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WIPO国際事務局(IB)へのDASアクセスコードの通知方法

1. 概要

優先権主張を伴う、特許協力条約(PCT)に基づく国際出願(以下、「PCT国際出願」)をする場合、優先権書類については、世界知的所有権機関(以下、「WIPO」)の国際事務局(以下、「IB」)に対し、デジタルアクセスサービス(以下、「DAS」)を利用して入手するよう請求することにより、優先権書類の提出を省略することができます(PCT規則17.1(bの2))。IBへの当該請求は、PCT国際出願の国際公開の日前までに、DASを利用するために必要なコード(以下、「アクセスコード」)を出願人がIBに通知することで行います。

2. 手続方法

(1)事前準備

第1ステップ:優先権書類がDASから入手可能であるかの確認

IBに取得請求する優先権書類がDASの参加国によりDASへ提供されているか確認します。
DASの参加国に関する最新の情報は、WIPO国際事務局のウェブサイト(外部サイトへリンク)にて御確認ください。

日本国特許庁がDASに提供している優先権書類
  • 日本国特許庁への特許出願、実用新案登録出願、及び意匠登録出願(2020年1月1日以降)に係る優先権書類
  • 日本国受理官庁へのPCT国際出願(2025年4月1日以降にオンライン出願されたもの)に係る優先権書類
    • ※ 日本国指定官庁に対して国内移行手続を行ったPCT国際出願及び、国際意匠登録出願に係る優先権書類は対象外です。
  • 日本国特許庁に提出された優先権書類
    (日本国特許庁への特許出願又は実用新案登録出願に対して提出された優先権書類)
    • ※ 日本国特許庁を受理官庁としてPCT国際出願(日本国に対して国内移行手続を行ったPCT国際出願を含む)を行った場合であって、当該PCT国際出願に対して提出された優先権書類は対象外です。
    • ※ 日本国特許庁への意匠登録出願に対して提出された優先権書類は対象外です。

第2ステップ:アクセスコードの付与請求

アクセスコードの付与請求は、優先権書類を提供する国(官庁)に対して行います。

日本国特許庁へのアクセスコード付与請求に関する手続については、「DASを利用する際に日本国特許庁に行う手続について」の「1. 日本国特許庁を第一庁としてDASを利用する場合の手続」を御覧ください。

また、日本国受理官庁へのPCT国際出願(2025年4月1日以降にオンライン出願されたもの)に係るアクセスコード付与については、「日本国受理官庁に出願するPCT国際出願のDAS対応について」を参照してください。

なお、その他の国(官庁)におけるアクセスコード付与請求に関する手続については、WIPO国際事務局のウェブサイト(外部サイトへリンク)から各国特許庁のホームページを参照してください。

(2)IBへのアクセスコードの通知

優先権書類を提供する国(官庁)からアクセスコードが付与されたら、PCT国際出願が国際公開される日前までに、IBに対してアクセスコードを通知します。

1. 国際出願と同時に通知する場合

PCT国際出願の願書第VI欄にあるIBに対する優先権書類の取得請求のチェックボックスにチェックし、アクセスコードを記載してください。

※日本国受理官庁へのPCT国際出願(2025年4月1日以降にオンライン出願されたもの)に係るアクセスコードは、現在、インターネット出願ソフト上で入力することができないため、以下「2.国際出願後に通知する場合」の手続を行ってください(紙願書の場合はアクセスコードを記載することで、通知手続完了です。)。

2. 国際出願後に通知する場合

国際出願後に通知するケースとしては、以下が想定されます。

  • PCT国際出願の出願時にアクセスコードが付与されていない場合
  • PCT国際出願の出願時にアクセスコードを願書に記載しなかった場合
  • 日本国受理官庁へのPCT国際出願(2025年4月1日以降にオンライン出願されたもの)に付与されたアクセスコードの場合

上記ケースでは、国際公開の日前までに以下のいずれかの方法でアクセスコードをIBに通知してください。

なお、出願後に通知する場合においては、願書第VI欄にあるIBに対する優先権書類の取得請求のチェックボックスにはチェックを入れずに出願することが望ましいです(当該チェックボックスは、アクセスコードを記入する場合にチェックします。)。

(a)ePCT(IBが提供するオンラインポータルサイト)のアクション機能を利用して通知する(推奨)

ePCTアクション機能とは、ePCT上に用意されたオンラインフォームに入力することで、書類作成及びIBへの提出ができるサービスです。ePCTアクション機能を利用してアクセスコードを通知する場合には事前設定が必要ですが、指定されたオンラインフォームにアクセスコードを入力するだけで通知が完了することに加え、入力したアクセスコードが間違っているとエラーメッセージが表示されるため、誤入力を回避できます。また、以下(b)及び(c)の方法に比べ、IBにおいて迅速に処理されます。

ePCTアクション機能を利用するための事前設定(WIPOユーザアカウントの作成・高度な認証の設定・該当案件へのアクセス権の設定)については、「ePCTを利用したWIPO国際事務局(IB)との通信手段」をご参照ください。

(b)ePCTドキュメントアップロードを利用して通知する

ePCTドキュメントアップロードとは、予め作成したPDF形式の書類をePCT上にアップロードすることで、IBへの書類提出ができるサービスです。本サービスでアクセスコードを通知する場合は、書類のカテゴリーから「一般の通信」を選択し、PDF形式のDASによる優先権書類の取得請求書類(当該書類には国際出願番号と優先権に対応するアクセスコードを記載すると共に、IBに対して優先権書類を取得請求する旨を記載。日本語出願であれば日本語も可。英語で記載する場合は以下(c)の書簡記載例を参照。)をアップロードします。なお、本サービスの利用にあたっては、WIPOユーザアカウントを事前に取得しておく必要があります。

(c)郵送で通知する

国際公開の日前までにIBに届くよう、書簡を送付します。

書簡は英語で作成し、国際出願番号と各優先権に対応するアクセスコードを記載すると共に、IBに対して優先権書類を取得請求する旨を記載します。

3. DASに関するその他の情報

[更新日 2025年4月21日]

お問い合わせ

【PCT国際出願手続における優先権書類の提出に関すること】

審査業務部出願課国際出願室受理官庁

電話:03-3581-1101 内線 2643

お問い合わせフォーム

 

【DASのアクセスコード付与請求手続に関すること】

審査業務部審査業務課調整班

電話:03-3581-1101 内線 2618

 

【デジタルアクセスサービス(DAS)に関すること】

特許庁総務部総務課 情報技術統括室 情報技術国際班

電話:03-3581-1101 内線 2505

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