• 用語解説

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オランダ 特許規則

 第1章 定義

 第1条 定義

本規則において「法律」とは,1995年の特許法をいう。

 第2章 特許出願又は特許に関する施行規定

 第1節 特許登録簿

 第2条 特許登録簿の管轄機関

庁(産業財産庁)は,第3条から第5条までの規定による特許登録簿を設置する。

 第3条 出願

出願の登録は,次に掲げる事項を特許登録簿に記録することによって行う。

  • (a) 出願日及び出願についての一連番号,並びに,法律第28条(1)の意味での別途の出願に係わる場合は,原出願の出願日及びその一連番号,更に,法律第47条の意味における変更された出願が生じる場合は,その事実
  • (b) 出願人の氏名及び住所,並びに,代理人が選任されている場合は,代理人の氏名
  • (c) 発明者の氏名及び住所。ただし,同人が発明者として記載される必要のないことを書面で述べている場合を除く。
  • (d) 発明についての簡潔な表示,及び,特許の国際分類に関する1971年3月24日のストラスブール協定(Trb. 1972,81)に述べられている特許の国際分類による,出願の所属範疇(カテゴリー)についての記述
  • (e) 特許出願の要約書の全文
  • (f) 法律第25条(2)が適用される場合は,該当する微生物の培養物を寄託した機関及びその寄託番号,並びにその日付
  • (g) 法律第9条の意味での優先権の利益の享有を望む旨の要望。これには出願人が基礎とする出願の日付及び番号並びに当該出願がされた国又は機関を記載するものとする。

 第4条 その他の書類の登録

  • (1) 特許登録簿には,更に次に掲げる事項を登録する。
    • (a) 庁に提出される書類であって,法律に従い,又は請求に基づき,正式に特許登録簿へ登録を行わなければならないもの
    • (b) 庁に提出される書類であって,(a)に述べる書類ではないが,特許出願又は特許についての特許出願人,特許権者又は第三者の権利又は義務に係わるもの
    • (c) 庁に提出される特許出願又は特許に係わる書類であって,所有者の氏名の変更を示すもの
  • (2) 登録は,書類の性質及び主題,並びに書類提出日を記録することにより行う。

 第5条 特許登録簿への記載

  • (1) 次に掲げる事項を,特許登録簿に記載する。
    • (a) 法律により庁が記録しなければならない事実
    • (b) 第4条に掲げられているもの以外の書類の提出及び(a)に掲げられているもの以外の事実であって,庁の判断において,その記載が,特許出願及び特許に関して生じる全容を明確に展望するために必要であるもの
  • (2) 記載は,事実の性質及びその日付,並びに,記載が書類の提出に係わる場合は,書類の性質を記録することによって行う。

 第2節 1995年の特許法に基づく納付金額

 第6条 納付金額

(1) 法律第23条(3)により,(権利回復の)請求を行うときに納付しなければならない金額は,355オランダ・ギルダー(NLG:以下,単に「ギルダー」と略記する。)である。

(2) 法律第24条(5)により,特許の出願を行うときに納付しなければならない金額は,325ギルダーである。

(3) 法律第32条(3)及び第37条(3)により,それらの条文の意味での請求を行うときに納付しなければならない金額は,次の通りである。

  • 1200ギルダー:技術水準について調査報告を行うことの請求に係わるものであるが,調査報告が国際型の調査報告でない場合
  • 2400ギルダー:出願を国際型調査報告の対象とすることに係わる場合

(4) (3)に述べる金額は,請求後3月以内に,欧州特許庁又は庁が,類似の特許出願についての技術水準に関する類似の研究のために既に前に行っている技術水準についての研究結果が提出される場合は,返還されるものとする。

(5) (3)に述べる金額は,欧州特許庁又は庁が,類似の特許出願についての技術水準に関する類似の研究のために既に前に行っている技術水準についての研究報告の結果が,請求と同時に提出される場合は,技術水準についての調査請求のために納付することを要しない。

(6) 欧州特許明細書若しくは,欧州特許が異議手続において訂正されたときには,欧州特許の新しい明細書についてのオランダ語翻訳文の提出,又は欧州特許明細書若しくは欧州特許の新しい明細書についての訂正翻訳文の提出に関する事項において,法律第52条(1),(6)及び(7)により納付しなければならない金額は,各々55ギルダーである。

(7) 個々の特許又は欧州特許について,法律第61条(1)又は(2)により,年毎に納付しなければならない金額は次の通りである。

特許又は欧州特許の年毎の納付金額
第1回目

480ギルダー

第2回目

555ギルダー

第3回目

630ギルダー

第4回目

700ギルダー

第5回目

775ギルダー

第6回目

875ギルダー

第7回目

975ギルダー

第8回目

1075ギルダー

第9回目

1150ギルダー

第10回目

1225ギルダー

第11回目

1300ギルダー

第12回目

1400ギルダー

第13回目

1600ギルダー

第14回目

1700ギルダー

第15回目

1775ギルダー

第16回目

1850ギルダー

第17回目

1950ギルダー

第18回目以後

2025ギルダー

(8) 納付期限後に納付するときに,法律第61条第(3)により納付しなければならない割増金は,50ギルダーである。

(9) 法律第84条(3)により,同条にいう意見に対して納付しなければならない手数料は,1200ギルダーである。

 第7条 特許協力条約関連の手数料金額

  • (1) 特許協力条約第2条(XV)の意味での受理官庁としての庁の行動に対して,法律第17条(2)に従って納付しなければならない手数料金額は,次の通りである。
    • (a) 特許協力条約手続規則の規則14.1にいう送付手数料:110ギルダー
    • (b) 当該手続規則の規則20.9にいう手数料:認証謄本1通につき20ギルダー
  • (2) (a)の第1段落に引用した手続規則の規則15又は規則16の個々の意味での国際手数料及び調査報告手数料は,オランダ通貨で庁に納付しなければならない。
  • (3) (a)の第1段落に記載する送付手数料は,出願の受理日後1月以内に庁に納付しなければならない。

 第8条 その他の納付金額

  • (1) 法律第38条(2)の意味における請求の登録については,手数料50ギルダーを納付しなければならない。
  • (2) 特許又は特許出願に起因する権利の譲渡又はその他の移転を証するライセンス証書又は譲渡証書の個々の登録について,法律第56条(2)又は法律第64条(2)によって納付されるべき金額は,当該証書が係わる個々の特許及び個々の出願につき60ギルダーである。
  • (3) 特許出願又は特許についての所有者の氏名の変更を証する書類の登録については,各特許及び各特許出願につき,手数料24ギルダーを納付しなければならない。氏名の変更が5件を超える特許又は特許出願に係わるときは,個々のその後の特許及び個々のその後の特許出願につき,12ギルダーの手数料を納付しなければならない。
  • (4) 前記諸号に掲げるもの以外の登録のための提出書類の登録については,各件につき60ギルダーを納付しなければならない。ただし,1件の書類が2件以上の特許又は特許出願に係わる場合は,納付金額は追加件数を乗じたものとする。

 第3節 特許出願又は特許に関する書類についての総則

 第9条 総則

  • (1) 納付に際しては,必要な場合は納付金額を分割し,納付の目的を明示的かつ十分に表示しなければならない。
  • (2) 書類上の署名は,庁の請求がある場合は,認証を受けなければならない。

 第4節 特許出願並びにその明細書,図面及び要約書についての規則

 第10条 出願内容についての要件

  • (1) 特許出願は2通提出するものとし,また,法律第24条(1)(a)及び(b)に定めるものに加え,次に掲げる事項を記載しなければならない。
    • (a) 代理人が選任されている場合は,その氏名,住所及び送付先
    • (b) 出願が法律第28条の意味での別個の出願に係わる場合は,原出願の出願日及びその一連番号
  • (2) 法律第24条(1)(d)にいう簡潔な表示には,全ての空想的名称は含まれないものとする。願書に添付されている明細書が異なる範疇のクレームを含んでいる場合は,このことを簡潔な表示によって明らかにしなければならない。
  • (3) 願書には付属書類の要約を付し,個々の付属書類の性質を記載しなければならない。
  • (4) 出願が2人以上によってなされる場合は,共同出願人の共通の住所を記載しなければならない。代理人が選任されていない場合は,共通の代理人として行為する出願人を表示しなければならない。

 第11条 明細書についての要件

特許出願に添付する明細書は,次に掲げる規則を満たしていなければならない。

  • (a) 明細書は2通提出するものとし,A4サイズ(29.7cm×21cm)の1又は2枚以上の用紙の片面に記載されていなければならず,また,その用紙は柔らかく,強く,白色,なめらか,無光沢で耐久性のあるものでなければならない。
  • (b) 明細書は暗色の褪色性のないインクで印刷又はタイプされており,写真,静電気的方法,写真オフセット及びマイクロフィルムによって直接に任意の部数を複製することができるように作成されていなければならない。用紙には,裂け目,しわ,折り目があってはならない。
  • (c) 文言(テキスト)は,行間間隔を1.5行としてタイプ又は印刷しなければならない。文言は全て文字で表現し,その大文字は最低0.21cmの高さでなければならない。
  • (d) グラフィック記号及び標識並びに化学式又は数式は正確に表記しなければならず,また,必要な場合は,手書又は素描でも良い。
  • (e) 明細書には,法律第24条(1)(d)にいう簡潔な表示を表題として記載しなければならない。
  • (f) 法律第24条(1)(e)の意味でのクレームは,新しい用紙で始めるものとし,連続番号を付さなければならない。
  • (g) 明細書各頁の5行目毎に番号を付すものとし,番号は左側余白の右半分に記入しなければならない。
  • (h) 明細書の頁には,アラビア数字で連続番号を付さなければならない。ページ番号は頁の上部中央に記入しなければならない。
  • (i) 明細書の頁の四周には,少なくとも次の寸法の余白を設けなければならない。
    • 上部 2cm
    • 右側 2cm
    • 左側 2.5cm
    • 下部 2cm
  • (j) 明細書には,技術水準との比較における新規性を明記し,産業領域において予想される結果を記載しなければならない。
  • (k) 明細書中のクレームには,何が新規であるか,また,どの点において排他的権利を求めているかを正確に記載しなければならない。
  • (l) 法律第28条の意味での別個の出願についての明細書及びクレームは,原出願を参照することなく理解できるものでなければならない。
  • (m) 明細書は精確で正しく,できる限り簡潔であり,無用な反復を含まず,削除及び変更,挿入及び行間記入のないものでなければならない。
  • (n) 明細書中の重量及び寸法は,メートル法,摂氏温度を使用して表示し,化学要素,化合物及び数量並びに物理学及び技術の観点からの数量は,承認されている国際慣行の方式で表示しなければならない。
  • (o) 明細書には科学的,数学的又は技術的な式及び記号以外の図形を記載してはならない。
  • (p) (o)に述べる図形は,印刷するのに大き過ぎる紙面を要するか,又はそれ以外の困難が生じる場合は,図面として別途に提出しなければならない。
  • (q) 出願がヌクレオチド又はアミノ酸配列に係わる場合は,次の通りにしなければならない。
    • (i) 発明の明細書は,世界知的財産機関が定めた基準による配列表を含んでいなければならない。
    • (ii) 出願が,それに対する調査報告を請求する場合は,出願には,機械的な読みとりが可能であり,また,欧州特許庁が定めた基準に合致している形での,(i)に述べる配置表を含む電子的データ記憶媒体を添付しなければならない。

 第12条 図面についての要件

特許出願に添付する図面は,様式に関し,次に掲げる規則を満たしていなければならない。

  • (a) 図面は2通提出するものとし,A4サイズ(29.7cm×21cm)の1又は2枚以上の用紙の片面に記載されていなければならず,また,その用紙は柔らかく,強く,白色,なめらか,無光沢で耐久性のあるものでなければならない。
  • (b) 図面の全ての部分は,単一の暗色により,しっかりと均一に描かれた耐久性のある線で作成されており,写真,静電気的方法,写真オフセット及びマイクロフィルムによって直接に任意の部数を複製することができるものでなければならない。用紙には,裂け目,しわ,折り目があってはならない。
  • (c) 明細書の頁の四周には,少なくとも次の寸法の余白を設けなければならない。
    • 上部 2cm
    • 右側 2cm
    • 左側 2.5cm
    • 下部 2cm
  • (d) 個々の図は互に分離されており,連続番号が付されていなければならない。
  • (e) 図面は明瞭でなければならず,また,当該発明の適切な理解に必要なもの以外のものを含んでいてはならない。
  • (f) 断面は,引用符号や引出線の明瞭な読みとりを妨げない形でのハッチングによって示さなければならない。
  • (g) 図面の尺度を決定するに際しては,図の複雑度を考慮に入れなければならない。尺度は,3分の2の線縮尺の写真複製において,細部を困難無く読みとるのに十分なものでなければならない。
  • (h) 図の全体又は一部を示すための引用符号は,明細書の適切な理解に必要な限度においてのみ使用されるものとする。それは,明細書において使用されている引用符号と対応していなければならない。異なる図にある同一部は,同じ引用符号を使用して,記載されなければならない。
  • (i) 明細書に発明の別形が記載されている場合は,これらの別形に対応する図において,異なる図における同一特徴の関連引用番号によって示される方法,例えば,一般的特徴「15」は別形において「115」,「215」等とする方法を使用しなければならない。
  • (j) 引用符号を異なる部分に使用してはならず,異なる図においても同様である。引用符号に強調(アクセント)及び番号を付加することは,できるだけ避けなければならない。
  • (k) 図面には説明的文言を書いてはならない。ただし,水,蒸気,II-II(断面について),開,閉の表示及び,電気ブロック図式又は製造図式に関する,それの適切な理解に必要な表示は例外とする。これらの表示は,オランダ語で記載しなければならない。

 第13条 要約書についての要件

出願に添付する要約書は,次に掲げる要件を満たしていなければならない。

  • (a) 要約書は2通提出するものとし,A4サイズ(29.7cm×21cm)の耐久性のある白色の用紙に暗色の褪色性のないインクでタイプ又は印刷されていなければならない。
  • (b) 要約書はオランダ語で作成し,最低50語,最高250語,又は要約書が図を含んでいる場合は,最高150語でなければならない。
  • (c) 原則として,要約書は1つの図のみを含むものとし,図は別のA4用紙で提出しなければならない。

 第14条 標準様式

特許出願及びその明細書は,庁がその目的で設定している標準様式で作成することが望ましい。

 第5節 特許出願又は特許に係わる書類であって,第4節に掲げるもの以外についての規定

 第15条 他の書類に関する規定

  • (1) 庁に提出される書類であって,特許出願又は特許に係わっており,かつ,第4節に掲げられていないものは,2通提出されるものとし,出願人又は権原の所持人/所有者の住所及び氏名,並びに出願又は特許の一連番号を含む表題を記載していなければならない。
  • (2) (1)に述べる書類は,明瞭に読みとれるものであって,法律第9条(6)に述べる書類を例外として,オランダ語で作成されるか,又は,要求が有れば,オランダ語の認証訳文を提出しなければならない。請求が有れば,庁はオランダ語訳文に関し,臨時的又はその他の方法で,提出の免除を許可する権限を有する。

 第16条 申立書についての要件

法律に定める申立書は,提出当事者又はその代理人が署名し,次に掲げる事項を記載していなければならない。

  • (a) 氏名及び住所,又は申立が法人に係わる場合は,願書を提出する法人の名称及び住所,並びに,代理人が選任されていない場合は,その送付先
  • (b) 代理人が選任されている場合は,代理人の氏名,住所及び送付先

 第6節 微生物にかかわる特許出願及び特許に関する規定

 第17条 微生物についての特許出願に関する規定

  • (1) 法律第25条(2)に掲げる事例においては,発明の明細書は,次に掲げる事項を記載しなければならない。
    • (a) 出願人に知られている当該微生物の性質についての関連情報
    • (b) 寄託機関,培養物の寄託番号,及び寄託日
  • (2) 出願には,次に掲げる事項を添付しなければならない。
    • (a) 出願人が寄託した微生物の培養物の試料を第21条により分譲することについて,出願人が撤回不能の条件で許可を与える旨の宣誓書
    • (b) 微生物が寄託された寄託機関が発行した受領書の写し
    • (c) 第19条で述べる陳述書の写し
  • (3) (1)(b)で述べる番号及び(2)(b)で述べる写しは,出願後1月の期間内に提出することもできる。

 第18条 微生物の培養物の寄託

  • (1) 法律第25条(2)による微生物の培養物の寄託は,次に掲げる機関に対してすることができる。
    • (a) 特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関する条約(Trb. 1978,90)により,国際寄託当局の地位を有する機関,又は
    • (b) 庁が指定する機関
  • (2) (1)にいう指定には,当該機関が次に掲げる事項を行う意図及び能力を有していることを条件とする。
    • (a) 微生物の培養物を受託して,受託証を発行し,また,受託物の性質と安全を維持するために必要な措置を取りつつ,第20条(1)に従い保存すること
    • (b) 寄託された微生物の培養物の試料を第21条に従い提供すること
    • (c) (a)及び(b)の規定を損なうことなく,寄託された微生物の培養物を,寄託機関が該当する培養物について試料提供の要求を最後に受領してから最低5年間,また,如何なる場合においても,寄託の日から最低30年間,保存し,かつ,培養物の試料の提供を可能にすること
  • (3) (1)(b)の意味での指定は,微生物の培養物の全種類又は特定の種類に対して行うことができる。
  • (4) 庁は,かかる機関が(2)の規定を満たさなくなったときには,(1)(b)の意味での指定を撤回するものとする。
  • (5) (2)(b)の目的では,庁が指定する機関は,特許評議会(Patent Council)が指定する機関と同等とされる。

 第19条 微生物の培養物の寄託に関する陳述書

法律第25条(2)による寄託の場合は,寄託者は次に掲げる事項を記載した陳述書を提出しなければならない。

  • (a) 当該微生物の事情及び性質であって,培養,保管,取扱い及び生存に関係するものについての説明
  • (b) 当該微生物に関する存在確認方法の表示
  • (c) 当該微生物についての識別のための表示,及び,可能な場合は,当該微生物についての科学的記述,及び分類学的名称案

 第20条 微生物の培養物の分譲可能性

  • (1) 法律第25条(2)により寄託された微生物の培養物は,該当する出願の出願日から,当該出願について特許が付与されないことが確定する日まで,又は当該出願について付与された特許が満了・失効する日まで,第21条による試料の分譲ができるようにしておかなければならない。
  • (2) 微生物の培養物が,微生物がもはや生存できないか又は寄託機関がそれ以外の事由で培養物の提供ができなくなったという理由で,保存していた寄託機関から入手できなくなり,かつ,培養物が,それを引き続き入手できるようにするために,第18条(1)の意味での他の機関に移転されていない場合であっても,当該機関又は庁が培養物の分譲ができなくなった旨の通知を出してから3月以内に,当該微生物の培養物を新たに寄託し,該当する機関が発行し,特許出願又は特許番号を指定した受領書の写しが庁に送付されたときは,前記培養物は引き続き分譲可能であったものとみなされるものとする。
  • (3) (2)の規定は,培養物を保存している機関が寄託された微生物の培養物についての機能を停止する場合,又は第18条(1)に述べる要件を満たさなくなった場合は,(2)に述べる3月の期間はその事実が第27条(1)述べる定期刊行物に公表される日を起算日とするとの理解のもとに,準用する。
  • (4) (2)にいう新規寄託には,新規に寄託した微生物は当初寄託したものと同一である旨の,寄託者が署名した宣誓書を添付しなければならない。
  • (5) (3)の意味での事実が生じた場合は,庁は可及的速やかに第27条(1)に述べる刊行物で通知しなければならない。

 第21条 試料の提供

  • (1) 法律第21条に基づき,特許出願又は特許に係わる同条記載の書類を査察する権利を有する者は,法律第25条(2)により,出願又は特許に係わる寄託された微生物の培養物について,その試料の分譲を請求することができる。
  • (2) 請求は,庁が定めた様式により,庁にしなければならない。請求書には,当該出願について特許が付与されないことが確定する日まで,又は特許が付与されている場合は,それが存続している限り,請求当事者が出願人又は特許権者に対して次のことを保証する旨の請求当事者の宣誓書を添付しなければならない。
    • (a) 寄託された培養物又はそれに由来する培養物を第三者に利用させないこと
    • (b) 請求人が法律第57条又は第60条に起因する実施権者,又は法律第59条により使用する権利を有する者として培養物を使用する場合を除き,試験の目的でのみ使用すること
  • (3) 特許出願人は法律第31条により出願が登録される日まで,庁が定める様式を使用し,特許が付与される日又は出願について特許が付与されないことが確定する日まで,出願人が寄託した微生物の培養物について,(1)による試料の提供を請求人が指定する専門家に限定することを通知することができる。その場合は,(2)の第2文の全文での誓約書には,該当する専門家も署名しなければならない。
  • (4) 次に掲げる者を専門家として指定することができる。
    • (a) 自然人であって,請求人が請求書を提出するときに,特許出願人がその選任に同意していることを証することができる者
    • (b) 自然人であって,庁の長官により,専門家として承認されている者
  • (5) (3)の目的としては,微生物の培養物であって,寄託された培養物の,発明の出願に必須の性質を依然として保持しているすべての培養物を,派生した培養物ともなすものとする。(2)に述べる保証は,特許の付与を求める手続のために必要な派生した培養物の寄託に対する障害を構成しない。
  • (6) 庁は,かかる請求を寄託機関に送達しなければならない。庁は送達をする際に,微生物の寄託についての陳述書を含む特許出願が提出されているか否か,及び請求人は微生物の試料の提供を受ける権利を有しているか否かを記載しなければならない。庁は,寄託機関への請求の送達と同時に,かかる請求の写しを特許出願人又は特許権者に送付しなければならない。

 第22条 ブダペスト条約との抵触

第18条(1)及び第20条(2)に述べる寄託が,第18条(1)(a)に従ってなされた場合において,本節の規定がブダペスト条約と抵触するときは,同条約の規定が優先する。

 第7節 欧州特許

 第23条 欧州特許に関する規定

  • (1) 法律第52条(1)が規定する特許付与後の期間であって,欧州特許庁が欧州特許条約第97条(4)により,特許を付与すると提示した原文のオランダ語訳文を提出しなければならない期間は,付与の決定が公表されてから3月である。
  • (2) 異議申立手続中における欧州特許の補正の場合,新しい特許明細書正文の翻訳文を提出しなければならない期間は,欧州特許条約第103条により異議申立についての決定の発表が公表されてから3月である。
  • (3) 法律第52条(1)又は(2)により納付を要する手数料は,本条(1)又は(2)に定める3月の期間が満了する前に納付しなければならない。
  • (4) 第11条及び第12条を,法律第52条にいう欧州特許明細書及び新しい欧州特許明細書の翻訳文,並びにそれの訂正翻訳文に準用する。翻訳文の各頁には,欧州特許が付与されることになった欧州特許出願の公開番号を記載しなければならない。
  • (5) 翻訳文の認証は,翻訳文は特許代理人が知る限りにおいて,完全かつ正確である旨の宣誓書の形で行われるものとする。この宣誓書には,該当する特許代理人が署名しなければならない。

 第8節 特許証

 第24条 特許証

  • (1) 庁は特許が付与されたことを発表することに加え,特許権者に次に掲げる事項を記載した証明書を交付する。
    • (a) 特許権者の氏名及び住所,又は法人に係わる場合は,その名称及び住所
    • (b) 発明についての簡潔な表示
    • (c) 特許付与日及び特許付与の特許登録簿への登録番号
    • (d) 出願の一連番号及び出願日,並びに,法律第28条の意味での別個の出願により付与された特許に係わる場合は,原出願についての上に掲げる事項についての情報
    • (e) 優先権についての記載
    • (f) 法律第33条(5)又は第36条(5)にいう期間の満了日
  • (2) 特許証は,庁の長官又はその代理により署名されるものとする。

 第9節 庁の業務

 第25条 特許明細書の発行

  • (1) 法律第33条(4)及び法律第36条(2)による特許明細書の発行は,特許出願の特許登録簿への登録日,特許付与日及び特許登録簿に登録された特許付与の番号,特許の存続期間,並びに第3条に掲げる情報,並びに,該当する場合は,技術水準についての調査の結果についての記載の形で行われる。
  • (2) (1)にいう書類の写しは,可及的速やかにオランダ領アンチル列島の産業財産庁に送付されるものとする。

 第26条 情報,抄本,謄本

  • (1) 何人も,請求の対象とする特許出願又は特許及び書類を表示し,法律第19条(4)の意味における趣旨の請求をすることにより,次に掲げるものの支給を受けることができる。
    • (a) 特許登録簿記載事項についての書面による情報。ただし,情報が1件の特許出願又は特許に係わる場合は7ギルダー,情報を請求する追加の特許出願又は特許1件につき3.50ギルダーの手数料を納付しなければならない。
    • (b) 特許登録簿についての認証抄本。ただし,請求される抄本が係わる特許出願又は特許1件につき20ギルダーの手数料を納付しなければならない。
    • (c) 特許登録簿に登録されている書類の写し。ただし,適格の各謄本に対して庁が決定する手数料及び第27条(3)に述べる「付属紙」に発表されており,1頁当たり2ギルダーを超えない金額を納付しなければならない。
  • (2) 請求する権利を有する当事者は,請求により,オランダで出願された特許出願に基づく優先権の証明書の支給を受けることができるが,その場合は,証明書1通につき20ギルダーの手数料を納付しなければならない。

 第10節 「産業財産」公報

 第27条 「産業財産」公報

  • (1) 法律第20条(1)にいう定期刊行誌の名称は「産業財産」とし,庁が定める時期に定期的に発行されるものとする。
  • (2) 庁は当該定期刊行誌の構成について責任を負い,その価格を決定するものとし,価格は当該定期刊行誌に発表しなければならない。
  • (3) 定期刊行誌「産業財産」又はその「付属紙」は,法律及び本規則に定める通達に加え,すべての者が閲覧する権利を有する書類に関する情報,及び庁がその判断において,欧州特許を含め,特許出願及び特許に関して生じる全てのことを明白に展望するために必要と考える発表を掲載する。
  • (4) 更に庁は,特許付与に係わる諸問題に関し,できるだけ有効に公衆に伝える目的で,庁の判断において適格である情報を定期刊行誌「産業財産」又はその関連「付属紙」に発表させるものとする。
  • (5) 弁理士規則第3条の意味での弁理士登録簿における登録及び抹消も,定期刊行誌「産業財産」又はその関連「付属紙」に発表されるものとする。

 第3章 法律第57条(2)の意味における国家

 第28条 法律第57条(2)(不使用に起因する強制ライセンス)の意味における国家

法律第57条(2)の意味での国家は,欧州連合の加盟国又は欧州経済地域に関する協定の締約国である他の国家である。

 第4章 オランダ領アンチル列島の産業財産庁に提出される出願

 第29条 オランダ領アンチル列島の産業財産庁に提出される出願

オランダ領アンチル列島の産業財産庁に提出される特許出願は,オランダ所在の庁が受理次第,法律第31条に従って特許登録簿に登録される。

 第5章 証明書及び証明書の申請に係わる施行規定

 第30条 証明書の交付申請手数料

証明書の交付申請手続のときに納付しなければならない手数料は1200ギルダーである。

 第31条 証明書の維持のために納付を要する年金

証明書の維持のために納付しなければならない年金額は,基本特許が引き続き存続していた場合に,当該特許に対して第6条(7)により納付しなければならない金額と同額である。第6条(8)の規定を準用する。

 第6章 最終規定

 第32条 施行期日

本規則は,勅令によって定められる期日から施行されるが,施行期日は異なる条項又はその部分によって相違することがある。

 第33条 引用のための名称

本規則は「1995年特許法施行規則」として引用されるものとする。

本規則をその説明のための書類と共に,法律,命令及び規則についての公報及びオランダ領アンチル列島の官報に掲載することを請求し,命令する。