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令和5年6月28日
令和5年3月10日に閣議決定された「不正競争防止法等の一部を改正する法律案」が、令和5年6月7日に可決・成立しました。この法律(以下「改正法」といいます。)は、令和5年6月14日に公布され、改正法における特許法第191条第1項の改正規定については、令和5年7月3日が施行日となります。
本改正により、国際郵便の引受停止により在外者への発送が困難な状況が6か月間継続した場合には、公示送達を行います。
現行の特許法では、日本国内に住所又は居所、法人にあっては営業所を有しない者(以下「在外者」といいます。)に対しての送達は、在外者に特許管理人(在外者の特許に関する代理人であって日本国内に住所又は居所を有するもの。)があるときは、その特許管理人に送達し(特許法第192条第1項)、在外者に特許管理人がないときは、在外者に直接、航空扱いとした書留郵便等に付して発送(いわゆる「直送」)することとされています(同条第2項)。
(以下、実用新案法、意匠法及び商標法においても同様です。)
しかしながら、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大、また、ウクライナ情勢により、一部の国・地域においては国際郵便の引受けが長期間停止されているため、書類の送達をすることができず、審査や手続の進行に以下のような弊害が生じています。
そこで、通常の手段では送達できない場合に送達をするための手段である公示送達の要件を改正することとしました。
公示送達について規定した特許法第191条第1項を改正し、第192条第2項により書類を発送することが困難な状況が6か月間継続した場合を追加します。
具体的には、国際紛争や感染症の影響により現実に国際郵便の引受けが停止され、当該国・地域に対して発送することができない場合を想定しており、この改正により、国際郵便の引受停止が長期化した場合においても、公示送達を行うことにより、審査や手続を進めることができます。
なお、改正特許法の施行日前から国際郵便の引受停止が発生していた案件につきましては、施行日前の期間は算入せず、施行日以後6か月間引受停止が継続した場合に、公示送達を行うこととなります(改正法附則第3条第1項)。
公示送達の情報はこちらに掲載していますのでご確認ください。
上記1.のとおり、書類の送達は、まず特許管理人に対して行うことになります。
特許管理人が選任されていないことで、国際郵便の引受けが停止された場合は公示送達をすることになりますので、在外者は、常に特許管理人を置くようにお願いします。
また、特許管理人となった弁理士等は、引き続き在外者との円滑な連絡体制の構築に努めるよう、お願いします。
そのほか、上記1.のとおり、特許管理人がない場合は、在外者に直送します。住所等を変更した場合は、特許管理人を選任して必要な届出を行ってください(日本国に滞在している場合は、本人が手続をすることができます。)。
特許庁審判部審判課
電話:03-3581-1101
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[更新日 2025年4月1日]
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