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弁理士法の一部を改正する法律について(報道発表)

平成14年4月
経済産業省
特許庁

1.法律改正の目的

知的財産関連の侵害訴訟件数は、ここ10年間で約2倍(311件(平成3年)→610件(平成12年))に達し、今後も増加が予測。
これに対し、知的財産専門の弁護士(弁理士登録している者)は、300人弱に留まっており、米国(特許弁護士約16000人)に比べ十分なサービス提供が困難な状況にあり、産業界等ユーザーサイドからも専門性の高い訴訟代理人の質的・量的拡大による紛争処理サービスの充実・強化が強く要請されている。
このため、知的財産権に関する専門的知見を有する弁理士に、特許権等侵害訴訟における訴訟代理権の付与を行う必要がある。

2.法律の概要

弁理士への侵害訴訟代理権の付与

  • 特許権等の侵害訴訟(弁護士が訴訟代理人になっている事件に限る。)における訴訟代理権を弁理士に付与。このため、訴訟代理権の付与を希望する弁理士に対し信頼性の高い能力担保措置を講じる。
    • 「特許権等の侵害訴訟」は、具体的には、特許、実用新案、意匠、商標若しくは半導体回路配置に関する権利又は特定不正競争による営業上の利益に関する侵害訴訟とする。
    • 「信頼性の高い能力担保措置」は、民事訴訟実務に関する研修及びその効果を判定するための試験により構成する。
  • 弁理士の出廷について、共同受任している弁護士との共同出廷が原則であるが、裁判所が相当と認めるときは、単独出廷ができる。

抜粋

【司法制度改革審議会意見書】(平成13年6月12日)

-II.国民の期待に応える司法制度

第1 民事司法制度の改革

3.知的財産権関係事件への総合的な対応強化

知的財産権関係訴訟事件の審理期間をおおむね半減することを目標とし、民事裁判の充実・迅速化に関する方策に加え、以下の方策等を実施すべきである。

弁理士の特許権等の侵害訴訟代理権については、信頼性の高い能力担保措置を講じた上で、これを付与すべきである。

(2)総合的な対応強化の具体的方策

技術的知見を有する弁理士の専門性をも活用するため、弁理士の特許権等の侵害訴訟代理権(弁護士が訴訟代理人となっている事件に限る。)については、信頼性の高い能力担保措置を講じた上で、これを付与すべきである。

-III.司法制度を支える法曹の在り方

第3 弁護士制度の改革

7.隣接法律専門職種の活用等

訴訟手続において、隣接法律専門職種などの有する専門性を活用する見地から、

弁理士への特許権等の侵害訴訟(弁護士が訴訟代理人となっている事件に限る。)での代理権については、信頼性の高い能力担保措置を講じた上で、これを付与すべきである。

弁護士と隣接法律専門職種との関係については、弁護士人口の大幅な増加と諸般の弁護士改革が現実化する将来において、各隣接法律専門職種の制度の趣旨や意義、及び利用者の利便とその権利保護の要請等を踏まえ、法的サービスの担い手の在り方を改めて総合的に検討する必要がある。しかしながら、国民の権利擁護に不十分な現状を直ちに解消する必要性にかんがみ、利用者の観点から当面の法的需要を充足させるための措置を講じる必要がある。
このような観点に立ち、訴訟手続きにおいては、隣接法律専門職種などの有する専門性を活用する見地から、少なくとも、・・・中略・・・、弁理士の特許権等の侵害訴訟(弁護士が訴訟代理人となっている事件に限る。)での代理権については、信頼性の高い能力担保措置を講じた上で、これを付与すべきである。

弁理士制度について

弁理士制度について

[弁理士法の一部を改正する法律について(平成14年4月17日掲載)]からリンク

[更新日 2002年8月7日]

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