな場合
    • (ii) 郵便局の消印が不明であって,(1)に規定する1年間の期間の満了後20日を超える日より後に,国際事務局に拒絶の通知が到達した場合
    • (iii) 拒絶の決定が国内官庁によってされたものであることが確認し得ない場合
    • (iv) 拒絶の決定をした国内官庁の署名がない場合
    • (v) 拒絶の決定の通知に関係する国際登録の番号が表示されていない場合。ただし,拒絶の決定の通知とともに同封された他の書類により,拒絶された国際登録の番号が明らかとなる場合を除く。
    • (vi) 拒絶の根拠事由についての表示がない場合
  • (3) 国際事務局は,(2)に該当する場合は,次の(i)及び(ii)の措置をとるものとする。
    • (i) 国際事務局は,本国の国内官庁及び標章の名義人,並びに,本国と名義人の属する国とが異なるときは,名義人の属する国の国内官庁に,拒絶の通知の写を送達するものとする。
    • (ii) 国際事務局は,拒絶の通知を発送した本国の国内官庁,標章の名義人並びに本国と名義人の属する国が異なるときは,名義人の属する国の国内官庁に,拒絶の通知を有効なものとして認めない旨の国際事務局の措置をその理由を付して通知するものとする。
  • (4) (2)に関する事項以外の場合は,国際事務局は遅滞なく国際登録簿に拒絶の登録を行うものとし,かつ,本国の国内官庁及び標章の名義人並びに本国と名義人の属する国とが異なるときは,名義人の属する国の国内官庁に通知書の写を送達するものとする。ただし,本条規則(2)に規定する事項以外の要請において,第16規則(1)及び(2)に適合するものではない通知は,拒絶の決定を行った国内官庁が,国際事務局,本国の国内官庁,又は標章の名義人の要請により,その通知を遅滞なく訂正する義務を有する。

 第18規則 無効の通知の様式及び内容

  • (1) 国際登録が関係国の正当な権限を有する機関により無効にされ,かつ,その無効の処分についての不服の申立ができなくなった場合は,その関係国の国内官庁はできる限りすみやかに国際事務局にその旨を通知するものとする。無効の通知書は,書留郵便により,国際事務局に発送するものとし,その通知書は,日付及び署名のある正確な写3通であることが必要である。
  • (2) 通知書には,次の事項を記載するものとする。
    • (i) 無効の決定をした権限を有する機関
    • (ii) 国際登録番号及び可能なときは,その国際登録の基礎となる国内登録のその番号
    • (iii) 無効にされた国際登録に係るその権利者の住所若しくは居所及び氏名若しくは名称
    • (iv) すべての指定商品及びサービスが無効にされたのではない場合は,無効にされた商品及びサービスの表示
    • (v) 国際登録と抵触する先の国内又は国際登録に係る標章の表示並びにこれらの出願の年月日及び登録の年月日,出願番号及び登録番号,名義人の住所若しくは居所及び氏名若しくは名称
    • (vi) 無効の根拠として適用される国内法の主要な規定
    • (vii) 無効の処分の年月日
  • (3) 無効の通知を行った国内官庁は,国際事務局の要請に基づき,その国の権限を有する機関が国内法の規定に基づいてした無効の決定の写を提供するものとする。
  • (4) 国際事務局が無効の通知を受けた日に,国際登録簿に無効の登録をその処分の年月日を表示して行うものとする。
  • (5) 国際事務局は,無効の通知の写を名義人の属する国の国内官庁及び名義人に送達するものとする。国際事務局は,名義人の属する国の国内官庁の要請に基づいて,(3)に従って受理した無効の決定の写を認証したうえで,名義人の属する国の国内官庁に送達するものとする。

 第19規則 裁判又は行政上の決定の記録

不服の申立の提起ができなくなり,かつ,国際登録について名義人の処分権を制限する効果を生じさせる判決又は行政決定は,関係国の国内官庁の要請に基づいて,国際登録簿に記録することができる。判決又は行政決定の記録を要請する場合は,それらの写及び関係国の国内官庁が作成したそれら決定の要約を添付するものとする。

第6章 変更の登録

 第20規則 変更登録申請の様式及び内容

  • (1) 全部又は一部の商品及びサービスについて1又は2以上の国に対する保護の拡張,国際登録の移転,一部の商品及びサービス並びに一部の国に関する国際登録の譲渡,国際登録の取消,一部の国に関する国際登録の放棄,商品及びサービスの品目の限定又は名義人の氏名若しくは名称若しくは住所若しくは居所の変更の申請は,国際事務局が無料で用意する用紙に,名義人の属する国の国内官庁の署名及び日付の記入がなされたものの写を提出して行うものとする。
  • (2) 各種変更の申請書には,次の事項を記載するものとする。
    • (i) 国際登録番号,該当する場合は,国際登録の基礎となる国内登録のその番号
    • (ii) 国際登録の名義人の氏名若しくは名称及び住所若しくは居所
    • (iii) 第32規則(1)(e)に規定する手数料の額,その納付方法及び納付年月日並びに納付者
  • (3) 申請には,第32規則(1)(e)に明示する手数料を納付するものとする。

 第21規則 変更登録申請の欠陥

  • (1) 変更登録申請が,本協定及び本規則に適合しない場合は,国際事務局は,その登録を延期するとともに,国内官庁にその旨を通知するものとする。付加手数料又は関係する手数料の納付の場合は,それら手数料は,国内官庁を経由して納付する必要はなく,名義人は直接納付するように要請される。
  • (2) 申請が(1)に規定する通知日から3月以内に補正されない場合は,国際事務局はその変更登録申請の補正のために,更に3月の期間を与えるものとし,その旨を名義人及び国内官庁に通知するものとする。
  • (3) 変更登録申請が,(2)の規定に基づいて許可された期間内に補正されない場合は,その変更登録申請は放棄されたものとみなされ,既納の手数料は返還される。

 第22規則 登録簿への変更の登録及び登録日

  • (1) 国際登録に影響を及ぼす変更は,国際事務局が本協定及び本規則に適合する変更登録申請を受理した日付でもって,国際登録簿に登録するものとする。
  • (2) 一部譲渡は,国際登録簿の一部譲渡された原国際登録の番号についてその登録を行うものとする。一部譲渡は,分離した国際登録として登録するものとし,かつ,一部譲渡された部分についての国際登録のその番号に大文字を付加するものとする。

 第23規則 訂正

  • (1) 国際登録簿の登録事項若しくは記載事項,又はこれらに係る通知若しくは公表に影響を及ぼすものであって,国際事務局に帰責される誤記は,国際事務局がいつでも訂正するものとする。
  • (2) 国際登録簿の登録事項若しくは記載事項,又はこれらに係る通知若しくは公表に影響を及ぼす誤記であって,国際事務局の見解によれば,国際登録から生じる権利を害するものであり,かつ,国内官庁に帰責されるものは,国内官庁からの誤記の訂正請求が,国際登録簿に登録又は記載した事を公表した日より6月以内に,国際事務局に到達した場合は,国際事務局が訂正するものとする。
  • (3) 国内官庁に帰責される誤記であって,国際登録簿の登録事項若しくは記載事項,又はこれらに係る通知若しくは公表に影響を及ぼすものであって,国際事務局の見解に基づけば,国際登録から生じる権利に影響を及ぼさないと認められた誤記は,国際事務局がいつでも訂正するものとする。
  • (4) 国際事務局は,国際登録簿に誤記の訂正を登録するものとする。
  • (5) 訂正部分について国内官庁による拒絶の決定がなされたものについては,第17規則を準用する。国際事務局は,訂正の公表日を第17規則(1)に規定する登録の日とみなす。

第7章 満了日の非公式な通知及び更新

 第24規則 満了日の非公式な通知

20年の存続期間の満了前6月に,又は10年間のための基本手数料の納付のされた10年の満了前6月に,国際事務局は,名義人及びその代理人にその期間満了日を非公式に通知するものとする。

 第25規則 更新の期限及び要件

  • (1) 更新手数料は,第32規則(1)(a)(i)に規定する20年間の基本手数料及び第32規則(1)(a)(iii)に規定する付加手数料であり,該当する場合は,第32規則(1)(a)(ii)に規定する追加手数料である。
  • (2) 更新手数料は,存続期間満了前1年より早い日前に納付することができない。
  • (3) 所要の手数料は,少なくとも,存続期間の満了日までに納付されなければならない。ただし,本協定第7条(5)に規定する6月の猶予期間の満了日までに第32規則(1)(d)に規定する特別手数料を納付する場合はこの限りでない。
  • (4) (1)に規定する手数料の納付及び該当する場合における第32規則(1)(d)に規定する特別手数料の納付にあっては,第34規則(2)に規定する事項を記載するものとする。更に該当する場合は,更新の際に,国際登録の満了日に国際登録簿に登録されている更新を求める国及び求めない国の記載をするものとする。
  • (5) 所要の手数料の納付は,当事者が直接行うことができる。ただし,名義人の属する国の国内法令がその納付をその国の国内官庁を経由して行うことを命じているか又は国内官庁を経由することを許可している場合はこの限りでない。当事者によって直接納付が行われた場合は,国際事務局は,直接当事者に通信するものとする。
  • (6) (4)に規定する限定は,本協定第7条(2)に規定する意味での変更の一部とはみなさない。

 第26規則 一部譲渡された国際登録の更新

  • (1) (2)の規定に従うことを条件として,一部譲渡された国際登録の更新は,譲渡人の持分及び譲受人の持分について,別個に効力が生じる。更新の条件は,譲渡人及び譲受人の双方に全面的かつ個別的に適用される。
  • (2) 譲渡人の持分と譲受人の持分とが,更新の日に同一の名義人の名義で登録されている場合は,それら持分は全く同一の更新でその原国際登録番号の下に更新される。

 第27規則 更新の欠陥

  • (1) 更新が,本協定又は本規則に定める要件に適合しない場合は,国際事務局は,名義人又は名義人の属する国の国内官庁に,その官庁を経由して所要の手数料を納付するように通知するものとする。
  • (2) 更新が次の要件に適合しない場合は,国際登録の更新はできず,既納の手数料は返還される。
    • (i) 存続期間の満了前
    • (ii) 第25規則(3)に規定する6月の猶予期間内

 第28規則 国際登録簿への更新の登録

  • (1) 本協定及び本規則に適合する更新がなされた場合は,存続期間の満了日をもって,国際登録簿に更新の登録がなされる。同様に,存続期間の満了日から6月以内の猶予期間内に効力の生じた更新も存続期間の満了日に登録される。
  • (2) 登録にあっては,次の事項を表示又は掲載するものとする。
    • (i) 更新の年月日
    • (ii) 更新の有効期間
    • (iii) 更新登録の番号
    • (iv) 名義人の氏名又は名称及び住所又は居所。該当する場合は,通信のための宛先
    • (v) 名義人の住所国が締約国でない場合は,名義人が国際登録の名義人であることを示す理由
    • (vi) 本国
    • (vii) 黒と白とで表示された標章の複製及び色彩の主張があるときは,彩色した複製
    • (viii) 該当する場合は,色彩の表示又は色彩の組合せの表示
    • (ix) 該当する場合は,図形的要素の国際分類の該当項目の表示
    • (x) 該当する場合は,「立体標章」である旨の表示
    • (xi) 該当する場合は,第8規則(2)(x)に規定する音訳及び第8規則(3)(ii)に規定する翻訳
    • (xii) 該当する場合は,「団体標章」,「証明標章」,「保証標章」の表示
    • (xiii) 商品及びサービスの国際分類の類に従って分類された商品及びサービスの表示。商品及びサービスの一覧の減縮は,すべての国に対し同一の効力を有するものではなく,各々の締約国に関し,各々異ったものとして表示される。この場合において,表示されるのは,拒絶の決定をした国についてのみである。
    • (xiv) 更新手数料の納付がなされたことにより標章が有効に登録されている国の表示
    • (xv) 該当する場合は,第8規則(3)(i)に規定する任意的な表示

第8章 証明,通知及び公表

 第29規則 証明

  • (1) 国際事務局は,登録時における国際登録簿上の記録の写の証明を名義人に送達するために,書留郵便で,本国の国内官庁に発送するものとする。
  • (2) 更新が当該国の国内官庁を経由して提出された場合は,国際事務局は,名義人又は名義人の属する国の国内官庁に,更新登録された国際登録簿の記録事項の写を認証し書留郵便で発送するものとする。

 第30規則 通知

  • (1) 国際事務局は,関係国の国内官庁に,国際登録,保護についての仮りの及び最終の拒絶,拒絶についての最終決定,無効,第19規則に基づく要約,更新,取消,訂正及び国際登録簿に記録されたその他の変更を書留郵便で通知するものとする。
  • (2) 国際事務局は,名義人に,保護についての仮りの及び最終の拒絶の通知書の写並びに拒絶の処分についての最終決定の写を書留郵便で発送するものとする。同様に,国際登録簿に記録された無効の登録事項についての写及び登録事項の変更に関する事項の写を普通郵便で発送するものとする。
  • (3) 国際事務局は,第11規則,第12規則及び第13規則に係る欠陥を有する国際登録出願については,国内官庁又は名義人に書留郵便で所定の通知及び通信を行うものとする。

 第31規則 公表

  • (1) 国際事務局は,月刊「Les Marques internationales」誌に,国際登録簿に記録されている登録,更新,変更,取消,訂正,保護についての最終拒絶(理由を除いて),拒絶の処分についての最終決定,無効処分及び第19規則に基づく要約,第2の10年の存続期間のための手数料の納付がなされた国際登録のその番号を公表する。更に,第2の10年間の存続に関し納付するべき手数料の未払いにより取り消された国際登録についてもその番号を公表するものとし,また,更新がなされなかった国際登録については,第10規則(3)及び第25規則(3)に関する猶予期間の経過後にその番号を公表するものとする。
  • (2) 国際事務局は,毎年,その年に国際登録された標章に係る名義人名のアルファベット順の一覧を公表するものとする。
  • (3) 国際事務局は,標章の国際登録の状況に関する年報を発行する。
  • (4) 国内官庁は,工業所有権の保護に関するパリ条約に従った貢献度に応じて,国際事務局より「Les Marques internationales」誌又はそのマイクロフィッシュの何れかを半額で写し2部及び無料で写し2部受領する権利を有する。

第9章 手数料

 第32規則 所定の手数料

(1) 国際事務局は,次に示す手数料をスイスフランで予め徴収するものとする。

(a) 国際登録料又は更新手数料

(i)

20年分(第10規則(1)及び第25規則(1))の基本手数料

720.-

始めの10年間分(第10規則(1))

470.-

残りの10年間分(第10規則(2))

600.-

(ii)

商品又はサービスが属する国際分類の類が3つの類を超える場合における1つの類ごとについての追加手数料(本協定第7条(1)及び第8条(2)(b))

80.-

(iii)

保護の拡張が求められている各国についての付加手数料(本協定第3条の3,第7条(1)及び第8条(2)(c))

80.-

(b) 特別手数料

(i)

図形要素を含む標章又は特殊文字態様の文字標章。ただし,色彩を施して公表する場合を除く。(第9規則(1))

60.-

(ii)

色彩を施して公表する場合(第9規則(2)(ii))

400.-
(c) 商品及びサービスの分類手数料(第12規則(2))

(i)

商品及びサービスの分類がなされていない場合又はそれらが類ごとに区分されていない場合

60.-

商品又はサービスについての表示語が20を超えた場合,その後の各1語ごとに

4.-

(ii)

表示された分類が正確でない場合は,1商品又はサービス表示(語)ごとに(分類をし直した語が,19語以下の場合は,手数料は不用)

4.-

(d) 猶予期間の利用のための手数料(第10規則(3)及び第25規則(3)):(a)の下で納付されるべき手数料の50%
(e) 各種の変更の登録手数料(本協定第9条(4)及び第20規則)

(i)

国際登録の保護を求める領域の追加(本協定第3条の3(2))

145.-

(ii)

国際登録の全部移転

145.-

(iii)

商品及びサービスに関し,国際登録の一部譲渡,又は,いくつかの国に関する国際登録の一部譲渡

145.-

(iv)

登録後のすべての国又はいくつかの国に対しての指定商品及びサービスの限定の請求。ただし,第33規則(iv)に含まれる場合を除く。

145.-

(v)

1の国際登録に対するその名義人の名称又は住所の変更

80.-

同時に,同様の変更を同一の名義人のために行うときの各々の変更

10.-

(vi)

代理人の選人の登録,代理人の変更その他代理人に関する変更事項の登録,ただし,第2規則(1)(f)及び(g)並びに第2規則(3)(i)及び(ii)に該当する場合を除き,


1の国際登録ごとに

30.-

同時に,同様の変更を同一の名義人のために行うときの各々の変更

10.-

(f) 国際登録の登録簿の謄本の交付のための手数料(本協定第5条の3(1))

(i)

登録簿の抄本の認証3頁まで

80.-

4頁以上は,1頁につき

10.-

(ii)

1の国際登録に対し,文書で行う証明又は回答

60.-

いくつかの国際登録について同一の名義人が同時に同一事項の申請をする場合において2以降のものについてはそれごとに

10.-

(iii)

国際登録に係る口頭での説明等については,1の国際登録ごとに

25.-

(iv)

1の国際登録の公報の複製印刷又は写真複写は,1頁につき

5.-

(2) 国際事務局は,緊急を要する事務の執行及び本規則に定められていないサービスの提供のため,手数料をその額を定めて徴収する権限を有する。

(3) 手数料の額が変更された場合は,新手数料は,その額の変更が適用される日又はその日より遅い日以降に登録される国際登録について適用される。前記の日又はその日以降に保護期間が満了する国際登録の更新についても適用される。第2の10年間の期間のために納付するべき手数料に関しても,その手数料の納付日が手数料の変更日以降となるものについては,同様に適用される。

 第33規則 手数料の免除

手数料は,次の場合は,免除される。

  • (i) 国際登録の取消
  • (ii) 一部の国での保護の放棄
  • (iii) 第9規則(4)に従って国際登録出願の時に効力が生じた場合に,一部の国についての商品及びサービスの一覧の限定
  • (iv) 本協定第6条(4)の第1文に従って国内官庁が要請した商品及びサービスの限定
  • (v) 本国における標章の登録の効力についての訴訟手続又は最終決定の国際登録簿への記載(本協定第6条(4)の第2文参照)
  • (vi) 判決,又は,仮りの若しくは最終の拒絶の通知の国際登録簿への記録
  • (vii) 第2規則(1)(f)及び(g)並びに第2規則(3)(i)及び(ii)に関係する場合の代理人の登録,その変更の登録及び登録された代理人に関する変更事項の登録

 第34規則 手数料の納付

  • (1) 国際事務局への手数料の納付は,次の方法による。
    • (i) 国際事務局が有する当座勘定への記入
    • (ii) 国際事務局の銀行口座への振込
    • (iii) 小切手
    • (iv) 国際事務局の郵便預金口座への納付又は振込
    • (v) 現金による納付
  • (2) 手数料の納付には,その目的並びに対象となる標章及び出願人の氏名若しくは名称又は国際登録簿に標章が登録されている場合であれば当該標章の名義人の氏名若しくは名称並びに国際登録番号及び登録年月日を表示しなければならない。
  • (3) 手数料は,国際事務局が要求額を受領した日,又は要求額を国際事務局に開設された口座に振り込むことが可能である場合は,国際事務局が当該額を当該口座に記入するようにという指示を受けた日に,本規則による方法に従って納付されたものとみなされる。

 第35規則 追加手数料及び付加手数料の割増

(1) 本協定第8条(5)に規定する事前審査制度を有する国が,追加手数料及び付加手数料の割増に関して受ける係数は,次のとおりである。

追加手数料及び付加手数料の割増に関して受ける係数

絶対的無効理由のみ審査する国に対しては

2

絶対的無効理由のみを予備的に審査する国に対しては,
(a) 第三者による異議申立がなされたとき
(b) 職権で行うとき


3
4

(2) 先行する最も重要な表示を職権で調査する国には,4の係数が適用される。

第10章 効力の発生及び経過規定

 第36規則 効力の発生

本規則は,1989年1月1日より効力を生じる。また,1975年9月29日に,1981年11月24日に及び1983年12月15日に改正された1974年6月21日の標章の国際登録に関するマドリッド協定に係る規則は,同日廃止する。

 第37規則 経過規定

  • (1) 1957年6月15日にニースで及び1967年7月14日にストックホルムで改正された協定と1934年6月2日にロンドンで改正された協定に基づいて1966年12月15日と1973年12月15日の期間内に効力が発生した国際登録が2つの登録日を有する場合であって,かつ,その国際登録の更新が当該両登録日の期間内に更新される場合は,当該更新の最終期限日の決定の日付としては,先の登録日が基準となる。
  • (2) 最も最近の登録日が更新の期限について適用される国についてのみ,当該登録日が更新日の決定の基準となるものとみなす。
  • (3) 国際登録の更新に際し,商品及びサービスが商品及びサービスについての国際分類の適切な類に分類されていない場合は,国際事務局は名義人又は国内官庁と協議するものとし,第27規則(2)に規定する期間内に更新手数料の納付があった場合に,適切な類に分類するものとする。国際事務局による分類は,本協定第7条(2)に規定する変更には該当しない。