ホーム> 制度・手続> 特許> 特許協力条約(PCT)に基づく国際出願> 日本国受理官庁に出願するPCT国際出願のDAS対応について
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2025年4月1日以降に日本国受理官庁(以下、RO/JP)にインターネット出願ソフトを用いてオンライン出願されたPCT国際出願は、DASシステム及びWIPO国際事務局(以下、IB)が提供するePCTシステム(以下、ePCT)に出願時の認証謄本が格納(※1)され、アクセスコードが付与されます。
これにより、当該PCT国際出願を優先権主張の基礎として新たな出願をする際、当該アクセスコードを利用することで、優先権書類の提出を省略することができます。
なお、RO/JPに出願されたPCT国際出願に付与されるアクセスコードは、台湾智慧財産局との優先権書類の電子的交換(二庁間PDX)には利用できないことにご留意ください。
※1 格納される認証謄本は、PCT国際出願時に提出された国際出願願書(職権訂正された内容を含む)、明細書、請求の範囲、要約書、図面(提出されている場合)です。
本記事では、RO/JPにオンライン出願されたPCT国際出願に付与されるアクセスコードの入手方法や、当該アクセスコードの利用方法についてご案内します。
2025年4月1日以降にRO/JPにオンライン出願されたPCT国際出願は、DASシステム及びePCTシステムに出願時の認証謄本が格納され、アクセスコードが付与されます。当該アクセスコードの入手方法は以下のとおりです。
アクセスコードはIBより、願書に記載した手続者のメールアドレス宛てに通知されます。
願書に手続者のメールアドレスを記載しなかった場合や、受領したメールを削除してしまった場合は、ePCTで照会して入手することが可能です(※2)。
ePCTで照会するには、「WIPOユーザアカウント」の作成、「高度な認証方法」の設定、及び「ePCTアクセス権」の取得が必要です。当該手続については、「ePCTを利用したWIPO国際事務局(IB)との通信手段」をご参照ください。
※2 以下画面のように、「一般情報」の欄に4桁のアクセスコードが表示されます。
なお、DASシステムへの格納及びアクセスコードの付与自体を希望しないこともできます。その場合は、インターネット出願ソフトの国際出願タブから願書を作成される際、注釈(Annotate)タブの言及(remark)欄に、以下の文言を記載します(誤字がありますとDASシステムへの格納等を回避できなくなりますので、以下をコピーして言及欄に貼り付けることを推奨します。)。
2025年4月1日以降にRO/JPにオンライン出願されたPCT国際出願に付与されたアクセスコードを利用することで、当該PCT国際出願を優先権主張の基礎として新たな出願をする際、新たな出願を受理する官庁/機関がDAS対応していれば、優先権書類の提出を省略することが可能になります。
新たな出願が、(1)RO/JPに出願するPCT国際出願の場合、(2)日本国特許庁に出願する特許出願・実用新案登録出願の場合、(3)RO/他庁に出願するPCT国際出願の場合、及び(4)外国特許庁に出願する特許出願等の場合の手続は、以下のとおりです。
RO/JPに新たなPCT国際出願をオンラインで行う場合
出願した後、基礎出願に付与されたアクセスコードをIBに通知します。(現行、インターネット出願ソフトでは当該アクセスコードの入力ができませんが、2026年1月から入力可能になる予定です。)
IBへの通知方法については、「WIPO国際事務局(IB)へのDASアクセスコードの通知方法」の2.手続方法(2)IBへのアクセスコードの通知、をご参照ください。
RO/JPに新たなPCT国際出願を書面で行う場合
基礎出願に付与されたアクセスコードを願書の第VI欄に記載します。
日本国特許庁に対して、DASを利用して優先権書類を取得するよう請求するための手続には、出願の際に願書にアクセスコード等を記載する方法と、出願後に手続補正書にてアクセスコード等を補充する方法があります。
願書にアクセスコード等を記載する方法
出願の際に、願書の「【パリ条約による優先権等の主張】」の欄を以下の記載例のように記載して日本国特許庁に提出してください(特許法施行規則様式第26の備考27、実用新案法施行規則様式第1の備考29、意匠法施行規則様式第2の備考32を参照してください)。
手続補正書にてアクセスコード等を補充する方法
出願時に、優先権主張の基礎となる出願番号やアクセスコードを知ることができない場合には、手続補正書にてそれらを補充することができます。
補充可能な期間は、優先権主張の基礎となる出願のうちの最先の出願日から1年4月以内(※)です。
補充する場合には、願書の【パリ条約による優先権等の主張】の欄を補正する「手続補正書」をオンライン又は書面で提出してください。また、書面で「手続補正書」を提出する場合は、「【その他】」欄を設け、そこに「特許法第43条第5項の規定による書面の提出」と記載してください。この場合、電子化手数料は不要となります。オンラインで「手続補正書」を提出する場合は、「【その他】」欄を設ける必要はありません。
※特許法第43条第6項の規定に基づく通知(優先権証明書未提出通知)が行われている場合は、当該通知の発送日から2月以内は【パリ条約による優先権等の主張】の欄の補正を行うことが可能です。
審査業務課 方式審査室 第3担当
電話番号:03(3581)1101 内線 2616
RO他庁にPCT国際出願を出願する場合、基礎出願に付与されたアクセスコードを願書の第VI欄に記載します。当該官庁がオンライン出願を受け付けている場合のアクセスコードの入力方法等は、当該官庁に直接ご確認ください。
ご参考:デジタルアクセスサービス[DAS]の参加庁/機関及び優先権基礎出願番号の記載について
外国特許庁に特許出願等をする場合、当該特許庁がDAS対応しているか、またDASを利用して優先権書類を取得するよう請求するための手続詳細については、当該特許庁に直接ご確認ください。
ご参考:デジタルアクセスサービス[DAS]の参加庁/機関及び優先権基礎出願番号の記載について
Q1. | RO/JPにPCT国際出願をしてからアクセスコードが付与されるまで、どれくらいの期間がかかりますか? |
A1. | 出願から2~3週間程度でアクセスコードが願書に記載した手続者のメールアドレスに通知されます。また、ePCT上でも照会が可能になります。 |
Q2. | 2025年3月までにRO/JPに出願したPCT国際出願についても、アクセスコードは付与されますか? |
A2. | RO/JPに対する手続きでは付与されません。RO/JPに対する手続によりDASに格納され、アクセスコードが付与されるのは、2025年4月以降のオンライン出願となります。 |
Q3. | アクセスコードが通知されるメールアドレスを変更したいのですが(願書に記載したアドレスとは異なるアドレスにしたいのですが)、どのような手続をすれば良いですか? |
A3. | アクセスコードの通知はIBから送られる通知の1つとして、願書に記載した手続者のメールアドレスに送付されます。IBからの通知が届くメールアドレスは、あて名変更届によって変更が可能ですが、既に送付された通知について、新たなメールアドレスには再送されないことにご留意ください。 |
Q4. | PCT国際出願の願書に手続者のメールアドレスを記載していませんが、その場合、どのようにすればアクセスコードを確認できますか? |
A4. | ePCTでの照会が可能です。ePCTで当該国際出願の「一般情報」欄に表示されるアクセスコードを確認するには、「WIPOユーザアカウント」の作成、「高度な認証方法」の設定、及び「ePCTアクセス権」の取得が必要です。当該手続については、「ePCTを利用したWIPO国際事務局(IB)との通信手段」をご参照ください。 |
Q5. | 願書に記載した手続者のメールアドレスにPCT/IB/301(記録原本の受理通知)が届きましたが、アクセスコードが一向に届きません。どのように対処すれば良いですか? |
A5. | アクセスコードはePCTでも照会が可能ですので、まずはePCTでご確認ください(「1.アクセスコードの入手方法」の「(2)ePCTで照会する」をご参照ください。)。ePCTでも照会できないといった場合は、直接WIPO(以下)にお問い合わせください。日本語で対応可能です。ただし、電話やメールでアクセスコードをお伝えすることはできません。 WIPO国際事務局 PCT Operations Division Team7(日本語可)
WIPO国際事務局 PCT Operations Division Team8(日本語可) |
Q6. | 願書に記載した手続者のメールアドレスに誤りがありました。願書のメールアドレスを訂正すれば、新しいメールアドレスにアクセスコードは届きますか? |
A6. | アクセスコードは再送されませんので、ePCTでご確認ください。ePCTで当該案件の「一般情報」欄に表示されるアクセスコードを確認するには、「WIPOユーザアカウント」の作成、「高度な認証方法」の設定、及び「ePCTアクセス権」の取得が必要です。当該手続については、「ePCTを利用したWIPO国際事務局(IB)との通信手段」をご参照ください。 |
Q7. | アクセスコードが通知されたメールを削除してしまいました。どのようにしたら再送してもらえますか? |
A7. | 既に通知されたメールについて、IBから再送はされませんが、アクセスコードはePCTの当該国際出願の「一般情報」欄で確認できます(「1.(2)ePCTで照会する」参照)。 |
Q8. | DASシステムへの格納及びアクセスコードの付与を希望しない旨、願書の言及欄に記載してしまいましたが、当該記載を撤回することはできますか?もしくは、出願後にアクセスコード付与請求をすることはできますか? |
A8. | 当該記載の撤回、及び出願後のDASシステムへの格納及びアクセスコードの付与請求はできません。よって、当該案件にかかる優先権証明書が必要となる場合、DASを利用した手続はできません。 |
Q9. | DASシステムへの格納及びアクセスコードの付与を希望していなかったにも関わらず、願書の言及欄にその旨を記載しませんでした。DASシステムから削除することはできますか? |
A9. | DASシステムからの削除はできませんので、DAS利用を希望しない場合には願書の言及欄に指定文言を必ず記載してください(「1.(2)ePCTで照会する」」参照)。 |
Q10. | 中途受任をしたPCT国際出願がありますが、アクセスコードが分かりません。どのようにしたら知り得ますか? |
A10. | ePCTでの照会が可能です。ePCTで当該案件の「一般情報」欄に表示されるアクセスコードを確認するには、「WIPOユーザアカウント」の作成、「高度な認証方法」の設定、及び「ePCTアクセス権」の取得が必要です。当該手続については、「ePCTを利用したWIPO国際事務局(IB)との通信手段」をご参照ください。 |
Q11. | DAS対応していない国や官庁に優先権書類を提出する際、ePCTに格納された認証謄本をダウンロードして、優先権書類として提出することはできますか? |
A11. | 当該国・官庁に直接お問い合せください。なお、日本国指定官庁に対しては当該認証謄本をIBの電子署名付きPDFファイルとしてダウンロードして、優先権証明書の写しとして提出することが可能です。詳細はQ12.をご確認ください。 |
Q12. | 優先権書類提出について、国際段階での手続を失念してしまったため、日本に国内移行するに際し、日本国指定官庁に対し、特許法施行規則38条の14に基づき「優先権証明書提出書」にて提出する予定です。「優先権証明書提出書」には、アクセスコードを記載することで、優先権書類の提出を省略できますか? |
A12. | 日本国指定官庁に対する優先権書類提出手続において、アクセスコードは利用できません。「優先権証明書提出書」に優先権証明書(写しを含む)を添付して、書面または電子特殊申請にて提出いただく必要があります。(優先権主張の基礎となる出願が、2025年4月1日以降のPCT国際出願の場合、当該案件はePCTに「認証謄本」として格納されますので、当該「認証謄本」をIBの電子署名付きPDFファイルとしてダウンロードし、優先権証明書の写しとして日本国指定官庁に提出することが可能です。) ![]() |
Q13. | RO/JPにPCT国際出願した場合、DASシステム及びePCTシステムに格納される認証謄本とはどのようなものですか? |
A13. | RO/JPにPCT国際出願した時点の出願の認証謄本です。出願後に当該出願の書誌事項や出願内容に変更が生じても、各システムに格納された認証謄本にその変更は反映されません。 |
Q14. | 2025年4月1日以降にRO/JPにPCT国際出願をし、アクセスコードを取得しました。その後、出願人Aから出願人Bへの名義変更を行いました。出願人Bが当該PCT国際出願を優先権主張の基礎として新たな出願をする際、アクセスコードを利用して、優先権書類の提出を省略することはできますか? |
A14. | できます。ただし、当該アクセスコードで第二庁等が取得する優先権書類の表紙に記載される出願人は、基礎出願のPCT国際出願を出願した時点の出願人Aになります。名義変更後の出願人Bが表紙に記載される優先権書類を第二庁等に提出する必要がある場合は、アクセスコードは利用せず、RO/JPに対して従来の手続(「国際出願の書類の証明の請求書」や「優先権書類送付請求書」等の提出)を行ってください。 |
Q15. | 2025年4月1日以降にRO/JPにPCT国際出願をし、アクセスコードを取得しました。その後、明細書に誤記があることが判明し、明らかな誤りの訂正請求書を提出し、訂正が認められました。当該PCT国際出願を優先権主張の基礎として新たな出願をする際、アクセスコードを利用して、優先権書類の提出を省略することはできますか? |
A15. | できます。ただし、当該アクセスコードで第二庁等が取得する優先権書類には、明らかな誤りの訂正請求書は含まれません。明らかな誤りの訂正請求書が含まれる優先権書類を第二庁等に提出する必要がある場合は、アクセスコードは利用せず、RO/JPに対して従来の手続(「国際出願の書類の証明の請求書」や「優先権書類送付請求書」等の提出)を行ってください。なお、明らかな誤りの訂正請求書の他、優先権主張の追加申請書、手続補正書(6条・27条の3第1項(優先権主張の自発補正)・28条第1項(優先権主張の命令による補正))、手続補充書(引用補充)(29条の2第1項、29条の3)、手続補充書(欠落補充)(29条の6第1項、29条の7)についても、アクセスコードを利用する場合の優先権書類には含まれませんので、ご留意ください。 |
PCT国際出願にかかるDASフロー
※PCT出願Aのアクセスコードを取得後、PCT出願Aを基礎としたPCT出願Bをする際にDAS利用する場合のフロー図
[更新日 2025年3月31日]
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審査業務部出願課国際出願室受理官庁 電話:03-3581-1101 内線2643 |