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平成29年7月に発効する特許協力条約に基づく規則(PCT規則)の改正の概要

平成29年6月

平成29年(2017年)7月1日に発効するPCT規則改正についてお知らせします。

主な改正内容は、1. 補充国際調査の請求期限延長(第45規則の2)、2. 先の調査結果等の受理官庁(RO)から国際調査機関(ISA)への送付、3. 国内段階情報の通知義務、4. 不適合規定の削除です。

なお、本記事はPCT規則改正の概要を説明する趣旨で作成されています。実際には、日本国特許庁が実施しない改正も含まれています

1. 補充国際調査の請求期限延長(第45規則の2)

PCT国際出願の出願人は、出願時に選択したISAによる国際調査に加えて、別のISAによる国際調査(補充国際調査)を求めることができます。

従来、補充国際調査の請求期限は優先日から19ヶ月とされていたところ、その利用が低調にとどまっていることから、同制度の活用を促すため、請求期限を優先日から22ヶ月に延長することになりました。

本改正は、国際出願日にかかわらず、平成29年7月1日において改正前の同規則に基づく請求期限が満了していない国際出願に適用されます。

なお、国際調査機関としての日本国特許庁は、補充国際調査を行っておりません。

2. 先の調査結果等の受理官庁から国際調査機関への送付(第12規則の2、第23規則の2及び第41規則)

従来、ISAによる国際調査報告の作成に当たり、ROが先の出願の調査結果を保有する場合、当該調査結果は出願人の請求によりROで作成され、ISAへ送付されることになっていました。しかし近年、多くの庁で審査期間が短縮され、国際調査が行われる時点で先の出願の調査・分類結果が利用可能となるケースも増えていると考えられます。

そこで、ROが国際出願の優先基礎出願に係る調査結果及び分類に関する情報を保有する場合、出願人の請求の有無にかかわらず、当該ROは当該先の調査結果等をISAに送付することになりました。

なお、PCT及び特許法の規定に基づくROの守秘義務との関係から、調査結果の送付は原則として先の出願が国際公開又は国内公開されている場合に限定されます(日本は、規則23の2.2(e)に基づく通告を行っています)。

本改正は、平成29年7月1日以降を国際出願日とする国際出願に適用されます。

上記に関する日本の国内制度の変更点については、こちら(特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律施行規則の一部を改正する省令(経済産業省令第48号))をご参照ください。

3. 国内段階情報の通知義務(第86規則及び第95規則)

国際出願の国内段階情報は、国際出願された技術の各指定国における保護状況を知るために有用です。そのため、現在でも、当該情報は一部の指定官庁から国際事務局に送付され、WIPOのウェブサイト上で公開されています。しかし、この提供は各官庁の任意で行われるため、情報の利用可能性が限定されているのが現状です。

そこで、各指定官庁が国際事務局に提供すべき国内段階情報の項目等を明確化するとともに、提供を義務とする改正がなされました。

なお、本改正は、原則として平成29年7月1日以降を国際出願日とする国際出願に適用されますが、条約第22条又は第39条に基づく行為の日が平成29年7月1日以降である場合、平成29年7月1日より前の国際出願日の国際出願にも適用されます。

4. 不適合規定の削除(第4規則及び第51規則の2)

現在、適用を受ける加盟国がなくなったことにより経過措置規定が削除されました。


最新の規則等や各種様式はWIPO国際事務局のウェブサイトをご参照ください。

[更新日 2017年6月28日]

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